北京料理各種 | ペキン(北京)在住SEKIさんのおすすめ料理・食べ物

北京料理各種

現地語表記:北京菜

【オススメ度】

★★★★★ by SEKI (5個満点)

北京料理各種

基本情報

もともと北京料理とは、燕の時代にある雑穀と雑穀麺を主食とした農村の料理から始まり、その後宮廷料理として各地区の料理が融合して出来上がりました。それが清朝滅亡後に庶民の食卓に並ぶようになり、現在の北京料理になります。
その中でも代表的なのが、「北京ダック」「羊のしゃぶしゃぶ」です。また、中華料理にありがちな、素材の味を完全になくしてしまう味付けを絶対にせず、そのものをきちんと味わうというのも特徴です。
まずはその北京料理の一番おいしいお店を紹介します。

1:北京家庭料理「厉家菜」
世界中に支店を持つ、清の時代の宮廷の味を現代に伝える、北京料理の最高峰のお店です。
要予約でコース料理のみ、北京の本店は298元~2980元のコースを用意しています。
ここであえて「北京家庭料理」としてご紹介するのは、298元コースの家庭料理が一番究極だからです。
高いコースには、燕の巣、鱶鰭、鮑など高級食材がふんだんに使われていますが、それならば他の中華料理の店でも食べられます。ここでは北京料理の究極を味わっていただきたいです。
メニューは季節で変わり、その時の一番良い食材を化学調味料を使わず、昔ながらの厨房設備と調理法で丁寧に手間暇かけて作られます。一つ一つの料理が高い安いではなく一番おいしい状態で提供されます。
そしてコースを終了した後に追加で頼める炸酱面(ジャージャー麺)20元や炒飯20元は絶品です。北京人が絶賛する、本物の北京家庭の味です。
豪華な内装の金宝街の店もよいのですが、やはり本店(昔ながらの胡同の中にある、広間5卓、個室5部屋のみ)で味わっていただきたいです。
他には「花家怡园」「小王府」などもお勧めです。

2:北京ダック「全聚德」
北京ダックといっても、実はいろいろあります。「全聚德」「便宜房」「大董」「鸭王」有名なお店はたくさんありますが、それぞれ特徴があります。
「全聚德」は1864年創業の北京ダックの老舗。宮廷料理であった北京ダックを一般に広めたお店で、現在の北京ダックの調理法は全てこのお店から始まっています。伝統的な北京ダックを食べるならこの店です。
それに前門の本店は昔ながらの北京の四合院づくりの建物で、一番北京らしさを感じられます。
味にはいろんな意見がありますが、個人的には北京ダックはこの店が一番お勧めです。
「便宜房」は「全聚德」と並ぶ2大北京ダックの老舗。創業は1855年と最も古く、「全聚德」とは違う蒸し焼きにする製法で調理しているので、脂っこさが少ないのが特徴です。
北京人でも「全聚德」派と「便宜房」派に分かれます。
「大董」は健康趣向の強い脂肪分を落としたダックを提供、付け合わせ料理の豊富さと店内の内装がおしゃれな現代的なお店です。パリッとした皮がおいしいと評判のお店。日本人好みの味です。
「鸭王」は比較的安価で、この価格帯のお店の中では一番おいしいです。
次に食べ方での違いです。
北京ダックは皮だけ食べるというのは実は南の食べ方。北京ではダックをすべて頂きます。
胸の部分は皮だけをザラメをつけて(脂が一番乗っていておいしい場所ですので)、身は肉と皮を一緒に切り分けて、薄荷餅の上に甜面醤をつけ、ダックと細切りの葱を巻いて、手羽と頭の部分はそのまま甜面醤をつけて丸かじり(ケンタッキーのように)、そして脚はだしをとってスープに。さらには「薄荷餅」の代わりに「烧饼」というゴマを振ったパンに挟んで食べるのも。

3:羊料理
羊のしゃぶしゃぶ、羊の串焼き、羊のスペアリブなどなど、北京では羊をよく食べます。
その中でも、冬場の「聚宝源」の羊のしゃぶしゃぶは絶品です。
北京の「牛街」というイスラム教徒が住む地区にあり、宗教上豚を食さない彼らの地区の羊の肉の鮮度は北京一です。通常では凍らせた肉を薄くスライスしたものがメインですが、ここでは生のマトンの各部位を味わうことができます。「太陽肉」「上脳」などの首の部分が特に味がしっかりしていて、甘みもありおいしいです。
羊が臭くて食べられないという私の友人が「おいしい」といったお店です。
朝9時から昼食用の番号札を配り、11時開店、午後2時から夕食用の番号札を配り始め、5時から呼び始めます。
長い時で2時間、少なくても1時間は並ぶことを覚悟してください。でも並ぶだけの価値は十分にあります。
羊はしゃぶしゃぶ以外にも、「羊肉串」「スペアリブ」「羊肉麺」などなどいろいろな食べ方があります。
また、羊は白酒との相性が良く、「二锅头」という北京の白酒は欠かせません。

