イタリア人は、大抵自分の家を舐めるように掃除しています。それぞれ、家庭の経済状況や必要に応じて、通いまたは住み込みのお手伝いさんがいる家も多いです。さらに、日本の様に保育施設や介護施設が充実しているわけではないので、ベビーシッターや介護人を雇っている人も少なくありません。
特に、一人暮らしの男性や共働きの家庭など、掃除、洗濯、アイロンがけ、買い物、料理、犬の散歩などをしてくれるお手伝いさんは、なくてはならないものとなっています。
ローマのお手伝いさん市場の現状
「家政婦」業の現状は、清掃会社などと契約している人は別ですが、なかには不法就労で働いている人や不法就労と知らずに働いてしまっている人もいます。そういった場合は関係機関への登録などせず、雇用主と被雇用者間のみの口約束で、仕事内容や報酬、労働時間、休暇などは全て両者間で取り決めるようです。
もちろん、お手伝いさんが外国人で労働ビサが必要な場合や社会保障などを希望している人、住み込みなど長時間労働で長期にわたる場合は、キチンとした法的手続きをします。
ローマのお手伝いさんの国籍
あまり好まれる職ではないことと、報酬が若干高めとなることが多いために、イタリア人のお手伝いさんは少ないです。外国人だと不安という理由からイタリア人を希望する人が多いですが、時間的に余裕のあるイタリア人お手伝いさんを見つけることはとても難しいです。一方、労働目的でイタリアに来る外国人にとっては、働きやすい業種なので、今ではほとんどのお手伝いさんが外国人です。お手伝いさんとして多い国籍は、フィリピン人、ルーマニア人、南米人(ペルー人、エクアドル人など)、ウクライナ人、ポーランド人などです。特に、フィリピン人は大人しく、英語を話す人も多いので、外国人の家庭に好まれています。
ローマのお手伝いさんの相場
ローマでは、1時間7〜12ユーロぐらいが相場です。住み込みだと1ヶ月約1000ユーロ〜+住居&食費です。ミラノより多少割安な様です。値段は、外国人かイタリア人か、不法か合法か、時間、経験などによって上下します。ちなみに、私の場合、イタリア人のお手伝いさんに週1回75㎡のマンションの清掃+アイロンがけをお願いしていますが、時給制ではなく、1回20ユーロを支払うので指示した仕事を全てやるという方式を採用しています。
問題点
合鍵を渡し、留守でも自宅に出入りするので、時々盗難が発生することもあります。だから、人選には最大の注意が必要です。私も、以前8年間私の家に通いで来てくれていたエクアドル人のお手伝いさんがいましたが、数回タンスの中に隠していた現金がなくなることがあり、確実な証拠はありませんでしたが疑わしいのは彼女しかいなかったので、辞めてもらうという苦い経験があります。また、誰もいないと手抜きをする人も結構多いので、毎回キチンとチェックし、問題があればすぐ対応しなければなりません。
探し方
大抵、知人に紹介してもらって見つけます。マンションであれば、管理人や同じマンションの住人に聞き込みをするのが無難です。通いの場合は、一人のお手伝いさんが同じマンション内で数件掛け持ちをしていることが多いので、時間帯等が合えばお互い便利です。この場合、もし1件で問題が発生すると全ての仕事を一度に失う可能性があり、お手伝いさんはキチンと仕事をしなければならないので、責任感も生まれ安心です。一戸建ての場合も、近所の人に相談することをお勧めします。
ローマのお手伝いさん探しサイト
Porta Porteseというローマの求人求職や不動産情報の交流新聞&WEBサイトなどを利用する人もいますが、お手伝いさんの登録サイトも存在し、エージェントが間に入っているので安心です。
Helping
https://www.helpling.it
お掃除専門お手伝いさん検索サイトです。英語のページもあります。支払い
はオンラインなので、金銭的なトラブルを防ぐことができます。YOUGENIO
https://www.yougenio.com/pulizia-della-casa.html
お掃除専門サイトです。単発や専門的なクリーニングにも対応できます。Nanny & Butler
https://www.nannybutler.it
家政婦やベビーシッター、料理人、執事、介護人などの仲介サイトです。求
人、求職ともに登録制です。
注意点
実際に合鍵を渡して仕事を始めてもらう前に、キチンと自分の要望を具体的に示さなければなりません。紙に書いておくと、更に良いでしょう。「自宅」というプライベート空間に他人が入るので、小さなことでも問題があればすぐ解決しなければ、ストレスというしこりが残ります。特に外国人の場合は文化習慣が異なるので、細かいことでも一つ一つ指示しなければならないこともあります。また、お互い誤解を避けるためにも、貴重品などは外に出しっぱなしにせず、できれば鍵などをかけてキチンとしまうことをお勧めします。
まとめ
私は、平日朝から晩まで仕事をしているので、週に1回お手伝いさんに来てもらっています。日本と違い手軽に頼むことができるし、苦手な家事が軽減できるので、プライベートタイムを有効に過ごすことができます。何よりも、常に家がきれいなので、気持ち良く生活でき、突然の来客にも慌てずに済みます。だから、バカンスや病気でお手伝いさんが来れない時は、パニックです(笑)。イタリアに在住されている方は、この便利な「お手伝いさん制度」を是非お試し下さい。