シャンハイ(上海)の旅行ガイド情報

上海の治安最新情報〜お茶詐欺、ぼったくり、スリなど事例と対策

【上海在住者執筆】上海へ旅行へ行く際に気になるのが最新の治安情報。事前にエリアの特徴や、犯罪の例など知っておくだけでも十分対策になります。エリアごとの対策や、緊急連絡先など対処方法もまとめましたので是非、旅行前にご確認ください。

海外の都市のなかでも比較的安全な街だと言える上海。
でも、どこの街にも犯罪者はいます。特に上海は、日本人が気を緩めているときの被害が多い街。
誰もが警戒する夜の一人歩き、怪しげなバーの客引きなどではなく、にぎやかな昼間の観光地で被害に遭う日本人が多いのです。
今回は、典型的なトラブルをまとめてみました。

中国・上海の現在の治安は?

上海自体は、実際そこまで治安の悪い都市ではありません。日本と比べても、ものすごく悪い印象は受けず、むしろ在住者目線で見て、普通に生活するにあたってあまり危険は感じません。

犯罪も軽犯罪は多いものの、そこまで危害が加わるようなものはあまりみかけません。
とはいえ、観光客をターゲットにした詐欺やスリなどの犯罪はもちろん横行しているので、警戒することに越したことはありません。

上海の治安が悪いエリアと注意点

次に、上海の治安が悪いエリアと、それに対しての注意点をまとめてみました。

上海全域で注意したい犯罪

スリ・置き引き対策

ぼったくり以外で日本人の被害が多いのはスリ。
2019年では被害が減ってきているような気もしますが、油断せずに行動しましょう。
気を引き締めたいのは、豫園、南京東路などの定番観光地、地下鉄内や駅構内です。
「服のポケットやバックパックに財布やスマホを入れないこと」「どんなときも、危機管理意識をもつこと」の2点を守れば99%スリには遭いません。以下、対策です。

  1. 常にまわりに気を配る
    駅で切符を買うとき、路線図で行き先を調べているとき、道端でスマホの地図を確認しているとき、荷物やスマホを横に置いて飲食店でおしゃべりに夢中になっているときなど、まわりが見えなくなっている人をスリの犯人は狙います。
    旅先では焦ったり困ったりすることも多いかもしれませんが、常に余裕を持ち、一つのことに集中せず、余裕の表情で歩きましょう。

  2. 盗られた場合に備え、精神的ダメージを最小限に抑える方法
    財布の中のカードを止める手続きと、カード会社の問い合わせ番号、国際電話のかけ方を控えておきましょう。
    頭の中でスマホが盗まれたときのシミュレーションをし、盗られたら困るという緊張感をまず味わっておきます。
    パスポートのコピーを取り、パスポート用の証明写真を持参し、2〜3日滞在できる分の金額も別に保管しておき、日本領事館のサイトを熟読しておきましょう。
    盗られたときの緊張感を味わっておけば、自然に盗られない対策をしてしまうはずです。

ぼったくり対策

ぼったくりといえば夜のお店を思い浮かべる方が多いかもしれません。
上海にはKTVと呼ばれるキャバクラ、スナック、ガールズバー、風俗店がたくさんあります。
でも、普通の日本人男性であれば皆さん楽しむ程度です。おかしげな客引きに付いて行く人はいないと思いますし、ハマる人もあまりいないでしょう。

一方注意したいのが現地旅行会社のオプション。

「ナイトクルーズの船上ディナーを勧められた。料金が一人1200元だったが、後日、日本円に換算して驚いた。料理も貧相だった」
「シルク製品の博物館に連れて行かれ、流れで600元の布団を買ってしまった」
「ツアーの行程には書かれていなかった淡水パールの加工工場を見学した。店員がぐいぐい商品を勧めてきた。興味がないので買わなかったが、貴重な旅の時間を無駄にした」
などの声を聞くことがあります。

他には、上海市内の某シルク博物館。博物館と言いつつ、館内の大部分が売店だった、なんてことも。

旅先で無駄な時間、無駄なお金を使うと、やりきれない気分になりますよね。
対策としては、食事、クルーズ、送迎などの相場を旅行サイトやガイドブックで把握しておくこと。
なるべく行きたい店、食べたいものを決めておき、それ以外の提案をされた場合はネットなどで検索してじっくり吟味してから決めましょう。
決定を急かしてくるガイドは、まず疑った方がよいでしょう。
信頼できるガイドはじっくり相談に乗ってくれますし、旅行者主導で行きたい場所に連れて行ってくれるはずです。

