ペルー・クスコの格安公共交通バス「コンビ(Combi)」乗り方ガイド | ツアーよりお得に市内を周る方法!
ペルー・クスコの公共の乗り物、われわれ日本人観光客は使いこなせるか? クスコの街を安く観る方法とは?
南米有数の観光地クスコ。
あのマチュピチュを代表するように、西暦1200年から始まったインカ帝国の遺した文化、習慣、建物を観光するために年間350万人の観光客が国内外から訪れます。
単にマチュピチュに行くための通過点ではない、クスコにはたくさんの魅力があります。
ほとんどの観光客は、流しのタクシーを捕まえ、ツアー客はあるいは旅行社が用意した専用車で回りながら市内、郊外の観光地を回ります。でもクスコの地元の人たちはどのような公共の乗り物を使用するのでしょうか?
地元の人たちの最強の足 ”コンビ”
人口45万人とも言われているクスコ市の交通機関はこのコンビ(Combi)によって支えられています。南米では場所によってコレクティーボ(Colectivo)やバス(Bus)とも呼ばれる乗り合いバスがクスコではコンビ(Combi)と呼ばれます。
名前の違う20社近くの会社がそれぞれ違うルートを運行します。クスコ市民はそれぞれの会社がどのルートを通るかを把握したうえで、自分の行きたい目的地を通るコンビ(Combi)を使います。
路線図も運行表も存在しないため、クスコ市民にとってもすべての違うルートを通るコンビ(Combi)をすべて把握するのは困難。どのコンビ(Combi)に乗ったらよいかわからない場合、乗る前に自分のいきたい場所を告げ、そこを通るか確認して乗る必要があります。
一度どのコンビ(Combi)に乗ったらよいか知ってしまえばあとは簡単、停留所という意味のパラデロ(Paradero)という看板が立っている場所で自分の乗りたいコンビ(Combi)を待ち、コンビ(Combi)が来たら手を出して乗車の意思表示。
乗った後は自分の降りたい場所に近づいたら降りますという意味の言葉”バホ”と言って下車。降りる前にドアの近くにいる運賃を徴収するスタッフ”コブラドール”(Cobrador)に80センティモ(Centimo)を払うのを忘れずに。
時刻表がないためスピーディーではないけれど、一度覚えてしまうと便利で安いコンビ(Combi)はまさにクスコ市民の”最強の足”です。
日本人観光客はこの”コンビ”を使いこなせるか?
これから年末年始にかけて大学生を含めた日本人バックパッカーが大勢クスコを訪れます。できるだけ費用を押さえたい彼らにとって、格安交通手段のコンビ(Combi)は魅力的なはず。
果たして我々日本人はこのコンビ(Combi)を使いこなせるか?
結論から言うとスペイン語が話せない我々日本人にはかなりハードルは高いです。(クスコ在住11年の筆者の経験上)
理由は次の通り。
1.スペイン語力がないとまず無理。
まずどのコンビ(Combi)に乗ったらよいか、どこで降りたらよいか、降りたいパラデロ(停留所)に近づいてることをどうやったら分かるか…土地勘がなく、初めてコンビ(Combi)を使う人はこれらをすべて現地の人とスペイン語でやり取りする必要があります。
英語力0の一般のペルー人と英語でコミュニケーションを取るのは、まず不可能なので結局はスペイン語力。間違えるととんでもない所に行くコンビ(Combi)に乗ったりして大変な目に遭うことも(筆者経験済み)
2.スリ、コソ泥に注意
朝の通勤・通学ラッシュ、あるいは夕方の下校時などの時間帯、クスコのコンビ(Combi)は日本の通勤列車に負けない超高乗車率で運行します。この時間帯はスリにとっても忙しい勤務時間。
あまりスリに遭う経験のない日本人は彼らにとって格好の獲物。満員のコンビ(Combi)に気を取られて気づいたらポケットに入れておいた携帯が無い!!ということもあり得ます。
コンビ(Combi)を使わずに、でも安くクスコを周る方法とは?
では日本人には少しハードルの高いコンビ(Combi)を使わずに、でも安くクスコを観光するにはどういう方法を紹介します。
1.アルマス広場周辺のホテルを確保
クスコの主な観光地のアルマス広場、大聖堂、サンペドロ市場(中央市場)、コリカンチャ、サンブラス地区、この辺りはクスコの街の中心部にあるため、アルマス広場周辺のホテルを確保したら徒歩で訪問可能です。
できるだけ安いホテルを、とアルマス広場から離れたホテルを取ると、ホテルからタクシーを呼んで観光することになり結局割高になる恐れがあります。
2.クスコ郊外はトランビア(Tranvia)を使う
クスコ郊外の観光地といえばサクサイワマン遺跡、クスコ市を一望できるクリストブランコ(CristoBlanco)。
高地のクスコでこれらを徒歩で行くのはちょっとハードなため、安く、尚且つ郊外の観光地を押さえるのに便利なのがこのトランビア。
ただこのトランビアは遺跡内には入らないため、遺跡の中に入ってじっくり見たい人は入場料を払って別の市内観光ツアーに参加することをお勧めします。
レトロな列車の形をしたバスが一日に5本運行。約1時間のツアーを10ドルちょっとで連れて行ってくれます。
最近クスコでは二階建ての観光バスが走ってますが、これからの雨期の時期は二階建てバスはちょっとハード。
雨に降られるとずぶ濡れです。だがトランビアは雨が降っても全く問題なし。
ツアーの後半ではトランビアの歴史を知ることのできる博物館へ短く停車し、スナックと温かい飲み物を飲みながら運転手の説明(英語とスペイン語)を聞くのも興味深いです。
3.大人数の場合、車とドライバーを借り切る
大学生の卒業旅行などでは一人、二人ではない大人数で旅行するケースもあるはず。
またバックパッカー用の宿でほかの旅行客と知り合い、同じ日にツアーする場合など、人数に合わせて車を借り切った方が安く上がる場合もあります。
気心の知れた仲間と車を借り切ってそれぞれが行きたい場所に連れて行ってもらう、そんな楽しみ方もできます。
現地でのコンタクトを持っているロコと連絡を取ると詳しい情報をくれるでしょう。
「また来たい」と思ってもなかなかもう戻ってこれない距離にある南米
日本からの場合、南米は地球の裏側のため、なかなか訪れることが難しいと思います。
一度来られることがあるなら、それぞれの財布事情に合わせたスタイルで、でも思いっきりクスコを満喫し、楽しい思い出を作ってください。