ペルーでのキヌア事情について教えていただけますか?
Yutakaさん
最近日本では健康ブームで、色々な健康に良いという食べ物がフューチャーされていますが、今日日本のNHKの朝イチという番組で、「キヌア」という食材が注目だと特集をしていました。NASAでも採用されたとか?!
http://www1.nhk.or.jp/asaichi/archive/160607/1.html
番組ではペルーでは国民食で毎日食べていると言っていたのですが、実際に現地でキヌアはどの程度食べられているのでしょうか。また、もし毎日食べている場合はどうやって調理などしているか教えいていただけるとうれしいです。
私も、健康には気を使っていて、ペルーの食材がここまで注目されるということに大変興味があります。
2016年6月7日 14時46分
Seigo Mさんの回答
Yutakaさん。
ご質問ありがとうございます。
現地に住む者から見たキヌア、という視点からお答えしたいと思います。
(キヌア自体の専門的な知識、含まれている栄養素等は本やWEB等でお調べになった方がよいかと思いますので・・・。)
ご存知かもしれませんが、2013年が国連で決められたキヌア年と定められてから、急にキヌアが国際的に注目を浴びてきました。ペルーの大統領夫人も協力したキヌアPRが功を奏したのか2015年から、それまで世界一の輸出量を誇っていたボリビアを抜いて、ペルーが世界一のキヌア輸出国となりました。
その余波で、ペルー国内のキヌアの値段は高騰する一方です。少し古い情報ですが、2013年にはすでに88%ものキヌアの値段が高騰したとの報道もあります。
以前はソラマメやジャガイモを生産していた畑にキヌアが植えられている様子もここ数年増えてきましたが、そのキヌアがクスコの中流、下流階級層の人たちの毎日の食卓に上ることはまずありません。理由は値段の高騰です。輸出量が年々増えることによって、国内のキヌアの値段も年々高騰しています。彼らの先祖が実際に栽培し、肉も魚の摂取も乏しい厳しいアンデスの生活の中で貴重な栄養源だったキヌアは今では外国の健康志向の人々のために供給されています。
マチュピチュを訪れる世界中の観光客がクスコ滞在中に少なくとも一度は口にするのはキヌアのスープ、あるいはリゾットです。そのほかにもサラダや、クッキーにされる場合もあります。つまり、ペルーでのキヌアは、地元の人がまずは訪れることがない観光客向けのレストランでふるまわれるものです。
世界中の人たちに注目されている完全食品ともいわれるキヌアのその作物の裏側には、アンデスの気候の厳しい地域で、 子供やお年寄りを含む多くの人が栄養不足で苦しんでいながら、まさにその彼らが生産するキヌアが、彼らの健康のためではなく、巨額の利益を上げる国の輸出のために用いられ、先進国の健康志向の、すでに健康な多くの人々の健康に貢献しているという、南米では珍しくないゆがんだ社会の縮図が隠れているのも事実です。
返答になったかどうかわかりませんが、地元に住む一市民という視点から書いてみました。参考になれば幸いです。
2016年6月9日 13時30分
この回答への評価
大変詳しく回答ありがとうございます。すごく参考になります。
2013年に国連で「キヌア年」と定められたのですね!ということは、今の世界的なキヌアブームもある意味ペルーが狙ってそうなったということになりますね。面白い視点ありがとうございます。
2016年6月9日 14時21分
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