ウィーンの美容院・ヘアサロン内部事情

ファッショッンショーで外国のモデルさんがランウェイを美しく闊歩する姿を見て、「こんな風になれたら」と憧れを抱く方も多いのではないでしょうか。
旅行でウィーンへお越しの際に思い切ってヘアカットを、とお考えの方、必見です。

ヘアサロンに求めるもの

「ヘアサロンに求めるものは何ですか?」

カット技術?
パーマ技術?
話が上手?
それとも、いかにリラックスできるか?
自分の髪質に合った、似合う髪型を提案してくれるか?

ウィーンのヘアサロンでこれらの希望が叶えられるかと言うと、残念ながらNOと言わざるを得ません。

ウィーン美容院の現実

多くの日本人が、ウィーンの美容室に行って髪の毛を染めたりパーマをかけたら、髪の毛が傷んでしまったという経験をしています。

原因の一つに、欧米人とアジア人の髪の毛の性質は全く異なり、普段欧米人の髪を扱っているこちらの美容師さんは、アジア人の髪質を十分に理解していないと言う点が挙げられます。
また、現地で使用されている薬剤は欧米人の髪質に合うように非常に強く作られており、その薬剤で日本人の髪の毛にパーマやカラーを施術すると…もうお分かりでしょう。

二点目に、欧米人と日本人の美意識の違いが挙げられます。
美容師さんに希望のヘアデザインを伝える際に起こる、イメージ像を描く時点でのズレです。
例えば、欧米人はレイアーを全く入れずにバッサリとまっすぐに切るスタイルを好みますが、現在の日本でそのような髪型は好まれません。
いくら言葉でコミュニケーションがとれたとしても、自分のイメージに美容師さんが不満を持っていると、どうしても仕上がりに影響を及ぼしてしまいます。

ウィーンのヘアサロンへ実際に行ってみたところ…

ウィーンで暮らし始めて1年が経過した頃、思い切って現地の美容室に行きました。
まず、ヘアデザインの希望を美容師さんに伝えます。
希望は「髪の毛の量が多いので軽くしてほしい」という一点でした。席に案内され、いざ施術開始です。

美容師さんが霧吹きのようなもので髪の毛を湿らせ始めました。
シュ、シュ、シュと髪の毛全体に水を届き渡らせます。
日本のヘアサロンで霧吹きは体験したことがなかった、どういう効果があるのか、と不思議に思っていると、美容師さんは早速ハサミを手にして、カットに取り掛かかったではありませんか。
そうなんです。こちらの美容室、シャンプーがないんです。 (別途注文は可能です)
驚きを隠せませんでしたが、ここまできたら美容師さんにお任せするしかありません。

カットが始まりました。
髪の毛がどんどん床に落ちていきます。
希望の長さまでのカットが終わると、ボリュームダウンに取り掛かりました。
自分の髪の毛がどんどん3つの段に分かれて切られていきます。
そうです、日本の1970年代にロングヘアのサイドを直角にカットして短い髪をほほのあたりに作っていたお姫様カットと言われるカットです。
唖然としていると、あっという間に「はい、終了です」という声をかけられました。

カット後、ドライアーで湿っている髪の毛を乾かすこともなく終了でした。
その後、二度と現地の美容室へ足を踏み入れる勇気はありません。

日本の美容師経営者様へ

ウィーン在住の日本人ほぼ全員と言って過言でないくらいが、安心して任せられるクオリティーの高い美容室を求めています。
美容師経営者様、ウィーン進出を目指されませんか。
個人店は数件ありますが、アジア人の髪質を熟知している大きなヘアサロンというのは皆無です。
近い将来、日本の素晴らしい技術を持った美容院がウィーンに進出してくださることを願っております。

ウィーンのアジア系美容室リンク

Hair Salon Mie

http://www.hairsalonmie.at/ja/
日本人オーナー様が完全予約制でお店を経営していらっしゃいます。

The Fringe

https://www.thefringe.at/
香港出身の、イギリスのビダルサスーンで修行した気さくなオーナーさんです。
シャンプーカットが得意で、腕は一流、アジア人の髪質も熟知しており、安心して施術を任すことができます。