チューリッヒの旅行ガイド情報

スイス・チューリッヒ入国審査・出国手続き〜免税申告、イミグレーション

【スイス・チューリッヒ在住者執筆】スイス・チューリッヒ空港にはじめて旅行へ行く方の中には、空港での出入国の手続きがどうなのか不安を持っていらっしゃる方も少なくないでしょう。
ここではチューリッヒ空港の入国手続きの流れや所要時間を詳しく解説! 入国・出国カードを提出しなくてもいい空港なので、必要なものはパスポートと搭乗券のみ。
入国審査で聞かれることを英語と発音の仕方、並びに税関申告をしなくてはいけないものを掲載しています。
さらに今回は他の国で多額のお買い物を持ち込んでスイスに入国する方に耳寄り情報! 最新の簡素申告スマホアプリQuickZoll情報をゲットしました! 言葉のわからない外国での書類の記入や列に並ぶなどの税関申告に煩わされることもなくなります。
チューリッヒ空港出発時の免税申請についても分かりやすく説明しています。免税申請の条件や方法、払い戻し方法もしっかり知っておきましょう。空港でのノウハウはこれですべて解決! スムーズに入国・出国を済ませられます。

スイス・チューリッヒ空港は、2018年6月に新しく出入国審査場をリニューアルしました。旅行者の待機スペースが広くなり、2017年に導入した、生体認証で顔認識する自動出入国審査ゲートが全部で13基と増え、係員のいるカウンターも6箇所増設しました。
日本人が利用できるのは、カウンターの審査場となります。質問される言語は英語。どんな質問があるのかもリストアップていますのでご安心ください。チューリッヒ空港での入出国手続きの注意事項にも触れておりますのでご参照ください。

チューリッヒ空港での入国手続きの流れと所要時間

日本からスイスへ直行便で到着する場合は、入国手続きはチューリッヒ空港で行います。飛行機を降りたら、出入国審査「Immigration」の案内板に従って進んでいきます。ここでは、入国手続きの流れと所要時間の目安をわかりやすく紹介いたします。

1.入国検査

まず「Immiration」の表示に従って、入国審査のカウンターへ進んでください。パスポートと航空券を提示します。入国検査では、入国審査カウンターでパスポートのみを提示します。入国カードはありません。日本人の場合、スイス滞在が6ヶ月間で90日以内の観光の方は、ビザは必要ありません。

入国審査に必要なもの

パスポートと帰りの航空券のある、Eチケットなどを提示してください。入国カードは必要ありません。入国スタンプを押されることもあまりありません。

入国審査で聞かれること

入国審査でよく聞かれるのは、スイスには何日滞在するのか、どこに行くのか、観光か、などです。チューリッヒはドイツ語圏ですが、審査員はみな外国人相手には英語で話しかけてきます。下記はよく聞かれる質問の例と答え方です。少し覚えておくと、スムーズにいくでしょう。当日から滞在するホテルなどの名前と住所の入った行程表などを持参していると便利です。

入国審査で聞かれる質問と回答の例
1. パスポートを見せてください。
  May I see your passport? (メイ アイ シー ユア パスポート?)
  / Passport please. (パスポート プリーズ)

2. 渡航目的は何ですか?        

  What’s the purpose of your visit? (ワッツ ザ パーパス オフ ユア ヴィジット?)
  (回答)観光です。  / 仕事です。  / 勉強で。
     Sightseeing  / Buisiness  / To Study
      (サイトシーイング)/(ビジネス)  /(トゥースタディ)

3. どのくらい滞在しますか?
  How long will you stay in Switzerland?(ハウ ロング ウィル ユー ステイ イン スウィッ                      ツランド?)
   (回答)5日間です。 Five days.(ファイブ デイズ) /
       1週間です。 One week. (ワン ウィーク)

4. 滞在先はどこですか?
  Where are you going to stay?(ウェア アー ユー ゴーイング トゥー ステイ?)

