慣れない国で医療を受けるのは不安ですが、どうしても必要な時が来るかもしれません。
今回は、スペインで生活している方や旅行者の方に少しでもお役に立てるよう、スペインの医療情報をまとめてみました。
スペインの医療技術
スペインの医療レベルは、他の西欧先進諸国とほぼ同等なので、安心して病院にかかることができます。
一般的な内科疾病、外科疾病、出産などは、現地の医療施設にて治療や処置が受けられます。
医療システム
スペインには、2つのタイプの医療制度があります。
一つは社会保険 (SEGURIDAD SOCIAL)、もう一つは民間保険 (PRIVADO) です。
社会保険 (SEGURIDAD SOCIAL)
スペインの社会保険制度により、スペイン全土に医療の幅広いネットワークが存在します。
社会保険は、現地で納税している人のみ診察してもらえます。
基本的に医療費は無料、薬代は一部を本人が負担します。
公立病院でのみ受診可能で、私立病院では診てもらえません。
スペインの滞在許可証を持っている日本人なら、保険証 (Tarjeta Sanitaria) を取得することで、スペイン人と同じ権利を得ることができます。
社会保険では、まず主治医を登録することになっています。
保険証には、指定の医療センター (Centro de salud) と時間帯、主治医が記入されます。
軽い病気や怪我であれば、医療センターで対応してもらえます。
専門医にかかる必要がある場合、緊急時を除き、主治医の紹介によって病院 (Hospital) での診療を受けることになります。
診察料が無料なため軽症で訪れる人も多く、専門医の予約はふつう待ち時間が長く、場合によっては予約が取りにくいケースもあります。
民間保険 (PRIVADO)
病院や医師を選ぶことができ、専門医にも直接予約できます。
待ち時間も短く、予約も取りやすいです。
一方で、医療費が高くなり、薬代は全額本人負担となります。
社会保険では歯科治療などごく一部適用されない場合もあるため、個人的に民間保険に同時に入っている人もいます。
SanitasやAdeslasなど、多数の民間保険会社があります。
マドリッドの総合病院リスト
以下の病院では、
- 緊急ではなくふつうの診察を受けたい場合は、事前予約が必要です。
- 緊急時の診療は、どこも24時間対応です
- 場合によっては、往診を頼むこともできます。
- スペインでは日本語で対応できる病院がほぼないため、英語またはスペイン語での対応になります。
- 社会保険に加入している場合は保険証と滞在許可証、旅行者の場合はパスポートなどの身分証明書と、海外旅行保険証が必要です。
- 支払方法は、現金またはクレジットカードです。
- 病院と契約のある海外旅行保険会社に加入している場合、海外旅行保険のキャッシュレスサービスが適用可能です。
- そうでない場合には、請求書を作成してもらって一旦実費を支払い、帰国後に保険会社に請求します。
総合病院 - 公立
LA PAZ
住所: PASEO DE LA CASTELLANA 261
最寄り駅: Begoña
電話番号: 91-727-7000、91-727-7339 (緊急)
公式サイト: http://www.madrid.org/hospitallapaz/
英語対応：可能
GREGORIO MARANON
住所: C/DOCTOR ESQUERDO NO.46
最寄り駅: O'Donnell / Sainz de Baranda
電話番号: 91-586-8000、91-586-8500(緊急)
公式サイト: http://www.madrid.org/hospitalgregoriomaranon/
英語対応：医者によります
DOCE DE OCTUBRE
住所: AV.CORDOBA S/N
最寄り駅: Hospital 12 de Octubre
電話番号: 91-390-8000、91-390-8179(緊急)
公式サイト: http://www.madrid.org/hospital12octubre/
英語対応：医者によります
総合病院 - 公立
HOSPITAL RUBER JUAN BRAVO
住所: JUAN BRAVO NO.49
最寄り駅: Diego de Leon / Lista / Nunez de Balboa
電話番号: 91-402-6100、91-402-7100
公式サイト: https://www.ruber.es/
英語対応：可能
HOSPITAL RUBER INETERNATIONAL
