フランス・ニースの天気と気温、年間の気候と旅行中におすすめの服装
【フランス・ニース在住者執筆】南仏ニースの天気と気温は? 観光や海水浴のベストシーズンはいつ? パリよりは暖かそうでも、旅行にどんな服を持って行けばいいの? ニースの年間の気候の特徴や、旅行に行く時期の現地のファッションとおすすめの服装をチェックして、旅行を最大限楽しみましょう!
フランス・ニースの年間の気候
南フランスのビーチリゾートとして有名なニースは四季のある地中海性気候で、夏はもちろん冬も比較的温暖で過ごしやすく、年間を通して観光を楽しめます。
カラッと晴れた日が多く乾燥し、日中と朝晩の気温差が大きいのが特徴です。夏は海からの湿った風で蒸し暑くなりますが、日本よりは乾燥しています。
梅雨や台風はなく、雨は主に春や秋と季節の変わり目に時々降る程度です。ニースの緯度は札幌市とほぼ同じ北緯43度で意外と北にあり、夏の間は夜9時頃まで明るい日が続きます。
年間の気温と降水量
2018年の月ごとの平均観測値と、過去30年間の平年値のデータです。
出典:気象庁Webサイト
「地点別データ・グラフ(世界の天候データツール(ClimatView 月統計値))」より
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | |
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月平均最高気温(℃) | 14.8 | 11.2 | 14.1 | 18.2 | 21.2 | 25.0 |
月平均最低気温(℃) | 8.2 | 5.5 | 7.2 | 12.6 | 15.9 | 19.3 |
月平均気温(℃) | 11.1 | 8.2 | 10.6 | 15.5 | 18.5 | 22.3 |
月平均気温平年値(℃) | 8.3 | 9.1 | 11.3 | 13.5 | 17.5 | 21.0 |
月降水量(mm) | 54 | 52 | 170 | 115 | 55 | 53 |
月降水量平年値(mm) | 71.9 | 42.4 | 38.6 | 70.3 | 46.1 | 35.9 |
7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
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月平均最高気温(℃) | 28.3 | 29.9 | 26.4 | 22.3 | 17.4 | 15.4 |
月平均最低気温(℃) | 22.2 | 23.2 | 19.8 | 15.8 | 11.1 | 7.6 |
月平均気温(℃) | 25.5 | 26.5 | 23.1 | 18.9 | 13.6 | 10.6 |
月平均気温平年値(℃) | 23.9 | 24.1 | 20.7 | 16.9 | 12.1 | 9.0 |
月降水量(mm) | 22 | 12 | 11 | 188 | 145 | 51 |
月降水量平年値(mm) | 14.9 | 18.4 | 75.3 | 130.8 | 108.9 | 85.7 |
出典:気象庁Webサイト
「地点別データ・グラフ(世界の天候データツール(ClimatView 月統計値))」より
日中と朝晩、日なたと日陰の気温差が大きく、実際の最低・最高気温はデータ±5℃くらいです。
東京より夏は涼しく冬は暖かく、春と秋に降水量が少し増えます。
春(3月、4月、5月)のニースの天気
2月中旬から3月上旬にカーニバルとミモザの花が春の訪れを告げ、3月の最終日曜日にサマータイムが始まると夜8時頃まで明るくなります。
朝晩は肌寒い日もありますが快適に過ごせます。1~2週間に1回程度雨が降り、4月上旬に数日雨が降った後は本格的な春を迎え、夏に向けて日差しが強くなり気温が上がってきます。
現地の人は4月からビーチで甲羅干しを始め、5月には海に入る人もいます。春はハイキングなど山のレジャーも楽しめます。
航空券やホテル、ツアーなどの旅行代金もまだそれほど高くなく、混み合うバカンスシーズンの前に落ち着いてニースを観光したい方におすすめのベストシーズンです。
夏(6月、7月、8月)のニースの天気
6月から海水浴を楽しめます。夏の間はほとんど雨が降りませんが、時々夕立があります。
日差しが強烈で7月は30℃以上になり、近年は8月頃に熱波が発生して35℃近い猛暑が2~3週間続き、炎天下では35℃を超えることもあります。
