ワシントンD.C.の旅行ガイド情報

ワシントンDC入国審査・出国手続き〜出入国カードは?イミグレーション情報

【アメリカ・ワシントンDC在住者執筆】渡航前にチェックしておけば安心! スムーズに入国するために、アメリカの入国審査の手続きを解説します。ワシントン・ダレス国際空港の入出国の流れや所要時間、入国カード・出国カード・税関申告書はどうするのかについて説明します。

アメリカの入国手続きの流れと所要時間

ワシントンDCの国際線の玄関口である、ワシントン・ダレス国際空港(以下「ダレス空港」と呼びます)。ここでは、ダレス空港での「入国審査→手荷物受け取り→税関→到着ロビー」を経て、空港の外に出るまでの流れを説明していきます。

飛行機を降りてから空港の外に出るまでにかかる時間は、入国審査の混み具合によってだいぶ変わって来ます。しかし、混雑するケースがほとんどですので、1時間〜1時間30分ほどかかると見積もっておけば大丈夫だと思います。

1. 入国審査

空港に到着した後、一番最初に向かうのが入国審査カウンターです。

ダレス空港では、飛行機から降りたらすぐに「ダレス空港が最終目的地の乗客」と「乗り継ぎでこれから他の空港に向かう乗客」とに分けられ、それぞれ違うMobile Loungeと呼ばれる動くラウンジに誘導されます。

乗り継ぎをする場合は、コンコースCとDの間にあるFederal Inspection Stationというトランジット専用の入国カウンターに誘導されます。

Mobile Loungeを降りた後は、入国カウンターに向かいます。

入国カウンターは、「US Citizens and Lawful Permanet Residents(アメリカ国籍の人と永住者)」と「Visitors from Visitors from International Countries(アメリカ国外からの訪問者)」とに分かれています。サイネージもあり誘導してくれる係員がいますので、問題なく正しい行列に並べます。

入国審査で必要なのは、パスポートとESTA(またはビザ保持者ならビザ)です。かつては、ビザなしの短期訪問者はForm I-94Wという紙の入国カードに記入をしなければいけませんでしたが、今はESTAがあるので、紙の用紙に記入するは必要ありません。

ダレス空港では、入国審査に2014年から無人のセルフサービス式キオスクを40台導入しています。パスポートと指紋のスキャン、税関申告に関する情報の入力、顔写真の撮影まで自分で行います。印刷されたレシートは税関(Custom)で提出しますので、なくさないように気をつけましょう。

入国審査時によく聞かれる質問とその答え方の例

  • What’s the purpose of your visit?(滞在の目的は?)→ Sightseeing.(観光です)
  • How long are you planning to stay?(滞在期間は?)→ 1 week. (1週間です)
  • Where are you staying?(滞在先は?)→ Trump Hotel in Washington D.C.(DCのトランプホテルです)
  • Do you have a returning ticket?(帰りの航空券は?)→ Yes, I have booked.(予約してあります)
  • How much money do you have?(所持金はいくら?)→About $5,000.($5,000くらいです)

滞在先は、ホテルに泊まるのであれば、ホテル名と都市名を伝えればOKです。

友達や家族などのところに泊まるのであれば「My friend’s house.(友達の家です)」「My brother’s house.(兄弟の家です)」などと答えましょう。住所を聞かれることもあるので、すぐに応えられるよう紙に書いたものなどを用意しておきましょう。

帰りの航空券があるかどうか聞かれるのは、アメリカへの不法入国を防ぐためです。特に、ホテルではなく友達や親族のところに泊まる予定のある人は、念の為、帰りのチケットも予約してあると証明できる控えを用意しておくといいでしょう。

所持金は、だいたいでいいので、ドルに換算して答えましょう。$10,000を超えない金額なら申告する必要はありません。

2. 手荷物受け取り

手荷物の受け取り所は、Baggage Claimと呼ばれます。クルクルと回るターンテーブルと、航空会社のロゴ、そしてディスプレーに表示されたフライト番号を目印に見つけましょう。

ダレス空港のBaggage Claim。

自分の荷物が見つからなかったり、破損していたりした場合は、税関の構内にある航空会社のカウンターに申し出ましょう。係員の人に、

「Where is the Baggage Service Office? My luggage is missing. (荷物を扱うカウンターはどこでしょうか?荷物が見つからないんです。)」

と聞けば、場所を教えてもらえるはずです。

航空会社にもよりますが、国際線であれば、だいたい7日以内に破損手荷物申告書(英語ではdamage claim form)を申請すれば、保証してもらえます。ちなみにアメリカ国内のフライトであれば、24時間以内の申請という航空会社が多いようです。

