【2019年最新情報】スイス・チューリッヒの治安と緊急時の対応

【スイス・チューリッヒ在住者執筆】スイスは日本とほぼ同じぐらい治安がいいと言われています。2018年の「世界平和度指数ランキング」ではスイスは１２位(日本は９位)とかなりの上位に位置しているのもそのはず、電車の中で携帯を忘れても案外見つかったり、スーパーで財布を落として慌てて戻ってみると、誰かが拾ってくれてレジの係りの人が預かってくれている、という話も時々聞きます。
しかし、大きな街では問題はないのでしょうか。
例えばスイスの商業大都市チューリッヒ市内には危険な区域はないのでしょうか。観光者にとって、やはり不安な点も多いと思います。そこであなたが絶対に犯罪に巻き込まれないための必読注意事項リストを作ってみました。そして万が一スリやひったくりなどに遭った時はどのように対処すればいいのか、どこに連絡すればいいのか、パスポートやクレジットカードを盗まれたら何から手をつければいいのか、言葉の障害のある中でパニックにならないように、旅行の前に何をしておくべきなのかなど、ここでは治安のいいチューリッヒではあっても起こりうる被害の可能性とそれを避ける徹底リスト、万が一の時の対処法と緊急時連絡先、そして最後に緊急時に使えるドイツ語でのヘルプ用語をまとめてみました。

　　　　　　　

スイス・チューリッヒの治安はいいの？

一言でいうとスイスは治安がいい！
ヨーロッパの他の国を旅行して、スイスに戻ってくるとほっとすることがよくあります。お金を盗まれたとか、置き引きされた、とかいう話は周りではあまり聞いたことがありません。ただ、これはあくまでもスイスに住んでいる人たちのこと。スイスに旅行されている方は同じようにはいきませんね。見た目からしてウキウキ、ソワソワがいかにも観光者を滲ませており、服装や大きな荷物などで狙われやすいのは仕方のないことです。毎日の生活の中で、スイスでそれほど犯罪らしきものも起こらない点ではスイスは本当に治安がいいのですが、旅行でスイスに来ている人をターゲットにしているスリたちが存在するのは他の国とさほど変わらない事実でしょう。

スイスは本当に治安がいいのかどうか、数字で証明したものがあります。日本と変わらない治安の良さがわかるでしょう。スイスの治安についてのデータをまとめてみました。

世界平和度指数ランキング１２位（2018年）

世界平和度指数ランキングは、各国がどれほど平和であるかの指標を示します。国内紛争や治安の悪化、平和維持に不安要素が大きいと指数は高くなるので、数値が低いほどランキングが上ということになります。調査全163カ国のうち日本は９位、スイスは１２位、さらにヨーロッパ内のみのランキングだとスイスは８位の位置を占めています。

国別ランキング

参考記事 : 世界経済のネタ帳

そして2017年に行った市別ランキングでは、日本からは大阪が3位、スイスからはチューリッヒが10位にランクインしています。

スイス犯罪発生状況

これでスイスの治安の良さは理解してもらえたでしょうか。それでも時々聞くのは観光者相手の犯罪。全体的に治安はいいと言っても、ツーリストを狙った犯罪は後を引きません。
在スイス日本国大使館の調査によると、2017年の窃盗件数は136,816件。傷害は7,437件となっています。旅行者への犯罪が年々増加しており、邦人旅行者が空港や鉄道駅などで置き引きや窃盗被害に遭って大使館や領事館に助けを求めるケースが多発しています。犯罪の手口の具体例などは下記のホームページにて。

参考記事 : 安全の手引き　在スイス日本国大使館

犯罪に巻き込まれないためには？

犯罪が起こりやすい場所に近づかないことがいちばんですが、旅行で来ている限り、そうも言っていられません。ここでは犯罪に巻き込まれない事前注意事項をまとめてみました。　

　

チューリッヒ市内の注意区域リスト

携帯電話やお財布などを盗まれたりしたら、せっかくの楽しい旅行が台無しになってしまいます。犯罪に巻き込まれないようにするにはチューリッヒ市内の注意区域を知っておくのも犯罪防止に役立つでしょう。チューリッヒ市内では下記の区域に行く時はスリやひったくり、置き引きなどに気をつけましょう。

• チューリッヒ空港
• チューリッヒ中央駅
• ニーダードルフ通り（Niederdorfstrasse）
• チューリッヒ中央駅からラング通り（Langstrasse）までの広い区域
• シュワメンディンゲン区域（Schwamendingen）
• 23時以降に電車に乗る場合
• フリーマーケットやクリスマスマーケット、イベント会場