また、一般的な旅行サイトやガイドブックに掲載されていない博物館、工場見学施設は、商品を買わせるための施設であることが多いです。
聞いたことがない名前の博物館への立ち寄りをガイドが提案してきたときは、はっきり拒否しましょう。
また、ガイドや博物館側の常套句は、「ここは国営なので、土産物店より品質がいい」というもの。
また、こういった施設は多くが館内の撮影を禁止しています。やましいことがあるからなのでしょう。

博物館、美術館は、上海では館内撮影OKなのが一般的(写真は上海博物館)です。

詐欺の対策

さまざまな旅行サイトが長年警鐘を鳴らしているにも関わらず、日本人の被害が一向に減らないのがお茶詐欺
豫園エリア、南京東路、外灘などの観光地で、地味な女子二人旅風、素朴な夫婦を装った詐欺師が「すみません、シャッターを押して下さい(英語、またはジェスチャー)」と声をかけてくるもの。
その後、「あ、日本人の方なんですか!?」「私たちも旅行なんです。いっしょに観光しませんか?」と誘い、ぼったくり中国茶館へ誘導するという伝統的な手口です。

豫園エリアは特に被害が多いので気を引き締めて行きましょう。

詐欺師は、「日本人は旅先で偶然友達ができると心を許してしまいがちな人種」「日本人は親日的な中国人に心を開きがち」ということを熟知しています。
「夜ではなく昼間」「お酒ではなくお茶」「見た目も無害を装った地味な女性や男性連れのカップル」という点にも気を許してしまうことになります。
すべて計算されています。対策方法は以下の3点。出かける前に復唱するくらいの心構えで行きましょう。

  1. 知らない人にはついて行かない
    旅先の非日常感に流されてしまう人が多数。
    もし、普段知らない日本人に突然「いっしょに観光しませんか?」と言われたらどうでしょう。
    いろいろおしゃべりした結果、余程気が合う人か、目的地が同じで交通費や食事代を割り勘できる、などの理由がないと断りますよね?
    上海も同じです。常に「この人が日本人だったら?」ということを考えて相手を観察しましょう。

  2. 頼まれても絶対シャッターを押してはダメ!無視を!
    日本の観光地で、わざわざ中国人旅行者にシャッターを頼む日本人はいません。
    上海も同じです。詐欺師は外国人に的を絞ってカメラを差し出しています(お時間がある方は10分ほど彼らを観察してみて下さい)。
    「シャッターのお願いを日本人は断れない」「知らない人に話しかける手っ取り早いきっかけはシャッターだ」ということを詐欺師は計算してターゲットに声をかけています。

  3. 「中国では有名」に騙されない!
    お茶詐欺のほかに、絵画や書道作品を買わせる声がけも確認されています。
    絵画などに限らず、「中国では有名だから」という説明を信用するのは絶対やめましょう。お買い物は、有名かどうかよりも自分の興味や好みで選ぶのが失敗しないコツです。

外灘などの撮影スポットでは昼間でも警戒を。知らない人の声がけは無視です。

東昌路(トウショウロ)駅周辺で多い被害と安全対策

オフィス街でもある東昌路駅周辺ですが、夜間や土日などは人通りも少なくなるので、この周辺を通る際はなるべく大通り沿いを通るなどして注意を払いましょう。
スリひったくりも多発するエリアなので、貴重品には気をつけましょう。

龍陽路(リュウヨウロ)駅周辺で多い被害と安全対策

龍陽路駅は、浦東国際空港からリニアモーターカーで移動する際に到着する駅でもあり、沢山の人が利用します。
スリはもちろんですが、タクシー移動をする人が多いため、タクシーの客引きも多いです。
タクシーは正規乗り場があるため、タクシーを捕まえたい場合はそちらへ行きましょう。
声がけをしているようなタクシーは法外なお金をぼったくられたりと、トラブルの元なので利用しないようにしてください。

