目次
- フィリピンに入国するには
- フィリピン留学に必要なビザ
- フィリピンの就労に関するビザ
-
フィリピンに移住に必要なビザ
- ロングステイ査証 (SRVV/ Special Resident Visitors Visa)
- 特別永住権査証 (SRRV/ Special Resident Retiree’s Visa)
- 特別投資家査証 (SIRV /Special Investment’s Residence Visa)
- 特定産業投資査証
- 航海条約に基づく貿易取引業者・投資家査証 (Treaty traders Visa)
- 雇用創出特別査証 (SVEG/ Special Visa for Employment Generation)
- 特別割当移住査証 (Quota Immigrant Visa )
- 結婚用・永住移住査証 (Mon-Quota Immigrate Visa)
- まとめ
海外へ行く時に必ずチェックするのはパスポートとビザについてではないでしょうか。日本のパスポートはビザなしでの渡航ができる地域と国が最も多いパスポートの一つです。その為、世界最強のパスポートとも呼ばれています。フィリピンも例にもれず、無査証での入国ができますが、その詳細と留学、就労、移住するために必要なビザについて確認したいと思います。
フィリピンに入国するには
外国人のフィリピンへの入国許可は、フィリピン入国管理法(1940年施行)及びフィリピン入国管理局の機関によって施行された関連規則により、規定されています。その為、外国人渡航者は基本的にはビザ(査証)が必要になります。しかし、日本のパスポートを持っている人に関しては前述のとおり、ビザなしでの入国が可能です。また、あらかじめ観光ビザ(9Aビザ、Tourist VISA、一時入国ビザとも言う)を取得してから入国する場合もあります。
30日間無査証短期滞在 (ビザなし)
フィリピン入管局に認められている国籍を持つ方は、商用または観光の目的であれば、フィリピンに入国する際のビザは不要となり最大で30日間フィリピンに滞在することができます。その為、多くの日本人はビザなしでの入国となります。
ただし、入国の際、基本的には下記が条件です。
1)有効な往復航空券または、第三国へ出国する航空券を所持していること
2)パスポートの有効期限が滞在日数+6ヶ月以上であること
※2)の補足ですが、日本のパスポートを持つ方に関してはフィリピン到着時のパスポートの残存期間が6ヶ月未満であっても入国が可能だそうですが、あらかじめ更新しておく方がよいかと思います。
30日以上の滞在をする場合(観光ビザの延長)
30日間以上滞在する場合、フィリピン国内においても延長申請ができます。初回は29日間、その後は59日間ごとの延長ができ、最大2年までの延長が可能です。フィリピンで就労に関する査証を取得する場合、滞在期間の延長を繰り返しながら、査証手続きを進めることになります。観光ビザの延長は最大3年とされていますが、Immigration(入国管理局)での承認が必要になります。
マニラで観光ビザを申請および延長する場合、Immigration(入国管理局)で手続きが可能です。入国管理局のHPはこちら(URL:http://immigration.gov.ph/)
マニラで代表的な入国管理局の場所を下記に記載します。
SM AURA IMMIGRATION SATELLITE OFFICE
住所:8th Floor, SM Aura Tower, McKinley Parkway, Bonifacio Global City, Taguig City
電話番号:(632) 800-4892 Fax番号: (632) 800-4892
Email:bi.smaura.official@gmail.com
MAKATI IMMIGRATION EXTENSION OFFICE
住所:3/F, 805 Lasala Bldg. J.P. Rizal Avenue, Makati City
電話番号:(632) 899-3831 Fax番号: (632) 899-3831 / (632) 403-1391
Email:immigration.makati@gmail.com
フィリピン留学に必要なビザ
ここ数年、フィリピンへ英語の語学留学で訪れる人が増えています。フィリピン留学する場合、ビザはどのようにすればよいのでしょうか?
フィリピン留学の条件 | ビザの種類 |
---|---|
滞在期間30日以内の場合 | 30日間無査証短期滞在 (ビザなし) |
滞在期間30日以上の場合 | 観光ビザ(9A)の延長 |
大学・大学院など正規課程へ留学する場合 | 学生ビザ(9F)Student Visa ) |
また、ビザ以外にもフィリピン留学する場合には下記が必要になります。
SSP(Special Study Permitの略)特別就学許可証、
ACR I-CARD (Alien Certificate of Registration Identity CARDの略、外国人登録IDカード)の発給も2010年2月から必要となりました。
また3か月以上滞在する場合は、在比日本大使館に向けて在留届を届け出る必要があります。
フィリピンの就労に関するビザ
フィリピンでは大企業の駐在はもちろん、現地採用やフィリピン起業をする方もたくさんいます。こちらではフィリピンの就労に関してのビザをまとめました。まず、フィリピンの就労に関するビザを確認したいと思います。前述したビザも含まれています。
種類 | 名称 | 概要 |
---|---|---|
9a | 一時入国ビザ | ビジネス、観光、医療などの理由で発行される査証。59日間の滞在が許可され、原則1年までの延長が可能。 |
9d | 通商航海条約などに基づく貿易取引業者・投資家ビザ | 通商航海条約にのっとった外国との間で行われる取引の遂行、または投資した企業を国内の規定に従って開発または運営するため、入国する外国人、配偶者および21歳未満の未婚の子供に対し、発行される。現在この査証を取得できるのは、日本、ドイツ、米国の3ヵ国に限られる。 |
