目次
海外に渡航する際、まず初めに確認すべきことの一つは、入国時におけるVISAなどの必要書類です。移民の国アメリカもまたその例外ではなく、何らかの目的で渡米を考えている方は、事前に準備をしておかなければなりません。米国移民法によりますと、どのビザを取得すべきなのかは、その渡米の目的や他条件によって決定します。
総人口約3億3000人の3分の1を移民が占めている国アメリカでは、ビザの種類が約40種類あります。世界最強のパスポートを持つと言われている日本人でも、観光目的で渡航される場合でも「Electronic System for Travel Authorization」、通称「ESTA」と呼ばれるアメリカ渡航電子認証が必要となります。ビザ免除プログラムの対象国である日本人は、90日以下の滞在であれば、ビザの代わりにESTA取得でアメリカに入国することができます(下記参照)。
ここでは、アメリカ滞在に必要なビザについて分かりやすくご紹介します。(2019年3月現地情報)
アメリカのビザの種類について
アメリカには大きく2種類のビザがあります。
1.移民ビザ(Immigrant visa) アメリカ永住者関連用(グリーンカード保持者)
2.非移民ビザ (Nonimmigrant visa) 一時的アメリカ訪問者、短期滞在者用
1は、一定の要件を満たした外国人に与えられるビザであり、アメリカで自由に就職や転職が出来ます。滞在期間にも制限がなく、好きなだけアメリカに滞在することができます。
2は、長期滞在に必要なビザであり、就労や留学などで一時的に滞在し、その後日本に帰ることが前提となります。滞在目的に応じてアルファベット順に下記カテゴリーで分別されております。最初に、下記の中からどれが自分に当てはまるか必要なビザの確認などにご利用ください。
A-1 大使、行使、外交官、外国政府関係者(配偶者、子を含む)
A-2 A-1以外の外国政府職員、公務員及びその家族
A-3 A1-A3に遣える従者、使用人及びその家族
B-1 商用ビジター,6か月を超える長期観光旅行者、 スポーツ選手、アマチュアおよびプロ, 使用人、お手伝い(ベビーシッター)
B-2 治療
C アメリカを通過して、他の国へすぐまた継続して出国する外国人
D クルーメンバー(米国内で海外船舶や飛行機の乗組員・乗務員)
E-1 貿易駐在員
E-2 投資駐在員
E-3 オーストラリア人就労者ー専門家
E-2C 北マリアナ諸島限定投資駐在員
F-1 学生 - 学問および語学学生
F-2 学生の同行家族 - F-1 保有者の同行家族
G-1 外国政府の主要な代表者としてアメリカ国内にある国際機関で働く者(国連代表者など)
G-2 その他の外国政府の代表としてアメリカ国内にある国際機関で働くもの、またはその近親者
H-1A 看護婦
H-1B 医師、財務アナリスト、会計士、コンピュータープログラマなど特殊技能を有する専門職従事者
H-1B1 自由貿易協定専門家ビザ (チリ国籍者またはシンガポール国籍者)
H-2A アメリカで人手不足となっている農業に一時的従事する外国人
H-2B アメリカで人手不足となっている職業に一時的従事する外国人
H-3 雇用を目的としない職業実習生
I 情報メディア代表 (報道関係者、ジャーナリスト) 海外の報道関係の代表として入国する者とその近親者
J 公的に認められたプログラムに参加する交換留学生、研究員、職業訓練生
J-1 交流訪問者、教授、学者、教師
J-2 J-1 保有者の子ども (21歳未満) もしくは配偶者
K-結婚を目的としてアメリカ市民の婚約者として入国する者
L-国際的な会社で企業内の転勤によって入国する者、企業の管理職または専門的知識を要する者
M-1 職業訓練学生または学位を目的としない学生
M-2 M-1保有者の同行家族
N 特定の移民に認定された者の子供
NATO1-5 NATO条約に従って入国する者および家族
NATO-6 NATO条約のもと行動する軍に付帯する非軍人およびその家族
NATO-7 NATO1-6保持者の従者。使用人およびその家族