虹橋国際珍珠城(ホンチャオグオジージェンジューチャン)周辺で多い被害と安全対策

安価で雑貨や衣服など買えるショッピングセンターのような市場で、有名なのは淡水パール。
ブランド品の偽物をたくさん抱えているので、ふらふらしていると強引な客引きにあい、鞄やら財布やら買うまで帰してもらえないなんてことも。
強引な客引きでも基本は無視が一番。笑顔で受け答えしていると、いけると思われ連れ込まれる結果になるので、ほしくない場合はほしくないとハッキリ「NO」と意思表示をすることが大事です。

南京東路(ナンキントウロ)周辺で多い被害と安全対策

上海で最も賑わいを見せる繁華街で、ネオンの光がまぶしく、比較的夜遅くまで店が開いてるのが特徴的。
時間によってはあたり周辺が歩行者天国になるので、観光客にも人気のスポットです。
観光客が多いということは、スリ置き引き過度な客引きもあるということ。人が多い場所では貴重品に気を配っておくことが大切です。

外灘(ワイタン)周辺で多い被害と安全対策

こちらも観光客に人気のスポット。
夜景がきれいで、写真を撮る人も多いこの場所では、写真を撮ってくださいなどど声をかける手口が出回ってます。
わざわざ現地の人が観光客に声をかけるのは怪しいので、警戒しましょう。話している間に荷物から貴重品が盗まれたり、いいスポットを知っているなど甘い言葉で連れ込まれる心配もあるので、気をつけてくださいね。

上海火車站(シャンハイフオチャージャン)周辺で多い被害と安全対策

上海駅のこと。空港からはバスで行くことも可能です。
多くの出着点となっているため、いろいろな人が行き交いする場所でもありますが、観光地が近くにあるわけでもないので閑散とする場所も見られます。
ホームレスや物乞いを目の当たりにすることも。なので、他の観光スポットに比べると少し治安が悪い雰囲気が漂っています。
対策としては行動する前にしっかりと目的地を把握し、あまりその場に留まらないことです。声をかけられても反応せず、特に夜間などは出歩かないよう心がけましょう。

豫園(ユィーユエン)周辺で多い被害と安全対策

こちらも観光スポットとして有名な庭園があるエリアで、写真の手口の被害が多いです。
上記で説明したとおり、親近感を利用した手口で中国茶館などに連れ込み、茶を買うまで帰さないなど、捕まると大変面倒なことになるので、どこかへ案内するという提案はしっかりと断りましょう。

上海ディズニーランド周辺で多い被害と安全対策

上海ディズニーランド内はもちろん大丈夫ですが、注意したいのは周辺。
チケットの転売をしていたり、なにかと客引き目当ての人がウロウロしていることもあるので、園外で声をかけられても無視しましょう。

女性が気をつけたいトラブルと対策

客引きや詐欺の場合、女性だけのグループだと目がつけられやすくなります。
やはり、興味のないことだったり、嫌なことははっきりと態度に表すことが大事なので、間違っても笑顔を見せたり、隙きを見せないことが大切です。
また夜間に出歩くのはどの国でも危険な行為なので、どうしても夜間にでかけたい場合はタクシーなどを使うことをおすすめします。

上海でトラブルにあった時の対処法

パトカー・救急車・消防車を呼ぶとき

  • 警察:110
  • 消防署:119
  • 救急車:120
  • 交通事故:122

  • 上海市公安局:021-6231-0110

パスポートのトラブルは日本領事館へ

パスポートを紛失した、盗難にあったなんてことがあればすぐに日本領事館へ連絡しましょう。
パスポートの再発行の手続きをします。

その際に迅速にことが運べるよう、パスポートのコピーもしくは写真を常備し、もし何か起こってもいいようにしておきましょう。

  • 在上海日本国総領事館 大使館代表 021-5257-4766、または021-6209-2664

公式サイト:在上海日本国総領事館

クレジットカード紛失時

上海旅行中にクレジットカードを紛失した場合には、すぐにクレジットカード会社に連絡をしましょう。
自分でオンラインで利用停止にすることもできますし、会社に連絡をとり取引の中止もしくは取引のキャンセルをしてもらいましょう。
クレジットカードを失くしてしまった場合は、時間との勝負。気づいた瞬間にすぐに対処することが大切です。

まとめ

上海はきちんとした目的と興味、好奇心があって冷静に旅している人なら心配無用の街です。
上海を安全に楽しむコツは、先入観を持たずに自分なりの旅を楽しむことです。以上を頭に入れて快適な旅を楽しんで下さい。

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以上、中国・上海の治安についてでした。