旅行や留学、滞在でも異国では環境の変化に慣れるまでに体調を崩してしまったりケガや事故にあうこともあります。その際に病院に行きますが、治療費や薬の安全性など心配な部分がいくつかあると思います。その他にも、カナダの医療事情なども知っておきたい事の一つです。

突然の怪我や病気に備えて、適切な処置をしてもらえるように日本語で症状や状況説明ができると安心しますよね。今回はカナダの病院事情とバンクーバーで日本語対応が可能な総合病院・クリニックについてご紹介します。

カナダの健康保険制度について

バンクーバー（ブリティッシュ・コロンビア州）の国民保険制度

カナダでは国民皆保険制度が採用されています。主な医療は全て税財源によって負担されているため診察料はかかりません。
公的医療保険の加入条件や保険料は州によって異なります。

主に①歯科診療、②処方薬剤（入院中は無料）、③リハビリ治療が対象外となります。

MSP (Medical Service Plan)

MSPとはブリティッシュ・コロンビア州の医療保険機関であるHealth Insurance BCが運営している国民医療保険サービスのことです。この保険に加入するための条件とポイントは以下の通り。

半年以上滞在するなら誰でも加入可能や診察料が無料なのはとてもうれしい半面、一番お世話になりそうな歯科や処方箋薬が保険適用外なのは大きな痛手ですよね。

保険料（１か月）：３７.５ドル（２０１８年１月より）
※ 保険料は今後変更となる可能性があります。

カナダ・バンクーバーの医療費の目安

カナダも日本と同様に国民健康保険のようなユニバーサルケアという制度があり、政府が医療費の補助を行ってくれています。バンクーバーがあるブリティッシュコロンビア州ではMSP（Medical Service Plan）という公的健康保険が提供されていて、加入すれば歯科治療や薬代などを除いた基本的な医療費が無料になります。MSPの月々の保険料は37.5カナダドルとなっています。しかし、この保険は学生ビザやワークビザを持っていて、ブリティッシュコロンビア州に6ヶ月以上滞在予定の方が対象となっています。したがって、6ヶ月以上の滞在が証明出来ない方などは日本の海外旅行保険や現地での海外旅行保険に加入するのがオススメです。

カナダの医療システム

カナダの医療システムは日本とは大きく異なり、自分で病気の症状などがわかっていても、自分で内科、外科などの専門医には直接かからずに、ウォークイン・クリニックやファミリードクターと呼ばれる一般医にかかります（歯科以外ならどの科でも受信してもらえます）。その際必要に応じて一般医が専門医に予約を取り、紹介してもらう形式になります。

ウォーク・インクリニックとファミリードクターの違い

ウォークイン・クリニック（Walk-in Clinic)

予約が不要のクリニック。自分のファミリードクターが休みの日や、ファミリードクターを持っていない人が利用します。夜間や休日も診察可能な所が多いので便利ですが、場所によっては待ち時間が数時間になることもあるので、できるだけ朝一番に受付を終わらせれるように行きましょう。

ファミリードクター（かかりつけ医）

日本で言うかかりつけ医の事をファミリードクターと呼びます。基本的にこのファミリードクターが過去の治療履歴を保管していて、ウォークインクリニックとは違い常に健康状態を把握してくれているので安心感があります。しかし現状はファミリードクターの不足で新規の患者を受け入れてくれる所を探すのは難しいです。市の担当者に問い合わせると新規でも受け入れ可能なクリニックを紹介してもらえますが、留学生などの一時滞在者は受け付けてもらえないことも多いです。

ファミリードクターの探し方（ブリティッシュ・コロンビア州）：

無料通話番号「８１１」に電話すると、新規で患者を受け入れ可能なファミリードクターを紹介してもらえます。

バンクーバーでオススメの総合病院

バンクーバーでオススメの総合病院をいくつかご紹介します。

【閉業】Coast Medical

Coast Medicalの主な特徴は予約制のクリニックであることと日本人スタッフがいる点です。病名や症状の詳しい説明を英語でするのは中々難しいので日本語で対応してくれる点がオススメです。

Mainland Medical Clinic

Mainland Medical Clinicの主な特徴はプライマリーケアやメンタルヘルスや栄養管理に特化していることです。日本語対応しているので気軽に診察してもらえます。

Vancouver General Hospital (VGH)

Vancouver General Hospitalの主な特徴は24時間営業で色々な科がある点です。総合病院なので病院自体も大きく、ブリティッシュコロンビア大学とも学術的提携を行っているので高い技術の治療が受けられます。

Urgent Care Centre at UBC Hospital

Urgent Care Centre at UBC hospitalの主な特徴は予約なしで早急に処置が必要な方を見てくれる点です。バンクーバーに住んでいて救急車が必要な程ではないが緊急である場合は緊急時に対応してくれる医者がいるのでここに来ることがオススメです。

日本語医療通訳サービスについて

トランスメッド株式会社が医療通訳アシストサービスというサービスを行っていて、主なサービス内容は診察や検査の時に日本語通訳してくれます。他にも予約のお手伝いや病院に同行してくれます。このサービスを利用するにはトランスメッドの公式サイトにてフォームを記入していただくか、あるいは電話で申し込みすることで利用できます。カナダでの医療に関する事で不安や心配に感じられたらトランスメッドのサービスを利用して日本語で相談してみましょう。

日本語医療通訳サービスTrans Medが提携しているクリニック

Trans Med

トランスメッドでは経験豊富な日本人医療通訳者が診療をフルサポートしてくれます。各種医療機関への予約、同行はもちろん、同じ日本人の人に通訳してもらえるので微妙なニュアンスや伝えにくい症状もしっかりと医師に伝えてもらうことができます。また、海外旅行保険加入者はキャッシュレスサービス（本来加入者がするべき保険会社への支払い手続きを代行してもらえるサービス）を受けることができます。

救急病院（Emergency）

夜間や緊急時には大きな病院のエマージェンシーに行って診てもらうことになります。ただし数時間待たされます。

緊急時の場合は911番に電話をして救急車を呼んでもらいましょう。また911は警察や消防と同じ番号なのでオペレーターに必ず「Ambulance Please. アンビュランス　プリーズ」と伝えてください。救急車はMSPではカバーされず、MSP加入者で$80、未加入者は$500と高額な費用が発生するので緊急時以外は呼ばないように心がけましょう。

エマージェンシーの待ち時間はこちらで確認できます

まとめ

カナダの一般的な医療水準は高いのですが、アクセスの悪さや待ち時間の長さが大きな問題となっています。また人間ドックのような総合検診はプライベートクリニックのみで行われていますが、ほとんどのカナダ人は受けていません。
特殊な診察や治療などはＭＳＰサービスの対象外となりますので、必要だと思われる場合は渡航前に民間の海外旅行保険や留学傷害保険に加入されることお勧めします。

病院は生活していく上で必要不可欠な場所ですので、海外でも信頼できる病院をこの記事を参考にして見つけてください。