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香港の地下鉄MTR乗り方ガイド〜路線図、料金、時刻表、チケット購入方法、アプリ

目次

【香港在住者執筆】香港旅行の強い味方、地下鉄MTRの乗り方を徹底解説! 便利な乗り換えアプリや、お得なオクトパスもご紹介します。
東京都の約半分の大きさとも言われているほど狭い香港ですが、さまざまな交通網が張り巡らされています。その中でも時間に正確で、目的地までいちばん早く到達できるのがMTR。現在は地下鉄以外にも、香港と中国の広州を結ぶ旧・九広鉄道(KCR)、新界エリアを走る軽便鉄道のほか、ディズニーランドリゾート線、エアポートエクスプレスなどもMTRの運営下に置かれ、今なお新線建設・区間延長工事を行なっています。

香港の地下鉄MTR(港鐵)

香港の地下鉄MTRは、Mass Transit Railwayの略で、広東語では港鐵。香港最大の鉄道路線システムで、全11路線、93駅を営業し、香港の住民だけでなく旅行者にも欠かせない交通手段となっています。

MTRホームページ

路線図や路線、乗換案内などの情報を調べられます(英語対応)。
http://mtr.com.hk/

MTRの路線図と路線、時刻表

路線図

出典:MTRホームページ
MTR路線図ダウンロード

路線

港島線(アイランド線) ※路線図内の青色のライン 運転間隔:1.9~6分

香港島の西にある堅尼地城と、東の柴湾の間を結びます。途中、観光客に人気の中環(セントラル)、湾仔(ワンチャイ)、銅鑼湾(コーズウェイベイ)、北角(ノースポイント)などを通るため、観光客の利用率が高い路線です。

出典 : Instagram


南港島線(サウスアイランド線) ※路線図内の黄色のライン 運転間隔:3.3~6分

金鐘(アドミラルティ)から、香港仔海峡を渡り海怡半島(サウスホライズン)駅までをつなぐ路線。現在、途中の黄竹坑駅から香港大学までの分線建設を計画中。

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荃湾線(チュンワン線) ※路線図内の赤色のライン 運転間隔:2~5.5分

九龍(カオルーン)の荃湾を九龍半島を西北につなぎ、尖沙咀(チムサーチョイ)、佐敦(ジョーダン)、旺角(モンコック)、深水埗(シャムスイポー)など、九龍側の人気エリアを走ります。香港島の中環(セントラル)と金鐘(アドミラルティ)にも停車するため、九龍ー香港の移動には最適。

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観塘線(クントン線) ※路線図内の緑色のライン 運転間隔:2.1~5.9分

油麻地(ヤウマテイ)から調景嶺まで九龍半島を東西につなぐライン。黄太仙や九龍湾などを通るため、九龍の下町エリアの観光に便利。何文田や黄埔駅にもアクセスできます。

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東涌線(トンチョン線) ※路線図内のオレンジ色のライン 運転間隔:4~12分

香港駅と巨大大仏のあるゴンピン360やアウトレットモールで有名な東涌駅を結んでいます。エアポートエクスプレスと並行して走っていますが、空港には乗り入れていません。なお香港駅と中環駅は構内で繋がっており、移動時間は5分強。

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西鉄線(旧KCR) ※路線図内の紫のライン 運転間隔:2.9~7分

ホンハムと郊外の住宅地である元朗や屯門をつなぐライン。新界地区では古い遺跡や建物、B級グルメなどのほか、ディープな香港が楽しめます。なお尖沙咀駅と尖東駅は地下でつながっています。

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將軍澳線(チョンクァンオー線) ※路線図内の薄紫のライン 運転間隔:2.2~13.8分

港島線の北角と郊外の住宅地である將軍澳エリアをつないでいます。分線の康城(ロハスパーク)駅へは交互乗り入れです。

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馬鞍山線(旧KCR) ※路線図内の茶色のライン 運転時間:3~8分

郊外の住宅地、烏溪沙と大圍をつなぐライン。香港文化博物館や車公廟に行く場合はこのラインを利用すると便利です。

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東鉄線(旧KCR) ※路線図内の水色のライン 運転間隔:3~14分

2007年にMTRに統合された旧KCR(九廣鉄路)路線。ホンハム駅と中国国境の羅湖駅または落馬洲をつなぎます。落馬洲ではシンセンの地下鉄駅とつながっています。沙田や中文大学、郊外の住宅地を通ります。

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迪士尼線(ディズニーランドリゾート線) ※路線図内のピンク色のライン 運転間隔:4.5~10分

ディズニーランドリゾートへの専用ライン。窓や吊り革がミッキーの形をしているほか、車内にはディズニーのキャラクターが飾られているなど、特別仕様のデザインです。


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機場快線(エアポートエクスプレス) ※路線図内の青緑色のライン 運転間隔:10~12分

