ドイツのデュッセルドルフに日本人が多いのはなぜ?その理由と街の魅力を解説
この記事を執筆したライター:デュッセルドルフ在住「Pika」さん
【ドイツ・デュッセルドルフ在住ライター執筆】デュッセルドルフといえばドイツに位置する都市の一つで、日系企業が連なりヨーロッパでも上位に食い込むほど日本人が多く在住する場所としても有名です。
今回はデュッセルドルフ在住ライターがデュッセルドルフに日本人が多い理由やワーホリや留学生にも人気な訳、日本人や日本好きな人と交流できる場などを紹介してもらいます。
この記事を執筆したライター:デュッセルドルフ在住「Pikaさん」
デュッセルドルフは日本人の人口率がドイツ随一を誇るのはなぜ?
ドイツ、デュッセルドルフ在住の日本人数は外務省の「海外在留邦人数調査統計(2022年10月1日)」によると6,844人で、ヨーロッパではロンドン(32,947人)、パリ(10,688人)に次ぐ3番目の規模になっています。
数でこそロンドンの3万人超には劣りますが、デュッセルドルフ市の人口は約63万人。なんと100人に一人が日本人であり、日本人の人口比率がとても高いことがわかります。
実際に筆者はロンドンとデュッセルドルフの両都市に住んだ経験がありますが、デュッセルドルフの方が圧倒的に日本人との遭遇率が高く、より狭い範囲に密集して日本人が住んでいる印象です。
その背景には約500社ほどある日本企業の多さがうかがえる
「なぜ日本人がドイツの中でもデュッセルドルフに住むのか?」
その背景には多くの日本企業がデュッセルドルフに拠点を置いており、その駐在員および家族がデュッセルドルフに居住しているのが大きな要因となっています。
外務省の「海外進出日系企業拠点数調査(2022年10月1日)」によると、デュッセルドルフがあるノルトライン・ヴェストファーレン州の日系企業数は、639社でそのうちデュッセルドルフ市内に拠点を置く企業は394社にのぼります。
事業所自体はデュッセルドルフ近郊都市にあったとしても、家族は生活インフラの整ったデュッセルドルフに生活拠点を置くというケースも多く見られます。
日本人学校や幼稚園などの教育機関もあり日本人が住みやすい環境
デュッセルドルフには日本人学校や日系の幼稚園が複数あり、海外駐在時も日本と変わらない教育を受けられるのも魅力の一つ。
デュッセルドルフ日本人学校は50年以上の歴史を持つドイツ国内で最も生徒数の多い日本人学校です。給食や掃除当番などはないですが、日本と同じ教科書、学習内容で学べます。
幼児教育面でも、世界で初めて設立された私立日本人幼稚園である日本人幼稚園やライン幼稚園、カリタス幼稚園、ドイツ人と日本人の混合保育の惠光幼稚園、インターナショナル幼稚園、ドイツ現地の幼稚園など、ご家庭の方針に合わせて多数の選択肢があります。
日系教育機関でなくてもデュッセルドルフ地域の教育機関は日本人に慣れているので、話が通じやすい、差別されにくいといった点も住みやすさの一因だと思います。
また、習い事や塾に関しても、日系の塾、くもんがあり、ピアノやバレエ、サッカー、空手、絵画教室、書道、そろばんなども日本人の先生が行っているレッスンがあります。
日本人街「リトルトーキョー」もありレストランやスーパーなども充実
デュッセルドルフの街エリアには日本人街「リトルトーキョー」があり、多くの日本人や観光客で賑わっています。
インマーマン通りにある「リトルトーキョー」では、日本食スーパーや本屋、美容院、クリーニング、カフェ、パン屋、ラーメン屋、とんかつ、居酒屋、たこ焼き屋などが軒を連ね、様々な日本のサービスを受けられます。
物価の高いドイツなので日本と比べるとかなりお高い外食にはなりますが、海外でよくある「なんちゃって日本食」ではない日本と変わらぬ味を楽しめます。
日本食スーパーも価格は2〜3倍しますが、たいていの日本食材が手に入るので、海外生活のハードルはかなり下がるのではないでしょうか。
日本人コミュニティーもあり、日本デーなどの祭りなども開催している
デュッセルドルフには「デュッセルドルフ日本人クラブ」というデュッセルドルフ在住者向けの会員クラブがあり、多くの企業が会員になっています。
日本クラブの図書館では日本の書籍や漫画を貸し出していたり、部活動や様々なイベントや講座を開催しており、日本人コミュニティーに参加できる場となっています。
最大のイベントは、毎年5月に開催される「日本デー(Japan Tag)」です。
およそ60万人が訪れるというドイツ最大の日本のお祭りは、ステージでのパフォーマンスや日本文化体験のブース、日本食スタンドで大盛り上がり。
ドイツ国内外からたくさんの日本好き、アニメ好き、コスプレイヤーたちが集まります。
夜には日本の花火が夜空を彩り、フィナーレを迎えます。
2024年の日本デーは6月1日に開催が決定しています。
日本人向けのデュッセルドルフ不動産会社もあるので物件が探しやすい
ヨーロッパ最大の日本人街デュッセルドルフには日系の不動産会社や日本人スタッフがいる不動産会社もあります。
住宅地として人気のデュッセルドルフでは、空き物件が少なく繁忙期に条件に合う住居を見つけるのが難しいことも多いです。
日系企業では、会社が借りた住宅を後任者向けにキープしておくことも多く、日本人に好まれる物件があまり出てこないのが現状です。
日系の不動産会社ならば住宅事情の異なるドイツでの家探しを日本語でサポートしてもらえるので安心です。
◆日系不動産会社
デュッセルドルフで日本人や日本好きな人と交流するならここがおすすめ
街中のいたる所で日本人を見かけるデュッセルドルフですが、特に日本人、日本好きドイツ人が集まるエリアをご紹介します。
日本人街(リトルトーキョー)のあるインマーマン通り(Immermannstr. )
なんといっても外せないのは日本人街、リトルトーキョーのあるインマーマン通り(Immermanstraße)です。
数ある日本食の中でも外国人にとくに人気なのはラーメン。
ラーメン屋さんの匠やなにわには連日行列が絶えません。
日系の本屋である高木書店では、日本の書籍や漫画だけでなく、雑貨や文房具、日本人学校で必要となる学用品も購入できます。
高木書店の横には漫画カフェがあり、多くのマンガ、アニメ好きの方で賑わっており、コスプレイヤーの姿もよく見かけます。
■インマーマン通り(Immermanstraße)の基本情報
- 住所:Immermannstraße, 40210 Düsseldorf
- 最寄駅:Oststraße駅など
- リトルトーキョーMAP(PDF)
EKO-HAUSは日本文化を伝える文化センター
ドイツ『惠光』日本文化センター(略称 惠光ハウス)では、仏教の教えを広め、仏教に基づく日本文化の紹介を行っています。
日本人学校の近く、日本人がとくに多く住むニーダーカッセル(Niederkassel)にあり、惠光寺や惠光幼稚園も併設されていることから、デュッセルドルフ在住日本人にとっても身近な存在です。
館内見学のほか、展示会、お茶会などのイベントや月例勤行、写経会などが催されています。
ここは本当にドイツなのかと疑いたくなるほど立派な惠光寺。初詣もできます。
門の前には桜並木も!
