近所がうるさい、アパートが古くて住み辛い、広いところへ引っ越したい等々、新しいアパートをお探しの方へ、13年間に短期滞在も含め、6箇所のアパート・一軒家に住んだ経験がある引越し貧乏の私の経験を踏まえ、バルセロナでの家探しに関してご紹介します。

バルセロナの不動産事情

ご存知の通り、バルセロナ市内では大豪邸を除けばほんのわずかの一軒家があるだけで、それ以外は「ピソ」と呼ばれるアパートが一般的な住居となります。

まずは地区選びから

サリア (Sarria)

日本での家探しと同じですが、まずは住みたい「地区」を絞りましょう。
日本人家族が比較的多い地域はサリア。サン・クガットにある日本人学校への送迎バスが発着し、領事館があり、また公園や現地校も多いためお子さんがいらっしゃるご家族には住みやすいと言われています。

ペドラルベス (Pedralbes)

サリア地区の隣、バルセロナ中心とは逆へ向かうとペドラルベス という住宅街がありますが、こちらは地下鉄の駅から少し離れているので、バスを乗りこなすか、車を使う頻度が高くなります。緑が多く、建物ごとの間隔が広いのでゆったりした雰囲気のある地区です。

レスコルツ (Les Corts)

こちらもサリアのお隣りですが街の中心に向かった側に位置します。ショッピングセンターやデパートがあるのでお買い物にとても便利。

「ボルネ (Born)」

大聖堂がある中心地に近く賑やかな商業地域ですが、意外と日本人が多く住んでいます。おしゃれなレストラン・バーやショップがたくさんある地域なので、毎日ワクワクと過ごしたい方には楽しいところでしょう。

ピソ探しのいろは

現地サイト

日本では地元の「不動産屋さん」が物件を抑えていたり、不動産会社同士情報を共有して手数料を分割したりという形態がありますが、バルセロナでの最近の家探しはもっぱらネット。もちろん地元の不動産屋さんはありますが、そこで取り扱っている物件以外は探してくれません。
ネットで探し、条件を登録してメールで通知を受け取り、暇があれば通知漏れを想定してさらにネットで探し、と繰り返します。
日本語では見れませんが、必要な条件を絞り込み、写真を眺めたり地図で大体の場所を確認したりと何度か試みれば慣れて使いこなせる様になります。

Fotocasa (https://www.fotocasa.es/es/)

こちらも日本語対応していませんが、学生向けのシェア物件が多く掲載されています。
バルセロナに限らずヨーロッパを中心に学生向けの物件を取り扱っています。
スペイン語・カタラン語の他、英語とドイツ語で検索できます。

Idealista (https://www.idealista.com)

日本語は対応していませんがスペインの家探しで最も有名なサービスです。
ピソ の条件設定が簡単で、地図上から探すこともできます。
スペイン語・カタラン語の他、英語とドイツ語の他、ポルトガル語、イタリア語でも検索可能。

日本人向けのサイト

Takumi Spain タクミ スペイン (http://www.takumispain.com/)

バルセロナでは数少ない、日本人をメインにサービスを提供している不動産会社です。物件探しだけではなく、生活の相談や、ビザの取得まで、バルセロナへの移住に関するお手伝いをしていただけます。

Fuji Inmobiliaria(富士不動産) (www.fujiinmobiliaria.com)

日本人や日本企業のニーズを熟知したコンサルタントが在籍しています。日本語で問い合わせが可能です。

地道に歩いてみる

お引越し先を想定される地域へ出向き、地元の不動産屋さんを覗いてみたり、首が痛くなるほど上を向きながらピソの外に出ている「Alquilar (賃貸)」(またはカタラン語でLloguer) というサインを探し、電話をかけてみるという地道な方法もお勧めします。現在お住いの地域でなければ尚更、ぶらぶらと歩いて街の雰囲気を味わって見ましょう。

