カナダに限らず、海外で長期滞在する際に必要となるビザ。
ビザには様々な種類があったり申請の手順が異なったり、ストレスに感じることがあると思います。
この記事が少しでもみなさんのお役に立てるよう、分かりやすくビザの説明をしていきたいと思います。
移民の国「カナダ」。モザイク国家とも呼ばれ、その名の通り様々なルーツやアイデンティティーを持つ人々が共存しています。そんなカナダで生活するためには、どのようなビザが必要なのでしょうか。

カナダ、バンクーバーではビザが必要?

カナダでは2019年現在、日本国籍の場合は最長6ヶ月までビザを必要とせずに入国することができます。
(※2016年3月15日以降からカナダへ旅行する際には、電子観光ビザ「Electronic Travel Authorization (eTA)」のオンライン取得が必須となりました。)

だたし、上記の条件は政治情勢などによって変動する可能性があるので、カナダ政府が提供している情報の確認が都度必要かと思われます。

観光ビザ・電子来航認証(eTA) とは?

カナダに行く際にビザがいらないからと安心しているそこのなあなた。
電子来航認証(eTA)がを必要なことを忘れないようにしてください。

日本国籍の方が最高6か月までの観光・訪問を目的にカナダに滞在する場合、ビザは不要です。
なお、カナダ入国前に電子渡航認証(eTA)をオンラインで申請する必要があります。
申請ウェブサイト(日本語)から
eTAオンラインサイト(カナダ政府)

申請は有料で7.00カナダドル、有効期限は5年間です。
下記サイトで申請できます。

(※eTAはパスポートと連結しているため、パスポートの有効期限まで有効です。新しいパスポートを取得した場合は、再度新たにeTAを得る必要があります。)

どこでビザを申請できる?

ビザ申請・受領、問い合わせに関してはカナダ申請センター(VAC)でできます。
(※注:カナダ大使館ではビザの発行を行なっていません。)

【カナダビザ申請センター(VAC)】

カナダのビザ

非永住権ビザ

カナダへの「永住」を目的としない「非移民ビザ」

観光ビザ

日本国籍を持つ方は観光ビザ取得が免除されています。電子来航認証(eTA)の電子申請を忘れずに行なってください。

学生ビザ (就学許可証)

学生ビザとは、正確には「就学許可証」と示されています。主に、高校、大学(専門学校や短大)などの通学を可能にするものです。
半年以上の長期留学の際必要となるビザです。

  • 6か月以下の短期コースの場合:学生ビザは不要です
  • 6か月以上かつ政府指定校に入学する場合は、学生ビザが必要になります。 政府指定の学校リストはこちらから

学生ビザ保有者は以下の要件で就労が可能です:
- 学校のある時期は週20時間まで
- 休みの期間にはフルタイムの就労が可能

半年以下は短期留学となり、観光ビザで留学が可能です。
(※ただし、短期留学でも授業がフルタイムのプログラムの場合は学生ビザが必要です。
授業のプログラムにインターンシップなどが入っている場合は学生ビザと、就労ビザの2つのビザが必要になります。)

また、学生ビザでは高校、大学生の場合就労許可証なしでもアルバイトを行うことができます。学外では最大週20時間行うことができますが、語学学校など(ESLの方)は学生ビザだけでは働くことはできないので注意してください。

注意点:申請してから発行する為の時間が審査官によって大きく異なるので早めに行うことをおすすめします。

ポストグラデュエートビザ

公立のカレッジ・大学・大学院にて「8か月以上」のコースの卒業後、履修したコースの期間と同じ期間の就労ビザが取得できます。「2年以上のコース」を卒業された場合は特例として「3年」のビザが取得できます。
注:英語(ESL)コースは含まれていません。

就労ビザ(就労許可証)

外国人がカナダで働くために必要なのが就労ビザです。
どこの国でもそうですが、就労ビザを取得するのはその国民の仕事が1つ減ってしまうことになるので政府より厳しい条件があげられており、取得するのはとても難しいです。
就労ビザにもいくつか種類がありますが、今回はワーキングホリデービザを例にあげて紹介します。

