目次

健康なときは気が付きませんが、事故にあったとき病気になったときなど、どこに何があるか、どんな方法があるかということを知っておくということは、外国生活でも大切なことと思います。

オーストリアの医療制度

体調が良くないときにまず出向くのが、主治医(Hausarzt)です。私も日本で子供の頃から行っていた内科・小児科医は私のことをなんでも知っていましたが、それに当たる医者です。主治医に委任状を作ってもらってから必要であれば専門科医や病院に行くことになります。病院によっては予約が必要です。予約は直接受け付けに行っても電話しても大丈夫です。そして予約してあっても普通は長い間待たされます。病院での治療が続く場合、1月、4月、7月、10月と3ヶ月ごとに新たな委任状が必要となります。委任状は毎回主治医の診療を受けなくても受付で理由を言えば貰えます。

オーストリアの保険

オーストリアに長期滞在するには健康保険加入が必須なので、保険証を持っているという前提で書きます。残念ながら日本語対応の医者、病院に出会ったことがなく、それでも英語はほとんどの病院で通じます。特に観光客が多く冬はスキーのメッカであるザルツブルクは、英語ができるのが当たり前という雰囲気が強く、いまだに私は道端で英語で話しかけられます。私がドイツ語で話していても英語で返ってくるほどです。母語でないため英語はわかりやすいですが、ドイツ語が混じった不思議な英語の人も多いです。

私立の病院では、自己負担額が多い他、任意保険の加入が必要なところもあります。また私立病院によっては海外保険などの外国の保険は使えないと言われることがあります。私立病院が家の近くにある場合はまず見積もりを出してもらってから治療、手術、入院などをするかどうかを決めると良いでしょう。また、公立病院でも任意保険があれば個室にしてもらえる他、様々な優遇があります。

緊急の場合

緊急の場合は24時間受け付けてくれる病院窓口があり、144番を電話すれば救急車(KrankenwagenまたはRettungsauto)も来てくれます。道端で怪我をして休んでいようものなら、状況を見ただけで救急車を呼んでくれてしまう国民なので、万が一保険がなくて救急車は困るということであれば必要ないと叫んでください(私は訪問客対応をしているときに実際に体験しましたし、救急車が来てしまっても応急処置だけで病院には行かないと言った人もいました)。場所によってヘリコプターでの救助が必要な場合、救助時間によって様々ですが平均で3500ユーロほどを請求されます。これも任意保険があればカバーされることが多いですが、雪崩警告がされているのに雪崩被害にあったなどの場合には保険会社が負担拒否をする報告を耳にします。

ザルツブルクの総合病院

ザルツブルク市、それからザルツブルク州内の総合病院はこちらです。

ザルツブルク市内にある病院

ザルツブルク州立病院・大学病院(Landeskrankenhaus-Universitätklinikum Salzburg)

住所 Müllner Hauptstraße 48 5020 Salzburg
電話番号 0662-4482-0
https://salk.at/Landeskrankenhaus.html

ザルツブルク州立クリスチャン・ドップラー・クリニック(Christian-Doppler-Klinik)神経科

住所 Ignaz-Harrer-Straße 79 5020 Salzburg
電話番号 0662-4483-0
https://salk.at/Christian-Doppler-Klinik.html

慈悲深い兄弟病院(Barmherzigen Brüder)

住所 Kajetanerplatz 1 5020 Salzburg
電話番号 0662-8088-0
https://www.barmherzige-brueder.at/site/salzburg/home

事故病院(Unfallkrankenhaus)

住所 Dr.-Franz-Realplatz 5 5020 Salzburg
電話番号 0662-6580-0
http://www.ukhsalzburg.at/cdscontent/?contentid=10007.674036&viewmode=content

私立ヴェアレ奉仕女病院(Privatklinik Wehrle-Diakonissen)

住所 Guggenbichlerstraße 20 5020 Salzburg
電話番号 0662-90509-0
https://www.privatklinik-wehrle-diakonissen.at/de/

アルコール中毒・麻薬中毒者のための特別病院(Sonderkrankenhaus für Alkohol- und Madikamentenabhängige)