3. 手荷物検査・税関申告

税関(Custom)では、入国審査のキオスクのレシートが税関申告書になりますので、それを係員に提出しましょう。

申告義務があるもの
1. $10,000以上の現金
2. $100相当以上の日本からのお土産
3. 200本以上のタバコ、50本以上の葉巻、2kg以上の刻たばこ
4. 1リットル以上のお酒

注意点:「現金」には、アメリカドル以外の通貨、トラベラーズチェック、郵便為替などの通貨代行物も含まれます。申告を怠ると現金を没収され、刑罰の対象になるという規則になっています。

4. 到着ロビー

ダレス空港の国際線到着ロビーに出たすぐのところにあるスターバックス。DCのご当地マグもあります。

ダレス空港が最終目的地ならば、税関を通過したあとは、Arrivel Level(到着ロビー)に進みます。到着ロビーの「Baggage Claim 15」の付近に国際線の出口がありますので、現地の方に空港内までお迎えに来てもらう予定の方は、「Baggage Claim 15」で待ち合わせするか、その近くにあるスターバックスで待ち合わせするとわかりやすいと思います。

「ダレス空港が最終目的地ではないけれど、次の便を待っている間に空港の外に出たい」という方は、国内線の乗客と同じ「Baggage Claim 4」と「Baggage Claim 12」の間にあるドアから外に出ます。

ダレス空港全体のレイアウトは、こちらでご覧になれます。International Arrival(国際線到着)位置やドアナンバーの位置などが把握できます。

あわせて読みたい記事:「ワシントン ダレス国際空港 (IAD)とロナルドレーガン・ワシントン・ナショナル空港(DCA)どちらが便利? 空港比較と市内へのアクセス方法」

アメリカの出国の流れと所要時間

1. 出国手続

Departure Levelにあるユナイテッド航空のチケットカウンター。

出国の際のチェックインは、空港会社のアプリやウェブサイトを利用して、空港到着前に済ませておくことをお勧めします。そうすれば、空港に着いてからは手荷物を預けるだけで済み、スムーズです。

アメリカは入国の審査は厳しいですが出国のプロセスに審査はなく、ゲートでのパスポートの提示を除いては、国内線と同じようなシンプルさです。

ダレス空港のセキュリティーチェックポイント。空いているように見えますが、長い行列はこの先にあります。

預け入れ荷物のチェックインがもう済んでいるのならば、復路で唯一時間を取られるのは、セキュリティーチェックポイントだけです。いったん空港の外に出て戻ってくる予定の方は、出発時間の1時間30分〜2時間前に戻るよう計画を立てれば大丈夫でしょう。

セキュリティーを通過してしまえば、ひとまず安心です。ゲートの位置を確認し終わったら、搭乗時間まで自由に過ごすことができます。

2. 出発ゲート

成田への直行便の発着ゲートは、全日空はゲートBユナイテッド航空のゲートはCまたはDとなっています。

ゲートA、B、CへはAeroTrainという空港内を走る電車で移動し、ゲートDへはシャトルバスを使って移動します。どちらもセキュリティーを通ったすぐ後に乗り場があります。

乗り場がどこにあるのか迷ったら、係員に

「Which way should I go for the gate XX?(ゲートXXに行くにはどちらの方向に行ったら良いのですか?)」

と聞いてみましょう。

出入国カード・税関申告書は必要?

アメリカは、かつてビザなしの短期滞在者に義務付けていた紙の入国カードを廃止し、ESTAのシステムに移行しました。また、ダレス空港では、入国審査エリアに設置されたセルフサービス式のキオスクで指紋・パスポートのスキャンと顔写真の撮影を行う際に税関申告の入力も行うため、紙の税関申告書もありません。

さらに、出国の際はアメリカには出国検査がないため、ダレス空港を通してアメリカに出入国する際には、紙の書類への記入は一切不要ということになります。

まとめ

日本のパスポートは世界的な信頼が高く、違法入国者もほとんどいないため、一般的な観光のような短い滞在なら、入国もスムーズにできることが多いようです。空港のイミグレーションは誘導がとてもしっかりしていて係員の数も多いので、心配しなくても大丈夫です。

出発前には、パスポートの期限がアメリカ入国から少なくとも3ヶ月は残っていることを確認してくださいね。

旅行前に分からないことがあればロコタビで現地在住日本人のロコに質問したりするのもおすすめです。Q&Aは無料なので活用してみてはいかがでしょうか?

出典:
U.S. Customs and Border Protection - Know Before You
Washington Dulles International Introduces 'Dulles Passport Express'