海外で生活をしている時、もし突然体調が悪くなってしまったら。健康が第一ですから考えたくないことではありますが、もしもに備え知識を蓄えておくことはとても重要なことですよね。特に勝手が慣れない海外でなら尚更かと思います。今回は、カリフォルニア、ロサンゼルスエリアにお住いの日本人の方を対象に、オススメの医療機関をご紹介します。

アメリカの医療制度の違い

ご紹介してきた通り、いざという時に頼れる病院は日本人が多く住むロサンゼルスエリアに多数存在します。ただ、アメリカは日本とは医療制度が異なり、日本のようにわずかな体調の変化で気軽に病院にお世話になるのは難しいかもしれません。というのも、アメリカでは保険への加入が任意であり、また保険の種類、治療内容、収入、病院によって負担額が異なるので、日本人の感覚だと目を疑うような医療費を請求される可能性があります。事実、現地のアメリカ人たちも病院に行くのは最終手段という考えで、もし少しの体調変化でしたら、最初は薬局のカウンターで相談し薬の購入をお勧めします。アメリカの薬は効き目が強いので、効果が出やすいと言われているのです。もしそれでもよくならない場合は、クリニックのホームドクターに診ていただくと良いかと思われます。救急車の利用も有料なので、緊急の場合には、出来るだけ冷静に何が本当に必要かを判断していただけると、後々の請求に驚愕することは無くなりますので、このことを頭の片隅に留めていただけたら幸いです。

アメリカの保険

アメリカでは保険の加入は全国民強制加入の日本とは違って任意となっていますが、訴訟の国と言われるアメリカでは医療費が圧倒的に高く、払えなくて自己破産するという人もいます。旅行、留学、仕事の関係でアメリカに滞在する場合、保険は必ず入っておきましょう。
海外旅行保険は、いざという時に24時間日本語が通じる病院を紹介してくれるサービスがあり心強いのですが、現地の保険会社に加入している場合は、保険会社指定の病院リストの中から自分で探す事になります。

薬の購入

日本と同様に、アメリカでも一般医薬品と呼ばれる頭痛薬・風邪薬などは処方箋なしでスーパーマーケットや薬局で購入することが出来ます。医師が必要と認め処方された薬は、CVS. RIte Aid, Walgreensやスーパーの一角に薬局が併殺されている事があるので、そこに処方箋とパスポートまたは運転免許証などの身分証明書、健康保険証を一緒に持っていきます。アメリカでは、薬剤師が日本のように１種類ずつ丁寧に出して服用方法を細かく教えてはくれませんので、注意点だけは聞き逃さないように十分確認してください。

緊急・救急の場合

アメリカで緊急時が発生した時のために知っておきたいこと。
海外で生活中、突然事故にあったり、急に病気になったりすることもあるかもしれません。アメリカの救急車のシステムは日本とは違うので、事前に注意が必要です。日本と違ってアメリカでは救急車が有料となっており、1回呼ぶごとに約3万~5万円はかかると言われています。救急車を呼ぶときは「911」に電話をかけます。さらに、救急車の中での応急手当は、病院での治療費とは別に後から請求されますので、相当の覚悟が必要となります。したがって、やむを得ない程の緊急事態か突然の事故以外は、ウーバーやタクシー、または自家用車で家族に病院に運んでもらう事をお勧めいたします。

留学生が病院にかかりたいときは

留学生の方は、経済的にも病院のご利用をためらわれるかもしれません。ただ、学生の方は学費の支払いの際に保険料もお支払いになっていることをご存知でしょうか。どのカレッジやユニバーシティにも、保健室のように先生とお話しできる場所があり、そこで薬の処方箋や他クリニックへの紹介状を書いていただけるのです。そしてほとんどの場合、学校の保険でカバーされるので、余分にお支払いをする必要はありません。ですので、学生の方はまず学校の医療機関で診ていただくことをお勧めします。

日本語でやりとりができる日系総合病院

ロサンゼルスにはLittle Tokyoというエリアもあるぐらいですから、日本人の方が多く住まわれています。そのような方達に向けて、日本語でやりとりができる病院がいくつかあります。長年アメリカに住まわれていて英語が堪能な方でも医療用語はとても難しいので、日本語で症状が伝えられ、またお医者さんから説明していただけたら、とても安心ですよね。