【ワーキングホリデービザ】

ワーキングホリデービザはカナダで自由に最長一年の間アルバイトや会社の社員や学生として生活ができるビザです。

また、年齢は18歳以上から30歳以下、以前にワーキングホリデー就労許可通知書を受けていないという制限があるのも特徴です。さらに絶対延長はできず、人生に一回とされいます。

ワーキングホリデーは二段階の審査を受けて取得することができます。
1.IEC参加資格審査 (http://www.cic.gc.ca/english/work/iec/submit-profile.asp)
2.IEC就労許可証(http://www.cic.gc.ca/english/work/iec/submit-profile.asp)

1のIEC参加資格審査の基準を満たすと招待上(Invitation Letter)が届き、10日以内に2のIEC就労許可証に申請をしなけれければいけません。また、IEC就労許可証も始めてから20日以内に申請を終えていなければいけません。
その後、東京のカナダビザ申請センターに指紋を提供する手続きを行います。
全ての申請が終わると、Letter of Introductionが取得でき、1年以内にカナダへの入国が認められます。

ワーキングホリデービザの申請は複雑で申請期限も決まっています。
しっかり確認、申請を行い、小まめに期限の確認をして取得に間に合うようにすることをお勧めします。

永住権ビザ

移民国家のカナダでは、様々な方法で永住権を取得することができます。申請要件はカテゴリーにより異なるため、必要要件を列挙します。

エクスプレスエントリー

カナダに貢献できる人材が優先されるように導入されたシステム。
オンラインで「スキル/職歴/語学力/学歴/年齢/カナダでの雇用先の有無/配偶者の有無」を元に自動的に査定され、優先順位の高い人から順に移民申請の招待状(ITA)が届きます。

フェデラルスキルドワーカー

エクスプレスエントリーに登録され、ITAが届いている
一定以上の英語力
カナダ人材開発省の職種リストにある、スキルドワーカー職種でフルタイム1年間相当以上の職歴
職種経験が過去10年以内
高校卒業以上の学歴
カナダで生活する十分な資金がある方
ケベック州以外に住む予定のある方

フェデラルスキルドトレードプログラム

エクスプレスエントリーに登録され、ITAが届いている
一定以上の英語力
5年以内に、電気、建設業などカナダ人材開発省が定めたスキルドトレード職種でフルタイム2年間相当以上の職歴
カナダ職種リストに記載の必要経歴(学歴・職歴・スキル等)を満たしている
ケベック州以外に住む予定のある方

カナディアンエクスペリエンスクラス

エクスプレスエントリーに登録され、ITAが届いている
過去3年以内に、カナダ国内のスキルドワーカー職種でフルタイム1年間相当以上、雇用されていること
一定以上の英語力
ケベック州以外に住む予定のある方

ノミネーションプログラム

カナダの各州が必要な人材を「移民」として移民局に推薦できるシステム。
バンクーバーがあるBC州では様々なカテゴリーが用意されていますが、基本的には「雇用先が確保されていること」が必須条件となります。
BC州より雇用主および申請者が要件を満たしていると判断された場合、就労ビザを申請できると同時に移民局に永住権を申請することができます。

ケアギバーグラス

過去4年以内にフルタイムで2年間、以下のいずれかの職種でカナダ国内にて雇用されていたこと
- ケアギバー
- 看護師・精神看護師・看護助手・患者支援者
一定以上の英語力
専門学校・短大・大学等の学校で1年以上のコースを修了

ビジネス移民

自営業クラス
  以下の分野のいずれかで著名な功績を挙げていること

  • 文化芸術分野
  • スポーツ分野

スタートアップビザ
カナダで革新的事業を始める起業家のためのカテゴリー。以下の要件を満たすことが求められます。

  • 起業のためのビジネスプランを、移民局指定の民間投資組織に支援してもらうこと
  • 一定以上の英語力
  • 移民後、半年分の家族の生活費相当以上の資金

※永住権取得までの期間や申請内容はプログラムによっても大きく異なるため、申請にかかる時間も違います。
申請する際には移民コンサルタントなどの専門家へ相談することをおすすめします。

まとめ

カナダのビザ申請要件は、カナダの経済状況や社会情勢に大きく左右されることがありますので、ビザを申請される際は、常に最新の情報を入手する必要があります。
カナダ移民局のウェブサイト(英語)はこちらから