住所 Ignaz-Harrer-Straße 90 5020 Salzburg
電話番号0662-431450
http://www.suchthilfe-salzburg.at/suchtberatung/alkohol/

ザルツブルク市周辺フラッハガウ郡(Flachgau)にある総合病院:

オーベルンドルフ病院(Krankenhaus Oberndorf)

住所 Paracelsusstraße 37 5110 Oberndorf
電話番号 06272-40740-0
https://www.krankenhaus-oberndorf.at

ザルツブルク州テンネンガウ郡(郡都ハライン)にある病院:

ザルツブルク州立ハライン病院(Landesklinik Hallein)

住所 Bürgermeisterstraße 34 5400 Hallein
電話番号 06245-799-0
https://salk.at/Landesklinik_Hallein.html

私立EMCO病院(EMCO Privatklinik)

住所 Prof.-Martin-Hell-Straße 7-9 5422 Bad Dürnberg
電話番号 06245-790-0
https://www.emco-klinik.at

私立バード・フィガウン病院(Die Privatklinik Bad Vigaun)

住所 Karl-Rödhammer-Weg 91 5424 Bad Vigaun
電話番号 06245-8999-0
https://www.badvigaun.com/de/

ザルツブルク州ポンガウ郡(郡都ザンクト・ヨーハン)にある病院:

シュヴァルツェンベルク枢機卿病院(Kardinal Schwarzenberg Klinikum)

Kardinal Schwarzenbergplatz 1 5620 Schwarzach im Pongau
+43 6415 7101-0
https://www.kh-schwarzach.at

バード・ガシュタイン病院(Klinikum Bad Gastein)リウマチ科と整形外科

住所 Hans−Kudlich-Straße 14 5640 Bad Gastein
電話番号 06434-2523-0
https://www.klinikum-badgastein.at

公立総合診療医・私立スポーツ事故医アウフメッサー病院(Krankenanstalt Radstadt-Obertauern Dr. Aufmesser)

住所 Judenbühl 3 5550 Radstadt
電話番号 06452-7501
https://www.aufmesser.at/home.html

ザルツブルク州立病院サンクト・ファイト(Landesklinik St.Veit)

住所 Sankt Veiter Straße 46 5621 St.Veit im Pongau
電話番号 06415-7201
https://salk.at/Landesklinik_St_Veit.html

ザルツブルク州ルンガウ郡(郡都タムスヴェーク):

ザルツブルク州立病院タムスヴェーク(Landesklinik Tamsweg)

住所 Bahnhofstraße 7 5580 Tamsweg
電話番号 06474-7381-0
https://salk.at/Landesklinik_Tamsweg.html

ザルツブルク州ピンツガウ郡(郡都ツェル・アム・ゼー):

ミッタージル タウアーン病院(Tauernklinik Mittersill)

住所 Felberstraße 1 5730 Mittersill
電話番号 06562-4536-0
https://www.tauernklinikum.at

ツェル・アム・ゼー タウアーン病院(Tauernklinik Zell am See)

住所 Palacelsusstraße 8 5700 Zell am See
電話番号 06542-777-0
https://www.tauernklinikum.at

まとめ

他にも老人ホームとくっついている病院や、スキーを中心とした事故・怪我の治療専門の私立病院もあります。情報は変化する可能性があるので、もしこの内容で合っていないことが出てきましたらぜ教えていただけると嬉しいです。

公立の病院では薬代の一部負担を除けば、治療費から手術代まで全額負担してもらえ、日本と比べたらほんの僅かな入院費の請求書が後で送られてきます。パジャマやタオル、スリッパ、毎日の新聞その他、食事以外の飲み物まで自由に利用できます。お産のときは哺乳瓶からミルクまで、そしておむつもおしり拭きも、全部用意されていました。社会保障制度のしっかりした国だと思います。

救急隊は消防団もそうですがボランティアで行われています。救命資格も取って、余暇を犠牲にし人助けを喜びとする精神はキリスト教徒ならではと思います。