スイス・チューリッヒ路線バス乗り方ガイド(路線図、料金)〜短期・長期留学生や海外赴任の方にとても便利
【スイス・チューリッヒ在住者執筆】チューリッヒの交通網はとても便利な仕組みになっています。チューリッヒ市内中心街の決められたルートの中ではトラムが便利で、中心街から少し離れた地点に行くときや、郊外に出るときは、バスのネットワークの利用がとても充実しています。チューリッヒでは中心街にショッピングや観光に出るときは「トラム」、トラムの駅からだとかなり距離がある場合や、郊外にある自宅から登校時・出勤時にチューリッヒ中心街に出てくる時は「バス」とそれぞれ役割が違います。バスのネットワークは郊外にも広がっていて、郊外に住んでいる人にとって欠かせません。便利な点は、バス券は、トラムやS-Bann(ローカル電車)と共通で利用できることです。私たち日本人にも貢献してくれています。特に短期語学留学の方、バレイなどで長期留学される方、そして海外赴任されている方にとって、バスは非常に便利な交通手段といえるでしょう。チューリッヒのバスの仕組みをマスターし、トラムやS-Bahnnとのコラボとともに、行きたい場所に簡単に行ける交通手段を徹底しておくと、スイス滞在が心地よいもとなることでしょう。
チューリッヒでは市内を54路線のバス(トロリーバスを含む)が走行しています。これらのバスは、VBZ(チューリヒ交通局)が運営しており、市内の主な交通網として多くの人々が利用しています。チューリヒのバスはゾーン別に分かれていて、同じゾーン内であれば料金は均一ですし、時間内であれば乗り換えも追加料金なしで乗れます。また、バスの乗車券はトラム・S-Bahn(ローカル電車)と共通で利用可能です。バスの乗車券には、定期券や回数券など多数の種類があります。
チューリッヒのバス路線
チューリッヒのバスのネットワークは市内や郊外を効率よく縦横しています。チューリッヒ市内だけでも54系統もあり、チューリッヒ交通局は郊外も含めると332の路線を持つ巨大バスネットワークを実施しているのです。一番長いルートは、シャウハウゼンの駅まで延びています。各路線は複雑に交差しているため、どの番号のバスがどこから発着するかを把握することはとても困難なことです。そこで、チューリッヒ市内のバスのルートの調べ方と、地図付きのバス停を解明してみました。
チューリッヒ市内と郊外の交通ルートマップ(路線図)
チューリッヒ市内の54の路線ルートと郊外全ての停留所が分かる便利な交通網マップです。これで自分の行先に向かうバスの番号がわかります。
参考記事 : Stadt Zürich ZVV
まずは駅のインフォメーションセンターへ!
上記のルートマップを見てもわかるように、これだけバスの路線が多いと自分の行きたいバスの番号がどこなのか見つけるのが大変そうですね。そのために、交通ルートマップをツーリストインフォメーションセンターまたはチューリッヒ中央駅でゲットしましょう。まずはここで色々と質問しておくのもいいかもしれません。ここではバスのチケットや定期券などを購入できます。
バスルートマップのピックアップやチケット購入(一日券・定期券・スイスカード)はここでできます。
(写真左上)チューリッヒ中央駅一階にあるスイス国鉄のチケットカウンター
(写真右上)チューリッヒ中央駅一階、チケットカウンターの奥側にある、ツーリストインフォ。
各バス番号と全バス停
チューリッヒ交通局のホームページで、バス番号ごとに全てのバス停の名前がわかります。
参考記事 : ZVV Zürcher Verkehrsverbund
バス乗り場
チューリッヒ中心街には数個のバス発着乗り場があります。下記の6つのバスストップを知っていると便利です。地図で確認しておきましょう。
①〜⑥ | バス乗り場名 | 停車バスの番号 |
---|---|---|
乗り場① | Bahnhofstrasse/HB | N1、N6、N13 |
乗り場② | Bahnhofplatz/HB | N2, N8 |
乗り場③ | Sihlquai/HB | N4, N5, N13 |
乗り場④ | Central | 31, 46 |
乗り場⑤ | Paladeplatz | N1、N6、N13 |
乗り場⑥ | Belluvue | N12, N13 |
地図
【乗り場①】
【乗り場②】
【乗り場③】
【乗り場④】
【乗り場⑤】
【乗り場⑥】
バスの時刻表
チューリッヒ交通局のホームページから
チューリッヒ交通局の下記のアドレスにアクセスして、From(出発場所) To(到着場所)と日時を入れるとルートとバスやトラムの番号などを教えてくれます。また、ホームページからチケットを購入することもできます。
参考記事 : Stadt Zürich VBZ
