ジュネーブの旅行ガイド情報

スイス・ジュネーブの治安・安全対策ガイド〜危険な地区・エリア、トラブルと対策

【スイス・ジュネーブ在住者執筆】スイスの治安は世界の国々の中でもトップクラスで、アメリカのグローバルファイナンス誌が発表した2019年のランキングではアイスランドに次いで2位を獲得しました。とはいうものの、やはり外国、あまり安全とは言えないエリアや犯罪、気をつけなければならないことがあるのも事実です。今回はジュネーブで近寄らない方が良いエリアやトラブルが起こった場合の対処法をご紹介します。安全で楽しい時間を過ごしていただくために、ご旅行前にぜひ確認されることをおすすめします。

スイスは全般的に近隣のヨーロッパ諸国の中でも治安のよい方で、国の西端に位置するジュネーブも例外ではなく、国際機関が立ち並び、古い町並みが美しく保存された安全で住みやすい街です。しかし、ジュネーブにも治安のよくないエリアや犯罪が全くないわけではありません。特に旅行中や住み始めてまもない頃は、土地勘がつかめずに、気がついたら怪しげな界隈に迷い込んでしまうこともあるかもしれません。事前に情報を入手し、事件や事故に巻き込まれないように備え、また万が一何かが起こってしまった際には速やかに対処できるようにこちらの情報を役立てていただければ幸いです。

ジュネーブの現在の治安は?

ジュネーブでの日々の生活において、怖い思いをすることは特にありませんし、街も基本的には安心して歩くことができます。スイスの警察組織は非常に強力で、国、州、自治体レベルの組織が連携・協力して街や市民の安全を守っており、スイス全体での犯罪発生率も減少傾向にあります。しかし発生件数は日本と比較すると高く、空港や駅、レストランやホテルなどでの犯罪も発生しており、日本人が被害にあった例も報告されています。ジュネーブ州の2017年の犯罪件数は約5万件、そのうち約半数が窃盗事件、また1000件ほどの傷害事件や400件ほどの性犯罪も発生しています。また、道端でドラッグの売人や娼婦を見かけることも多々あります。そのため、旅行中や生活面においても十分な注意が必要です。

最新情報に関しては、在ジュネーブ領事事務所のホームページをご確認ください。

治安が悪いエリアと注意点

ジュネーブ全域で注意したいこと

1. 貴重品の管理
駅、空港、デパート、ホテル、レストランなど人が集まる場所、路上でのスリやひったくりに遭わないように、貴重品や持ち物の管理には気をつけましょう。特に、中が見えないようにファスナーや留め金がついたデザインのバッグにする、リュックは前や横前方にしっかりと持つ、バッグから目を離さないなどの注意は常に必要です。朝食ビュッフェを取りに行く際にも、貴重品は肌身離さずに。

2. 現金は最小限に
ジュネーブは少額からカードの利用が可能です。現金しか利用できない場所はあまりありませんし、いざとなれば両替商で日本円を換金することもできますので、盗難の被害に遭っても被害額を抑えられるように現金は最小限に携帯するとよいでしょう。

3. 人混みの中にいる時は特に注意
小さい子供に気を取られている時や、少しお酒が入って注意力が散漫になっている時などに狙われることもあります。バッグには常に気をつけておきましょう。複数のチームで、一人が声をかけてきた際にもう一人が財布を抜き取るというケースもあります。

4. 電車やバスの車内での置き引き
乗り物の中でついうとうとしてしまうことはよくあることですが、棚においてあった荷物が無くなることもあります。居眠りしないように気をつけましょう。

コルナバン(Cornavin)駅周辺とパキ(Paquis)エリア

レマン湖畔や旧市街の美しいジュネーブですが、鉄道の中心となるコルナバン駅とその周辺には、あまり評判のよくないエリアがあります。まず駅の構内では、スリ事件が多発しています。切符を買う自動券売機の近くやプラットホームなど、人で混雑している時は特に気をつけましょう。

また駅周辺は、ホテル、スーパーのMigros、百貨店のManorなどが揃っており、とても便利な場所でなのですが、中華系やアラブ系のレストランや売店も多く、特に駅の東側、レマン湖方向に向かって左側に広がる一角はパキ(Paquis)と呼ばれるエリアで、美味しくてリーズナブルなレストランもあるのですが、ナイトクラブや売春宿、ドラッグの売人などがたむろしている場所ですので、特に夜間にはなるべく近寄らないほうが無難です。ただ、昼間も派手な格好をした女性がお店の前で呼び込みをしていますが、特に危害を加えられたりするわけではありませんので、迷い込んでも焦らずに、速やかに通りすぎれば大丈夫です。

プランパレ(Plainpalais)地区

旧市街から宗教改革像のあるバスチオン公園を抜けたあたりに広がるひし形の大きな広場がプランパレと呼ばれる場所で、その周辺も美味しいレストランやお店が並ぶ通りが多いのですが、一歩裏通りに入るとあまり安全とは言えない場所もあります。この広場では水曜と土曜に蚤の市、日曜に食品市場が出たり、サーカスや遊園地が設置されたりと多目的に使われており、訪れる機会も多い場所ですが、人混みイコール犯罪の危険もあります。ご注意ください。

特に注意が必要な時期

ジュネーブは、国連や世界保健機関、国際労働機関、国際赤十字、世界経済フォーラムなどといった国際機関や、国際見本市、そしてスポーツの主な大会が年間を通じて数多く催される街です。これらの機関が開催する大きなイベントや会議、国際モーターショー(3月)などの大きなイベントの時期には世界中からの訪問客がひしめくため、小さなジュネーブがパンク状態になります。そのような時期に旅行が重なってしまった時は、人が集まる場所を避けたり、貴重品の管理には細心の注意をはらってください。

女性が気をつけたいトラブルと対策

  • 夜間の一人歩き、特に治安のよくないと言われているエリアには近づかないこと
  • 人通りの少ない細い道などは避けること
  • 貴重品を自分の手から離さないこと、ホテルではセーフを使うこと
  • 外国人男性に軽く誘われてもその気がないならはっきりと断ること(日本流の曖昧なスマイルなどは誤解されがちです)
  • 性犯罪も実際に起こっていますので、妙な誘いには乗らず常に自分の身を守ること
  • クラブなどの化粧室でドラッグが利用されていることがあります。変な匂いがしたら近寄らないこと

    ジュネーブでトラブルにあった時の対処法

    盗難被害にあったらまずすべきこと

  • 最寄りの警察で盗難証明書を発行してもらいます(紛失物の再発行に必須)

  • パスポートが盗難にあったら、在ジュネーブ領事事務所へ連絡して指示をもらいます

  • クレジットカードが盗難にあったら、各カード会社の窓口へ連絡します

    緊急連絡先

連絡先 電話番号
警察 117
救急車 144
消防車 118
番号案内 111

在ジュネーブ領事事務所
住所:Rue de Lausanne 82, 1202 Genève
電話:022-716-9900
開館時間:月〜金 9:00~12:00 / 14:00~17:00
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まとめ

いかがでしたか?比較的治安のよいジュネーブですが、ヨーロッパではテロや難民問題など日本ではあまり馴染みのない問題もあり、油断はできないのが現実です。万が一何かトラブルに巻き込まれたなど、言葉や情報面でのヘルプが必要なときは現地在住ロコに相談してみるのもよいかもしれませんね。