シアトルのバス乗り方ガイド〜路線図、料金、おすすめ観光ルート
【アメリカ・シアトル在住者執筆】旅行中に電車やタクシーは気軽に利用できても、バスの利用には自信がないという方は多いのではないでしょうか。シアトルの市内はバスを乗りこなせると旅行中の移動がぐっと楽になります。今回は、シアトルのバスの料金体系、具体的な乗り方、バスで行ける観光ルートをご紹介します。
シアトルのバス事情
シアトルではバスの路線や本数が多く、車を持たない市民の足として欠かせない存在です。
シアトルの電車リンクライトレールは1路線しかないので、リンクライトレールがカバーしていないエリアの観光スポットに行く際にはバスの方がタクシーよりもお得です。
シアトルのバスの種類と料金
シアトルの主なバスは以下の3つです。
バスの種類
メトロ
King County metro社が運営するバスです。
路線数が多く、滞在中一番使用頻度が高くなると思われるバスです。
特にダウンタウンは本数も非常に多く利用しやすいです。
ただバス停の数もバスの利用者も多いため、よく遅延します。
ラピッドライド
メトロと同じくKing County metro社が運営するバスです。
シアトルの北から南までを網羅している急行バスです。
10分間隔で来るところも安心。
エクスプレス・バス
リンクライトレールと同じSound Transit社が運営するバスです。
ダウンタウンとシアトルの郊外を結ぶバスで、北はSnohomish群、南はPierce群までをカバーするバス。
メトロとラピッドライドで主要な観光地はカバーできてしまうので、観光時には使う機会がないかもしれません。
料金体系
距離と料金は比例しておらず、どのバスも乗車時に一度料金を支払えば近場でも遠い場所でもどこまでも乗っていけるというシンプルなシステムです。
メトロ・ラピッドライド
大人(19歳以上):$2.75(約300円)
子供(6〜18歳):$1.50(約160円)
5歳までの子供:同乗の大人1人につき4人まで無料
※ORCA LIFT、RRFPというのはシアトルに居住する低所得層や障害者、高齢者に適用されるシステムです。
エクスプレス・バス
大人(19歳以上):$2.75(約300円)、2群以上乗る場合は$3.75(約400円)
子供(6〜18歳):$1.50(約160円)
5歳までの子供:無料
バスの路線図・時刻表
バス停
メトロバスは数字で、ラピッドライドはアルファベットで路線を区別しています。
バス停にはバスの絵とそのバス停に泊まるバスの番号やアルファベットが書かれています。
路線図
これはダウンタウンを中心としたメトロバスとラピッドライドの路線図です。
この路線図で行きたい場所に行くには何番の線に乗れば良さそうか......というところまではわかりますが、バス停の名前までは書いていません。
それではどこで降りれば良いのか? この対策については後述します。
時刻表
時刻表は各バス停のポールの下の方に設置されています。
曜日・時間帯ごとに分単位でバスの来る時間が書かれているので、時刻表の読み方は簡単です。
バスの路線や時刻チェックに便利なアプリ
シアトルで毎日のようにバスを利用しているわたしのオススメのアプリはGoogle Mapです。
Google Mapは行き先やバス停の名前を日本語で入力しても検索ができますし、経路検索機能を使えばこのバスが何分遅れているか、ということまであわせて教えてくれます。
他にもバスの運行状況を知らせてくれるアプリはありますが、日本語対応していないので使いづらいと感じる人もいるかもしれません。わたしはGoogle Mapだけでも十分だと思います。
Google mapのダウンロード
バスの乗り方・降り方
バスの乗り方の動画がKing county 社のサイトで視聴できます。
King County 公式サイト
乗る
日本のように決まった場所に一列に並び、所定の位置にバスが止まるというわけではないので、乗りたいバスが来たらすぐに動ける準備をしておきましょう。
なぜなら、バス停を通り過ぎた場所で停車したり、逆にバス停までたどり着いていないのに停車したりすることもあるからです。
バスに乗るときは前の扉から乗ります。(乗るときにHello!と運転手さんに言うと感じがいいです)
支払
現金の場合
バスに乗るときにお金を払います。
日本と同じように運転手さんの横にある箱に現金を入れましょう。
両替はできない上にお釣りも出ないので、バスに乗る予定があるときはコインや小さい額の紙幣を必ず用意しておきましょう。
クレジットカードが使えるバスもありますが、支払機が壊れていて支払いができないこともよくあります。
orcaカードの場合
乗ってすぐに、バスの入り口にある機械にカードをタッチしましょう。
