上海の物価・お金事情を徹底解説!~旅行予算、食費、土産の価格など
【中国・上海在住者執筆】上海は日本よりも物価が安い都市ですが、「中国=格安」という過去のイメージで上海に来ると衝撃を受けることになるかも? 今回は旅行にかかる平均的な予算や、お得にお買い物ができる方法、上海で人気のレストランやお土産の相場などを徹底的にご紹介します。中国の値段・価格は変わりやすいので、常に最新の物価をチェックして旅の予算を考えておきましょう。
2019年現在の物価指数・消費税率は?
中国・上海の物価は年々上がっています。上海の現在の物価指数や消費税率を日本や他のアジアの都市と比較しながらご紹介します。
上海の物価は日本(東京・大阪)より安い?
世界中の生活関連データを集めたデータベースサイトNUMBEOによると、2019年の上海の物価指数順位は、433都市中242位となっています。
東京や大阪よりも順位がかなり下で、香港、シンガポール、台北、バンコクといったアジアの主要都市と比べても全体的な物価がかなり安いことが分かります。
また、北京、広州、深センなどの中国の他の主要都市と比較すると、上海が国内で最も物価が高くなっています。
世界都市別物価指数ランキング(2019)
順位 | 都市名 | 物価指数 | 地代指数 | 食料費指数 | 外食費指数 |
---|---|---|---|---|---|
18 | 東京 | 88.45 | 37.16 | 88.87 | 54.90 |
33 | 大阪 | 79.49 | 22.43 | 77.19 | 48.90 |
40 | 香港 | 78.14 | 76.83 | 80.30 | 56.08 |
105 | シンガポール | 69.79 | 53.10 | 57.48 | 46.75 |
180 | 台北 | 63.09 | 33.55 | 73.00 | 32.65 |
216 | バンコク | 55.25 | 26.35 | 58.32 | 30.42 |
242 | 上海 | 50.29 | 32.22 | 54.07 | 39.71 |
281 | 北京 | 43.71 | 32.68 | 39.80 | 36.62 |
出典:NUMBEO - Cost of Living Index 2019
よって、旅行者や長期・短期滞在者にとっては上海の物価は日本で生活するよりも安く感じると言えるでしょう。
上海の消費税(増値税)・税率は?
中国では、日本の消費税に相当する税金を増値税と呼びます。
税率はモノやサービスの種類によっていくつかに別れていますが、大まかに以下の2つになっています。
- モノに対する税率:16%
- サービスに対する税率:6%
ちなみに中国にも「消費税」はあります。中国の「消費税」は、煙草や酒・アルコールといった嗜好品に課される税金で、以下のような税率になっています。
- 煙草類:36~56% + 0.003元/本
- 酒・アルコール:20% + 0.5元/500g
日本の消費税が8~10%なので、税金に関しては中国の方が若干高めといえますね。
中国の通貨・為替レート
中国・上海で使われている通貨は人民元(通称:人民幣、RMB : Rénmínbì、CNY : Chinese Yuan)です。
通貨の記号は日本と同じ「¥」を使いますが、「元(Yuan)」(口語では「クァイ(Kuai)」とも)と記載されていることもあります。
通貨:人民元
現在流通している紙幣・硬貨は以下の通り。
- 紙幣(10種類):100元、50元、20元、10元、5元、2元、1元、5角、2角、1角
- 硬貨(6種類):1元、5角、1角、5分、2分、1分
紙幣の全てに毛沢東の肖像が描かれています。
各単位の関係は「1元 = 10角 = 100分」となっていますが、「分」は現在ではほとんど流通しておらず、事実上使われていません。
為替(日本円・人民元)の推移
2019年は1元15円から16.5円で推移しています。
2000年代ごろから1元12.5円から15.5元あたりをロングスパンで行ったり来たりしていましたが、ここ数年の中国の驚異的な経済成長により、ここまでレートが上がりました。
中国へ旅行へ行くなら円高(日本円の価値が高い)のときの方がお得です。
「1元=〇〇円」の〇〇の数字が小さければ小さいほど、日本円の価値が高いということなので、日本円を中国元に両替して旅行するのがお得ということになります。
同じ10万円でも、1元15円と1元16円では両替したときに400元(約6,000円)以上の差が出るので、為替の影響は侮れないですね。
なお、この記事でご紹介する値段や相場は1元16円で換算しています(小数点以下切り上げ)。
参考サイト:Investing.com CNY/JPY
上海旅行(3泊4日)の旅費の予算目安
では、上海旅行に行くのに一体いくらくらい準備すればよいのでしょうか? シーズンや旅程、現地でのホテルのランクやアクティビティによっても費用は変わりますが、3泊4日でだいたい5~12万円の予算が必要と考えておきましょう。
以下に3泊4日の大まかな旅費の目安を「格安旅行」と「プチ贅沢旅行」の2つのパターンでご紹介します。
参考サイト:スカイスキャナー、Booking.com
とにかく低予算で旅行したい!「格安旅行3泊4日」
航空券や宿泊費をかなり安く抑えれば、5万円以下で旅行することも可能です。
項目 | 費用(元) | 費用(円) |
---|---|---|
往復航空券(エコノミー・直行便) | 2,000元~ | 32,000円~ |
宿泊費(ホステル) | 1泊180元~×3泊 | 1泊2,880円~×3泊 |
食費(屋台・ファストフードなど) | 1日30元~×4日 | 1日480円~×4日 |
観光費・移動費 | 1日100元~×3日 | 1日1,600円~×3日 |
合計 | 3,260元~ | 52,160円~ |
ちょっとリッチに旅行したい!「プチ贅沢旅行3泊4日」
ホテルもそこそこのところに泊まりたい、ご飯も美味しいランチ・ディナーを堪能したいのであれば、最低10万以上は必要になります。
項目 | 費用(元) | 費用(円) |
---|---|---|
往復航空券(日系など・直行便) | 3,500元~ | 56,000円~ |
宿泊費(3・4つ星ホテル) | 1泊650元~×3泊 | 1泊10,400円~×3泊 |
食費(レストランなど) | 1日300元~×4日 | 1日4,800円~×4日 |
観光費・移動費 | 1日300元~×3日 | 1日4,800円~×3日 |
合計 | 7,550元~ | 120,800円~ |
上海の食費はいくらくらい?
