【2019年最新情報】オーストリア・ザルツブルクの治安
【オーストリア・ザルツブルク在住者執筆】ヨーロッパの真ん中に位置する人口約9百万人のオーストリアの中で、2百万人近くは首都ウィーンに集中し、15万人ほどのザルツブルクはそれでも4番目に大きな街です。そのザルツブルクの治安はどうなっているのでしょうか。
街の美しさと周辺の素晴らしさを求めて、毎年世界中から何百万の観光客がザルツブルクを訪れます。特に夏の音楽祭の時期は人々の心を惹きつけます。モーツァルトの才能を讃えるこの音楽祭は、オペラやクラシック愛好家をあらためて魅了します。そんなわけもあって、時期によっては非常にたくさんの人がザルツブルクに宿泊し自然に人との距離が近くなります。
このような状況においては犯罪なども起こる可能性は出てきます。
それにもかかわらず犯罪件数は比較的少なく、安全な街と言ってよいでしょう。
それでも注意深くいつも気をつけていたい、いくつかのポイントはこちらです。
ザルツブルク中央駅(Hauptbahnhof)周辺
ほとんどすべての大都市のように、駅周辺は気を引き締めなければいけません。特にザルツブルクは鉄道の分岐点であり、たくさんの乗り換え客が電車を待っています。
その事実は駅前広場にスリ、麻薬密売者そして乞食を集め犯罪のホットスポットとなっています。
とは言っても警察のパトロールが一番多い場所でもあるので、そんなに心配することはありません。もちろんできるだけ早くこの地を後にすることをお勧めします。ここは新しい出会いを期待する場所ではないのです。夜はもっと注意が必要です。
また、夜賑わう店舗は、下の写真のようにシュターツ橋(Staatsbrücke)からモーツァルト小橋(Mozartsteg)までの旧市街側に何軒かあり、酔った人たちの喧嘩が絶えず、警察の取締りが毎日のように行われています。
また、下の写真の辺り、つまりミュルナー橋(Müllnerbrücke)からマカルト小橋(Makartsteg)辺りの新市街側では高級な建物が立ち並ぶ川沿いで、音楽を聞いたり、酔っぱらったり、座り込んでいる光景を見かけることが昼間でもあります。
交通
ヨーロッパのほとんどがそうなのですが、日本と違う左側通行です。道を渡るときには、車は左から来ます。まず左側から目を向けるようにしましょう。横断歩道はほとんどの車が止まります。運転席を見ると、笑顔で渡るように促してくれます。渡り始めないと、返って嫌そうな顔をされることもあります。日本では、横断歩道で車が止まる、ということを私はなかなか経験できないのですが、こちらでは取り締まりが多く罰金を請求されるので、特にベビーカーなどをひいている場合はずいぶん前から止まって待ってくれていて、返って気まずいことも。渡らないときは、横断歩道の周りに立たないようにしましょう。
自転車は、人によってはずいぶん速く車道や自転車道を走り、道歩く人の間にも入ってきます。平気でベルを鳴らし、広がって歩く人たちを退けようと促します。ベル鳴らしをやめないので、ふり返ると自転車道を歩いていた、ということもありました。
山(Mönchsberg・Kapuzinerberg)
街なかに二つの山があります。僧侶の(Mönchs)とカプチン修道の(Kapuziner)という山(Berg)です。ザルツブルクの街からわずか50から200メートルの高さであるこれらの山は、素晴らしい眺めで気軽にできる素敵な散歩道となっています。ただ暗くなると乞食に出会うこともあり、その風景はあまり見栄えの良いものではないでしょう。また、メンヒスベルク(僧侶の山)では道をそれると、突然その下100メートルの崖っぷちに立っているということもあるので、ご注意願います。自殺願望者に利用されることもあるくらいなのです。
▲ホーエンザルツブルク城へと続いているメンヒスベルク(僧侶の山)
▲シュターツ橋から見たカプチーナーベルク(カプチン修道山)
移民・難民
数年来、アフリカや中東アジアからの終わりのない移民や難民は、ザルツブルクにも変化をもたらしました。ヨーロッパの中でも裕福な国の一つなので、経路の玄関口となりヨーロッパからも移民が絶えません。国民一人につき移民難民の受け入れ数は、EU諸国の中でも多いです。EU諸国内でも国によって貧富の差があり、移住する人もたくさんいます。
基本的にどこに住んでも良いので、橋の下や鉄道のトンネルなどで寝ていたり嫌な匂いがしたりということが多くなりました。取り締まりはよくありますが、次から次へと見かけます。物乞いをする人は場所によっては禁止されています。しつこい物乞いも禁止されていますが、声はかけられます。これらの事実は、国際情勢の発展によるものなので仕方ないことと、オーストリア人は思っています。
トラブルにあった時の対処法
ザルツブルク滞在中に大切なものや貴重品を盗まれてしまったときは、まず警察に届け出ましょう。
ザルツブルク中央駅前 Polizeiinspektion Salzburg‐Bahnhof
住所 Südtiroler Pl.3,5020Salzburg
電話番号 059−1335−582100
旧市街の市役所バス停付近 Polizeiinspektion Salzburg‐Radhaus
住所 Rudolfskei2,5020 Salzburg
電話番号 059−1335−588100
またなくし物、落とし物をしてしまったときはミラベル宮殿の新市庁舎内に落とし物係があるので届け出ましょう。
新市庁舎ホームページ
何よりも被害届はウィーン日本大使館へ。
ご旅行前に旅レジ登録されることで、ザルツブルクだけでなく旅の安全情報がどこにいても受け取れます。
まとめ
大きな犯罪にはならなくとも、ザルツブルクの犯罪件数は年々増えています。とは言いながらも、強盗や犯罪を常に心配しなければいけない街ではありません。市内だけでなくザルツブルク州全体が比較的安全で治安が良いことは、一度訪れたことのある人に聞けば明らかでしょう。また訪れたい、と思っている人がほとんどなのですから。とはいえ、貴重品だけはいつでも身につけていて、どんなときも置きっぱなしにしたり出しっぱなしにしたりしないでくださいね。