アーティスト活動について
miliさん
今年4月からベルリンへ移住を計画中です。
ビザは、アーティストビザ(フリーランスビザ)を申請しようと思っています。
日本では、トータルで6年ほどのフリーランスでの美術デザイナー実績有りです。主に、広告の映像やMusic video、映画などの美術セットプランを手がけてきました。
ベルリンでは、映像ではなく、舞台美術でやっていきたいと思っています。
上記のような映像系では、自分でデザイナーとしてやっていますが、舞台美術に関しては、アシスタントしか経験がありません。
このような場合でも、舞台美術分野でアーティストビザの申請は可能でしょうか?
また、渡航後のドイツでの仕事も今のところはなく、自分で切り開いてく所存です。
(申請時に必要な推薦状や契約書は、ベルリン在住のアーティスト活動している日本人、ドイツ人の友人にお願いできそうですが…)
日本での映像の仕事は、年に数回なら続けていけそうなので、いくらかの収入源にはなりそうです。それもアピールすべきでしょうか?
ただその場合、何度か日本に帰らなければならず、ゆくゆくはドイツでの仕事をメインに確立していきたいと思っています。
語学は勉強中で、まだ英語もドイツ語もまんぞくには話せない状態です。
まだ不十分な部分だらけですが…
今までの経験を生かし、大好きな分野でベルリンで活動していくことしか考えていないので、他のビザは検討していません。
外人局の予約も、もうそろそろ取ろうとしています。やはりコンサルタントにお願いしたほうがよいのでしょうか?
また、舞台美術をして行きたい場合、やはり大学に入るべきですか?
ゆくゆく劇場などに就職するのは難しいでしょうか…?
詳しい方いらっしゃったら、アドバイスいただければ幸いです。
よろしくお願い致します。
2017年2月11日 21時44分
タカさんの回答
miliさんこんにちは。ベルリン工科大学大学院で舞台美術を学んでいるものです。年齢は26です。日本では美大で舞台美術を含む空間デザインを(学部で)学びました。同じ分野を志される方からの質問、興味深く拝見させて頂きました。私は学生ビザで滞在中なため、フリーランスのビザ申請などに関してはほとんど知識がなく、答えられる部分が大変少ないですが、志す分野は大変近い身ですので、その意味でなにがしかでも、参考になることがあればと思います。
「また、舞台美術をして行きたい場合、やはり大学に入るべきですか?
ゆくゆく劇場などに就職するのは難しいでしょうか…? 」
この部分に関しては、少しお答えできることがありそうです。
ですがはっきり言ってこれは、挑戦してみないとわからないと思います。より具体的に言えば、劇場アシスタント(有償無償どちらの場合もあるPraktikant/in, 基本無償のHospitant/inなど)の求人であれば、今のmiliさんの状態でも受け入れられる可能性は決して『ゼロ』ではないと思います。(語学力が障害になる可能性は、誰に対しても常にあるので、いったん置いておきますが)
というのも、僕は今年の10月から大学院に入りましたが、そこに合格する前、可能性の一つとして、ドイツ各地の劇場のアシスタントの求人に(ほとんど片っ端から)応募していた時期がありました。その時、幸運なことに幾つかの劇場からは、面接への招待の返事を頂きました。当時の僕のドイツ語レベルは、ヨーロッパ共通言語参照枠B1でした。(これはおおざっぱに言えば、複雑でない日常会話なら問題なくこなせる程度です。僕はゲーテインステテュートでドイツ語を学び、同機関が行う検定試験でそのレベルを当時取得していました。)当時の僕にはドイツでの学歴、職歴ともにありませんでした。
残念ながら、当時僕がガッツリ東京在住だったため(われながら結構ロックなことをしていたと思いますが…笑)面接日程を受け入れるのが難しいなどの理由で、すべて流れてしまいましたが、当時僕がドイツに滞在していれば、面接までこじ付けることは事実上できたというわけです。
応募資料は、自分の作品ポートフォリオとドイツ語で書いた履歴書・志望動機書だったと思います。返事をくれた劇場は、ベルリンの劇場ではなく地方の公共劇場でした。
ちなみに僕の大学院には、「舞台美術を学部で学んだわけではないけれども、ドイツの劇場で舞台美術のアシスタントをしたことがある」という学生が結構います。彼らの学部での分野は芸術学や劇場学、工業デザインなど比較的様々です。つまり、アシスタントの求人に関しては、応募者のそれまでの経験分野に対する、劇場側の限定的な期待というものは比較的少ないように思われる、ということです。(ですが一方それは、彼らが経験したアシスタント枠の多くが、いわゆるHospitantと呼ばれるものに近く、一定の作品のプロダクションだけを対象としたものだった、ということにも起因すると思われます)
僕がまず「やってみないとわからないです」と書いたのは、以上のような状況を見聞きしたことによります。長期雇用ではないにしても、ドイツの劇場でなにがしかの仕事を経験するということは「ものすごく難しいことではない」と思う、というのが僕の個人的な見解です。miliさんはすでに美術デザイン、映像美術分野等での経験が豊富でいらっしゃるようですね。そのような経験は、こちらでは確実にプラスに評価されるはずです。ご自身の高い経験値は、こちらではどこの誰に対しても、ガッツリとアピールされるべきだと思います。それがマイナスに評価されることは、決してないはずです。(個人がこなした実績やその人の才能には、率直な評価を下してくれ、かつ正直な感想を述べてくれるのがドイツ人の良いところだと思います。)
「また、舞台美術をして行きたい場合、やはり大学に入るべきですか? 」とありますが、大学あるいはなにがしかの学校に入ったほうが『いい』のは、確かです。劇場職は比較的狭い世界である上、やはり雇用者の劇場側としても、「日本からぱっときた、ドイツとなんのゆかりもない若者」を長期雇用することはなかなか難しいのです。これは日本にいた頃、ある大学の先生から受けたアドバイスです。人脈づくり、あるいはドイツに滞在する『根拠づけ』としても、学生であることほど、その利益を享受しやすい条件はありませんから。これは美術云々でなく、外国人としてこの国での生き方を探る場合にはとても現実的なことです。参考までにあるサイトを。http://buehnenjobs.de ここではドイツの劇場の求人をまとめて閲覧できます。僕が求人に利用したのはこのサイトです。
2017年2月12日 7時17分
この回答への評価
ありがとうございます。
舞台美術を専攻されてる方からお返事いただけるとは嬉しいです。同志を見つけた感じで。笑
大変興味深く参考になるお話沢山ありがとうございます。
”学生であることほど、その利益を享受しやすい条件はない”
全くそのとおりですね。外国人である私たちが生きていくには。
みなさんから頂いたご意見参考に、学生から入る、とゆうことを前向きに考えています。
ベルリンには2度ほど訪れていて、アーティストがたくさんいて競争率が恐ろしい(笑)のも分かってはいますが、みなさん生き生きしていたのが忘れられません。
大好きなことを思い切りやるには、ココしかないと思いました。
みなさんのお陰で、さらに勇気が湧いてきました!
一歩先ゆくタカさんに、追いつけるようにがんばります!
2017年2月12日 13時12分
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