ザルツブルクでは共働きや母子家庭など、働いている間や子供が病気になったときにベビーシッターをよくお願いします。また、自分の時間をうまく使いたい独り身や、お年寄りの身の回りの世話などのためにハウスキーパーを頼むことも多いです。
今回はそんなザルツブルグのベビーシッターや家事代行事情をご紹介いたします。

ザルツブルクのベビーシッターやハウスキーパー事情

仕事が忙しく、家事や子供のお迎えやお相手などを頼むことは、今でもオーストリアでは珍しくありません。チェコやハンガリーの郷土料理がオーストリアに深く根付いているのも、昔から雇われることの多かった家政婦の出身地だったからです。家事手伝いを一番多く申し出るのはスロバキアの女の人です。チェコは地理的に遠く、ハンガリー人はウェイターでよく見かけます。もちろん他の国の人やオーストリア人も申し出てきます。

ザルツブルクでベビーシッターやハウスキーパーの探し方

個人的に声をかける

特に探す方法があるわけではありません。インターネットが普及している時代ですが、全く知らない相手を探すよりはということで、個人的に声をかけたりかけられたりすることが多いです。「夏休みが始まったから幼稚園の先生に掃除をしに3時間来てくれない」とか、挨拶をするようになった付き合いのある近所の人やママ友などに、「子供に昼ごはんを食べさせてくれない」とか、「子供が病気だから仕事にいっている間5時間一緒に過ごしてほしい」など理由はさまざまで頼める人に声をかけます。
また、お年寄りが身の回りの世話、片付けなどに誰かを探すことはよく聞きます。お礼は1時間10ユーロから。

掲示板を活用する

毎週投函される無料新聞や雑誌などに掲示板のページがあり、特に新聞などは皆さんよく見ているようで、求人だけでなく、「売りたい買いたい、あげます、探しています」など、毎日賑わっています。特に毎週火曜日発行で郵便ポストに無料で配られる『Salzburger Fenster』(ザルツブルクの窓)という新聞では市民の掲示板ページがあり、今のところ個人の記事であれば1行目(全角、半角、大文字か小文字によっても変わりますが、40字くらいは入ります)は無料なので、『Suche Haushaltshilfe(家事手伝い探しています)』と、電話番号を書くだけで、無料で掲載され、電話がかかってくるでしょう。掲示板には名前さえ載せる必要はありません。最初から英語で書けば、ドイツ語が不安な人も英語で電話がもらえるかと思います。いつ、何時間で、何をやってほしくて、いくら、など打ち合わせ、様子を見ましょう……ちゃんと言ったことをやってもらえたか点検は必要ですね。

もっと手軽な方法として、ほとんどのスーパーマーケットの出入り口かレジのすぐ近くに掲示板があり、掲示専用の紙(Aushang)に書いて貼り付けることができます。何か、誰かを探したり、あげたかったり欲しかったり、自由に書くことができます。ここにも英語でよろしく、とか、希望を書くと良いでしょう。

家事を手伝ってもらう前に

  • 長時間雇う場合、雇用主は国へ税金の支払いが必要※所得が毎月446,81ユーロ以上の場合(2019年1月現在)
  • 被雇用者が事故保険(Unfallversicherung)に加入しているかどうかの確認
  • 被雇用者は無罪証明書(Leumundzeugniss 警察で発行)を取得
  • 被雇用者の身分証明をしてもらい、コピーを控えておく
  • 家の中の貴重品の管理

最初の話し合いで以上の確認をお勧めします。やはり知らない個人同士のことなので、トラブルが起こる可能性はあります。オーストリア人は懐疑心が強く慎重なので、何かあったときの対応策を初めからとっておきます。相手に失礼と思われる質問や、疑ってかかったら失礼などという思いやる心は必要ありません。相手もそういう態度に慣れているので、かえって優しそうに褒めてお礼を言っていると、ここは適当にやっても許される、と気をゆるませてしまいます。

まとめ

日本では隣組の仕事もこちらでは、市が雇っています。公園には遊具の安全性の確認や掃除、木の管理などを担当する人が週2回来ます。道路を掃除する専門の人がいます。公共のものでなくても、教会の周りを掃除している人がいて、どのマンションにも管理する人がいます。掃除する人は自分の仕事として打ち合わせどおり責任を持ってやっています。もちろん個人の家を個人で管理している人もいますが、休暇で出かけるときには誰かに頼みます。隣近所ではお互い様だからと、雇う形にしない場合も多いです。雪の多い冬の道路管理や危険場所の注意書き、ごみ出し日や出し方など、すべてが決まっていて少しでもうまく回っていないと誰かが気がついてなんとかします。雇い、雇われるという感覚が、日本の思いやりよりずっとさっぱり管理されています。信頼の置ける相手が見つかるといいですね。