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ジュネーブ滞在中に病気になったり、子供が急に高熱を出したり、妊娠したり、怪我をしてしまった場合、どうすればよいのでしょうか?突然の怪我や病気に備えて、適切な処置をしてもらえるように日本語で症状や状況説明ができると安心しますよね。
そのような状況になる前に知っておくとよいこと、スイスの医療事情とジュネーブで日本語対応が可能な総合病院・クリニックについてご紹介します。
スイスの医療制度
スイスの医療水準は世界で3番目とされ、医療機関や薬局の数も多く、施設は清潔で診察も安心して受けることができます。日本との大きな違いは、専門医に行く前には、まずかかりつけ医「médicine générale (メディサン・ジェネラル)」に見てもらい、そこで対処できる症状であれば、診療と処方箋を出してもらって、薬局で薬をもらって終了という手順が一般的である点です。より複雑な検査などが必要な場合は、かかりつけ医から専門医の紹介や、総合病院への紹介をしてもらいます。このプロセスを踏んでから総合病院に行くと非常にスムーズに対応してもらえます。CTやMRIなどの大がかりな検査も総合病院に回されることが多いです。風邪やインフルエンザ、予防注射などは、かかりつけ医ですむことがほとんどです。子供の場合は、小児科のかかりつけ医を家の近所に見つけておくとよいでしょう。
かかりつけ医は予約が必要ですので、旅先での病気や緊急を要する場合には、待ち時間はかなりかかりますが、総合病院や中規模のメディカルセンター (Centre Médico)のような所で、Urgence(救急・ウルジョンス)の窓口で受付してもらって見てもらうことも可能です。大きな病院は英語が通じますが、受付の人がフランス語しかできないことも稀にあります。
医療保険
スイスには国民保険というシステムはありませんが、スイス国民およびスイスの滞在許可証を保有する人は民間の保険会社が提供する保険に加入する事が義務ずけられています。年間自己負担額(Franchise)を自分で選択して、その額によっても掛金額は違ってきます。
基本保険に入っていれば、スイスのどの州立や市立の病院でも無料になりますが、私立病院や、州立でも個人部屋などを希望すると、追加料金が発生します。
支払いは当日ではなく、病院から請求書が送られてきますので、それを支払った上で保険会社に請求してください。病院に行くときは必ず保険会社から送られてきたカードを持って行って下さい。通常の診察は総合病院ではなく、開業医で見てもらい、その開業医から専門医や総合病院へ行くことを勧められます。専門医(歯科、耳鼻科、産婦人科など)は新規の方は数カ月待ちという事もありますのでご注意を。緊急の場合は総合病院の緊急(Urgence)へ。
スイスの医療費は、本当にびっくりするほど高いので保険でカバーされるかどうかを事前に調べておけると安心です。例えば、出産費用は、実費で払うことになれば、車一台購入できるほどの高額です(その分、滞在はまるでホテルにいるかのようですが……)
スイス・ジュネーブの総合病院
スイスのジュネーブはフランス語圏ですので、病気や事故などの場合はフランス語で状況説明できるのが一番良いのですが、スイスで医療に携わっているほとんどの人が英語を話せます。受け付けの人が英語を話せなくても、誰か英語を話せる人を呼んでくれますので、安心して下さい。
HÔPITAUX UNIVERSITAIRES DE GENÈVE (ジュネーブ大学病院)
州立でジュネーブでは一番大きな総合病院です。街の中心にありいつも混雑しています。救急病棟は本館の隣にあり、受付もそちらで行います。小児科病棟も別の建物となっています。
住所: Rue Gabrielle-Perret-Gentil 4 1205 Genève
電話: +41 (0)22 372 33 11
公式サイト:https://www.hug-ge.ch/en/
Hôpital de La Tour(ラ・トゥール病院)
私立の病院で、街からは少し離れたMeyrin地区にありますが、車がある場合はこちらの方が渋滞に巻き込まれずに便利かもしれません。スポーツ医療の質が高いこともよく知られています。
また、ラ・トゥールの関連クリニックがMeyrinとCarougeにあります。
少し小規模ですが、Urgences(救急)もあり、直接行って見てもらうことも可能です。
住所: Av. J.D. Maillard 3 1217 Meyrin
電話: +41 (0)22 719 6111
公式サイト:https://www.la-tour.ch/en/
Clinique de Grandgettes(グランジェット病院)
Champel地区にある私立の病院で、小児科とマタニティがよいとの評判です。小児科は1回目でも予約をとることができます。
住所: Chemin des Grangettes 7 CH-1224 Chêne-Bougeries