九龍駅、青衣(チンイー)駅を経由し、香港駅と香港国際空港を約23分でつなぐ専用電車。空港発香港行きは5:54~0:48まで運行しています。利用者は香港駅と九龍駅でインタウンチェックインが可能(一部の航空会社のみ)、また車内では無料Wi-FIが利用できます。

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広深港高速鉄道(香港新幹線) ※路線図内の薄茶色のライン 運転間隔:5~30分

2018年9月に開通した、中国本土の広州から深圳を経由して香港西九龍駅に乗り入れる高速鉄道。香港と深圳を最速14分で結び、アクセスが便利になりました。香港側から乗る場合は出入国審査があります。

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時刻表

時刻表はありませんが、ホームに設置されている電光掲示板に待ち時間が表示されています。目安の運行時間は朝6時から午前1時。また大晦日、旧正月初日前日、中秋節前日、クリスマスイブは一般に終日運転になります。
MTRの時間を調べたいときは、MTRホームページやアプリの路線検索が便利です。

MTR駅の探し方

駅が見つからなくても、駅近くには案内標識が出ているのでそれを目安に。

港島線や荃湾線は、旅行者が主に利用するエリア区間は大きな道路に沿って走っています。ですからこのような場所ではほとんどの場合、簡単に駅を見つけることができます。また駅の周辺には案内標識が数多く設置されているほか、主な道路には随所に周辺案内地図が置かれているので、万一見つからない場合は参考にしてください。

MTRの料金

ここ数年は毎年値上がりしているものの、日本と比べると手頃な料金といえます。香港内または九龍内の移動は割安感がありますが、海を越えると料金が高くなる設定になっています。

なおMTRをはじめ、香港内のほとんどの交通機関で利用できる交通カードのオクトパス(八達通)を使用すると、割引運賃やプロモーション料金(実行時のみ)が適用されるので、公共交通機関を頻繫に利用する予定のある人は、購入を検討するのがよいでしょう。

初乗り料金:大人5ドル(4.8ドル)、子供3.5ドル(3.1ドル)
大人料金例:尖沙咀~旺角6ドル(5.7ドル)/中環~銅鑼湾6ドル(5.7ドル)/尖沙咀~中環11.5ドル(10.3ドル)
※いずれもカッコ内はオクトパス使用時

MTR料金表(2019年)

MTR料金表PDFダウンロード
オクトパス使用時のMTR料金表PDFダウンロード

1日券で乗り放題

料金:65ドル(大人用)、30ドル(子供用)
弾丸旅行や観光を1日に集中したい人、1日で香港中をくまなく回りたい人などに便利なのが、1日乗り放題チケット。MTR(一部路線除く)に1日中好きなだけ乗ることができます。購入はMTR各駅のカスタマーサービスセンターで。

遊客全日通(Tourist Day Pass)

オクトパス(交通カード)はお得&便利

香港では「八達通」とも呼ばれる「オクトパス」は、SuicaやPASMOのようなプリペイド式の交通ICカードです。MTRをはじめバスやトラム、スターフェリーなどのほか、コンビニや一部レストラン、店舗などの支払いにも使用できるすぐれもの。
香港の乗り物の料金はセント単位まで細かく設定されているため、乗車のたびに小銭が必要になり、またお釣りでもらったコインがどんどん増えていってしまいます。でもこのオクトパスカードを利用すればキャッシュレスな上、MTRの場合はオクトパスを利用すると料金も割引に。香港滞在中に交通機関を頻繫に利用する予定のある人は、購入しておくと便利です。

料金:150ドル(デポジット50ドル+チャージ金額100ドル)

オクトパスは、MTR各駅のカスタマーサービスセンター(客務中心)で購入できます。香港空港到着後、エアポートエクスプレスの駅で買うのがおすすめです。
チャージは、MTR各駅の自動券売機のほか、コンビニのレジでもできます。自動券売機では定額のチャージのみですが、コンビニのレジではお好きなだけチャージできるのでおすすめです。
なおオクトパスは、最終チャージ後3年間有効。帰国時にデポジットと残金を払い戻してもいいですし、将来的に香港を訪れる予定のある人であれば、次回の旅行でも使用できます。

オクトパスについて

エアポートエクスプレス・トラベルパス

料金:250ドル(エアポートエクスプレス片道利用)、350ドル(エアポートエクスプレス往復利用)
エアポートエクスプレス料金と3日間MTR乗り放題が含まれた、ツーリスト用のエアポートエクスプレス・トラベルパスがあります。オクトパスのように、現金をチャージしてコンビニなどで使用することもできます。パスを利用終了後に返却すると50ドルのデポジットが戻ります。購入はMTR各駅のカスタマーサービスセンターで。

機場快線旅遊票(Airport Express Travel Pass)