海からの湿った風で湿度が80%以上と蒸し暑くなりますが、日本よりは乾燥していてじりじりと焼けつくような暑さです。現地の人は暑い昼間を避けて朝や夕方に海水浴をしています。なるべく日陰を歩いたりこまめに水分補給をして熱中症に気を付けましょう。
外での観光は午前中に済ませて、暑さの厳しい午後5時頃までは冷房の効いた屋内で過ごすなど観光プランにも工夫が必要です。夜9時頃までは明るく夕方からでも十分出歩けます。
格安ホテルや旅行者用アパートはエアコンがなく扇風機のみのところが多いので、7・8月はエアコンのある宿泊施設の予約をおすすめします。
6月に観光客が増え、7・8月はバカンスシーズン本番で街は観光客でごった返し雑然とした雰囲気になり、航空券やホテル、ツアーなどの旅行代金も1年で一番高い時期です。
秋(9月、10月、11月)のニースの天気
9月上旬に残暑が残るものの一雨ごとに気温が下がります。とは言っても雨は1~2週間に1回程度で観光に支障が出ることはありません。
9月中は海水浴を楽しめ、欧米人は10月以降も海に入る人もいます。秋は暑すぎず寒すぎず快適な気温で、街も落ち着いていてゆっくり観光でき、航空券やホテル、ツアーなどの旅行代金もリーズナブルなベストシーズンです。
ハイキングなど山のレジャーも楽しめます。10月の最終日曜日にサマータイムが終わり冬時間になると夕方6時頃には暗くなり本格的な秋になります。11月中旬には街路樹が黄色く色づきます。
冬(12月、1月、2月)のニースの天気
晴れた日が多く温暖で、昼間の日なたでは20℃近くになることもあります。
日陰と朝晩は冷えますが、12月のクリスマスマーケットや2月中旬からのカーニバルで夜間外にいてもそれほど寒くありません。2~3週間に1回程度雨が降り、ごくまれに雪が降ることもあります。湿度は40~60%と乾燥しますので保湿クリームをお忘れなく。
クリスマスから年末にかけて観光客が少し増えるものの、1月から2月のカーニバル開始前までは1年で一番静かな時期で落ち着いて観光でき、航空券やホテル、ツアーなどの旅行代金も1年で一番安くかなりお得です。
19世紀にはヨーロッパの王侯貴族が冬の避寒地としてニースを訪れていました。県内山間部では雪が降りウインタースポーツを楽しめます。
旅行中におすすめの服装
どの季節も日なたと日陰、日中と朝晩の気温差が大きく、はおったり重ね着できる服装が必要です。
晴れた日が多く日差しが強いので、夏はもちろん他の季節にもサングラス、帽子、SPF50の強力な日焼け止めの使用をおすすめします。普段あまり日に当たらない方は日光湿疹に気を付けてください。
空気の乾燥に加えて水道水が石灰分の多い硬水のため、保湿化粧品やクリームを多めにご用意ください。5月から10月頃まで蚊が多く、網戸はありませんので虫よけグッズが活躍します。
コートダジュールのビーチリゾートと言ってもセレブ感漂うカンヌやサントロペとは違い、ニースは一部の場所を除いてカジュアルな大衆リゾート地で、現地の人や観光客はリラックスした格好の人が多いです。
スリやひったくりのターゲットになるブランド品や貴金属は身につけず、ラフな服装をおすすめします。石畳はありませんが舗装がデコボコしているのでスニーカーなど歩きやすい靴をご用意ください。
ドレスコードのある高級レストランやカジノ、オペラ鑑賞などには女性はワンピース、男性はロングパンツや襟付きシャツ、ジャケット程度のフォーマルな服装でお出かけください。
3月・4月のおすすめの服装
3月にカーニバルが春の訪れを告げても、4月上旬までは7~15℃と寒くニットとコート(東京で冬に着るようなウールコートや薄いダウンコート)が必要です。
4月上旬に雨が数日続いた後、4月中旬には10~20℃と春らしくなり長袖シャツやニットにジャケットで過ごせるようになります。セントラルヒーティングのホテルや旅行者用アパートでは4月上旬から中旬にかけて暖房が止まり夜冷える日もあるので防寒できる服をご用意ください。
5月・6月のおすすめの服装
日差しが強くなり気温が上がってきます。6月には30℃近くまで気温が上がり海水浴を楽しめます。朝晩は涼しく、5月は15~25℃の間でその日の気温によって半袖か長袖シャツにジャケット、6月は20~30℃の間で半袖にパーカーやカーディガンをはおって調節します。
6月の日差しは強烈で、ビーチではもちろん街でもサングラス、帽子、SPF50の強力な日焼け止めが必要です。現地の人は使いませんが日傘も日よけに役立ちます。時々雨が降ることもあり晴雨兼用の折りたたみ傘があると便利です。
