パリの在住の日本人に直接質問してみてください。
ロコに質問する
「フリーランスや芸術家を守る制度や税制」があれば教えてください。
ロコタビ編集部のけいと申します。
現在ロコタビでは、さまざまなテーマでロコのみなさまの声を集め、
日本に発信する活動を進めております。
今回「フリーランスや芸術家を守る制度や税制」があれば、ぜひお聞きしたく質問させていただきました。
現在、日本では新たな税制「インボイス制度」の導入により、賛否が分かれています。
中でもフリーランスや芸術家などの収入を圧迫する懸念から、50万を超える署名が集まっている状況です。
そこで、税制に限らずそもそも各国では「フリーランスや芸術家を守る制度や税制」がどのようなものがあるのか。
そもそもあるのかどうかを含め、ぜひお聞きしたくご連絡いたしました。
ご存知の方、ぜひお気軽にコメントをいただけると嬉しいです!
※ご回答に応じて、追加ヒアリングなどをご相談する場合がございます。
頂いた回答はロコタビのnoteやリリース記事に掲載させていただく場合がございます。
お気軽にご回答いただけると嬉しいです。心よりお待ちしております!
2023年9月30日 3時23分
クマさんの回答
ロコタビ編集部のけい さん
ご質問の点、「フリーランスや芸術家を守る制度や税制」は、フランスではありません。
俗にいうフリーランスというものは、商取引上、先ず存在しない、と言うより、個人事業主で無ければ活動が出来ない形です。 この個人事業者とは、労働許可を取得して、その上で個人の会社を設立して初めて事業が出来る事となります。 これを持ち合わせ無ければ、何処かに雇われる以外、商取引はできません。 Invoice制度に付いて記載されてますが、フランスの商取引は全てInvoice = Facture(フアクチュールと言います)の発行無しでは成り立ちません。 Invoiceを発行できるのは会社形態が一般的で、1個人ではできません、、、それ故、個人事業主=個人会社オーナーと言っているのです。
芸術家、、、極めて曖昧な呼称ですね、フランスの場合、滞在許可の申請に当たって、それまでの芸術活動の実績を添えて申請を出しますと、審査の上でArtistと言うタイトルが許可される事があります (全て許可される訳ではありません)、、、それが取れて初めて芸術家=芸術関連従事者として活動出来ます。 ここでも、個人会社を設立すれば、個人事業主としての取り扱い、個人の会社がない場合では、Honoraire (謝礼・報酬金)という形で支払いが行われます。 これは、医師、弁護士、公証人、会計士など特殊技能の仕事に携わる人と同じ扱いです。 全ての職種・事業形態も適応される税制も、通常の制度と同様で、適用に特例はありませんし、特例を以て守る=優遇する職種もありません。
但し、この特殊技能の仕事というのは全て国の認可=ライセンスを得て初めて公式に名乗る事が出来るものですから、何らかのフリーランス云々でも、この公的ライセンスがない限り無効です。
また個人事業を設立し得ない個人の場合は、後は何処かに雇われて報酬を得る形 = 労働契約しかありません。
この個人事業者 = Auto-Entrepreneur (オート・アントルプルナーと言います)は、現況極めて設立し易い制度となってますが、先ず通常の労働許可証を保有し、事業の約款を定めて、商工会議所に申請して、審査の上、認可されれば成立します。 個人でも会社組織ですから、事業内容 ー バランスシートも年度末に出す義務があり、経費の取り扱い、事業税も通常の会社と同様の制度、場合により会計士も使うこととなります。
以上の様に、俗にいうフリーランス何某、芸術家何某も、労働や商取引が絡む限り、通常の税制の範囲内で取り扱いされる事柄で、これと言った特別な優遇措置は全くありませんし、金銭の動く商行為である限り、全て何某かの枠に収まる訳で、それに準じた経済制度、税制度に従い扱われます。 何らかの形を例外とする必要も何処にも無い訳です。
Invoice制度に付いて言及しますと、(上記の通り) フランスの商取引は昔から全てInvoiceでの取扱です ー それが介在しない商行為は、全て闇取引= 脱税行為となります。 健全な商行為を成立させる為にはInvoice制度が必須です。 現在日本で批判のあるInvoice制度ですが、要は今まで曖昧に済ませてきた脱税のお目溢し部分が明るみに出る故の抵抗・非難でしょう。 特に曖昧な仕事をしてきた、フリーランス何某や、自称・他称芸術家何某などは、この制度により圧迫されて困るのではなく、明るみに出されると困る部分が多くあるからでしょう、収入が圧迫などされません、明確化、顕在化されるだけです。 どんな職種であれ商業や税制のあり方が、明確に為るこの制度を導入することが、社会経済の健全化をより促進すると思いますね。
以上が、フランスの事情です。
2023年10月1日 16時7分