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ウェストミンスター寺院を徹底解説!王室や偉人を追悼しながら歴史を感じよう

この記事を執筆したライター:ロンドン在住「三井」さん

BBCを使って英語を勉強していましたが、こんなにイギリスが好きになるとは思っていませんでした。 イギリスでは中部とロンドンに住んだことがあり、ロンドンの雰囲気やバイブはとても魅力的ですが、各地域にはそれぞれの魅力があります。個人的には郊外にいる時の方が人や文化にイギリスらしさを感じます。そんな私のおすすめは街から一歩出て町歩きをすることで、テムズ川沿いの町・景色はロンドンからのアクセスも悪くないのでおすすめです。 また、日常生活を大事にしているので、近所の人から教えてもらった?目撃した?普段の生活のことや、スーパーや台所事情にも詳しいです。 イギリスは天気も変わりやすく、風も強いので、遊びに来る人には歩きやすくて乾きやすい靴やコンパクトに持ち運べるウィンドブレーカーを持ってくることをおすすめしています!

【イギリス・ロンドン在住ライター執筆】ウェストミンスター寺院は英国の歴史と文化を象徴する建築物で、中世から現代まで王室行事が執り行われてきた場所として有名です。その壮麗なゴシック様式と美しいステンドグラスは、訪れる人々を圧倒し感動させることでしょう。
かねてより活躍してきた偉人を祭る場所でもあり、偉人たちを追悼する目的で訪れる人も多いです。

この記事では、ウェストミンスター寺院の歴史や建築の特徴、基本情報から見どころまでロンドン在住ライターが徹底解説していきます。


Photo by 三井

王室と深いつながりのあるウェストミンスター寺院

ウェストミンスター寺院(Westminster Abbey)の起源は960年に設立されたベネディクト派修道院です。

その後すぐに当時のイングランド国王エドワード懺悔王の指示でウェストミンスター寺院が建立されました。

観光地として内部が一般公開されるようになった現在でも王室にとって重要な場所であり、2022年に亡くなったエリザベス2世女王の葬儀もこのウェストミンスター寺院で行われたほどです。

戴冠式や葬儀など歴代の王室行事が開催されている


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1066年にはじめて戴冠式(国王の即位式)に使われて以来、数々の王室行事がウエストミンスター寺院で開催されてきました。

王室行事には戴冠式以外にも数多くの葬儀が行われてきたほかに、ロイヤルウェディングと呼ばれる王室の結婚行事も過去16回にわたって催されています。

建物自体に歴史的文化的価値があることはもちろん、王室と切り離すことができない関係にあることもその価値を物語っているということができます。

ウェストミンスター大聖堂(Westminster Cathedral)とは別物


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ウェストミンスター寺院の近くにはもう一つウェストミンスター大聖堂という大きな教会があります。

ウェストミンスター大聖堂の建物も素晴らしいですが、今回ご紹介するのは1000年の歴史と王室との関わりが深いウェストミンスター寺院です。

それぞれ徒歩15分ほどの距離なので、もし間違ってウェストミンスター大聖堂に行ってしまっても慌てる必要はありません。

ロンドンに位置する世界遺産のひとつ


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なんとロンドンには4ヶ所の世界遺産があるのですが、そのうちのひとつとして登録されているのがウェストミンスター寺院とウェストミンスター宮殿を含むエリアです。

1987年からユネスコの世界文化遺産に指定されていて、最寄り駅を降りるとすぐそこには数年前に工事が終わったビッグベンがあります。

広場に時折鳴り響くウェストミンスターの鐘のチャイムのメロディーとビッグベンの記事もあわせてぜひチェックしてみてください。

ウェストミンスター寺院への行き方と基本情報

ウェストミンスター寺院への行き方と基本情報を紹介します。

  1. 住所:Dean's Yard, London SW1P 3PA
  2. 営業時間:09:30〜15:30(土09:00〜15:00、日礼拝のみ)、最後の入場は開館時間の30分前までです。
  3. 入場料:大人£29(6−17歳までの子供一人まで同伴可)、子ども£13
  4. 公式ウェブサイト:https://www.westminster-abbey.org/ja/visit-us
  5. 電話番号:020 7222 5152
  6. アクセス:地下鉄ウェストミンスター駅(ジュビリー線、ディストリクト線、サークル線)からテムズ川とは反対方向に徒歩5分
  7. 訪問のアドバイス:比較的空いている年明けがおすすめですが通年で美しいです。現地で行列に並ぶよりは事前予約をして予約者の列に並びましょう。
  8. その他:海外の学校・学生の団体訪問は月曜日から金曜日までの受付です。入場時には無料の日本語オーディオガイドがつきます。

ロンドン・パス(The London Pass)があればお得に入場できる!