   
   (回答)ヒルトンホテルです。
       Hilton Hotel Zürich. (ヒルトン ホテル ズーリック) 

2.手荷物受け取り

「Baggage Claim」の案内板に従って進んでください。近くまで行くと、電光掲示板に荷物の受け取りの番号が示しているので、その番号のあるターンテーブルに向かっていきましょう。
その番号には出発空港の名前が記している案内板が置かれていますので、今一度確かめてください。そこで荷物をピックアップしましょう。ピックアップの際には、預けた時のクレーム・タグで必ずチェックしましょう。

▼下の写真のように、Baggage Claimの画面の一番右側が荷物引き取りのステーションの番号です。

荷物が破損していた場合は、すぐ近くにあるバゲージカウンターに申し入れてください。保険で保障したり、航空会社に弁償してもらえるケースもありますので、かならず申し付けの際にそこでフォームをもらってください。荷物が見つからない場合は、荷物の追跡を申請してもらい、後で連絡をもらえるように連絡先を渡します。これからの移動の行程も伝えておいたほうがいいでしょう。こちらからの連絡先も聞いておいてください。

3. 税関申告

手荷物検査は特にありません。荷物が免税の範囲内であれば、特に何もする必要がないので、そのまま到着出口緑のランプに進んでください。
もし、免税の範囲を超える荷物がある場合は、赤のランプのゲートのカウンターがありますので、そこで申告してください。

免税範囲

  • アルコール15%以上は1L、15%未満は2Lまで    ただし、17際未満のアルコール持ち込みは禁止されています。
  • タバコ200本、葉巻50本、刻みタバコ250gまでのいずれか一種類なら無税。   ただし、17際未満のタバコの持ち込みは禁止されています。
  • 食品1日相当消費量とそれ以外の品物合計CHF300まで。
  • 私物の携行品で持ち帰るもの。

スイス入国で持ち込み禁止の物

肉・魚製品・乳製品・野菜

アプリでクイック申告! QuickZollの申請方法

スイスに入国する時、税関の申告書類に記入したり、窓口に並んだりするのは疲れますね。これを解決! スイス連邦事務局(FCA)が無料スマートフォンアプリQuickZollを開設!
アプリの使い方は比較的簡単です。持ち込む商品の種類や量を登録し、提示してきた税金をスマートフォンで支払う。免税や支払い方法などの細かい情報は、アプリをダウンロードすればすべて記載されている。まだこのシステムは始まったばかりですが、今の所は好調な滑り出しらしいです。まずは下記のアプリをダウンロードしましょう。2026年にはデジタル化する「DaziT programme」が採用されるらしいのですが、それはまだまだ先のことのようです。

クイック税関申告アプリ QuickZoll

App Store



Google Play で手に入れよう


4.到着ロビー

手荷物の受け取りが済めば、【Arrival】と書いた案内板に沿って進みます。右に税関申告カウンターを見て、出口を出るとそこが到着ロビーとなります。航空会社や日時によって、Arrival1と2のどちらかなのかが異なります。どちらの到着ロビーでも距離的にはそれほど変わりません。1と2の到着ロビーは徒歩で数分です。ちなみに到着ロビー1の前にはタクシーが停車していて、到着ロビー2の向かいには、鉄道駅やショッピングセンターの入っているエアポートセンターがあります。空港のフロアマップをご参照ください。

Zürich Airportフロアマップ

チューリッヒ市内への移動方法は下記の記事に詳しく書いていますのでご参考にしてください。
関連記事:スイス・チューリッヒ国際空港から市内・各地観光地へのアクセス方法

チューリッヒ空港での出国手続きの流れと所要時間

1.出国手続き

出国手続きは簡単に済みますが、混み合うことも多いので、時間には余裕を持って出国手続きカウンターまでお進みください。スイスには出国カードはありません。出国審査のカウンターでパスポートと搭乗券を提示してください。日本人のパスポートを所持していれば、あまり多くのことは聞かれずに、簡単に通過できます。

出国審査に必要なもの

出国審査に必要なものは、パスポートと搭乗券のみです。家族でのご旅行の場合は、夫婦と子供達全員でカウンターに進めます。

出国審査で聞かれること

出国審査ではあまり質問を受けることはありません。審査員から「ありがとう」や「さよなら」などと言ってくれることもあり、和やかな環境です。

2. 免税申告(タックスフリー)

滞在中に買い物などをして申告するものがある場合は、この時申請の手続きをしてください。付加価値税(VAT)の申請書類を準備しておきましょう。免税手続きをするタイミングは、保安検査を通り抜けてからで、そこを過ぎてから右手に進んでもう一度右折すると、税関の部屋が見えます。税関「Customs」という案内板に従って進んでください。「Zoll Douane Dogana Customs」(ドイツ語、フランス語、イタリア語、英語)で書かれた扉の向こうが税関です。中では撮影が禁止となります。そこで商品と書類、それからパスポートを見せて、スタンプをもらいます。税関でスタンプを押印された書類を、購入した店からもらった封筒に入れ、税関の後ろにある黄色いポストに投函すれば終了です。Global Blueの代行業者を利用して免税手続きをする場合は、スタンプをもらったあと、Global Blueのカウンターに行き、カードへの払い戻し手続きをおこなってください。

