ベネチアって水の都の観光地というイメージが強すぎてなかなか病院のイメージはできませんよね。でも、実はベネチアにも小さな病院はもちろん、総合病院もあるんです!
今回は、そんな生活の中で必要不可欠な病院について説明、紹介していきたいと思います。

イタリアの一般的な医療システムについて

総合病院を説明するにはイタリアの一般的な医療システムについて説明しないと元も子もない!ということで、まずはイタリアでの医療システムについて説明していきたいと思います。

保険証

イタリアでは基本的に公立病院は無料で診察してもらうことができます。そしてイタリアの滞在許可証を持っている日本人であれば、保険証である「Tessera Sanitaria」(テッセラ・サニターリア)を取得することでイタリア人と同じ権利を得ることができます。
取得するには、おうちの近くにあるASL(アズル)という事務所にて国民保険に加入する手続きを行う必要があります。
税金をイタリア政府に収めている場合は無料で手続きをすることができますが、そうでない場合は年間388ユーロ払う必要があります(学生である場合は149.77ユーロ)。
保険証取得のための手続きについてより良く知るためにもベネチアから一番近いイタリア滞在中外国人のためのASLの事務所の住所と連絡先を紹介しておきます。基本的にはここに連絡をとった後、更にどこの事務所に行けばよいのか指定をされるはずなのでその指示に従えば保険証は簡単に取得することができます。

ULSS3 Ufficio Estero

地元の医師について

イタリア人はみんなそれぞれかかりつけの医師っていうものを持っているのが普通なんです。日本だと、整骨院、内科、耳鼻科それぞれ別のお医者さんに診てもらっている場合が多いですが、実はイタリア人は大体みんなすぐかかりつけの医師の元へ行きます。インフルエンザでも足が腫れてても、耳が痛くても、皮膚が荒れてても・・・笑。とにかく何でも診てもらって、そこからかかりつけの医師が薬を処方してくれたり、詳しく調べるために総合病院を予約してくれたりするんです。
逆に言うと直接総合病院に行くケースっていうのは稀でかかりつけの医師を通して予約した場合か緊急で行く場合に限られている気がします。

一般的なイタリアの総合病院

イタリアの総合病院ってどんな?

イタリアの総合病院は、もちろんその名のとおりですが、日本のように診察所が耳鼻科、内科、小児科のよう分かれて存在しているわけではないので全部その診療所をまとめた病院のことを指します。
公立病院と私立病院二つの選択肢がありますが、もし国民保険証をもっている場合であれば、公立病院では無料で診察、手術等してもらうことができます。ただ、無料だからと言って良いことばかりということでもないんです……。イタリアでは実は医師不足が深刻でして、無料だからということもあって、医師が少ないのに大量の人が公立病院に行くわけで、待ち時間がかなり長いことが多いです。予約していても一時間以上待たされたり、はたまた外来によっては緊急でなければ予約も三か月待ちとか普通にあり得ます。こういう状況下だと逆に私立病院を選ぶ人も多いですが、全額自己負担なので出費はかなり高くなります。
だからイタリアで病院に行く際は、待ち時間が長いという覚悟を決めるか、お金を払うか……どちらにせよ心にとめておいたほうが良いかもしれません。

ベネチア周辺の総合病院

ベネチア周辺には総合病院が二つあるのでそれを紹介していきたいと思います。

サンティ・ジョバンニ・エ・パオロ・ベネチア市立病院

この市立病院はベネチア本島にある唯一の市立総合病院です。次に紹介するベネチア、メストレにある総合病院と比べると大きさは負けてしまうのですが、歴史的建造物の中にある病院で外観はとても美しくて言いようがありません。中もとても綺麗に構成されていている病院です。ベネチアはかなり入り組んだ道が多く、徒歩か水上タクシー、バポレット(水上バス)での移動になるので、詳しくどうやっていけるのかをお伝えしようと思います。

住所:Ospedale SS. Giovanni e Paolo, Castello 6777, Venezia
【行き方】

  • ピアッツァーレ・ローマからバポレットの5.2番線リド・ベネチア行きに乗り、オスペダーレ(Ospedale)で降りる
  • リド・ベネチアから5.1番線ピアッツァーレ・ローマ行きに乗り、オスペダーレ(Ospedale)で降りる
  • ムラーノ島から4.2番線に乗りオスペダーレ(Ospedale)で降りる
  • ジュデッカ、サンマルコ、カステッロ、サンタクローチェからは、5.1、5.2、4.2、4.1、2番線に乗りオスペダーレで降りるか、サン・ザッカリーアで降り徒歩十分

デル・アンジェロ市立病院

この市立病院はベネチア本島に配置しておらず、メストレというベネチアから急行で一駅の街の郊外にある病院です。2008年に本格的に活動を始めた病院で施設的にはとても新しい病院です。設備的にも新しいので、患者がベネチア本島から移動させられる場合もあります。
行き方なんですが、郊外に位置しているので車で行くか、電車で行く必要があります。

住所:Ospedale dell'Angelo, via Paccagnella 11, Mestre
【行き方】

  • メストレ駅から車で10分(タクシー乗り場も駅前にあります)
  • メストレ駅からトリエステ・チェントラーレ(Trieste Centrale)行きの電車に乗りオスペダーレ・デル・アンジェロ駅で降りる

まとめ

病院は日常生活において不可欠な存在です。いつ何が起こっても安心していられるよう事前にしっかりと健康保険の仕組みや病院への行き方を知っておくことがとても重要になってきます。またイタリアは日本と違い時間に少しルーズな部分もあるのでもし診療が必要な場合は前もって計画してぎりぎりに予約をしないことをお勧めします。

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