【事例】海外展示会の通訳を現地在住の日本人に|香港で単独ブースを出展

1ブランドで単独ブースを構えるとき、海外展示会の通訳を誰に頼むかは、商談と接客を支える準備の要になります。ファスナーアートアクセサリー「ZIP ART®」を手がけるRomance in ZIPの鈴木さんは、香港のファッション展示会に単独ブースで出展するにあたり、ロコタビで香港在住の日本人に通訳を依頼しました。会期中はロコさんが一般来場者にも積極的に声をかけ、1組ごとの滞在時間が長かったことが鈴木さんの印象に残っています。
この事例の要点
- 課題: 1ブランドで1ブースを運営するため、商談と接客を任せられる通訳が必要だった。
- 取った手段: ロコタビで香港在住の日本人ロコに通訳を依頼し、事前に資料を共有して初日の段取りを決めた。
- 出展後の変化: 一般来場者もブースで足を止め、1組ごとの滞在時間が長かったことを現地で確かめられた。
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目次
香港の展示会への出展|1ブランド1ブースで通訳を探した理由
― 海外展開に取り組み始めたきっかけを教えてください。
鈴木氏: 当ブランドは、ファスナーを使ったアクセサリーを制作しています。ほかにない唯一無二のデザインが強みです。周りの方から、「個性的なものや、メイド・イン・ジャパンでYKKのファスナーを使ったものは、海外の方が興味を持ってくださるのではないか」と助言をいただきました。私自身も、海外でどのような反応をいただけるのかを知りたいと考え、海外展開に挑戦し始めました。
― 今回はどのような形で香港の展示会に出展されたのですか。
鈴木氏: 香港のファッション展示会「CENTRESTAGE」に、招待を受けて出展しました。1ブランドとして1つのブースをいただけたことは、ありがたい機会でした。
展示会の出展は、国内ではギフトショーなどで3、4回、海外では昨年の上海に続いて今回が2回目です。上海ではジェトロの支援事業としてジェトロのブースに出展し、ジェトロが手配した通訳の方がブース全体を担当していました。今回は1ブランドで単独のブースを運営するため、通訳を自分で手配することにしました。
― 単独ブースでは、なぜ通訳が必要だと考えたのですか。
鈴木氏: 広いブースを担当するには、作品の説明、商談、お客様への対応を同時に進める体制が必要です。アクセサリーを扱うため、ブースの管理にも気を配りたいと考えていました。英語はある程度聞き取れ、話すこともできます。ただ、1ブランドとして商談やお客様対応をきちんと行うには、英語が堪能で香港のことをよく知っている方にいていただくことが大切だと考え、通訳を探しました。
香港での通訳の手配|日本との違いを説明できる人に依頼した決め手
― 通訳はどのように探したのですか。
鈴木氏: 「通訳」「海外」「展示会」といったキーワードに、「現地」「日本人」などを組み合わせて検索し、ロコタビを見つけました。検索結果に出てきたときに「ここで探したい」と感じたので、そのままロコタビで依頼しました。
― 現地に住む日本人であることを重視したのはなぜですか。
鈴木氏: 私の活動を理解し、日本の仕組みや日本との違いを踏まえて海外の方に説明していただくには、日本のことも知っている方が良いと考えました。また、その土地に住んでいる方であれば、現地の市場にも詳しいだろうという期待もありました。そのため、現地に住む日本人の方に絞って探しました。
― 依頼するロコさんを決めた決め手は何でしたか。
鈴木氏: 依頼したロコさんは、最初のやり取りの段階から私の活動に大変興味を持ち、理解しようとしてくださいました。作品を評価し、敬意を持って接してくださるお人柄にひかれたことが、一番の決め手です。
出展前の準備|資料の共有と初日の段取り
― 依頼してから会期までに、どのような準備をしたのですか。
鈴木氏: ロコさんからは事前に、「送れる資料や見られるものがあれば教えてください。勉強します」と声をかけていただきました。そこで、お送りできる範囲でさまざまな資料を共有しました。作品を理解するだけでなく、説明できるようにと勉強してくださったことが印象に残っています。
また、「初日は早めに会場に入るので、そこで何をしましょうか」と、現地での段取りも事前に決めておきました。私が現地で落ち着いて動けるように、さまざまなことを考えて手配してくださったと感じています。
会期中のブース対応|一般来場者にも足を止めてもらう声がけ
― 会期中、ロコさんはどのように対応してくださいましたか。
