ホンコン(香港)の旅行ガイド情報

香港の年間の気候と旅行中におすすめの服装

香港は亜熱帯性気候に属しており、緩やかながらも四季の移り変わりがあります。一般に春から夏は季節風と熱帯低気圧の影響で高温多湿、気温は高めですが35度を超えることはほとんどありません。また秋から冬は温暖かつ乾燥した気候で、一年の中ではもっとも過ごしやすい時期です。ただし冬は思いのほか寒くなることがあります。
ここではそれぞれの季節の特徴や気温、ふさわしい服装などについてご紹介します。

春(3~5月頃)

平均気温:17~26°C 平均雨量:82~304mm 平均湿度:82~83%

気候

どんよりした感じの日が多いですが、全体的には過ごしやすい季節です。初春は晴れの日が多く、また湿度や気温も低め。日中は半袖でも過ごせるほど気温が上がりますが、朝晩は冷え込むことも。雨期が近づく後半に向けて湿度や気温が上昇、雨の日が多くなり、徐々に蒸し暑い気候になっていきます。

服装

3月はまだ肌寒い日が多いため、服装的には初秋の装いがちょうどいい感じです。晴れた日の日中は半袖でも問題ありませんが、朝晩は長袖が必要な場合がほとんど。夜遅くまで外出する予定のある場合は、薄手の上着を用意しておくといいでしょう。
4月、5月と移るにつれて気温も湿度も上昇傾向。厚手の生地は避け、通気性のよいコットンなどの素材が最適です。ただしこの先の雨期、夏に向けて建物内のエアコンも少しずつ強くなっていきます。日本人には室温が寒すぎる場合が多々あるため、薄手の羽織るものがあると便利です。

夏(6~8月頃)

平均気温:26~31°C 平均雨量:376~456mm 平均湿度:81~82%

気候

気候的に6月は既に夏と呼べますが、本格的な夏の到来までは雨期に入ります。ぐずついた曇りの日や雨の日が増え、体力が奪われるほど不快な高い湿度が朝晩関係なく続きます。時折、梅雨の中休み的に晴れる期間がありますが、湿度が下がることはほとんどありません。
雨期が終わると今までのどんよりした天気がウソのように、ひたすら暑い晴れの日が多くなります。相変わらず湿度は高めでありながら空は高く青く、気分的には爽快。その反面で、ゲリラ的な大雨や雷雨が発生することも。雨量に応じて、「黄」「赤」「黒」の警報が発令され、赤と黒の場合はレベルが下がるまで室内に留まることがガイドラインで推奨されています。大抵の場合は1時間ほどで止むので、警報が出たときは極力外に出ないようにしてください。雷や雷雨は早朝や午後に特に多く発生します。
また夏の中旬あたりからは少しずつ台風が発生する機会が多くなります。

服装

夏の間は、とにかく化学繊維や通気性の悪い生地は極力避けましょう。また湿気を含みやすい素材も控えたほうが懸命です。しかし相変わらず建物内や乗り物内の冷房は強いため、調節できる組み合わせを選ぶといいでしょう。
また香港の床はタイルや大理石が多い関係上、この時期は特に足元が滑りやすくなっています。さらに突然の雨に備えて、濡れてもいい靴や乾きやすい靴だと便利です。
夏の天気は変化しやすいため、折りたたみ傘、汗をかいたり雨に降られたときに体を拭くタオルなどを常に持ち歩いておくと、いざというときに役に立ちます。

秋(9から11月頃)

平均気温:19~28°C 平均雨量:37~327mm 平均湿度:71~78%

気候

1年でいちばん過ごしやすい季節です。9月はまだ残暑が続き、相変わらず突然の大雨や雷雨に見舞われる機会がありますが、10月から12月は湿度も低く、雨も少なめ。晴れの日も多いので普段よりも夜景がよりはっきり、きれいに見える日が増えます。また冬が近づくにつれて気温も少しずつ低下していきます。
なお夏から秋にかけては台風のピークシーズン。香港と台風の距離に応じて台風警報が発令されることもあり、それぞれシグナルで表示されます。シグナル1は特に気にする必要はありませんが、シグナル3以上が発令された場合は風や雨が強くなることがあります。特にシグナル8以上になると多くの店は閉まり、飛行機を含む交通機関もストップすることがあります。ニュースなどを頻繁にチェックして、台風の動向に注意するようにしてください。

服装

残暑が続く秋の前半は、場合によっては真夏よりも暑く感じることもあるほど。当然のことながら服装も夏の装いでまったく問題ありません。しかしその分、建物内や乗り物内などの冷房は相変わらず。寒いのが苦手な人は上着は必須です。
日本よりは湿度は高めですが、秋本番あたりからは空気が乾燥し始めます。それに伴い、朝晩は肌寒く感じる日も出てくるので、薄い長袖もしくは薄手のジャケットなどがあるといいでしょう。

冬(12月~2月)

平均気温:12~20°C 平均雨量:26~54mm 平均湿度:69~80%

気候

香港の冬は比較的温暖です。12月や1月の初旬であれば、天気のいい日は薄手のシャツ1枚でもほとんど問題ないほど。ただし朝や夜はかなり冷え込むことがあるのでご注意を。一般に、香港でいちばん気温が下がるのは旧正月前後といわれています。10度前後は珍しくなく、場合によっては5度を切ることも。ここまで気温が下がっても、基本的に香港では暖房設備はまったくといっていいほど期待できません。ただし、この気温の低い日は長くは続かず、通常であれば2週間ほどで上昇し始めます。

服装

12月と1月上旬は、基本的には日本の秋のような感じだと考えてください。晴れた日はポカポカと暖かく、日が沈むと特別寒いというほどではないにしろ、結構肌寒くなります。ですから日中だけ外出するというのであれば、長袖1枚でも大丈夫ですが、終日出かける予定のある場合はさらに上に羽織るものが必要になります。
ただし1月中旬から2月は気温がいちばん下がる時期。香港では暖房をほとんど使用しない上、寒くても空調が途切れることはないので重装備は必須。場合によっては室内でも上着が必要になることもあります。またマフラーや手袋はもちろん、使い捨てカイロなどがあるといいでしょう。

気象に関する香港の警報

香港には日本ではなじみのない気象に関する警報がいくつかありますが、中でも覚えておきたいのが雨と台風に関する警報とそのマークです。いずれも法的な強制力はないため状況や対応は個々のケースで異なりますが、ほとんどの場合は慣習的に以下のガイドラインに従っています。
中でも赤色警報および黒色警報、台風シグナル8以上が出た場合はむやみに外に出ずに、安全のために室内で留まるようにしてください。

参考:香港気象台9日間天気予報

日本に比べると1年を通じて湿度が高めですが、冬でも温暖なのが香港の気候の特徴です。そのため空調が途切れることはほとんどなく、季節によっては屋外よりも寒く感じることもしばしば。寒いのが苦手な人は、常に何か羽織るものを用意しておいたほうがいいかもしれません。いずれにしても、香港に来る前にはしっかりと天気予報をチェックして、傾向と対策を考えておくのが得策です。