【2025年最新】大エジプト博物館(GEM)徹底ガイド!チケット・見どころ・アクセス・注意点まで徹底解説
【カイロ在住者執筆】2025年7月3日にグランドオープンを控える「大エジプト博物館(Grand Egyptian Museum:GEM)」は、ギザのピラミッド近くに建設された世界最大級の古代エジプト専門博物館です。
ツタンカーメンの黄金のマスクをはじめとした未公開の秘宝が一堂に会することで注目を集めています。
現在はプレオープン期間中で、ラムセス2世の巨大な像や12の展示ギャラリーなど一部の施設が一般公開されていますが、グランドオープンまでに見られない展示もあるため注意が必要です。
本記事では、開館状況・見どころ・アクセス方法・チケット購入方法・館内施設・注意点など、大エジプト博物館を訪れる前に知っておきたい情報をカイロ在住者のくぼさんが、網羅的に解説します。
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大エジプト博物館(The Grand Egyptian Museum:GEM)とは?
世界中の考古学ファンが注目する「大エジプト博物館(GEM)」は、古代エジプト文明を網羅的に展示する世界最大級の博物館です。
ギザのピラミッドからほど近い場所に位置し、約5,000年にわたるエジプトの歴史を体感できる一大文化施設として、2025年7月にグランドオープンを予定しています。
これまでカイロのエジプト考古学博物館に保管されていたツタンカーメン王の秘宝も、完全な形で移設される予定です。
現在はプレオープン期間中で、一部の展示や施設のみ公開されていますが、それでも圧巻のスケールと貴重な展示物で、すでに多くの観光客を魅了しています。
(※オープン後に最新情報を追記予定です!)
なぜ作られた?GEM誕生の舞台裏
GEMの建設は、老朽化が進んでいたカイロ市内の「エジプト考古学博物館」に代わり、世界最大規模の古代エジプト博物館を新設するという国家的プロジェクトとして2002年にスタートしました。
約50万平方メートルの敷地には、展示エリアのほか、収蔵施設、修復センター、図書館、会議施設などが併設され、観光・研究・教育の拠点としての役割も果たします。
観光客だけでなく、学術関係者や次世代のエジプト学者にとっても重要な施設となることを目指しています。
GTMを支える日本の支援
※館内の所々で日本語を見かけることも。
GEMの建設には、日本の政府開発援助(ODA)が大きく関わっています。日本政府は円借款を通じて多額の資金援助を行い、併せて技術協力や人材育成にも尽力。
展示・保存技術や館内のサイン設計など、随所に日本のノウハウが生かされています。
また、JICA(国際協力機構)を中心とした日本の専門家チームが修復作業を支援しており、特にツタンカーメンの副葬品の取り扱いや保存については、日本の技術が高く評価されています。
いよいよ開館へ!最新のスケジュールと今見られる展示は?
当初は2010年代前半の開館を予定していたGEMですが、政情不安やパンデミックの影響などにより度重なる延期を経て、2025年7月3日に全面開館予定と正式発表されています(2025年5月時点)。
現在は「プレオープン」期間として一部施設が公開されており、ラムセス2世の巨像があるグランドホールや、12の展示ギャラリーなどが見学可能です。
ツタンカーメンの黄金のマスクなど、グランドオープン以降に初公開される展示もあるため、来場のタイミングには注意が必要です。
プレオープン中の見どころ
自分がエジプトにいる間にはオープンしないのではないか、と半ばあきらめかけていた大エジプト博物館(GEM)ですが、ついに2024年10月からプレオープンが開始されました!
現在のGEMは「プレオープン」期間中ですが、すでに一部のエリアや展示は公開されており、見応えは十分です。
特にラムセス2世関連の展示や、テーマ別に構成された12のギャラリーは高い評価を集めています。
ただし、ツタンカーメンの黄金のマスクなどの主要展示はまだ公開されていないため、事前に情報を確認して訪れるのがおすすめです。
▷公式サイト「Grand Egyptian Museum Official Website」
ラムセス2世のオベリスク
博物館の入り口に堂々と立つのが、ラムセス2世のオベリスク。
このオベリスクは、エジプト各地に残る数多くの記念碑の中でも非常に保存状態が良く、高さ11メートル以上、重さ約90トンという圧巻のスケールを誇ります。
特徴的なのは、オベリスクとしては世界で初めて「空中展示」されている点。石材を支えるガラス構造により、真下から見上げることができるというユニークな体験が可能です。
細部に刻まれたヒエログリフも間近で観察でき、古代エジプトの壮麗さを体感できます。
ラムセス2世の巨像と大階段
館内に足を踏み入れて最初に出会うのが、高さ約11メートル・重さ83トンのラムセス2世の巨像。
かつて古都メンフィス(があった付近)で発見され、その後カイロのラムセス広場に長く設置されていたもの、GEMの象徴的な展示物のひとつです。
この巨像が設置されている「グランドホール」は、自然光が差し込む開放的な空間!