世界各都市の物価の指標となるのはマクドナルドやスターバックスといったチェーン店の値段です。日本でもお馴染みのチェーン店から、普通の上海人が食べているランチ・ディナーの相場を調べてみました。
チェーン店の価格の目安
上海のスターバックスにはショートサイズがありません。
チェーン店の価格は日本とあまり変わらないですね。
- スターバックスコーヒー(トールラテ):27元(432円)
- マクドナルド(ビックマック単品):17元(272円)
- 一風堂(白丸元味ラーメン):39元(624円)
- はなまるうどん(ぶっかけうどん):23元(368円)
- サイゼリア(野菜ときのこのピザ):22元(352円)
ランチの価格の目安
どういうお店で食事するかによって、旅の予算は大幅に変わります。
レストランや個人経営のお店は、日本より少し安いくらいです。食費を抑えたければ屋台や食堂がおすすめです。
- ローカル食堂で蓋交飯(おかずのせご飯):10元〜(160円〜)
- コンビニでおにぎり(お弁当、パン等)+ペットボトルのお茶:15元〜(240円〜)
- 日本料理店で定食ランチ(焼き魚、生姜焼き定食など):40元〜(640円〜)
- カフェでパスタ+ドリンク:60元〜(960円〜)
- おしゃれなレストランのランチセット:80元〜(1,280円〜)
ディナー・上海名物の価格の目安
以下のようなちょっといいお店でディナーを食べる場合の相場は1人200元(約3,200円)です。
- ホテルのビュッフェ
- 日本人経営の和食店で食事とお酒
- 広東料理店でのんびり飲茶
- イタリアンレストランでおつまみとワインなど
最近は、客単価1,000元(約16,000円)を超えるお店、1杯100元(約1,600円)を超えるカクテルバーなども珍しくなくなりました。上海人は、食に惜しみなくお金を使う人が多いようです。
上海名物の上海蟹は、ローカル店で単品を頼むと1パイ100元(1,600円)前後です。
- 「南翔饅頭店」の小籠包(12個/1階テイクアウト価格):22元(352円)
- 「小楊生煎」の生煎(焼き小籠包/4個入り):6元(96円)
- 「阿娘麺」の黄魚麺(イシモチ入りラーメン):25元(400円)
- 「夜上海」「老洋房」「老吉士」「圓苑」など有名上海料理店で食事:150元〜(約2,400円〜)
- 「成隆行蟹王府」で上海蟹料理のコース:388元(約6,208円)
上海の交通費は格安!
交通費に関しては、タクシー・バス・地下鉄どの交通機関をみても日本より格段に安いです。最も便利な移動手段はタクシーです。
近場を散策するくらいなら、レンタル自転車が30分1元(16円)と格安なのでおすすめ。
タクシーの料金
中国・上海のタクシー料金は日本と比べてかなり安いので、どんどん利用しましょう。
初乗りは3kmまでとなっており、以降1kmごとに3.1元(50円)加算というシステムになっています。深夜23時〜5時までは3割増の料金です。
- セダン型:初乗り14元(224円)
- ワゴン型:初乗り16元(256円)
⇒【関連記事】上海のタクシーの乗り方ガイド〜初乗り料金やカード払い、便利なアプリなど
バスの料金
路線バスの場合は一律2元(32円)となっています。
ちなみに子供は親同伴の場合、130センチ以下なら無料で乗車することができます。
⇒【関連記事】上海のバス乗り方ガイド〜路線図、料金、おすすめの観光ルート
地下鉄の料金
上海地下鉄の料金は、行き先によって3〜9元(48~144円)ほど。身長130cm以下の子どもは無料です。
また、交通カード「上海公共交通卡」という日本のSuicaのように利用できるICカードもあります。
⇒【関連記事】上海の地下鉄ガイド〜路線図、料金、交通カードや乗り換えアプリ
上海の観光費用は高い?
