インターネットは、遠く離れている日本との距離をより身近にしてくれる大変便利な生活ツールですが、ここローマでどのようにして契約するば良いのか、どのような方法でインターネットを繋げるかをご紹介します。
イタリアのインターネット事情
イタリアのインターネット事情ですが、総じて日本と比較するとあまり良いとは言えません。最初に日本から留学等で一時的にローマに滞在する人は、家探しの時点でインターネット回線がある家を借りるのが一番です。昔ながらの家が多いローマでは、家の中にネット回線を引く工事が必要になる場合があるため、ネット回線を引くだけでも時間と労力が必要になってきます。また、一部ではADSL回線が未だに使われていることもあり、ネットの接続だけで神経を尖らしたり、非常に遅く感じたりすることがあります。
筆者は、ローマでの研修時代も含めてインターネットが必要な状況であったため、ホームステイ先でのネット回線や現在の自宅と様々な方法でインターネットを契約しています。ここでは皆さんがローマでインターネットライフを過ごせるように筆者自身の経験談を交えてご紹介しています。
もし、ホームステイ先や賃貸住宅でローマに滞在される場合、ネット回線があるかどうかを事前に大家さんに確認しましょう。ネット回線を繋げるための差込口がない場合、回線を引くための工事が必要になります。
イタリアには、自宅でのインターネット回線を提供する会社は、数多くありますが、やはり同じように携帯・スマートフォンの通信会社もインターネット回線を提供しています。今回は、この通信会社と一緒にインターネット回線を提供する有力なプロバイダーを下記にてご紹介します。
ローマ市内のインターネット回線を提供するプロバイダー
TIM
正式な名称は、Telecom Italiaでイタリア国内ではもっとも歴史のある通信会社で、かつては国が運営する会社でした。ローマで生まれのこの会社は、日本で置き換えるとNTTと同格と考えれば分かりやすいかと思います。WIND・3 ITALIA
ローマ生まれの通信会社でイタリア国内でも良く知られる会社です。近年は、3 ITALIAと合併し、TIMに次いで2番目の通信会社になっています。Wind.Treという会社になったことから合併はしたが、当分はそれぞれ別々に事業展開しているようです。Vodafone ITALIA
イタリアで3番目のシェアを持つボーダーフォングループのイタリアです。かつては2番目のシェアを誇っていたことから電波の強さには定評があります。Fastweb
1999年にミラノで生まれたこの会社は、イタリア国内にある固定電話の利用シェアが全体で3番目となっています。光ファイバーもこの会社から始まったため、利用シェアも大きく、回線もイタリアの人口約50%をカバーしていると言われています。Linkem
2001年にローマで生まれた会社で現在は、4.5Gの通信をイタリアの人口の約65%をカバーできるほどに成長している通信会社です。インターネットプロバイダーとしてもこれから注目する会社の一つとも言えます。Tiscali
1999年にイタリアのサルデーニャ島のカリアリで生まれた通信会社で、電話回線やADSLも含めた光ファイバーといったインターネット回線を提供するプロバイダーでも知られます。eolo
1998年にイタリア北部のヴァレーゼ(Varese)で生まれたプロバイダー。オンラインのビデオゲームからスタートした会社で知られる。Googleで「自宅 インターネット」を検索すると上位に位置する会社です。希望する会社が決まったら店舗へ
ネット(Free Wi-Fi)・チラシ等でご自身である程度チェックし、いくつかの会社に絞ってから店舗に直接、出向いて具体的にプランを確認しましょう。契約時には、クレジットカード又は、銀行の口座番号(IBAN)やパスポート又は、イタリアのIDカード(Carta d'identità)といった身分を証明するものが必要となります。
この時点でやはり、ある程度の語学力が必要になってきますが、店員には英語を解せる方もいますので、しっかり話をして納得できる良いプランを選んでみて下さい。
筆者自身の家は、携帯電話の通信回線に利用している「Wind」を利用しており、携帯電話のプランと合わせて、お得に光ファイバーの恩恵を受けています。最初の1年は19€/1か月のお得なプランを利用し、それ以降は、24€/1か月という2年の縛りがあるプランを選んでいます。現在は色々な会社がお得なプランを出しているので、縛りを抜けたら新しい会社に鞍替えりすることも考えられます。
近年までは、GB(ギガバイト)容量に制限がありましたが、最近は無制限が多いので、その辺りは気にする必要はなくなっているかもしれません。但し、とても安いプランには何らかの理由や制限もありますので、契約時にはしっかりプラン内容をチェックして、理解する必要があります。
契約が完了すると自宅にそのプロバイダーの回線があるかどうかをチェックした上で、回線を引っ張るための工事の日程の連絡があります。自宅がある地域にプロバイダーの回線が敷かれている場合は、大体で30分以下で工事が終わりますが、回線がない場合は、かなりの時間を要し、大がかりな工事となります。
ネット回線を引く工事ができない場合は?
ホームステイ先や大家さんの都合等でネット回線を引くことができない場合は、Chiavetta (USB)やPoket-Wifiを使ってネット回線を引く方法があります。この方法を選択する場合は、通信会社でChiavetta(USB)とPoket-Wifiに差し込むSIMを購入する必要がありますので、電話回線を使用しないネットだけのプランを選択すると良いでしょう。
筆者自身は、最初の1年間のホームステイ先が非常に古い家で、ホストファミリーのお婆ちゃんもやはり、ネットに疎いこともあり、無理強いせずにSIMを設定したChiavetta(USB)をPCに差し込んで、ネット回線を引いていました。当時は建物の構造上、なかなかネットが届かず、途切れることもありましたが、窓際に机を設置してから、それなりに快適にネットができるようになった記憶があります。
現在はネットも発達していますので、快適にネットができると思いきや一部の古い家では、未だに電波が届かない場合ことがありますので、家探しの内見の際にスマフォンを使い、電波の状況をチェックしています。
なお、Chiavetta(USB)とPoket-WiFiは、TIM」、「WIND」、「3 ITALIA(Tre Italia)」、「Vodafone」の店舗でも購入することができますが、「Amazon」等のオンラインサイトでも購入することができます。
ローマで良く使われるオンラインサイト
Amazon
誰もが知るオンラインショッピングサイトであり、世界で広く展開しています。イタリア国内でももっとも人気のあるサイトでイタリア人のほとんどは店舗で買うより安いのと補償の厚さでこのサイトを利用して購入しています。eprice
イタリア生まれのオンラインショッピングサイト。商品の送料を節約したい人には、契約している最寄りの店舗での受け取りで対応することができます。ローマでインターネットライフを
今回は、ローマにある自宅でインターネットを引くためにイタリアのインターネット事情からお話させて頂きましたが、現実的には言葉の壁だけではなく、家の構造等によりネットを引くことができない等といったテクニカルな壁が存在しています。この点からも自宅にインターネットを引くとなるとなかなか難しい面がああり、ローマには歴史のある古い家が多いため、手軽にインターネットという訳ではないことを踏まえて、インターネット回線の契約をすることをお勧めします。