切符の買い方

切符は自動券売機で購入します。購入手順は日本とは逆になるのでご注意を。またお札が利用できる機械とできない機械があるので事前に確認してください。高額紙幣しか手元にない場合は、構内中央付近にあるカスタマーサービスセンターでも購入可能です。

自動券売機での切符の購入手順

1. 目的地の駅名を指でタッチします

駅名の横にある丸い部分に軽く触れるだけでOKです。

2. 切符の種類を選択します

大人1枚の料金がスクリーンに表示されます。子供、高齢者のチケットは「特恵」を、複数枚購入する場合は「多張」をタッチ(大人チケット購入の場合はタッチしなくても可)。ただし、大人と子供などの組合せの購入は一度ではできません。

3. スクリーンに表示された金額を投入します

お札の利用できる機械とできない機械があるので、利用前に要チェック。

使用できる硬貨は50セント、1ドル、2ドル、5ドル、10ドル、また紙幣は10ドル、20ドル、50ドル、100ドルです。

4. 切符およびお釣りを取り出します

切符は左側、お釣りは右側の取り出し口から出てきます。

機械下の取り出し口から切符が出てくるので、下の部分を少し押し下げて取り出します。お釣りがある場合は、少し時間をおいてから切符取り出し口の横のお釣り出口から出てきます。取り出しには多少コツが必要です。

MTRの乗り方と降り方

1. 改札を通ります

■切符の場合
切符はスマートチケットです。改札を通る際は、改札機上部にある黄色の枠に囲まれたオクトパスマークに軽くタッチさせてください。「ピー」と音が鳴った後、前のバーを倒して中に入ります。旧式の改札機ではチケットを入れる挿入口がありますが、ここにはチケットを入れないようにしてください。

■オクトパスの場合
改札機上部にある黄色の枠に囲まれたオクトパスマークに軽くタッチさせてください。「ピー」と音が鳴った後、前のバーを倒して中に入ります。

2. ホームに向かいます

構内の案内に従って階段またはエスカレーター、エレベーターでホームに向かいます。複数の路線が乗り入れている駅の場合はフロアが分かれているので、ホームを間違えないようにご注意ください。

3. 乗車します

ホームにはスクリーンドアが設置され、その上部に駅名、進行方向、停車駅の情報が表示されているので確認のこと。また電光掲示板にも行き先と到着までの時間が表示されています。
列車の到着前にはアナウンスが流れます。列車が到着したらスクリーンドアと列車のドアが開くのを待ち、乗車します。

4. 目的地に到着したら下車します


出典 : Instagram

各駅の到着前には、広東語、英語、北京語でアナウンスが流れます。聞き取りに自信のない人は、ドアの上に駅情報がランプで表示されるのでご安心を。
駅に到着したら、ドアとスクリーンドアが完全に開くのを待ち、下車します。その後は「出」の表示に従って改札に向かいます。

5. 改札の出方

■切符の場合
改札機に切符の挿入口があるので、切符上の矢印を確認してその方向に差し込みます。「ガチッ」と音がしたら、前のバーを押して改札を出ます。

■オクトパスの場合
入るときと同じく、改札機上部にあるオクトパスマークにオクトパスを軽くタッチします。「ピー」と音がしたら前のバーを押して改札を出ます。

※切符、オクトパスのいずれの場合も、もし何らかの問題で改札機を出られない場合は、中央付近にあるインフォメーションにその旨を申し出てください。

乗り換えに役立つアプリ

MTR Mobile(MTR乗換案内)

MTRやエアポートエクスプレスの乗り換え案内から、ルート検索、出口情報、観光・ショッピング情報まで、スマホに入れておくと重宝するアプリ。

知っておくと便利なQ&A

地下鉄で忘れ物をしてしまったときは?

金鐘(アドミラルティ)駅、大囲(タイワイ)駅、兆康(シウホン)駅には紛失物預かりセンターがありますので、問い合わせてみましょう。毎日8:00~20:00営業。
MTRの紛失物預かりサービスに電話で問い合わせることもできます(英語、広東語、中国語)。言葉が不安な場合は、ロコタビのサービスを利用するのもよいと思います。
電話:(852) 2861 0020

駅にコインロッカーはある?

MTRの駅にはコインロッカーはありません。エアポートエクスプレスの香港駅、九龍駅にはコインロッカーがあります。

まとめ

海外で乗り物に乗る際はなんとなく緊張してしまうものですが、MTRは乗り方も簡単で、また駅構内、車内などには親切すぎるほど案内が出ているので、世界中でももっとも利用しやすい乗り物のひとつかもしれません。滞在時間を有意義に使いたいのなら、ぜひ交通手段にMTRを加えてください。

MTRについてのさらに詳しい情報や、現地ならではの情報を知りたい方は、ロコタビで香港在住の日本人ロコに聞いてみるのもおすすめです。Q&Aは無料で利用できますので、お気軽にお問合せください。