その他

現地サイトを自分で見て、見学時にロコさんにサービスとしてお願いして付き添ってもらうこともできるかと思います。2〜3軒一緒に回れば、あとは勝手がわかりご自身で見て回れるかと思います。また見学から契約締結までご不安でしたらロコさんにお願いする以外に、上記の日本人向けの不動産サービスをされている企業にお問い合わせされると良いかと思います。

注意

カタルーニャ州では必ず”API”という日本でいう宅地建物取引士がいる不動産業者からしか契約できません。ロコに頼んでも資格がなければ取引はできませんので要注意です。

気になるピソが見つかったら

お気に入りのピソが見つかったらすぐに連絡し、見学の時間を決めてしまいましょう。バルセロナでかなりの件数のピソを見学しに行きましたが、見て気に入らなかったらそれでおしまい。一度も無理押しされたことはありません。「検討する」とその場でお茶を濁しても、その後「どうでしょう?」と電話がかかってきたこともありません。サービス業全体に言えることですが、押しの強いセールスは無いようですので、気になったらどんどん見に行くことをお勧めします。

契約までの流れ

バルセロナでピソを借りる場合、ルームシェアをする場合、そして購入する場合、物怖じせずに値段交渉をしましょう。全く下げてくれない時もありますが、値下げ交渉分を含んだお値段を提示していることもよくあります。また、残念ながらピソの状態が良くないことが多いバルセロナ。キッチンが古かったり、トイレを取り替える必要があったり等々、入居前に必要なことは、大家さんが必ずしも直してくれるとは限りません。大家さんが直さなければ、借主が直すことになるので、その際は必ず交渉し最初の数ヶ月分の家賃をその費用に当てることや、賃料の値引きに同意してもらう等、気になる点は全て契約書にサインする前に話し合いましょう。

敷金・礼金について

基本的に「礼金」となるものは存在しません。敷金についてはオーナーによって変わりますが「2〜3ヶ月分の家賃」が一般的です。敷金は日本と同じく、退去時に修繕費や清掃費(かなり汚した場合のみです)が引かれた後返金されます。
現在はだいぶ少なくなりましたが「保証金」という制度を取るケースもあります(特に外国人向けの賃貸の場合)。「Fianza (フィアンサ)」と呼ばれる保証金は、銀行に専用の口座を開き、一定の金額(3〜6ヶ月分の家賃)を固定、問題があった際にオーナーとの協議によってここからオーナーへ一部・もしくは全額を支払う、という制度があります。もちろん家賃滞納の場合は、オーナーがここから未払いの家賃を引き出すことができます。この保証金制度の場合は、あくまで保証金は銀行で管理されるため、退去時に戻ってこない、という問題が避けられますが、通常の敷金以上の金額が固定されるのがデメリットです。

最後に一言

残念ながら日本の様になんでも「おきまり」に沿っていないのがバルセロナの住宅事情。現在の我が家は、ネットで見つけた後すぐに連絡したところ、連絡先が不動産屋でなくオーナーだったため、交渉も契約もオーナーと直接しました。契約書に関してはオーナーが公証人に作成を依頼、調印時には立会いをお願いしました。敷金は1ヶ月、加えて初月家賃1ヶ月のみが契約じの支払い全額、とラッキーな物件でした。値段交渉で家賃は少しですが下げてくれ、壁のペンキ塗り替えが必要だったので、家賃発生の2週間ほど前から家を使用しても良い等の交渉もできました。
契約前に身分証明書はもちろん、給与明細、または納税証明書を提示するように言われるのは当たり前ですのでご準備をお忘れなく。人種差別ではありませんが、やはり現地の人に貸すよりもリスクが高いと見られ、審査基準が高かったり、家賃を少々高めに設定されたりすることがありますが、貸す側の気持ちも考え、仕方ないと諦めるしかありません。
バルセロナはもちろん、海外で暮らすのに一番役立つ言葉は「郷に入れば郷に従え」。現地の良いところをたくさん見つけて楽しく暮らしましょう。

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