ひっそりと「PHOTO BOOTH」という機械が置いてあったらぜひお試しを。
フォトスポットでセルフィーが出来るもので、自分のメールアドレスに画像を送ることができます。……のはずですが、私が撮った時はどうしても出来ず。こんなところもご愛嬌です。
さらに、巨大な「大階段」には、さまざまなファラオの像や神像が並べられており、階段を上るにつれて歴史の流れを感じられる構成になっています。
しかしこの大階段の展示、かなりの数があるので時間をかけすぎないようにご注意!
見どころはまだまだ続きます。
個人的におすすめなのは、行きはエスカレーターを利用して雰囲気を楽しみつつ、帰りに階段を下りながらゆっくり見学する方法です。
階段の途中に展示物があるので、足元に注意しながら楽しみましょう。
そして大階段を上り切った先は、目の前にピラミッドビュー!
約2km先のピラミッド群が一望できます。
12の展示ギャラリー
プレオープン中に一般公開されている「12の展示ギャラリー」では、古代エジプトのさまざまな時代やテーマに焦点を当てた展示が行われています。
内容は以下のような展示です。
- 古王国〜新王国時代のファラオに関する展示
- 神々や宗教に関する展示
- 墓やミイラ、副葬品に関する展示
- エジプト文明の日常生活(衣食住)に関する展示
展示には日本の技術協力による高精細な解説パネルや映像演出も使われており、視覚的にもわかりやすく、歴史初心者でも楽しめる構成になっています。
黄金のマスクはまだ展示されていないので注意!
多くの人が「GEMで一番見たい!」と期待するのが、ツタンカーメン王の黄金のマスク。
ですが、2025年6月時点では未展示です。
これは、完全な展示環境と保存状態を確保するための準備が続いているためで、正式公開はグランドオープン(2025年7月3日)以降となる予定です。
現在展示されている12ギャラリーにもツタンカーメン関連の副葬品は一部見られますが、黄金マスクは含まれていません。
見学の際は、チケット予約ページや公式情報で最新の展示内容を確認してから訪れると安心です。
▷公式サイト「Grand Egyptian Museum Official Website」
グランドオープン時に公開予定の展示
2025年7月3日に予定されているグランドオープンでは、これまで未公開だった展示の数々がついに一般公開されます。
中でも注目されているのが「ツタンカーメンの黄金のマスク」と「クフ王の太陽の船(ソーラーボート)」。
これらは、エジプトの至宝とも言える貴重な展示物であり、GEMの目玉となる存在です。
さらに、最新のテクノロジーを導入した没入型の展示も予定されており、従来の博物館とは一線を画す体験型ミュージアムとしての完成形が見られるでしょう。
ツタンカーメンの黄金のマスクと秘宝
ツタンカーメン王の黄金のマスクは、世界で最も有名な古代エジプトの遺物といっても過言ではありません。
現在はまだ公開されていませんが、グランドオープンにツタンカーメン専用ギャラリーが全面公開される予定です。そこでは、黄金のマスクだけでなく、副葬品を含む5,398点もの秘宝が展示される予定です。
これまでカイロのエジプト考古学博物館に保管されていたコレクションが、GEMに一括移管されるのは史上初。
展示空間は、当時の王墓を模した演出や照明により、まるで古代へタイムスリップしたかのような没入体験ができると期待されています。
クフ王の太陽の船(ソーラーボート)
もう一つの注目は、クフ王のソーラーボート(太陽の船)。
これはギザのピラミッド近くで発掘された、約4,500年前の木造船で、全長約43.6メートルという驚異的なスケールを誇ります。
このソーラーボートは、太陽神ラーと共に来世を旅するための船とされ、古代エジプトの宗教観を象徴する存在です。
長らく特設の「太陽の船博物館」に保管・展示されていましたが、解体・移送を経て、GEMに完全移設されました。