9e | 外交官・政府機関職員ビザ | 政府に認められた外国政府の正規公務員、その家族、随行者、使用人、従業員に発行される |
9g | 雇用ビザ | あらかじめ雇用契約のある外国人、同伴または本人の査証許可の日から6ヵ月以内に入国する配偶者および21歳未満の未婚の子供に対し、発行される。このビザが受けられるのは、フィリピン人では代替することができない業務を遂行する外国人に限られる。 |
47(A)2 | 経済区庁(PEZA)ビザ | 売り上げの7割を輸出とすることを条件に、法人所得税の4~8年間の免税、関税、付加価値税の免税などの恩典を受けることのできる、PEZAの認定を受けて進出する場合の査証。 |
SIRV | 特別投資家用居住ビザ | フィリピンに投資をする外国人に与えられる査証で、最低7万5,000ドルを本人名義で投資することにより、この査証を受けることができる。投資の範囲は、国内法人の株式、コンドミニアム購入など。 |
SRRV | 特別居住退職者ビザ | 年齢に応じた一定額(35~49歳:5万ドル、50歳以上:2万ドルなど)の定期預金を条件にフィリピン退職庁(PRA)が認可する査証で、就学、コンドミニアム購入などの投資、また、外国人雇用許可証(AEP)を取得することで就労することが可能。 |
SVEG | 雇用創出目的特別ビザ | 持続可能な企業において、10人以上のフィリピン人を雇用する者を対象に発行される |
出典 : JETRO
基本的に、フィリピンで就労している人は、「9G」「47A2」「SRRV」「SVEG」ビザで就労している人が多いです。特に企業の現地法人の駐在者などはPEZA認定企業である「47A2」のビザを取得しています。
就労ビザを取得する際、ビザなしもしくは観光ビザで入国し、AEP(外国人労働許可証)を労働局(DOLE)へ申請します。上記の入国管理局で労働ビザ(9G,47A2など)を取得、最後に外国人登録証(ACR I−card:Alien Certificate of Registration Identity Card)を取得するケースが多くなっています。9Gは申請から発給までに少なくとも4~5カ月かかるので早めに申請が必要になります。また、ACR I−Card取得手続き中にはフィリピン国外に出ることができないため、注意してください。
フィリピンに移住に必要なビザ
フィリピンにてロングステイや移住する日本人も近年大変増えています。そこでこちらではフィリピン移住に必要なビザを紹介します。
ロングステイ査証 (SRVV/ Special Resident Visitors Visa)
コンドミニアムなどの住居をフィリピンに所有している人、もしくはフィリピン退職庁指定の宿泊施設に泊まる人を対象にロングステイを許可するビザ。滞在可能日数は原則一年となり、現地での更新はできません。
特別永住権査証 (SRRV/ Special Resident Retiree’s Visa)
リタイアメント用の特別永住権ビザです。ただしリタイアメントと言っても35歳以上から取得が可能な為、多くの外国人に人気の高いビザとなっています。
フィリピン退職庁の指定銀行に半年以上の定期預金を行う必要があり、年齢によって金額が異なります。基本的に預金は使用できませんが、ビザ解除時には全額返金されます。
SRRVの場合、最も大きな特徴は、外国人就労許可証を取得すれば、フィリピンでの就労も可能となります。また、配偶者および21歳未満の子供を合わせて2名まで同伴させることができます。それ以上の同伴は追加預金が必要となります。
特別投資家査証 (SIRV /Special Investment’s Residence Visa)
年齢問わず、75,000USDを投資するとフィリピン投資委員会により発行されるビザです。
滞在可能日数は無制限ですが、毎年更新が必要となります。許可を取ればこちらも就労可能です。
特定産業投資査証
2003年からフィリピン政府の指定する事業(観光関連50,000USD、スービック特別地区であれば250,000USD)に投資することを条件に発行されるビザです。投資を継続する間は無制限で滞在可能ですが、毎年更新が必要となります。
航海条約に基づく貿易取引業者・投資家査証 (Treaty traders Visa)
フィリピンと移民協定を結んでいる、日本、アメリカ、ドイツ国籍者のみ対象となり、持ち株が300,000ペソ以上となる会社を設立することが条件です。外国人就労許可証を取得すれば、フィリピンでの就労も可能となります。また、配偶者および21歳未満の子供を同伴させることができます。
雇用創出特別査証 (SVEG/ Special Visa for Employment Generation)
2008年に新設されたビザ。10人以上のフィリピン人を雇用することが条件となり、その雇用数を維持することで無制限で滞在可能です。
特別割当移住査証 (Quota Immigrant Visa )
年間各国50人にのみ、限定し発給されるフィリピン最強のビザ
こちらもフィリピンと移民協定を結んでいる日本、アメリカ、ドイツ国籍者のみ取得可能です。必要書類の数も多く、条件やハードルの高さ、また審査が厳しいことでも有名ですが、一度取得すると5年間のうちに一度フィリピンを訪れさえすれば、維持することができる最強のビザです。
結婚用・永住移住査証 (Mon-Quota Immigrate Visa)
こちらはフィリピン人と結婚した際に申請することができる結婚用の永住ビザです。
一年目は13Aという仮永住ビザが発行され、2年目以降に13Bの永住ビザが発行されます。
まとめ
いかがでしょうか?フィリピンの主要ビザについて用途別で紹介させていただきました。
フィリピン留学や就労についてはビザもさることながら、SSP(就学許可証)やAEP(外国人労働許可証)などが必要になりますので事前に在日フィリピン大使館に確認をして渡航しましょう。