イギリスのEU離脱について現地EU加盟国イタリア在住者の感想を聞きたいです
Yutakaさん
今回イギリスの国民投票で、EU離脱が確定しましたが、実際に現地EU加盟国の状況はどうなのでしょうか?
日本の報道だとスコットランドはEU離脱に反対していて、今回の結果により独立をするのではないかとも言われています。
実際に現地に住んでいる人の目線として、今回のEU離脱の結果や今後の自国への影響についての感想を頂けると大異変参考になります。
よろしくお願いします。
2016年6月25日 13時27分
aobluebleuさんの回答
ヴェネツィアに関しては、かなり冷ややかです。イギリスの女性議員が殺害されたことほどには、投票結果が熱く語られる様子はありません。イタリアという国は見栄っ張りですので、ドイツやフランスなどに肩を並べて世界にみとめられたいという思いがまずあります。ところが国民性や文化から、特にドイツのレベルで仕事をするのはかなりきついというのが本音だと思います。イタリアの商品や商売のよさはドイツのそれとは全く違います。多分EU発足当時はリラの安さが、マイペースな仕事ができ観光客が喜んで買い物をしてくれる秘密だとは、想像もしていなかったのだと思います。国際取引のある企業でなければ、工場移転や関税免除などの恩恵もありませんし、リラ時代の富裕中間層は一般の観光客を相手にする仕事が多いので、ユーロになって物価が高騰した街で、観光客が節約するレストランやお土産代などで大打撃を受けたところに、EU内での背伸び維持のために苦しくなった国の税金徴収の強化で、陽気で気さくなイタリア人らしいイタリア人の中間層は根こそぎどん底に叩き落とされました。通貨が統一されたお手軽感から節約旅行者が増え、街中は混み合って不愉快なのにお金は落としていってもらえないので、市民の中には観光客を毛嫌いする者が激増しました。それでも初めの5年は、また元のように景気や世界情勢が戻るのではないかと我慢をしていましたが、その後は件の中間層である小規模事業主の自殺者が相次ぐようになり、現在はもう疲れ果てて涙も枯れ果てた状態です。語るのも夢を見るのも疲れたという、イタリア人にはあるまじき精神状態です。優秀な若い世代は仕事を興そうとは思わず、海外へ就職先を求めて出て行ってしまいます。意外にも建前主義で、ユーロからの脱退は恥ずかしことのように認識されていますし、イタリア人はカトリックの教えのように上から与えられたものには割と素直にしたがいます。疑問を持って追及することが少ないのもカトリック的です。ただ、明らかに「リラの頃はよかった」という漠然とした懐かしい胸の苦しくなるような思いが、現在の50歳以上の以前は富裕中間層で現在は下層のクラスでくすぶる市民の中にはどんよりと残っているのは確かです。EU離脱はなくても、通貨は自国で管理できたら、というタブー視されていた考えが当然隠せなくなってきているように感じられます。周りの様子を伺いながら、誰かが背中を押してくれたら、格好悪くないことだと世界が認識するなら、自国が最初の脱落者でないなら、などと体裁を考えながら深層心理のうちには「もう止めたい」が強いからこそ、思わず本音を漏らしてしまわないように、UEFA欧州選手権サッカーを見て気をそらしながら市民はだんまりを決めているのだと思います。イタリアの政党Movimento 5 Stelleの若くて美しいと評判のVirginia Raggiローマ市長なども最近はユーロ通貨離脱に触れるようになってきましたし、ギリシアやイギリスが出て行き既成事実ができればイタリアも崩れるのではないでしょうか。ちなみにカトリック教徒の国なので、移民難民の件でEUに不満というのは少ないです。移民難民問題に非常に不満はありますが、道徳的に受け入れるのであって強制されているという認識ではないからです。今回日本ではネガティブな意見ばかりが強調されますが、昨日オーストラリア人の方とお話をしていたらおおむね歓迎ということでした。イギリス本国がEUを脱退すれば、オーストラリアもアジア諸国と独自に条約が結べるので可能性が広がるということでした。ヨーロッパ諸国とは取引の少ない国だからでしょうが、混乱や交渉が大変ではあってもより可能性を引き出すチャンスにもなりうると信じています。
2016年7月1日 5時40分
この回答への評価
回答ありがとうございます。遅くなり申し訳ありません。
参考になりました。
2017年5月7日 20時46分
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