7月・8月のおすすめの服装
強烈な日差しと30℃以上の真夏日が続き、近年は8月頃に熱波が発生して35℃近くまで気温が上がります。女性はリゾートワンピースやショートパンツ、男性はTシャツにバミューダパンツが、真夏のニースの定番ファッションです。
7月上旬から8月中旬の大バーゲンで現地の服を購入するのもいいですね。ジーンズは暑すぎておすすめしません。ノースリーブやショートパンツでは入場できない教会の観光や日よけ・エアコン対策に、はおれる長袖シャツやカーディガン、薄手のストールなどをご用意ください。
ビーチではもちろん街でもサングラス、帽子、SPF50の強力な日焼け止めが手放せません。現地の人は使いませんが日傘も日よけに役立ちます。時々夕立もあり晴雨兼用の折りたたみ傘があるとよいでしょう。
9月・10月のおすすめの服装
9月上旬に数日雨が降ると残暑が和らいで朝晩は涼しくなりますが、9月中は海水浴を楽しめます。
ジーンズでも過ごせるようになり、9月は20~30℃の間で半袖にパーカーやカーディガン、10月は15~25℃の間でその日の気温によって半袖か長袖シャツにジャケットをはおって調節します。
10月下旬には最低気温が10℃程度になる日がありニットも必要になってきます。10月の最終日曜日にサマータイムから冬時間になると、日暮れが早まって気温も下がります。
11月・12月のおすすめの服装
11月上旬は10~20℃と暖かくニットにジャケットで過ごせるものの、11月中旬には最低気温が10℃以下になりコートが必要になります。
コートは東京で冬に着るようなウールコートや薄いダウンコートで十分です。日中の日なたは20℃以上と暖かくても日陰と朝晩は冷えます。セントラルヒーティングのホテルや旅行者用アパートでは11月下旬まで暖房が入らず夜冷える日もあるので防寒できる服のご用意を。
12月上旬にマセナ広場にクリスマスマーケットがオープンすると冬の到来ですが、年末までは7~15℃とそれほど冷え込まずコートとマフラーやストールがあれば夜でも外のテラス席で過ごせます。県内山間部では雪が降りスキー場もありますので、ウインタースポーツを楽しみたい方は雪用ウェアをご用意ください。
1月・2月のおすすめの服装
年が明けると本格的な冬で、ニットとコート、マフラーやストールは必須です。コートは東京で冬に着るようなウールコートや薄いダウンコートで十分です。
1月上旬から2月中旬の大バーゲンで現地の服を購入するのもいいですね。昼間の日なたは暖かく20℃近くになることもありますが、日陰は寒く10℃程度で朝晩は2~3℃まで気温が下がりますので、日差しに騙されず防寒してください。
数年に一度雪が降ることもあります。2月中旬から下旬にはカーニバルが春の訪れを告げますが、1月と同様寒い日が続きニットとコートは手放せません。県内山間部では雪が降りスキー場もありますので、ウインタースポーツを楽しみたい方は雪用ウェアをご用意ください。
フランス・ニースの天気予報
ニース観光・会議局Webサイト
ニースの4日間の天気予報と気温、海水温、風速と風向きを知ることができます。市内4か所のライブカメラ中継も見られます。日本語に対応しています。日本気象協会Webサイト
日本の主要都市とニースの1週間の天気、気温と湿度を比較できます。AccuWeather
世界中の天気予報を日本語で見られるサイトで、天気や紫外線指数、90日間の予報、過去1年間の毎日の気温を知ることができます。
まとめ
気候と気温に加えて、現地の事情に合った服装で観光を楽しみたいですね。
ニースでは2016年にビーチでのブルキニ(イスラム教徒の女性が着用するウェットスーツのような全身水着)の着用禁止条例が制定され、その後条例は撤廃されたものの、ビーチでは濃い色のフード付きパーカーにレギンスといったブルキニを思わせる服装は避けた方が無難です。
政教分離を徹底するフランスでは公共の場での宗教色の強い服装に抵抗があり、また日焼けが一種のステイタスのため服を着ての海水浴はナンセンスだと思われています。
公共の場における覆面禁止法(目以外の顔と頭を覆うニカブの禁止)があり、日本でおなじみのマスクはフランスでは奇異に映ります。
2018年末からのジレジョーヌ(蛍光色の黄色いベスト)のデモ運動は鎮静化していますが、時々有志が小規模なデモを行っていますので、蛍光黄色のファッションは避けることをおすすめします。これらの点にも留意して、旅行の荷物を準備してくださいね。