税関申請書類の準備

免税加盟店は店先に「TAX FREE」と提示しています。しかし、免税は自己申請なので、購入時に「タックスフリー、プリーズ」と申し出ないといけません。
免税の条件は次のようになります。

要項 条件・詳細
VAT税率 7.7%
免税対象額 300スイスフラン(CHF)
還付率 4.4%〜6.2%
税関印受領期限 購入日から30日以内
払戻申請期限 購入日から4年以内
必要な税関印 スイス又はその他の国の税関

※18歳以上でなければ、申請できません。

税関申請の方法

品物を購入時に店で受け取った申告書の入った封筒とその品物を空港の税関の係員に提示します。そこでスタンプをもらい、前もって購入店から受け取っている封筒に入れて、税関近くにあるポストに投函します。緑色の書類は自分の控えとして、大切に保管してください。免税手続きカウンターは混み合うことあるので、十分な時間を見込んで早めに申告カウンターに進んでください。日本に帰国してからでは免税の申請はできません。

免税払い戻し

日本に帰国後約3ヶ月以内の払い戻しとなります。クレジットカードで購入した場合は、そのカードの口座に払い戻されます。空港待合場内に払い戻しの窓口があるので、そこでの換金も可能です。

3. 出発ゲート

チューリッヒ空港の出発ゲートはチェックイン1とチェックイン2、チェックイン3(エアポートセンター内)の建物に分かれています。どの建物も隣接していてとても便利です。
通常は、スイス航空(LX)・ルフトハンザ航空(LH)・オーストリア航空(OS)のみがチェックイン1と3(どちらでも可能)で、その他の航空会社はチェックイン2となります。しかし、変更もよくあるので、必ずご利用の航空会社と便名でチェックしてください。ネットでも確認できますので、チューリッヒ空港のホームページからご参照ください。

ZurichAirport出発情報ぺージ

出入国の際の注意点

  • スイス出国の際、EU内で購入したものに関しての免税手続きは不可能です。スイス旅行の後にEU国に戻らない場合は、スイス入国前にEU圏内にて手続きをおすませください。
  • 隣国から列車でスイス入国し、そのまま鉄道でスイスから帰国の場合、国境駅で税関の申告ができませんので、免税手続きは難しくなります。
  • スイスへの旅行には、入国時のパスポートの残存有効期間は3ヶ月以上必要となります。スイスへ出発の前にもう一度パスポートをチェックしましょう。
  • スイス出国の際、とても混み合うことがあります。出国手続きは早めに済ませましょう。
  • スイス航空やルフトハンザ航空でチェックイン1より出発の方へ。 荷物を預けるカウンターはありますが、チェックインカウンターはありません。オンラインチェックインを48時間〜24時間前までに済ませるか、各自でチェックインできる機械がありますので、そこでチェックインをお済ませください。ただし、日本語の画面がありませんので、外国語の苦手な方はオンラインチェックインをお勧めします。また、混み合うことも多いので、時間に余裕のないことが予想される場合も、あらかじめオンラインチェックインをしてください。チェックイン2の建物のチェックイン(他の航空会社)の場合は、カウンターでのチェックインが可能です。

まとめ

チューリッヒ空港は「リーディング・エアポート」賞を長年に渡り受賞し、輝かしい認知度を保っています。比較的大きい空港ではありますが、空港内の表示や施設・サービスの充実さと簡便さに誇りを持つ心地よい空港です。きっとあなたの旅行をスムーズなものにしてくれることでしょう。
特にシェンゲン条約で結ばれている国同士の行き来に関しては(例えば、フランクフルト、アムステルダム、パリ、ロンドン、オーストリアなどを経由して入国する場合)出入国の面倒な手間がほとんどありません。スタンプも押してもらえる保安も通過しません。日本で国内の航路発着のような感じです。日本からの直接出入国の場合は、税関は通りますが、日本人に関してはほぼ顔パスに近く、質問も簡単なものです。日本からの直接出入口はEゲート、ヨーロッパ内(シェンゲン条約国)はAゲートと覚えておきましょう。EからAにはシャトルトレインに乗るだけの簡単さ。あとはゲート番号や税関・荷物受け取りの書いた表示に沿って進むだけです。きっと考えたよりも簡単に出入国ができることに驚かれることでしょう。

チューリッヒへ旅行するとき分からないことがあれば、ぜひロコタビを利用してみてください!無料Q&Aでは、ロコたちが疑問に答えてくれることでしょう。