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ロンドンの観光スポットをたくさん回りたいけれど入場料を節約したいという人には『ロンドン・パス(The London Pass)』はぜひおすすめしたいです!

2024年3月現在で1日パスで大人£90、子ども£55とGBPポンドが値上がりしているいま決して安い価格ではありませんが、入場料が高い施設も含まれていることや1日パス以外にも2日や3日などの種類があるのは大きな魅力です。

購入はオンラインアプリでQRコードを取得するだけで、印刷なしでもTiqetsというプラットフォームでもできます。

ロンドン・パスでたくさん回るというよりも個別のツアーを楽しみたいという方はロンドン在住日本人のロコにぜひ依頼してみませんか。

ウェストミンスターについてもっとくわしく知りたい方は、「ロコタビ」でロンドン在住日本人のロコにサポートを依頼してみましょう!

ウェストミンスター寺院を回るなら見るべき箇所を紹介


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内部の見学は早い人でも所要時間は1時間ほどかかり、現地の混雑状況も時期や到着時間により変わるので、事前に見たい場所を確認しておきましょう!

無料の日本語翻訳のオーディオガイドもあるので英語が苦手な人がお越しになっても楽しみながらご覧いただけるはずです。

写真撮影は日曜日の礼拝など撮影が禁止されるイベントがある日、クイーンズ・ダイヤモンド・ジュビリー・ギャラリーズなど特定の部分を除いて自由に撮影できます。

イギリスの歴代国王のお墓(Tombs of medieval kings and queens)


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ウェストミンスター寺院には歴代の国王が眠っています。

国王の始まりと終わりのどちらの場所としても使われていますが、寺院に眠る歴代の国王や数々の著名人、政治家がいまでもイギリスを守護しています。

エドワード懺悔王の礼拝堂

Tomb of Edward the Confessor出典:Wikimedia

エドワード懺悔王とは1042年から1066年までイングランドを統治してウェストミンスター寺院の基礎をつくった人物であり、最初に埋葬された人でもあります。

寺院の中心に位置するこの聖堂には複雑な石の彫刻や金の装飾が施されていて当時のイングランドの繁栄を見てとることができます。

なお、現在は老朽化により一般公開されていません。

レディチャペル(Lady Chapel)


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16世紀前半に建てられたゴシック様式の建築で聖母マリアに捧げたレディチャペルと広く呼ばれますが、ヘンリー7世チャペルとしても知られるチューダー朝時代の建物です。

かつてのスコットランド女王メアリー・スチュアートやエリザベス1世が埋葬されている小部屋の装飾や、チャペルの天井に彫られた緻密で美しい彫刻が見どころ。

清教徒革命(ピューリタン革命)を指揮したオリバークロムウェルが埋葬されていたり、ホールには騎士団の紋章が掲げられていたりする様子も見逃せません。

詩人のコーナー(Poets’ Corner and tomb of Geoffrey Chaucer)


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イギリスで最も有名な文学者、詩人、作家、劇作家を記念するために設けられたエリアで、最初の歴史は400年以上も前にさかのぼります。

歴史の始まりにあたるイギリス文学の父ともいわれる、ジェフリー・チョーサーが埋葬されたのがその始まりで最も歴史を感じさせてくれます。

シェイクスピアやチャールズディケンズといった、一度は名前を聞いたことがある人たちの名前を目にすることができるのもポイント。

科学者のコーナー(Scientists’ Corner)


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科学者のコーナーは、科学技術の分野の功労者を称えるために1900年代に設立された比較的新しいエリアです。

寺院内の既存のエリアに新しく床石や記念碑などが置かれたこじんまりとしたものですが、アイザックニュートンやチャールズダーウィンなど著名な科学者の名前が並んでいます。

見学時に渡されるパンフレットにはScientists’ Cornerという表記はないので、ニュートンとダーウィンの名前を目印にぜひ探してみましょう。

無名戦士の墓(Tomb of the Unknown Warrior)


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第一次世界大戦後の1920年に戦争で命を落とした兵士に、追悼と敬意を捧げるためにつくられたお墓(Grave of the Unknown Warrior)です。

ウェストミンスター寺院の床石に埋め込まれた墓碑の中でも上を歩くことが許されないただ一つの墓標で、周囲はポピーの飾りなどで彩られています。

ロンドンを含めたイギリス各地で、同様の第一次世界大戦の記念碑やポピーの飾りが普及していることに改めて戦争の痛ましさを感じる人もいるかもしれません。

主祭壇(High Altar and Cosmati Pavement)


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主祭壇は数々の王室の戴冠式、結婚式、葬儀が執りおこなわれてきた場所です。

ウェストミンスター寺院の中心に位置していて、垂れ幕や寺院の吹き抜けが神聖な雰囲気を醸し出しています。

また、コスマティペイブメントと呼ばれる幾何学模様の床石がとても芸術的で、さまざまな色の石や大理石がモザイク状に散りばめられた様子は必見です。

通常の見学では壇上への立ち入りが禁止されていて見学ルートから一目見ただけではわかりにくいですが、祭壇と足元にもぜひ注目してみてください。

クワイヤ(Quire)


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あまり馴染みのない言葉かもしれませんが、クワイヤはラテン語の「コーラス」に由来しているとなるとイメージがつくのではないでしょうか?