最新の保存技術によって修復・再構築された状態で、グランドオープンに合わせて初公開されます。
最新技術を駆使した展示体験
GEMでは、最先端の展示技術を活用した「体験型ミュージアム」の実現が大きな特徴です。
- プロジェクションマッピングによる古代神殿の再現
- AR(拡張現実)/VR(仮想現実)を使った古代都市の復元体験
- 多言語対応のデジタルガイド端末(日本語含む)
- 触覚ディスプレイや3D模型を使った教育コーナー(子ども向けも充実)
など、子どもから大人まで学びながら楽しめる仕掛けが多数用意される予定です。
単に展示を見るだけでなく、五感で古代エジプトを感じるインタラクティブな体験ができる点が、世界中から注目を集めています。
※展示内容は予告なしに変更になる場合があります。
アクセス方法と入場情報
気になる大エジプト博物館(GEM)のアクセス手段やチケット情報をまとめました。
特にプレオープン期間中は施設やチケットの運用が変動しやすいため、最新情報をしっかりチェックしておきましょう。
GEMの住所と行き方
GEMは首都カイロの中心部から南西に約20km、ギザの大ピラミッドにほど近い場所に位置しています。
アクセスは車での移動が基本で、カイロ中心部から約30分ほど。
旅行者には値段交渉の必要ないUberの利用がおすすめです。
タクシーも利用できますが、乗車時に値段交渉が必要となり、英語が通じない場合も多いです。
その他タハリール広場周辺などからバスも出ていますが、時間が倍以上かかるうえ表記もアラビア語なので、利用する際は運転手に確認をしてから乗車しましょう。
【基本情報】
- 住所:X4VF+V38, Cairo - Alexandria Desert Rd, Kafr Nassar, Al Haram, Giza Governorate 3513203, Egypt
- 電話番号:+20-2-35317344
- 公式サイト「Grand Egyptian Museum Official Website」
入場料とチケット購入方法
- 大人(外国人):1,270エジプトポンド
- 子ども(6〜12歳)および学生:850エジプトポンド
- 6歳未満の子ども:無料
- 90分のガイド付きツアー(英語またはアラビア語):1,700エジプトポンド (※2025年5月時点)
入場料は2025年5月現在、EGP1270(6才未満の子どもは無料)。
90分のガイド付きツアーチケットはアラビア語と英語での対応が基本でEGP1700、6〜12才の子どもと13〜25才の学生はEGP850です。
しかしGEMに限らずエジプトの観光地は入場料金が頻繁に改定されるので、必ず公式サイトを確認してください。
チケットは、公式サイトまたは現地カウンターでの購入ができます。
また、現地では基本的にカード決済となります。JCBカードは利用できない場合が多いのでご注意ください。
開館時間と休館日
大エジプト博物館の開館時間は以下の通りです。
【土、水曜日以外の開館時間】
- GEMコンプレックス:午前8時30分~午後7時
- ギャラリー: 午前9時~午後6時
- チケット最終購入: 午後5時
【土、水曜日の開館時間】
- GEMコンプレックス:午前8時30分~午後10時
- ギャラリー:午前9時~午後9時
- 最終チケット購入:午後8時
休館日はありません。
大エジプト博物館をもっと楽しむ!館内施設とサービスまとめ
展示をじっくり楽しんだあとは、カフェでひと休みしたり、お土産探しにミュージアムショップをのぞいたりするのも楽しみのひとつ。
大エジプト博物館(GEM)は新しい施設だけあって、飲食店やショップもとても充実しています。
ここでは、訪問前に知っておきたい館内の便利スポットをまとめました!
ミュージアムショップでお土産をチェック!