O-1 科学、芸術、教育、ビジネス、スポーツの分野で卓越した能力を有する外国人
O-2 O-1保持者に必要なスタッフ
O-3 O-1とO-2の家族
P-1 スポーツ選手、芸術家、芸能人
P-2 政府公認の興行によってアメリカに入国する芸能人
P-3 文化的な興行をアメリカで行うため入国する芸術家または芸能人
P-4 P-1-P3保持者の家族
Q-1 国際的な交流プログラムに出席する者
Q-2 Q-1保持者の家族
R-1 宗教活動家
R-2 R-1保持者の家族
TN/TD NAFTA 専門職員: メキシコ、カナダ
T-1 人身売買被害者
出典 : US Travel Docs
アメリカのビザ取得方法
90日間の観光目的以外で渡航される場合、ビザの取得が必要になります。
就労目的の場合と留学目的の場合でビザ取得方法をご紹介します。
【就労目的】
Bビザ
B1(短期商用ビザ)とB2(短期観光ビザ)は、最も一般的で頻繁に利用されているビザです。特徴は、ビザの有効期限は通常5年、滞在期間は通常6か月、滞在期間の延長(約6か月)が可能、他のビザへの切り替えが可能、アメリカ国内での就労は禁止、家族はB2で入国可。
主な渡航目的は、商品の買い付け、商品の売り込み、契約交渉、アメリカ取引先との打ち合わせ、専門的な学会や会合への出席、現地法人の役員会に参加、投資家が投資の準備のための渡米などです。
申請に必要な書類
- 6か月以上有効なパスポート(過去10年間の渡航履歴が残った古いパスポートも含む)
- 電子ビザ申請書 DS-160フォーム(記入ガイドラインは政府サイトで確認できます) 米国ビザ申請 日本
- 写真1枚(5㎝×5㎝)背景は白で6か月以内に撮影したもの
- 英文サポートレター(渡航目的の詳細、詳細な旅行日程、滞在日数、日本へ帰国するという強い意思表明)
- 銀行預金残高(滞在中の旅費、生活費が十分用意されている証明)
- ビザ申請料金 $160相当の日本円
- 日本親会社からのサポートレター(出張目的の詳細、米国での業務内容、ビジネス相手の詳細、渡航費用は会社負担である旨、業務終了後は必ず帰国させる説明。雇用主責任者の署名。
- 面接予約確認書
その他ビザ申請方法に関しては、政府サイトで各詳細をご確認いただけます。
米国ビザ申請 日本
就労ビザ
就労ビザには様々な種類があり、H、L、O、P、Qの種類の中がら該当するビザを取得していただく必要があります。いずれのビザを取得する際にも、米移民局(USCIS)の許可が必要であり、ビザ申請前には請願書I-129フォームの許可も必要になります。
【留学目的】
F1とM1ビザ
アメリカ国内の認定大学、大学院、短大、私立高校、語学学校留学などで90日以上教育を受ける場合に必要となります。M1ビザは専門学校などが対象となり、両ビザ共特徴は、有効期間が留学に合わせて6か月から5年間の長さで発行されるのが一般的、授業時間が週18時間以上、もしくは1学期に12単位以上の履修があることが求められます。
申請に必要な書類
- 6か月以上有効なパスポート(過去10年間の渡航履歴が残った古いパスポートも含む)
- 電子ビザ申請書 DS-160フォーム
- 写真1枚(5㎝×5㎝)背景は白で6か月以内に撮影したもの
- 面接予約確認書
- 米国の学校から発行されたI-20
- I-901 SEVIS費確認書(詳細は大使館サイトでご確認できます) 在日米国大使館・領事館
交流訪問者ビザ
最後にご紹介するビザは交流訪問者ビザです。教育、科学、芸術分野における人材、知識、技術の交流を目的とした、プログラムなどに参加する方が対象です。トレーニングやインターンシップでの参加の場合など、有給で研修を受けられる場合もあります。こちらのビザを取得した場合、プログラムの前後30日間は米国に滞在することが可能になります。
必要書類
オンライン申請書DS-160フォーム
パスポート
米国滞在期間に加え6ヶ月以上の残存期間があるもの
- 過去10年間に発行された古いパスポート
- 証明写真1枚 (5cm × 5cmで6ヶ月以内に撮影された白背景のもの)
- 面接予約確認書
- DS-2019 許可証
- DS-7002 (研修生 / インターンのみ)