クワイヤは聖歌隊が整列する場所にあたり、主祭壇の目の前に位置しています。

天蓋の装飾や彫刻、聖歌隊のために設けられた席やライトも歴史を感じさせますが、白と黒の大理石が敷き詰められた床もとてもきれいです。

クワイヤから主祭壇にかけての眺めにぜひ足を止めてみてください。

歩廊・回廊(The Cloisters)


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回廊(クロイスター)は、寺院の前に建てられていたベネディクト会の修道院だった頃の名残でもあります。

中庭を囲むようにつくられている回廊から眺めるロンドンの空は、いまでも中世の趣を感じさせるどこか映画のワンシーンの様な光景です。

チャプターハウス(Chapter House)


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チャプターハウスは、修道士たちの日々の集まりのために使用された八角形の形状をした建物(部屋)です。

繊細な彫刻で飾られたアーチ型の天井や建物の中心から天井にかけて伸びる柱の造形、窓ガラスがとてもきれいです。

八角形に均一を取りながらも複雑な彫刻がされている点や、キリストの系図を描いた「エッサイの木」をイメージした柱は必見です。

イギリス最古の扉と称されるドアもぜひチェックしましょう!

ピクス礼拝堂(Pyx Chamber)


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ピクスチャンバーは11世紀にさかのぼる歴史を持つ地下室で、礼拝堂としての機能よりも儀礼で使用される宝物などを保管する場所として機能していました。

建築当初は扉などはついていなかったようですが、動乱などで宝物が失われることを避けるために13世紀ごろには地下倉庫としての使えるように改築されました。

入り口に使われている重厚な扉は14世紀からあるもので、床面のタイルも建築当初の11世紀のものが残っている当時の姿をそのまま残した貴重な部屋です。

戴冠式の椅子(Coronation Chair)


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700年以上も前に当時のエドワード1世により製作されたとても歴史ある椅子です。

いまでも戴冠式に使われる一見ただのオーク材の大きな椅子ですが、以前は金の装飾がされていた豪華なものでよく見ると彫刻や足元に彫られた獅子を見てとることができます。

イングランドがスコットランドと紛争をしていた時に持ち帰った、スコットランドに伝わるスクーン石(運命の石)と呼ばれる石を置くための椅子でもあり、王室の権威の象徴ともいうことができるかもしれません。

エリザベス女王の窓(The Queen’s Window)


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エリザベス女王の窓は、今は亡きエリザベス2世女王の在位60年を記念して2013年にイギリス人アーティストのデイヴィッド・ホックニーによりデザインされました。

ひときわカラフルなステンドグラスは、受付オフィスのすぐ後ろにあるので訪れた人の目にすぐとまるはずです。

花の咲く木々、なだらかな丘、曲がりくねった川などイギリスの自然と春をモチーフにしたモダンなステンドグラスと歴史ある建物の調和を楽しみましょう。

クイーンズ・ダイヤモンド・ジュビリー・ギャラリーズ(The Queen's Diamond Jubilee Galleries)


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700年以上にわたって一般の立ち入りが制限されていたエリアを使って2018年にオープンした新しいギャラリーです。

建築上トリフォリウムと呼ばれる寺院の上の階にあり、アーチ型の天井や複雑な建築の細部を間近で鑑賞することができます。

もちろん王室で保管されてきた宝物や文化財の展示も見逃せません。

一般見学のルートとは別途料金がかかるのと写真撮影は禁止されているので注意しましょう。

まとめ:歴史的瞬間を何度も迎えているウェストミンスター寺院を訪れて満喫しよう


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ウェストミンスターのエリアは足を運ぶ日によってたくさんの発見がある場所で行く度に好きになるような場所です。

街歩きだけでももちろん楽しむことができますが、寺院内部にはさらなる発見と体験が待っています。

暖かい季節になるほど歩行者でとても混雑するので余裕を持って行動できるように事前に周辺情報を確認しましょう!

ウェストミンスターについてもっとくわしく知りたい方は、「ロコタビ」でロンドン在住日本人のロコにサポートを依頼してみましょう!