降りる
バスの電光掲示板に自分が降りたいバスの名前が表示されたら、バス内にはりめぐらされた黄色の紐を下に引きます。
紐を引くとピン!と音が鳴って、「STOP REQUESTED」という文字が電光掲示板に表示されます。
紐を引いても反応がない場合は、すでに同じバス停で降りたい他の人が紐を引いたということなのでそのままにしておきましょう。
バスが停車したら前か後ろのドアから降ります。前のドアからはこれから乗る人も入ってくるのでなるべく後ろのドアを使うのがオススメです。
orcaカードを持っている場合、降りるときに再度カードをタッチする必要はありません。
乗り換え
現金支払いの場合
バスに乗るときに現金で支払うと、バスの運転手さんに乗り換えの紙を渡されます。(万が一もらえなかった場合は「Transit, please」と言いましょう)
90分以内の乗り換えであれば次のバスでこの紙を運転手さんに渡すと、再度料金を支払う必要がなくなります。
orcaカードの場合
乗車情報はカードに記録されるので乗り換え時に何か特別なことをする必要はありません。
orcaカードの場合は2時間以内の乗り換えであれば次のバスでorcaカードをタッチしても料金が引かれることはありません。
つまり、この長い乗り換え時間を利用してより多くの場所をお得にまわることもできるのです!
電車やバスに便利なorcaカード
orcaカードとは
orcaカードはシアトル市内で使える交通系ICカードです。バスだけでなくリンクライトレールやストリートカー、モノレールやフェリー利用時にも使うことができます。
orcaカードはどこで買えるのか
リンクライトレールの駅にある自動券売機で購入できます。
詳しいorcaカードの買い方やチャージの仕方については以下の記事をご覧ください。
アメリカ・シアトルの電車乗り方ガイド(路線図・料金・切符の買い方・乗り換えアプリ)
orcaカードのメリット
orcaカードは日本の交通カードのようなものなので、チャージさえしておけば電車やバスに乗るたびに小銭を数えて支払う必要がなくなります。シアトルのバスはお釣りが出ないので、orcaカードならぴったりの現金がなくても損することがありません。
また、乗り換え時間が通常90分のところ2時間まで延長されます。
orcaカードの注意点
最初に払う$5および、カードに残ったお金は返金されません。滞在日数や交通機関の使用頻度を考えてから購入、チャージするようにしましょう。
おすすめの観光ルート
午前中にパイクプレースマーケットに滞在したという想定で、パイクプレースマーケット付近のバス停から出るバスの観光ルートを紹介します。
11番バス(Madison Park Via E Madison St方向)
パイクプレースマーケット付近のPike St & 4th Aveというバス停からこのバスに乗ると、Capitol Hill方面に向かいます。
その道中には「スターバックスリザーブロースタリー」やCapitol Hillの人気カフェ「odd & fellows」、日本人に人気のスーパー「Whole Foods」や「Trador Joe's」があります。
一度も降りずに乗るとパイクプレースマーケットから一番遠いTrader Joe'sまで30分程度なので、遠すぎず午後を楽しむのにちょうどいい範囲だと思います。
29番バス(Ballard Queen Anne)
パイクプレースマーケット付近の3rd Ave & Pike Stというバス停から29番バスに乗ると、「スペースニードル」や「チフーリガラスミュージアム」、「ミュージアムオブポップカルチャー」などが集まるシアトルセンターや、シアトル市内が一望できる「ケリーパーク」に行くことができます。
さいごに
アメリカといえば車社会の国。観光するにも国際免許を取ってレンタカーを借りて......というのはハードルが高いですが、日本並みに公共交通機関が整ったシアトルならそんな心配は必要ありません。
シアトルの公共交通機関の中で特に発達しているのがバスです。バスの乗り方をマスターしてしまえばどこにでも行けるので観光がとても楽になると思います。
さらに、バスとリンクライトレールやストリートカーを組み合わせたらもっと行動範囲が広がります。
シアトルの発達した公共交通機関を駆使して、楽しい思い出をたくさん作ってくださいね!
「行きたい場所がいくつかあるのだけど、全部バスで回れるのかわからない」「自分が行きたい場所はマイナーなところだからダウンタウンのバスだけではいけないかも…?」などの不安があるかたはロコタビで解消できるかもしれません!
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