事前に知っておくべきフランスのマナーと文化〜チップ、テーブルマナー、レディファースト
旅行前に気になることの一つはフランスのマナーではないでしょうか。レストランやショッピングなどあらゆる機会でどうすればいいのか戸惑うこともあると思います。ここではフランスでの基本的なルールをまとめてみます。
チップは必要なし?
外国に行くとチップが必要という話をよく耳にします。フランスの場合はどうでしょうか。
基本的にフランスではチップは必要ありません。値段にはサービス料も込みになっているのがほとんどだからです。例えばカフェでコーヒーを頼んだぐらいではまず要りません。食事の際も、庶民的なブラッスリーやランチのような場合ではチップを置いていく必要もありません。
ただ星付きのレストランでは10~15%ぐらいのチップが妥当なところでしょう。逆に星付きでなくても、とても気持ちの良いサービスを受けたと感じれば気持ちで置いていくとスマートです。
ホテルでは、何か特別なお願いをしたり、荷物を運んでもらったなどのサービスを受けたら1~2€ぐらいでお礼するといいでしょう。
タクシーは料金が決まっているのでチップは必要ありませんが、ここでもサービスが良かった場合はお釣りを残すなどしてもいいと思います。
レストランにて
フレンチレストランでの改まった食事は緊張しがちですが、リラックスして美味しいものを楽しむのが一番。以下のことを頭に入れておくと役に立ちます。
●オーダーを決めたらメニューを閉じて置いておく
メニューをずっと見ているとまだ決まっていないと思われます。
●ワイングラスは置いたまま
ワインを注いでもらう時はグラスを持ち上げずにテーブルに置いたままで。
●すすらない
スープを食べる時は音を立てないように注意しましょう。
●落としたものを拾わない
ナイフやフォークを落とした時は給仕係に合図して下さい。
●ナイフとフォークの置き方
食事中はナイフとフォークの先が皿の上にハの字型になるように置きます。もう下げてもいい時は揃えて皿の上に横向きに置きます。
●げっぷは禁物
言わずもがなですが、げっぷはタブーです。ただ、日本では嫌がられる鼻をかむ行為は意外と許容されています。鼻をすするのはレストランに限らずNGです。
●お会計のサイン
日本では×サインをしますが、こちらでは空中で何かを書くようなそぶりをするとお会計のサインになります。ただこれはカジュアルな場所でやって下さい。
ここでは特に日本と勝手が違う部分を挙げてみましたが、単純に行儀よく食べていれば何の問題もありません。
挨拶は重要
日本では会釈で済むようなシチュエーションでも、フランスでは声に出して言う事が何より大事です。
●「ボンジュール」「メルシー」は必須
フランスでは子供のころから叩き込まれる挨拶。パン屋でもカフェでもレストランでも、お店の人に会ったらとにかく「ボンジュール」と聞こえるように言いましょう。スーパーに買い物に行く時も、レジの人に「ボンジュール」は必要です。また、帰り際も「メルシー」と「オールヴォワール(さようなら)」は必ずはっきりと言います。発音など気にせず、聞こえるように言うのが一番大事です。
●「パルドン」は便利
例えば、道で人にぶつかった場合、メトロやバスを降りる時に出口を塞いでいる人がいる場合、カフェなどでウェイターを呼び止めたい場合・・・。「パルドン」は非常に便利な言葉なので、まず覚えておくといいでしょう。日本語で言うと「すみません」というのにニュアンスが似ています。
●語尾に「シルヴプレ」をつける
何かを頼んだ時や注文した時には必ずつける言葉。これもフランスでは子供のころから躾けられます。言わないと礼儀がなっていないと思われてしまいます。
日本なら頭を軽く下げて終わりそうな場合でも、フランスではその場に応じた言い方ではっきりと言うのがマナーです。
その他のマナー
●レディファースト
レストランなどでは、男性は女性が腰掛けてから座るようにしましょう。ドアを開けるのは男性で、先に女性を通します。
●お年寄り、子供優先
メトロやバスでお年寄りやベビーカーが乗ってきたときは席を譲ったり場所を空けてあげましょう。
●エスカレーター
パリではエスカレーターで立つ人は右に、上っていく人は左側を通ります。
●メトロの出口
手で押すタイプのドアの場合は、後ろの人のためにドアを押さえていてあげましょう。開けてもらったらメルシーを忘れずに。
日本人は礼儀正しく行儀が良いというのが一般的なイメージですので、普通に振舞っていれば大丈夫です。あまり形にこだわることはありません。恥ずかしがってはっきり挨拶しない、声をかけないなどは印象が良くないので、フランスではしっかり意思表示することを心がけて下さい。