■ドイツ『惠光』日本文化センターの基本情報
- 住所:Brüggener Weg 6, 40547 Düsseldorf
- 最寄駅:Heerdter Sandberg駅
- WEBサイト:https://eko-haus.de/ja/
オーバーカッセル(Oberkassel)やニーダーカッセル(Niederkassel)エリアは日系教育機関が多い
日本人遭遇率が一番高いのはオーバーカッセル(Oberkassel)、ニーダーカッセル(Niederkassel)エリアです。
リトルトーキョーが商業的な日本人街だとすると、この地域は居住エリアとしての日本人街だといえます。
オーバーカッセル、ニーダーカッセルには日本人学校、日本人幼稚園、惠光幼稚園、日本食スーパーのWayoがあり、日本人ファミリーにとって最も住みやすい場所となっています。
近隣の公園では、多くの日本人の子どもたちが遊ぶ姿が見られます。
現地の人も盛り上がる日本とアニメのイベント「DoKomi」が毎年デュッセルドルフで開催される
日本のサブカルチャー好きな方におすすめなのは、ドイツ最大規模のアニメ・ジャパンエキスポ「DoKomi(ドコミ)」。
5万5千人以上が集まるこのイベントも毎年デュッセルドルフで開催されています。
DoKomiはアニメ、漫画、ゲーム、コスプレ、日本など幅広い分野で多彩な出展がなされています。
750人以上のアーティストの出展、メイドカフェ、著名なミュージシャン・漫画家のステージ、コスプレ大会、コスプレ舞踏会、ヨーロッパ最大の痛車展などなどイベント目白押しです。
漫画、アニメ、日本ファンの方はぜひ参加してみてください!
2024年は6月28日〜30日に開催予定です。
日本人のビザの発給率も高く、近年ではワーホリや留学生にも人気
有効な日本国パスポートを所持する日本人が、90日以内の観光や出張、空港トランジットを目的としてドイツに渡航する場合、ビザは必要ありません。
90日以上の長期滞在の場合はビザが必要となりますが、日本国籍者はドイツ入国後の長期滞在許可申請が認められています。
また、ドイツはワーキングホリデービザの年間発給人数の制限がなく、他のヨーロッパ諸国に比べてワーホリビザが取得しやすくなっています。
デュッセルドルフには日本人の美容師さんがたくさんいますが、美容師のビザも他の国より取得しやすいからなのだとか。
日系のレストランやカフェが多いデュッセルドルフではアルバイト先も比較的見つけやすく、日本好きのドイツ人、日本人自体も多いので友達も見つけやすいです。
日本人が全くいない環境でワーホリ、留学したい方には不向きですが、海外初心者の方やサッカー好きの方には人気の街です。
◆ドイツ大使館
とはいえドイツならではの街並みや観光スポットも外せない
デュッセルドルフ=日本人街というイメージを持たれている方も多いかもしれませんが、ドイツらしい観光スポットもたくさんある魅力的な街です。
アルトシュタット(旧市街)ではヨーロッパらしい美しい街並みを眺め、ケーニヒッスアレーでは綺麗に整備された並木通りでショッピングを楽しめます。
K20、K21などの美術館やメディエンハーフェンの現代建築など芸術好きな方たちにおすすめのスポットも!
↓こちらの記事を参考にぜひ観光してみてくださいね。
◆参考記事:「デュッセルドルフ観光におすすめのスポット15選!現代建築が美しい芸術の街を歩こう」
まとめ:デュッセルドルフは日本人が住みやすい環境がそろっていて人気が高い
デュッセルドルフに日本人が多い理由は日系企業の拠点の多さと生活インフラや教育機関が整った住みやすい環境によるものと考えられます。
デュッセルドルフは「駐在初級」と言われるほど、日本人にとってとても生活しやすい人気の街です。
健康診断や美容院のためにドイツ国外から訪れる日本人もいるそう!
日本の食を堪能したい方、日本のサービスを受けたい方、アニメ・漫画・日本が好きな方はぜひデュッセルドルフを訪れてみてくださいね。
デュッセルドルフの日本人事情についてもっとくわしく知りたい方は、「ロコタビ」で現地在住のロコにサポートを依頼してみてくださいね。