電話 : +41 22 305 01 11
公式サイト:https://www.grangettes.ch/en
上記以外の個人クリニックや複数の先生が勤務されているメディカルセンターもたくさんあるので、ご自宅の近くで探されるとよいでしょう。こちらのサイトでは、地域や専門毎の先生のデータベースとなっていて検索するのにとても便利です。先生の中には、既存患者で満杯で新規の患者さんを受け付けてくれない方もいますが、何人か連絡すれば受け付けてくれる先生を見つけられます。
日本語の通じる医師
HSU Christophe François (皮膚科)
住所: Boulevard James-Fazy 4, 1201 Genève
電話番号:022 738 18 48Voir sur la carte ###RICOU Bara (集中治療)
住所: HUG - Serv. des soins intensifs, Rue Gabrielle-Perret-Gentil 4, 1211 Genève 14
電話番号: 022 372 74 72
ROCH-SUZUKI Risako(小児科)
住所: Avenue de la Foretaille 33, 1292 Chambésy
電話番号: 022 758 25 78
STAMPFLI ANDRES Tomoe(心臓)
住所: Hôpital de la Tour, Avenue J.-D.-Maillard 3, 1217 Meyrin
電話番号: 022 719 62 60
緊急の場合の対処法
上記の病院のUrgences(救急)に行って待つこともできますが、万が一お子様やご自身の具合が悪すぎて病院まで行くのが辛いというような時には、SOSサポートを使うという手段もあります。これは先生の出張サービスのようなもので、応急処置が中心ですが家にきてもらえるのはありがたいシステムです。
SOS Médicines Genève
ホームページ:https://www.sos-medecins.ch/wordpress/nos-medecins/
電話番号:+41 22 748 4950
House Call Doctors
ホームページ:http://www.medecinsadomicile.ch/en/
電話番号:+41 22 340 3636
ジュネーブの公立総合病院
Hôpital Universitaires de Genève (HUG)
住所: Rue Gabrielle-Perret-Gentil 4
電話番号: 022-732-3311
公式サイト: https://www.hug-ge.ch
ジュネーブの私立総合病院
Hôpital de La Tour
住所: Avenue Jean-Daniel Maillard 3、1217 Meyrin
電話番号: 022 719 61 11
公式サイト: https://www.la-tour.ch/en/
小児科
Hopital des Enfants
住所: 6,rue Willy-Donze
電話番号: 022-382-6818(外科急患022-382-4552)
公式サイト: http://www.hug-ge.ch/lhopital-des-enfants
ヴォー州の市立総合病院
Le Centre hospitalier universitaire vaudois (CHUV)
住所: Rue du Bugnon 21, 1011 Lausanne
電話番号: 021 314 1111
公式サイト: https://www.chuv.ch/fr/chuv-home/
ヴォー州の私立総合病院
*Clinique de Genolier *
住所: Rte du Muids 3
電話番号: 022 366 90 00
公式サイト: https://www.genolier.net/en/
緊急時
緊急ダイヤル:救急車は144
- 117 警察
- 118 消防
- 1414特別救助隊(レスキュー隊)
医薬品
医師から処方箋をもらったら、薬局で購入します。薬局に加入保険の精彩を渡しておくと、保険会社に直接請求してくれるサービスがありますので便利です。その都度お支払いされたら、領収書のオリジナルを保険会社に送り、払い戻しを請求します。薬局の深夜営業は持ち回り式ですので、病院でその日はどの薬局が深夜営業しているか確認して下さい。
また薬局は、通常日曜日は休業、平日も閉店時間がかなり早く、水曜日の午後は休みの所もあります。週末も開いている薬局は、ジュネーブ国際空港とコルナバン駅ですので、万が一、週末にお薬を買う必要がある時には、覚えておくとよいです。
まとめ
旅先や海外の慣れない土地で病気になることほど不安なことはありません。小さなお子様が急に病気になってあたふたすることもあるでしょう。そんな時にこの情報を少しでも役立てていただければ幸いです。