上海の観光スポットは価格の差が激しいです。お寺や庭園の拝観料、入場料は10元(約160円)が相場ですが、蘇州などの世界遺産庭園(拙政園/4〜10月のシーズン価格)は、なんと90元(約1,440円)! 同じような観光地の入場料が9倍も違うなんて、日本では考えられないですよね。
- 「豫園」入場料:30元(480円)
- 「上海野生動物園」入場料:130元(2,080円)
- 「東方明珠塔」一番上までのチケット:220元(3,520円)
- 「黄浦江ナイトクルーズ」(45分):154元(2,464円)
- 「上海雑技団」鑑賞チケット:380元(6,080円)
上海ディズニーランドのチケット料金・参考費用
上海の人気観光スポット「上海ディズニーランド」に行く場合の費用は、移動費抜きで700元~(11,200円~)と考えておきましょう。
- 移動費(浦東国際空港からタクシーで):40~50元(640~800円)
- 入園料金(1DAYチケット):399元~(6,384円~)
- 食事(ランチ):100~200元(1,600~3,200円)
- お土産(イアーキャップ):135元(2,160円)
シーズンによってチケット料金が変動するので、あくまで目安です。詳しくは以下の記事を参考にしてください。
あわせて読みたい参考記事
上海の物価~生活用品や人気のお土産の値段相場
飲み物・食料品
飲料水やビールなどはメーカーによって5〜6倍値段の差があります。
- 飲料水(500mlペットボトル):3元(48円)
- コーラ(300ml):2.5元(40円)
- 缶ビール:5元(80円)
- 食パン(一斤):8元(128円)
- インスタントラーメン(5袋):18元(288円)
日用品
中国製は安いですが、その分品質は悪いです。日本製のものは中国製と比べるとかなり高くなります。
- シャンプー(中国製・1,000ml):20元(320円)
- シャンプー(日本製・600ml):60元(960円)
- トイレットペーパー:34元(544円)
- 風邪薬:20元(320円)
お土産
おすすめはお茶の専門店に売っている茶葉。店員さんにいろいろな症状に効くお茶のことを相談しながら試飲できます。
- アカシア蜂蜜:40元(640円)
- ご当地ポッキー(セット12個入り):128元(2,048円)
- 練り香水:25~30元(400~480円)
- お茶の葉:15~50元(240~800円)
上海でお得に買い物する方法
最後に上海で買い物や食事するときにお得になる方法をご紹介します。これを知っているだけで旅費がぐんと抑えられますよ!
節約したいなら中国産を
上海は外資系の商品や輸入品など、生活必需品以外の「ゼイタク品」が日本より高く、逆に一般庶民の日常生活に欠かせないもの、国産品などは日本より安い値段になっています。
特に外資ブランドの値段の高さには驚きます。分かりやすいのは「無印良品」の値札です。
パッケージには368円とありますが、商品棚に貼られた値札の中国価格は37元(592円)!
なんと普通に日本で買う場合の6割増しにもなってしまうんですね。
品質をそこまで気にしないようなものであれば、中国産のものを買うとかなり節約できます。
値段交渉・値切る
中国でのお買い物というと、値切ることをイメージする方も多いと思います。でも日本人が値段交渉について誤解していることも多いです。以下のようなことに注意して値切ってみましょう。
- 値札が付いている商品は値切れない!
- 市場、ローカルな土産物店など、値切れるのは値札のないお店だけです。
- 「安くして」などの中国語は覚えなくていい!
- いちばん効くのは「無言」と「無表情」。電卓のみの攻防戦にチャレンジを。
- 数元安くなった程度では値切ったことにならない!
- 雑居ビルにある土産物市場なら、半額かそれ以下になるのが普通です。
割引対象・時間を狙う
街角バーに行くなら、夕方のハッピーアワーを狙いましょう!
他にも街角でよく見かける割引用語として「买一送一(一つ買ったらもう一つ無料)」や「8折(20%OFF)」などがあります。
割引を利用するだけで20~50%もお得になるんですから、使わない手はないですね。
上海の物価まとめ
基本的な物価は日本より安いですが、「中国=格安」という時代はすでに終わりつつあります。旅行にきてみて「意外と高くてビックリ!」なんてことにならないように心もお金もちゃんと準備しておきましょう。
どこでゼイタクするか、どこを切り詰めるかを考えつつ、賢くお得に上海旅行を楽しんで下さい。
旅行するならまだ安い今のうちですよ!
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