- I-901 SEVIS費確認書 (米国政府が支援するプログラム以外の場合)
アメリカのビザ申請代行業者情報
ビザを申請するにあたり、聞き慣れないフォームの記入や申請など、全て自分で準備するのが不安という方は、弁護士や代行業者に依頼する事が出来ます。プロに書類を確認してもらいながら面接までのアドバイスを受け、確実にビザを取得したいですね。
・ビューグラント
特徴:アメリカ政府公認弁護士との連携によりビザの相談や代行を請け負う。
ビューグラント
2010年設立 所在地:東京
・行政書士法人IMS
2001年より25000件のビザ申請の受託実績あり。
行政書士法人IMS
所在地:東京
・JACC渡航センター
24時間のセキュリティシステムで個人情報を厳重管理。
JACC渡航センター
2006年設立 所在地:大阪
その他有用なリンク
American Embassy Tokyo
American Embassy Tokyo
- サイト:在日アメリカ大使館・領事館
- 住所:東京都港区赤坂1-10-5
- 電話:03-3224-5000
Embassy of Japan in USA
Embassy of Japan in USA
- サイト: 在アメリカ合衆国日本国大使館
- 住所:2520 Massachusetts Avenue NW, Washington D.C. 20008
- 電話:202-238-6700
米国市民権・移民業務局
米国市民権・移民業務局
- サイト:USCIS
- 住所:300 N Los Angeles St, Los Angeles
- 電話:800-375-5283
- 営業時間:7:00 AM-3:30 PM
ビザの申請方法
これまでビザの種類とそれぞれのビザの取得に必要な書類についてお話してきましたが、こちらでは実際にどこでどのように申請するのかについてお話します。
1.ビザの種類を確認する
上記の情報や大使館などの公式サイトの最新情報をご確認ください。
申請書類を準備する
上記にて詳しく紹介したビザにつきましては、必要な書類につきましてもご紹介し
ています。DS-160オンライン申請書を作成する
全ての非移民ビザにおいて、こちらの書類が必要になります。
URL: http://www.ustraveldocs.com/jp_jp/jp-niv-ds160info.aspプロファイルの作成と申請料金の支払い及び面接予約
オンラインにてプロファイルの作成が必要になります。
URL: http://ustraveldocs.com/jp_jp/jp-niv-paymentinfo.asp面接
パスポートの返却
参考記事: 非移民ビザ申請方法
ビザの注意点
ビザは種類によっても認可される難易度に違いがあったり、取得までの時間が異なる可能性が十分にありますので、期間に余裕を持って申請されることをお勧めします。
またビザは入国許可証のような役割を果たしますが、アメリカ国内おいても、入国審査の難易度が個人や空港によって異なると言われていますので、強制帰還を避けるためにも、申請の際は偽りの無いようにしてください。
最後になりますが、非移民ビザの取得においては、一時的な滞在というのが前提になります。そのため、例えば学生ビザの申請の面接の際に、永住したいや働きたいといった目的から逸れた発言をすると、ビザの取得ができないことがありますので、細心の注意を払ってください。
まとめ
トランプ政権に代わってから、アメリカの就労ビザの発給は年々厳しくなっています。就労ビザは種類も多く手続きも複雑です。また、ビザが1度でも拒否されると観光旅行ですら入国出来なくなってしまうので、準備開始時点から経験豊富な移民弁護士、行政書士に相談されることをお勧めします。
ビザの種類や取得方法は年々変わることがあるため、最新情報は米国政府の公式ビザ情報サイトで常にご確認いただくことをお勧めいたします。
米国政府の公式ビザ情報サイト (日本語ページ)
ビザ申請手続きは頻繁に減項されますので、必ずUSCIS, アメリカ大使館などのウエブサイトで最新情報を入手してください。