4:炸酱面と水餃子
北京の麺の代表は「炸酱面」(ジャージャー麵)です。
鍋から直接どんぶりに移した暖かい麺に「炸酱」という黄豆から作られた醤を油でサイコロ状の豚肉と葱を混ぜて揚げたものをかけて、キュウリの千切りと白菜を細切りにしてゆでた物を一緒に、黒酢で和えて混ぜて食べる、北京の家庭料理です。
市内にはいたるところに「老北京炸酱面」という看板を見かけることができます。が、肉じゃがと同じで、家で食べるのが実は一番おいしいという家庭料理です。本当の北京の「炸酱面」を味わいたい方は「厉家菜」をお勧めします。私の経験上一番おいしかった、外で食べる事の出来る「炸酱面」です。観光地の「炸酱面」は残念ながら...。
次に水餃子ですが、これは中国の家庭料理ですが、その中でも北京人が良く食べる具材を紹介します。
水餃子店は北京のいたるところにお店があります。具は1:茴香(ウイキョウ)2:ニラ+肉+卵3:白菜4:豚肉+葱5:羊肉6:肉+卵+シイタケ+白菜。日本でよく食べる焼き餃子は無く、具も皮も全く違います。
どこで食べてもおいしいB級グルメの王様です。
また、東北が近いこともあり、東北料理タイプの水餃子も多く見かけます。
実は東北料理は醤油ベースの料理なので、日本人には一番なじみやすい味です。特に関東の人はぴったりだと思います。

おすすめする理由と説明

日本人になじみの深い中華料理。でも北京料理、上海料理、広東料理、四川料理、香港料理、東北料理、新疆料理、雲南料理...と実は各地区毎に料理があります。
日本の中華街で食べる中華料理は、ほとんどが広東料理と呼ばれる南の地方の料理です。
では皆様が北京料理と聞いて一番に思い浮かべるのは、「北京ダック」でしょうか。
それ以外は...実はなかなか知られていないのが現状です。
そこで、北京に来たからにはぜひ味わっていただきたい北京料理と代表的なお店を紹介したいと思います。
一言で北京料理とは?と語りきれないのが難しいところですが、例えば基本的な料理名を挙げると、
1 清蒸炉肉2 板栗金塔肉3 四喜丸子4紫酥肉5清酱肉6元宝肉7蟠龙菜8福寿肘子9带把肘子10抓炒里脊11京酱肉丝12炒合菜13玉兔五彩丝14炒肉丝拉皮15 京味扣荤素16肉丝炒如意菜17 金丝韭菜18炒黄瓜酱19炒榛子酱20 炒豆酱21芫爆肚丝22爆炒腰花23涮羊肉24 爆羊三样25北京烤肉26黄焖羊肉27它似蜜28 醋熘木须29 菊花羊肉30葱爆羊肉31酸菜羊肉32酥炸牛肉33贵妃鸡34 菊花烩鸡丝35象牙鸡条36拔丝鸡盒37北京烤鸭38 炒鸭丝掐菜39 八仙鸭子40 清汤燕菜41鸡蓉燕菜42黄焖鱼翅43蟹黄鱼翅44珍珠鲍鱼45 宫府鲍鱼46乌龙吐珠47炉肉扒海参48红烧海参49炸烹虾段50红娘自配51红梅珠香52金丝海蟹53 三味全蟹54 炒赛蟹55 花篮蟹肉56 五彩鱼皮丝57 蟹子烧鲨鱼皮58 梅花干贝59翡翠裙边60烩乌鱼蛋61 四味三文鱼62 小楼烧鲇鱼63酥小鲫鱼64煎蒸黄鱼65潘鱼66 兄弟全鱼67官烧目鱼68湛香鱼片69 京东侉炖鱼70酥炸银鱼71 茧儿羹72 玉黍鳜鱼73 莲蓬豆腐74三鲜酿豆腐75炒麻豆腐76拔丝莲子77 五彩葫芦78 辣油雪贝79干烧冬笋80 焦熘馅馇81钳子米炒芹菜82酥炸番茄83雪花桃泥84三不粘85 炸香椿鱼86麻酱冬瓜脯87 黄豆疙瘩丝88毛豆烧茄子89清酱茄子90芥末墩91 炒成什92 小窝头93 豌豆黄94小鸡酥95焦圈96炸馓子97 姜汁排叉98开口笑99 爱窝窝100驴打滚
100まで上げてみましたが、まだまだ北京料理と呼べるものはあります。中華料理って奥が深いですね。
北京に来たからにはぜひ日本ではなかなか食べれない北京の味を味わっていただきたいです。

ペキン(北京)在住のロコ、SEKIさん
情報の提供者(ロコ):

SEKI

北京在住9年目になります。 個人でデザインアトリエを経営し、主に中国の映画、ドラマ衣装などの仕事をしております。その傍ら、これまでの経験やネットワークを活かし、通訳、生活サポート、ビジネスでのご紹介、進出のアドバイス、コンサルティングなどの仕事もしています。もちろん取材や展示会の通訳、商談通訳等も対応可能です。 また車を持っていますので、送迎や自家用車での観光を必要とされる方にも対応...