犯罪に巻き込まれないためにの必読注意事項リスト

チューリッヒでスリやひったくりの多い場所は、チューリッヒ空港・チューリッヒ中央駅（特に裏側）・チューリッヒ市内ならニーダードルフ通り（Niederdorfstrasse）など。特に駅やバスターミナルは混雑している場所なので、要注意。海外旅行でいちばん多い被害はスリやひったくり。狙われない、巻き込まれないための注意事項は次の通りです。

注意事項リスト

• 財布やスマホなどの貴重品等はポケットに絶対入れない。
• 支払いの際にお財布の中身を丸出しに見せない。
• カバンがしっかり閉まっているか注意。カバンの口のところは自分の方に向け、閉め口は手で押さえる。通りを歩く時は、カバンを壁側に持つ。
• 暗い道や見通しの悪い裏通りには、一人だけで歩かない。
• グループで行動するスリが多いので、誰かに話しかけられたら、リュックやバッグなどをしっかり押さえておく。見知らぬ人に話しかけられたら、距離を置き、常に自分の荷物に注意を払う。
• 夜遅い電車やトラムには乗らない。
• レストランなどで貴重品を入れてコートを預けない。
• レストランなどで椅子の背にバッグをかけない。足元にも置かない。
• 荷物運びを手伝うなど親切を装ったスリが増えているので注意。
• 必要以上に多額の現金を持ち歩かない。身分証明書は財布とは別々に管理する。
• 観光地や人混みではいつも狙われていると認識する。人混みの中では特に持ち物に注意。

緊急時の対応は？

いざスリや犯罪に巻き込まれた時はどうすればいいだろう。緊急時の各対応と緊急連絡先はしっかり確保しておきましょう。

盗難に遭った場合、置き引きに遭った場合

最寄りの警察に被害届を出す。

貴重品を盗まれたら、まずは速やかに警察に被害届を出し、紛失（Lost certificate）/盗難証明書（Theft certificate）を発給してもらいましょう。
言葉の問題が心配なら、電話などの通訳も行ってくれる海外保険などに前もって依頼していると便利です。または、スイス日本国大使館が通訳の紹介や必要事項の相談に乗ってくれます。　

クレジットカードを盗まれた場合

1. まずはクレジットカードを停止しましょう。

クレジットカード連絡先

1. 最寄りの警察への盗難届出

旅行中および帰国までの資金の確保（クレジットカード会社からの送金依頼など）。クレジットカード会社によっては「緊急カード」を発行することが可能です。

パスポートを紛失・盗まれた場合

申請の流れ

1. 大使館に連絡。電話+41(0)31-300-2222 旅券などの再発行の手続きをします。旅券の盗難に遭われた方は、大使館で紛失の届け出をします。 　
2. 最寄りの警察への盗難届出 警察で届け出をし、紛失・盗難証明書を受け取ってください。
3. 戸籍謄本の取り寄せ 日本の家族や親戚に連絡して取り寄せます。

帰国に必要な所要日数

新規旅券を発給できるまでには4開館日かかります。
または帰国のための渡航書を発給する場合は、旅行日程に合わせての発給が可能です。

参考記事 : 旅行中に盗難にあったら　スイス在日本大使館

在スイス日本国大使館の連絡先

電車の中に忘れ物をした場合

治安のいいスイスでは電車の中で置き忘れたものが案外戻ってくることもよくあります。
まずはチューリッヒ交通局落し物預かり所に直接出向くか電話で連絡します。

電車の中での落し物は全てその日の夕方にベルンへ送られます。
電話だと1分ごとに100円前後の手数料を取られますし、探してもらうのに約1400円の手数料が必要で、見つかった際にも手数料を支払うことになります。

SBB Lost and Found
TEL: 0848-44-6688
easyfindホームページ

面白いキットがあるのを知ってますか。それは「イージー・ファンド」といって、バーコード付きのキーホルダーやラベルがセットとなっていて、それを購入すると連絡先などのデータを登録することができる仕組み。もしイージー・ファンドのついた物を落としたのなら、そのデータを元に探せるので、言葉の問題はあまりなく、見つかるチャンスもグッと増えます。

緊急時に使えるドイツ語

まとめ

安全のための３原則というものがあります。それは、「目立たない」「行動を予知されない」「用心を怠らない」。犯罪に巻き込まれないように、自分と家族の安全は自分で守ることが、楽しい旅行を過ごせる最善の方法だと言えます。いちばん大切なのは、いかに問題に巻き込まれないようにするかを前もって把握し、さらに緊急時のサポートがしっかりしている海外旅行保険に入るなど万が一に備えて準備周到にすることでしょう。
いろいろ緊急時のことに触れてきましたが、スイスは本当に治安のいい国なので緊張感を持ちながらも、十分に楽しんで過ごせるはずです。どうぞ安心していらしてくださいね！