住所: LA MASO 38
最寄り駅: Mirasierra
電話番号: 91-387-5000
公式サイト: http://www.ruberinternacional.es/en/
英語対応：可能
HOSPITAL UNIVERSITARIO HM MADRID
住所: PLAZA DEL CONDE DEL VALLE DE SUCHIL, 16 - 28015 MADRID
最寄り駅: Quevedo / San Bernardo
電話番号: 91-447-6600
公式サイト: https://www.hmmadrid.com/hospital-madrid/international-patient
英語対応：医者によります
- この病院では、その場でデポジットとして350ユーロを現金またはクレジットカードで支払います。
- 09:00～21:00以外の時間帯は、翌日にもう一度病院へ出向いて精算する必要があります。週末の場合は、月曜日に再度病院へ行って支払うことになります。
小児科 - 私立
SAN RAFAEL
住所: C/SERRANO NO.199
最寄り駅: Concha Espina / Santiago Bernabeu / Colombia
電話番号: 91-564-9943、91-564-9978(緊急)
公式サイト: http://www.hospitalsanrafael.es/
英語対応：医者によります
歯科 - 私立
歯医者さんに関しては、マドリードには日本語を話せる医師・スタッフのいるところもあります。
歯科のある総合病院では検診はしてもらえますが、虫歯などの実際の治療は歯医者さんで行ってもらうケースが一般的です。
CLINICA DENTAL DR. GOMEZ
住所: CLAUDIO COELLO NO.8, BAJO DERECHA
最寄り駅: Retiro
電話番号: 91-577-0930、91-577-0935
日本語を話せる医師: Dr.オークラ・カリン (月～金曜 10:00～14:00、要予約)
ODONTO RABES
住所: C/ARISTOTELES 3, LOCAL
最寄り駅: B' de la Concepcion
電話番号: 91-404-4522
公式サイト: http://odontorabes.es/clinica-dental-madrid-leganes/
日本語を話せる医師: Dr.佐藤
診療時間: 月～金曜 10:00～14:00/16:00～20:00、当日でもよいが要予約
電話での医療サービスも
マドリッド市と市警察が連携する、「SATE」という外国人旅行客サポートサービスがあり、日本語での医療対応もしてくれます。
電話番号:
- 91-548-8537、91-548-8008 (月～金曜、9時～24時)
- 902-102-112 (24時間対応)
救急車は112を
救急車の番号は、【112】です。
この番号は、スペイン全土とEU全域で有効です。
警察や消防の番号も共通なので、救急車の要請であることを伝えましょう。
病院の指定はできません。
365日24時間対応で、電話の発信者の場所がすぐわかり、80カ国語の電話通訳サービスも備わっています。
医薬品
医薬品は、薬局で購入できます。
薬局は通りにある緑の十字が目じるしで、24時間営業の薬局もあります。
医師から処方箋をもらったら、ここで購入してください。
かぜ薬などは医師の処方箋がなくても購入できますが、抗生物質など医師の処方箋がないと購入できないものもあります。
できれば、常備薬は日本から持っていくことをおススメします。
その他の情報
EU加盟国にお住まいの方は、その国で「EU健康保険カード」を申請することをおススメします。
このカードがあれば、EU圏内を旅行中、無料で医療を受けることができます。
ヨーロッパ保健カードがなくても、EU加盟国に住んでいる証明書があればすぐに医療は受けられますが、医療費を全額支払わなければならない可能性があります。
後に、ご自身が加入している医療保険の担当機関に、全額あるいは超過分の払い戻しを請求できます。
まとめ
社会保険に入ると無料で診察してもらえますが、気軽に行けるために専門によってはかなり待つこともあります。
しかし、費用がただと言っても、設備は全般的にしっかりしている印象です。
一方で、民間保険が効く私立の病院はすぐに診てもらえますが、医療費や薬代が高くつきます。
海外旅行者は、安心して旅行するためにも海外旅行保険に加入しておきましょう。