鈴木氏: 今回の展示会は、バイヤーだけでなく一般の方も入場できました。ロコさんは、足を止めた方や興味を持ちそうな方に、積極的に声をかけてくださいました。商談相手になりそうかどうかで対応を変えるのではなく、「これは何でできていると思いますか」と問いかけるなど、気軽に話していただける接し方でした。バイヤーの方にも一般の方にも、同じようにフレンドリーに説明してくださいました。
― 特に印象に残っていることは何ですか。
鈴木氏: 今回の出展では、まず作品を知っていただくことを一番大切にしていました。知って興味を持っていただくことが、その先につながると考えているからです。ロコさんが丁寧に声をかけてくださったことで、一般の方も足を止めて「これは何ですか」と質問してくださいました。1組ごとの滞在時間がとても長かったことが、強く印象に残っています。
また、香港はアジアのハブといわれるだけあって、さまざまな国からバイヤーが来場していました。
― 単独ブースでの出展を振り返って、いかがですか。
鈴木氏: 1ブランドで1つのブースを運営するにあたって、ロコさんの存在は欠かせませんでした。良い方に出会えたことに、感謝しています。
海外展開と現地の情報|公的支援と現地在住者の役割
― 海外展開を進めるうえで、現地に住む方のサポートをどのように感じていますか。
鈴木氏: 作品を扱っていただけるお店を探すとき、どのエリアにどのようなお店があるかは、現地の方が詳しいと感じています。以前、支援事業でシンガポールを視察した際に、同行した日本人の通訳の方が、作品に合いそうなお店があるエリアを案内してくださいました。検索しても出てこない地元の情報は、現地に住んでいる方だからこそ持っているものです。現地での情報集めや販路づくりには、現地に住む日本人の方がとても頼りになると感じています。
― 公的機関の支援と、現地に住む方のサポートは、どのように役割が分かれていますか。
鈴木氏: 私の場合、ジェトロなどの公的機関の支援では、その国の市場の全体像や、どのようなところが向いているかといった大枠の情報をいただいています。そこから一歩踏み込んだ具体的な情報は、現地にいる方や現地に詳しい方に支えていただくことが必要だと感じています。特に私のように個人で活動する場合は、その役割が大きいと考えています。
― 今後の海外展開で、大切にしていきたいことを教えてください。
鈴木氏: 私の作品は、写真だけでは伝わりにくい動きや変化があるアクセサリーです。だからこそ、実際に見て、触れていただける機会を増やしていきたいと考えています。今回香港に出展して、香港での取り組みは世界へ広げていくための第一歩になると強く感じました。
海外展示会の通訳を手配する担当者へ|この事例からわかる3つのポイント
- 出展の形によって、通訳の手配が必要かを確かめる: 鈴木さんが上海で出展したジェトロのブースでは、ジェトロが手配した通訳がブース全体を担当していました。単独ブースでは、通訳を自社で手配する前提で準備を進める必要があります。
- 「現地を知っている」と「日本を説明できる」の両方で選ぶ: 鈴木さんは、日本の仕組みや日本との違いを海外の方に説明できること、現地の市場に詳しいことを理由に、現地在住の日本人に絞って探しました。そのうえで、事業に関心を持ってくれる人柄を決め手にしています。
- 出展の目的に合わせて、ブースでの声がけを考える: 鈴木さんは「まず作品を知ってもらう」ことを一番に考えていました。ロコさんも、商談相手かどうかで対応を変えず、一般来場者にも同じように声をかけています。一般の方も入場できる展示会では、目的に合わせた接し方を通訳と考えておくことが大切です。
【ご協力企業】Romance in ZIP
東京を拠点に、YKKのファスナーを主素材としたファスナーアートアクセサリー「ZIP ART®」の製作・販売と、ワークショップを手がけるブランド。2017年からファスナーアクセサリーの制作を続け、2017年にスワロフスキーデザインコンテストでグランプリ、2025年に板橋製品技術大賞の優秀賞を受賞しています。「ZIP ART®で世界中の人を幸せにする」ことを目標に、着ける人が自信を持ち、自分を変えるきっかけになるアクセサリーを届けています。
▶ 公式サイト:https://www.zip-art.com/
海外展示会の通訳に、現地在住者のサポートを
ロコタビでは、世界各地に住む日本人「ロコ」が、海外展示会での商談通訳やブースでの接客、現地のアテンドや市場調査をサポートしています。日本と現地の両方を知るロコが、商品や事業の背景を理解したうえで、現地の来場者やバイヤーに伝えます。
単独ブースでの初めての出展や、少人数での海外展示会の運営を控えている方は、通訳の手配とあわせてご相談ください。展示会の開催地に住むロコが、会期前の準備から当日のブース対応まで、出展の目的に合わせてお手伝いします。