ZVVのアプリをダウンロード(乗り換えやチケットの購入)
チューリッヒ交通局(ZVV)アプリのダウンロードで、バスのスケジュールをチェックでき、チケットの購入もできます。
ZVVのダウンロード
料金設定と割引料金
利用ゾーンと有効時間による料金設定
チューリッヒ市内はゾーン(ZONE)によって分かれており、ZONEによってバス・トラム・S-Bahnの料金が異なります。同じZONEを移動する際は料金一律で、しかもトラムやS-Bahnとの共通券となります。ちなみにチューリッヒの観光地のほとんどがゾーン110内です。空港は121ゾーンとなります。一回券のみを購入する場合は、そのゾーン内で1時間以内であれば、乗り換え時も追加料金なしで利用できます。ゾーンのマップは下記のようになります。2019年最新の料金表もご覧ください。
参考記事 : Stadt Zürich VBZ
一回券「Single ticket」大人料金(子供料金は半額)
行先の範囲内(Zone)と有効時間内であれば、何度でも乗車できます。シングルチケットの他に、Multiple-journey ticketというのがあり、6枚のシングルチケットが1割引でセットになっています。Short Distancesは有効時間30分で中心街内のみ使用できます。
ZONE(ゾーン) | 有効時間 | 大人料金(CHF)スイスフラン2等 |
---|---|---|
1〜2 Zone | 1時間 | CHF4.4 |
3 Zone | 1時間 | CHF6.8 |
4 Zone | 1時間 | CHF8.8 |
5 Zone | 1時間 | CHF10.8 |
6 Zone | 1時間 | CHF13 |
7 Zone | 1時間 | CHF15 |
全てのエリア | 2時間 | CHF 17.2 |
Short distances | 30分 | CHF2.7 |
一日券「Day ticket」
範囲内であれば24時間乗り放題。この他にMultiple day passesは、一日券が6枚セットで通常の1割引です。
ZONE(ゾーン) | 有効時間 | 料金(CHF)スイスフラン2等 |
---|---|---|
1〜2 Zone | 24時間 | CHF8.8 |
3 Zone | 24時間 | CHF.13.6 |
4 Zone | 24時間 | CHF17.6 |
5 Zone | 24時間 | CHF21.6 |
6 Zone | 24時間 | CHF26 |
7 Zone | 24時間 | CHF30 |
全てのエリア | 24時間 | CHF 34.4 |
割引チケット
チューリッヒ中央駅カウンターまたはツーリストオフィスにてお求めいただけます。
チューリッヒ・カード
料金
種類 | 料金 大人 | 料金 子供 |
---|---|---|
24時間カード (1日券) | CHF27 | CHF19 |
72時間カード (3日券) | CHF53 | CHF37 |
特典
チューリッヒ市内のバス、トラム、ケーブルカーが乗り放題。
チューリッヒ空港やユトリベルク(Uetliberg)へも無料で移動可能。
チューリッヒ市内の博物館や美術館が無料または割引に。
旧市街のシティツアーや様々なイベントの割引(最大50%オフ)
購入方法
チューリッヒ空港
到着1、2のSwitzerland Infoの窓口で。(営業5:45〜23:30)
P2カーパークのサービスセンターにて。
地下一回(Level1)のスイス鉄道SBBの窓口。
チューリッヒ中央駅
Tourist Information窓口で。
自動券発売機でも購入が可能です。
※使用時の注意
使用する当日に、駅や券売機にある下記の写真のような打刻機に差し込んで券面に利用日時打刻をしてください。
共通定期パス(Transferable Monthly Pass)
チューリッヒに短期・長期滞在している人で、週に3〜4回利用する人は、定期バスを購入した方がお得です。このパスも、決められたゾーン内であれば、トラムやS-Bahnなど他の交通手段と共通で使用できます。料金は下記のようになります。1〜2ゾーンには空港行きも含まれています。
2019年一ヶ月共通定期パス料金表
ゾーン | 大人二等 | 大人一等 |
---|---|---|
1〜2 ゾーン | 95CHF | 157CHF |
3 ゾーン | 139CHF | 229CHF |
4 ゾーン | 185CHF | 305CHF |
5 ゾーン | 226CHF | 373CHF |
全ゾーン | 271CHF | 447CHF |
他にも一年の定期パスがあり、2割近く割引となります。共通定期パスはツーリストオフィスか駅のチケットセンターにてお買い求めください。
さあ、切符を買ってみましょう!