New Sunrise Clinic

こちらのクリニックでは、20年を医師を勤められている、新井先生という方が診てくださいます。ファミリードクターといって、患者さんの症状をいろんな角度から考え判断されるので、内科、婦人科、小児科、心療内科、皮膚科、泌尿器科など、幅広い分野と知識で対応してくださります。また、必要であれば他病院への紹介もしていただけるようなので安心ですね。予防接種も行なっているようですので、必要な場合はクリニックのホームページや直接確認してみてください。診療の際は予約をお忘れずに。

The Suzuki Clinic (鈴木クリニック)

鈴木クリニックでは、女性の鈴木院長が患者さんの相談にのってくださいますので、女性にも安心です。日米両国の医師免許をお持ちなので、かかりつけ医として、様々な症状や病状に対応してくださります。また、スタッフの皆さんは日米バイリンガルでいらっしゃるようなので、丁寧な対応をしてくださることでしょう。原則、完全予約制とありますが、緊急で診ていただきたいときは、フロントデスクまでお問い合わせをしてみてください。

Osato Clinic (大里クリニック)

こちらの大里クリニックもまた、日本人観光客や在住者の為に設立されたクリニックで、2001年からロサンゼルスで患者さんを診ていらっしゃいます。スタッフの方々も日本人の方々のようですし、必要に応じて、日本語でコミュニケーションの取れる他病院にも紹介してくださるようです。診察科目は、総合内科、肝臓内科、消化器内科があり、先ほどの鈴木クリニックと程近い場所にあるクリニックですので、ご都合や症状に合わせて選んでいただけると思います。

NIPPON MEDICAL CLINIC

最後に紹介させていただくのは、上記の３クリニックとは異なり、大きな医療機関で、一般内科、一般外科、消化器内科、皮膚科、臨床心理カウンセリング、婦人科を擁する日系総合病院です。上記で挙げさせていただいたクリニックは、より医師と患者さんの距離の近いコミュニケーションが期待されますが、NIPPON MEDICAL CLINICは大きな病院ですので、クリニックとはまた少し院内の雰囲気や対応に違いがある可能性はあります。ただ、日本語を話せるスタッフも多数いるようですし、あのUCLAとも提携してより最先端の医療技術を受けられるという、大病院ならではの強みがありますので、ご希望の内容に合わせて選んでいただくのが良いかと思われます。

藤原医院

リトル東京に位置する総合内科・心療内科の病院。受付、看護婦、先生も日本人なため、細かな症状までじっくり聞いてもらえるアットホームな雰囲気の病院です。一般内科から健康診断、生活習慣病、急性期疾患の治療まで対応し、その他にも、うつ病、パニック障害、PTSD、不登校など心のケアまでのプログラムが用意されているのがこの病院の特徴です。慣れない海外生活で大人だけでなく子供にも多い心の悩みを専門の臨床心理士受付に相談することが出来ます。また、こちらは事前予約がなくても、当日病院に行く前に電話を入れれば診てもらえるので、思い立ったらすぐに行ける安心の病院です。

ロングビーチ・メモリアル・メディカルセンター

ロサンゼルス・サウスベイで100年以上の歴史を持つ大きな総合病院。周辺には日系企業や日本人学校があり、ホテルにあるようなギフトショップやスターバックスなどが入っていて病院とは思えない程施設が充実しています。ベッド数が400台以上もあり、24時間の緊急医療サービスに対応しているので、急に具合が悪くなった時などに訪れてみてください。コマツ・グレン先生という先生がいますが、日本語が通じるレベルが不安な方には日本語通訳サービスがありますので、リクエストされてください。

まとめ

今回はロサンゼルスにおける日本語でコミュニケーションの取れる病院をご紹介しました。アメリカの医療制度の違いによる留意点もお伝えしましたが、もしもの時に日本人と日本の文化のことを理解してくださるお医者さんに診ていただけるのは安心ですよね。知っておくことは心の余裕にも繋がるかと思いますので、この情報が何らかの形でお役に立てたら光栄です。