近年日本人の海外旅行で行きたい国ランキングで常に上位にランクインしている台湾。卒業旅行やちょっとした週末旅行などで台湾に足を運ばれる方も多いのではないでしょうか。
また、最近は中国語学習の需要の高まりによる留学者の増加、台湾への駐在や現地採用を通してビザの取得を必要とする方が多いと思います。台湾に長期滞在をされる予定の方にとってビザ申請は避けては通れない重要なプロセスのうちの1つです。
本記事では、台湾に滞在する際に必要なビザの種類と申請方法についてご紹介します。

手続きに必要な書類や申請方法は随時変更される可能性がありますので、最新の情報については下記の台北駐日経済文化代表処のWebサイトでご確認下さい。
台北駐日経済文化代表処
※本記事では2019年3月現在の情報を掲載しています。

台湾のビザ

台湾のビザは免除プログラムを加えると8種類あります。免除プログラムは滞在予定期間が入国から90日以内でしたら日本出発に際してビザを取得する必要はありませんが、以下のビザから目的に応じて取得してください。

無査証入国(ビザなし滞在)について

日本はビザ免除措置国の対象になっていますので、
一般的に滞在予定が入国から90日以内の観光・訪問が目的で来る日本人は、ビザは必要ありません。
また、日本から出発する外国人及び在日の外国籍の場合は、出発前に中華民国内政部入出国及び移民署の専用ウェブサイトにて渡航認証システムによる認証を受けなければなりません。

日本旅券を保有している場合、以下の条件を満たせば90日までビザなしで台湾に滞在することが出来ます。

1.旅券の残存期限が予定滞在日数以上であること
2.台湾から帰国するための予約済み航空券、もしくは次の目的地への航空券を保有していること
3.入国審査上に特に問題がないこと
4.短期滞在(観光、商用、親戚訪問等)であること

※滞在延期は出来ません。

ビザの種類

以上の短期滞在を除く長期滞在を目的に台湾に滞在する場合には必ずビザを取得する必要があります。
ビザの種類は大きく分けて「停留査証」、「居留査証」と「その他」に分かれ、そこから更に細分化されています。

停留査証

停留査証とは基本的に最大半年(180日)以内の滞在を目的とした方のためのビザで、台湾入国前に日本で申請する必要があります。
主な停留査証は以下の4種類です。

日本国籍の商務目的の停留査証

適用者:90日以内の商用を目的とする日本国籍保持者の方
このビザは一年間有効で期限内であれば出入国に制限がありません。

半年以下の交換留学(大学、修士課程、博士課程)

適用者:滞在が180日以下の交換留学を予定する方

日本人退職者180日滞在査証の申請

適用者:55歳以上ですでに定年退職した日本国籍の方

語学研修査証の申請(中国語の勉強)

適用者:台湾へ語学研修を目的に入国する日本国籍の方
※滞在期間は60日又は90日となりますが、それ以上の滞在を希望する場合の在留更新が可能(最大180日まで)。それ以上の滞在には居留査証への切り替えが必要になります。

居留査証

居留査証とは、雇用(赴任)、投資、家族呼び寄せ(配偶者、未成年者)、宗教活動、留学などの目的で台湾に6ヶ月(180日)以上の長期滞在を必要とする方向けのビザです。
主な居留査証には以下の5種類があります。

雇用(赴任)、投資

適用者:6か月以上の長期の滞在を目的とした日本国籍のビジネス関係者の方

家族の呼び寄せ

これは未成年者と配偶者の6か月以上の長期の呼び寄せを目的としたビザです。一般的に親の赴任に付いていく未成年者や、台湾に在留資格がある人物の配偶者の為のビザです。

留学(大学、修士、博士課程)

適用者:6か月以上の期間に及ぶ大学、修士、博士課程への留学を目的とする方

宗教活動

適用者:宗教活動を目的として台湾に長期滞在する方

起業家

適用者:台湾での起業を目的とし台湾に長期滞在予定の方

その他

その他少し例外的なビザが「ワーキングホリデービザ」と「台湾永住ビザ」です。

ワーキングホリデービザ

ワーキングホリデービザとは台湾において一定期間の休暇とその間の滞在費を補うための就労を認めるビザのことです。
ビザの有効期限は発給から180日になります。
注意点は入国日ではなく、ビザが許可された日からカウントされる点です。
滞在可能日数は180日ですが、台湾入国後1度の延長が可能で、最大で1年間滞在する事が出来ます。
このビザでの就学は3ヶ月以内、就労は労働許可として認められており、職種や時間に制限はありません。実は働かないといけない義務もありません。
但しあくまでも観光が目的のビザのため連続して12ヶ月間働きに行くなどを目的として取得することは認められていません。

台湾退職者ビザ(ロングステイ)

日本国籍保持者を対象とした退職者ビザ制度になります。このビザは180日間の滞在が可能となり、ビザの有効期限内であれば出入国に制限はありません。
【対象者】

  • 年齢が55歳以上の日本国籍保持者、配偶者を同行する場合には配偶者の年齢制限はない。
  • 既に定年退職していること。
  • パスポートの残存期間が9ヶ月以上あること。
  • 過去に犯罪暦が無いこと。
  • 約500万円以上の個人資産を証明できること。
  • 年金受給者であることを証明すること。
  • 半年以上の海外旅行保険に加入すること。 滞在中に現地にてビザを延長することはできませんが、滞在期限が切れた後に改めて再申請することは可能です。

台湾就労ビザ(長期停留)

これは台湾に長期滞在される方を対象としたビザになります。対象となるのは、就労(赴任)、投資、家族呼び寄せ(配偶者、未成年者)、宗教活動、留学などの目的で中華民国に6ヶ月以上の滞在を必要とする方となります。申請に必要な書類は渡航目的により異なります。(停留ビザで渡航後に現地で長期居留ビザへ切り替えることも可能です)
就労ビザの種類

  • 就労(日本語教師などの専門職、学位や職歴が審査対象)
  • 投資(起業する方、事業計画が審査対象)
  • 家族(台湾人の配偶者や子供、家族関係の証明)
  • 宗教(宗教活動を目的とする方、宗教団体の招聘状などが必要)
  • 留学(正規留学を希望する方、学校からの入学許可証が必要) 尚、現地到着後、15日以内に居住地の内政部入出国及移民局所属のサービスセンターにて外国人居留許可手続きを行う必要がありますので注意が必要です。

台湾永住ビザ

台湾永住ビザは台湾に5年以上継続して居留している方。そしてその居留5年のうち、毎年183日以上台湾に滞在している方が対象となります。

ビザの申請方法

ビザの申請にはまず専用ウェブサイトである中華民國簽證申請表から個人情報をオンライン登録する必要があるます。
オンライン登録後ビザ申請書をプリントアウトし、署名欄に署名し、写真など必要な書類を添付して最寄りの台北駐日経済文化代表処領事部窓口に提出して下さい。
ビザの種類によって申請の際に準備する書類や条件が異なりますので、必ずご自身が申請するビザ取得に必要な書類を下記の台北駐日経済文化代表処のWebサイトでご確認下さい。
台北駐日経済文化代表処

まとめ

一般的な観光の場合90日以内の滞在であればビザの申請の必要がない台湾ですが、長期滞在の場合には避けて通れないのがビザの申請です。うっかりビザの申請を忘れて台湾にビザなし入国してしまったり、オーバーステイなどをしてしまわないように、しっかり知識をつけて事前に準備をしておくことが大切です。