券売機での購入方法
まずは画面左下の「English」を選択してください。切符を買うときは行きたい場所がどのゾーンに属しているのかを、券売機にあるゾーンマップで確認します。ゾーン番号を入れ、使用時間を決めます。ただ、チューリッヒの観光地はほとんどZone110なので、Single ticketと選択するだけで簡単に買えます。チューリッヒ空港はZone121です。初めの画面の「Zurich Airport」を選択するだけで、Zone番号を入れる必要はありません。
チューリッヒ市内中心部の博物館や美術館などを訪れる為に短距離で移動するときは、「Short-Distance」のチケットを買いましょう。有効時間は30分です。料金も約半額で済みます。「Single ticket」は一回券で、1時間の間に使用するのが条件です。1時間以内であれば、乗り換えはこの一枚で大丈夫です。一日券を購入するときは「Day pass 24h」を選択します。この画面の後は支払いとなります。中央駅などでは写真右上のようにクレジットカード支払い可能な券売機がありますが、コインのみでしか支払えないところもあるので、ご注意を。
券売機がバス停にない場合
郊外に出ると、券売機のないバス停もたくさんあります。その場合は、運転手さんから購入ができます。行先と人数(大人か子供)、割引チケット(半額チケットを所持しているスイス人が多いので、持っているか聞かれることもあります)の有無を告げてください。購入したら打刻しないで、目的地まで所持しておくだけです。
行先は最終目的地で
乗車するバスがあなたの希望の最終目的地まで走行していない場合でも構いません。購入するバスチケットは有効範囲内(ゾーン)で有効時間内でさえあれば、他のバスの乗り換え・トラムやS-Bahnにも使用できるので、最終目的地を伝えて購入してください。
購入の際のドイツ語会話
「私は〜を買いたいです」のような文章式で話す必要はありません。下記の例のように必要事項を淡々と述べてもらうだけでオッケーです。むしろ運転手さんにも分かりやすくていいのです。バスの運転手さんは英語を話さない人も多いので、簡単な例を挙げておきます。
バスの運転手への伝え方の例
日本語例 | ドイツ語例 | 発音 |
---|---|---|
「Winterthurの国鉄駅まで」 | 「Bahnhof Winterthur」 | 「バーンホフ ヴィンタートゥール」 |
「大人一人、子供二人」 | Ein Erwachsener, zwei Kinder | 「アイン エアワクスナー、ツヴァイ キンダー」 |
「半額チケットを持っています。」 | Mit Half Tax | 「ミット ハルフ タックス」 |
「半額チケットを持っていません。」 | Ohne Half Tax | 「オウネ ハルフ タックス」 |
バスに乗ってみましょう!(乗り方)
バス停で行先をチェックする
バス停には時刻表と路線図が設置されていて、電光掲示板にはあと何分で何番のXX行きが来るかが表示されるので安心です。
バスに乗る
バスに乗る際にはこの緑のボタン(写真下)を押すとドアが開きます。このボタンの内側に光る緑のランプがついていないときは、バスの出発直前なので何度押してもドアは開きません。安全を重視した仕組みですね。車椅子の方は黄色のボタンを押すと、運転手も把握できて気をつけて発車できます。
チケット
券売機で購入したShort Distanceや Singleチケットは購入した時点で日時と時刻が刻まれていますので、検察官がチェックに来ない限りはただ最終目的地まで所持しておいてください。運転手さんに見せることもありません。ただし、一日券やチューリッヒカードをお求めになられた方は、車内にある打刻機で券面に日時を入れてください。
バスの中で降りるバス停を確認する
各バス停の名前と到着時間を示す画面で今どこを走っているのかが車内の電光掲示板にて確認できます。その電光掲示板のの右上に赤でStopと表示されると、次の停留所で停まります。
バスを降りる
次が自分の降りる停留所のときはドア付近や捕まるポールなどに付いているボタン(写真下)を押します。ドアを開けるときもこのボタンを押さないとドアが開かないのでご注意!
車椅子にやさしい手動式スロープゲート
チューリッヒのバスには、同行者や他のお客さんが簡単に出せる、手動式のスロープがあります。ドアのすぐ内側の床のところに組み込んであり、必要な時に、誰でも簡単にスロープが取り外せて、ワンタッチで手動式のスロープがセットできます。運転手の手間が省け、気軽に利用できるのでこれは優れものです。
まとめ
チューリッヒは観光客に大人気の街でもある一方、海外赴任や語学・バレイ留学を目的で短期や長期で住んでいる外国人も多い街です。チューリッヒ中心街は勿論、郊外にまでネットワークが延びている路線バスは、チューリッヒ界隈に住んでいる人たちには欠かせない大切な交通手段です。チケットが他の乗り物と共通に利用できるので、バス、トラムとS-Bahn(ローカル鉄道)を上手く使いこなせば、チューリッヒの生活はとても過ごしやすく便利なものになることでしょう。