何年も家賃を払い続けているくらいならマイホームを持ちたいと思うことは、海外生活者でも同じです。将来的に帰国を考えている方は別ですが、マイホーム購入によって根無し草のような状態を抜け出して地に足をつけた生活ができるようになります。そこで、外国人にはわかりにくいローマでの不動産購入方法を、私の経験からご説明いたします。

ローマでの物件探し

郊外やお金持ちでない限り、ローマでは集合住宅、Appartamento( アッパルタメント)が一般的です。また、そのほとんどが中古物件です。そのため、希望地域、希望条件(予算、広さ、間取りなど)が決まって住まいを探す場合には、物件そのものだけを見るのではなく、老朽化の有無やメンテナンス管理、暖房設備など建物全体の状況もきちんとチェックする必要があります。さもないと、お買い得物件を購入したと喜んでいた矢先に高額メンテナンス費の請求が舞い込んでくるということもあり得ます。さらに、古代ローマ時代からローマのあちこちに建築素材のポゾラン(セメント原料)や凝灰岩の地下採掘場跡などが隠されており、恐ろしいことに全ての存在が把握されているわけではありません。希望地域で過去に地盤沈下などがなかったか調べておいた方が良いでしょう。また、近くに河川がなくても、下水管理が悪いために大雨で床下浸水に見舞われることもあるので要注意です。一方、郊外を希望している人は、その地域が住宅地として認可されているのか、必ずチェックしましょう。自宅が、実は不法住宅であることが発覚して、強制退去/取壊しになることがあります。

ローマの不動産会社

手数料を節約するために不動産会社なしで売買を希望する売手/買手がいますが、ややこしい手続きをスムーズに行うためには、やはり不動産会社必須です。希望地域にある不動産会社を訪れ、希望条件にあった物件を見せてもらいましょう。その場ですぐに気に入った物件が見つからなくても、その後条件にあった新規物件が見つかり次第不動産会社から連絡してもらえます。また、大抵の場合、交渉次第で当初の提示価格から購入価格を値引きすることができます。その際、キッチンなど作り付けの家具などが込みの値段か、買取か、はっきりと交渉しましょう。
以下に、イタリアとローマの主な不動産会社のサイトをおしらせします。

残念ながら、ローマには日本語対応できる不動産会社がありません。しかし、以下の翻訳会社に頼めば不動産購入交渉などの通訳件アシストをしてくれます。

笹尾ランゲージサービス

その他、ローマ在住ロコの中にも法務関係などの通訳もできる方がいらっしゃるので、相談してみてはいかがでしょうか?

イタリアとローマの不動産情報サイト

イタリア最大手不動産情報サイト、Immobiliare.itは、ほとんどの不動産会社が情報を提供しており、また個人売手の投稿もあるので、とても便利です。また、登録すれば、希望条件にあった不動産情報を定期的にメール受信できます。
https://www.immobiliare.it

その他、ローマの蚤の市新聞サイト、Porta Porteseでも、ローマの不動産情報を検索できます。
https://www.portaportese.it

賃貸アパートが主ですが、日本語による不動産や求人情報サイト、「ローマ掲示板」というものもあります。
https://kaigai-bbs.com/ita/rom/

イタリアの住宅ローン

どこの国でもあまり変わらないとは思いますが、物件探しと並行して、住宅ローンなど資金計画を具体化していきます。ローン設定条件は銀行など金融機関によって様々なので、早めに各金融機関に相談し、自分にあったローンを探すことをお勧めします。購入希望物件が決まり、不動産会社との媒介契約をして購入金額が確定したら、住宅ローンの審査申請をします。審査に必要な期間は、約1ヶ月と言われていますが、万年不景気のイタリアでは年々審査が厳しくなっており、数ヶ月待たされた上に審査に落ちるということも稀ではありません。

イタリアでのマイホーム購入までの手続き

主な手続きは、①媒介契約(不動産会社との契約で、その際に購入予約金を支払います)、②仮売買契約(売手にデポジットを送金小切手で支払います。その後買手の理由で購入拒否した場合、法的に購入を強制されることもあります。逆に売手の理由から売却中止になった場合は、デポジットを2倍にして払戻となります)、③売買契約(交渉人、Notaio(ノタイオ)の前で正式に売買契約が成立します。その後同じ交渉人の前で住宅ローンの契約もします)、④引き渡し
イタリアでの不動産購入の法的手続や手数料/税金についての詳しく解説された日本語サイトを見つけました。以下がリンクです。
『日本最大級の海外不動産サイト SEKAI PROPERTY』:https://ja.sekaiproperty.com/article/2678/italia-property-guide

イタリアの固定資産税

現イタリアの法律では、個人の持家を持つ権利を守るため、現住所Residenza(レジデンヅァ)である持家の固定資産税IMU(イム)が免除されています。ただし、実際に住んでいてもResidenzaが異なる場合や、2件以上不動産を所有している場合は、Residenzaのない不動産が全て課税対象となります。

まとめ

マイホーム購入以前の私は、賃貸契約切れや大家との折り合いの悪さのため、何度も引越しを繰り返していたので、引越しという悪夢から解放されただけでもホッとしています。また、ローマのアパート賃貸料は決して安くなく、毎月の住宅ローン返済の方が楽と言っている人も多いです。さらに、イタリアは素敵なインテリア家具が多いので、少しづつ自分の城を築く楽しみもできました。トスカがサンタンジェロ城からテヴェレ川に飛び降りたように、ここローマで清水の舞台から飛び降りるのも、悪くありません。

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