私が今までに訪れたエジプトの観光施設の中で、ダントツでおしゃれなのがこちらのミュージアムショップです。
カイロでお土産を買う定番である「ハンハリーリ市場」では、いわゆる「エジプトっぽいもの」を値段交渉しつつお安く手に入れることができますが、ここではエジプト特産のエジプト綿を使った衣類や、スカーフ、扇子など日常使いできるGEMオリジナルデザインのアイテムが多数あるのもうれしいところ。
もちろんエジプト感強めの置物やパピルスもあります。
どれも高品質で値札もついていて、安心してお買い物ができます。
エジプトの物価と比べるとかなりの高価格帯となっていますので、街中のお土産店の感覚でレジに向かうとビックリすることになるでしょう。
歩き疲れたらひと休み!館内カフェ&レストラン
施設内には数多くの飲食店があり、私が行った時も新たなエリアを作っているところでした。
スターバックスをはじめとしたカフェやアイスクリームショップのほか、ちょっとしたスナックや飲み物を買う売店も。価格帯はエジプト一般からすると全体的に高めです。
その中でもエジプトのストリートフードを味わえる「Zööba」は、カイロを中心に海外にもチェーン展開していて、地元民にも観光客にも人気のお店です。
良心的なお値段でエジプト料理が楽しめるので、お昼時にはかなり混雑していました。
ちなみに私はここのチーズハワウシ(薄いハンバーグをエジプトのパンで挟んで焼いたサンドイッチのようなもの)が大好きです!
混雑してくると店員さんはなかなか気づいてくれませんが、ここはエジプト、おおらかな心で待ちましょう。
「忘れられているな?」と思ったら、何でも自分から確認するのがおすすめです。
バリアフリー対応とその他のサービス
新しい施設らしく、バリアフリーもばっちり。
エジプトでは珍しく、館内は多目的トイレやスロープが整備され、大階段には車いす用のエスカレーターが完備されています。
博物館訪問時の注意点とマナー
館内では、特に柵などもなく石像が展示されている場合が多いですが、それらはどれも貴重な文化財です。
触れたり台座に座ったりすることはやめましょう。
詳しく解説していきます。
セキュリティチェックと持ち込み禁止物
エントランスでは、セキュリティチェックと荷物チェックがあります。
飲食物の持ち込みは禁止されていますが、かばんに入れた水筒やペットボトルの水が没収されることはまずないでしょう。
灼熱のエジプトで水分補給をしないのは命取り。展示場所以外で、適宜水分補給しましょう。
写真撮影のルール
カメラや携帯電話での個人的な写真撮影やビデオ撮影は許可されています。
しかしフラッシュや三脚、自撮り棒を使用した撮影のほか、ライブストリーミングは禁止されています。
他の人に配慮して楽しみましょう。
混雑を避けるためのポイント
エジプトは金、土曜日が休日です。
また団体のツアー客は、ピラミッドのあとにGEMにやってくる旅程も多そう。私が行った日はお昼過ぎからどっと人が増えました。
平日の早い時間の見学がゆっくりできるかもしれません。
まとめ:大エジプト博物館を最大限に楽しもう!
2025年7月3日のグランドオープンを控え、世界中の注目を集めている大エジプト博物館(GEM)。
現在のプレオープン期間でも、ラムセス2世の巨像や一部ギャラリーを通じて、古代エジプトの壮大な歴史と文化に触れることができます。
GEMへの旅行計画を立てる際は、以下のポイントを押さえておくと、より快適に楽しめるでしょう。
- チケットは公式サイトでの事前予約が安心
事前購入の場合、日付指定で譲渡・払い戻し不可 - ツタンカーメンの展示はグランドオープン後まで未公開(訪問時期に注意)
- 博物館周辺のアクセスや施設情報は事前にチェック
中心部から離れているため、帰りにUberを利用する際は車がすぐに見つからない場合があります。時間に余裕を持って旅行計画を立てましょう。 - 写真撮影や持ち込み禁止物など、ルールを守って鑑賞
正直なところ、現時点でもすべての展示をしっかり見て回るにはかなりの時間が必要です。
グランドオープン後は、数日に分けて全てを見学する規模になるでしょう。
しかし、GEMの本領が発揮されるのはこれからです。
ツタンカーメンの黄金のマスクやクフ王の太陽の船など、目玉展示の公開によって、博物館全体が「古代文明のテーマパーク」のように進化していくでしょう。
歴史好きの方はもちろん、エジプト旅行が初めてという方でも、圧倒的なスケールと最新技術を駆使した展示に、きっと心を奪われるはずです。
ぜひ本記事を参考に、大エジプト博物館を最も魅力的なタイミングで、最大限に楽しんでください!
【現地の最新情報は、カイロ在住のロコに聞いてみよう!】
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