海外に滞在するにはビザ(滞在許可証)はとても重要です。ドイツへ旅行などで訪れる場合には、ビザなしで90日(約3ヵ月)滞在することができます。いわゆる観光ビザというものになります。しかし、90日を超えてドイツに滞在する場合にはビザの申請、取得が必要となります。主となる書類や大まかな取得の流れは大きく変わることは聞いたことがありませんが、細かい手続き、書類、期間についてなどは「地域による」、「担当者による」ということをよく耳にします。ここでは公式のホームページ(ドイツ連邦共和国大使館・総領事館)で紹介されている内容と私が実際に経験した内容を元に情報をお伝えしていきます。

ドイツでの「ビザ(滞在許可証)の種類」について

ビザ(滞在許可証)という言葉はひとつですが、その種類はひとつではなく多数存在します。まずはその種類について紹介します。

観光ビザ

まず一番簡単で身近なのがこの「観光ビザ」です。このビザに関しては個人で手続きをすることなくパスポートのみで出入国をすることができます。
※1

「有効な日本国パスポートを所持する日本人は、空港トランジット、(90日以内の)観光または出張に際して、ビザの必要はありません。」

ワーキングホリデー・ビザ

一生に一度、30歳までが申請することが出来るのはワーキングホリデー・ビザです。名の通り、働いてもよし、休暇(旅行)してもよしとするビザです。
※2

ワーキングホリデー・ビザ制度は日独両国の合意に基づくもので、日本の若い人たちにドイツの文化や日々の暮らしに触れる機会を提供するためのものです。滞在可能な期間は3ヵ月以上1年以内で、最長365日、ドイツのさまざまな職場で働くことができます。

※1.2.出典:ドイツ連邦共和国大使館・総領事館ホームページより

学生ビザ

学生ビザのなかにも語学学校、大学準備、正規学生などいくつか種類があります。すべて名の通り、語学学校で学ぶためのビザ、大学入学のための準備のためのビザ、ドイツの大学に通う学生ビザとなります。
語学学校でのビザは週に受ける授業時間などによってビザが取得できるかどうか変わってきます。また語学学校の申し込み期間によって、ビザの有効期間も異なるので事前に語学学校と外国人局の双方に確認をしましょう。またこの「語学学校ビザ」ではアルバイトが出来るかどうかも異なりますので、こちらも取得前に外国人局での確認と取得後にビザの記載事項を確認してください。
学生ビザにおいては入学資格がその大学によってあります。日本の高卒ではドイツの大学への入学資格がないことがほとんどです。センター試験で一定点数以上をとるか、日本に大学に行って期間通う、またはドイツで学校(Studienkolleg)へ行き試験(Feststellungsprüfung)に合格することによって入学資格を得ることができます。こちらも大学のホームページなどから直接問い合わせることをお勧めします。

就労・研修・研究滞在ビザ

主に就労ビザといいますが、働き方も様々です。会社に勤める場合もあれば個人事業主(フリーランス)として働くこともあります。会社の場合でも現地企業で採用される場合や日本の会社からの転勤でドイツで働くこともあります。またドイツでは職業訓練(Ausbildung)といって半分はその職について学び、半分はその職について学ぶというシステムがあります。

ドイツ人配偶者との滞在ビザ

ドイツ人と結婚した場合にはその配偶者としてビザの取得が出来ますが、その際にも語学力の証明が必要となります。

その他のビザ

その他にもベビーシッターとしてその家に住みながら滞在する「オペア・ビザ」、一定年数(基本は5年間)税金や年金などを納めたら発行される「永住ビザ」などもあります。

ドイツ:フランクフルトでの「ビザ取得」まで

まずはどのビザで滞在するか、日本で申請は可能か、何の書類が必要かなどを調べましょう。ドイツ(フランクフルト)で申請は外国人局(Ausländerbehörde)で行います。
まず行うことは、外国人局でビザの申請に必要な書類をもらうことと、滞在するビザによって各場所(語学学校、大学や職場など)で申請に必要な書類を集めることです。語学学校では語学学校での証明書など、学生ビザでは大学などの入学証明書など、就労ビザでは労働契約書や雇用内容の証明書などが必要となります。

主なビザ取得までの流れ(ドイツ:フランクフルト)

  • 必要書類をそろえる ※3
  • 外国人局の受付にて必要書類の提出
  • 外国人局からの手紙を待つ
  • 外国人局の受付から中に通してもらい、担当者と直接手続きを進める。または、メールなどで予約が取れた場合には予約時間に担当者のところへ行き、直接手続きを進める。(不足書類の提出や手数料の支払い、必要書類にサインなど)
  • ビザの発行

※3:ビザの申請用紙(Antrag auf Erteilung eines Aufenthalttitels)以外は申請するビザの種類によって異なります。

主なビザの必要な書類について

主に必要となる書類は以下の通りです。

  • ビザ申請用紙
  • 各場所での証明書(語学学校、大学、職場など)
  • 住民登録書、場合によって賃貸契約書、住居間取りなどの証明書
    • 住民登録書(Amtliche Meldebestätigung für die Anmeldung)
    • 賃貸契約書(Mietvertrag)
    • 住居間取りなどの証明書(Wohnraumnachweis)
  • パスポート
  • パスポート用写真
  • 手数料(多くても100ユーロ程度)

ビザによって

就労ビザ

  • 雇用契約書
  • 労働局への提出書類
  • 雇用形態証明書  など

語学ビザ / ワーキングホリデー・ビザ

  • 語学学校での証明書(語学ビザ)
  • 生活費の証明(閉鎖口座の残高)  など

フランクフルトの「外国人局」について

フランクフルト中央駅の隣にあるガルルスバルテ:Galluswarte駅から徒歩で15分程のところに外国人局はあります。
外国人局ての手続きは受付での対応と担当者と直接やり取りをする2段階にわかれています。受付への予約ができないため、フランクフルトの外国人局では列に並び順番を待たなければなりません。長いときは2時間程待つときもありますので、時間やタイミング、運が重要になります。
フランクフルトの外国人局の入口横には主となる書類(ビザ申請用紙、労働局への提出書類、雇用内容の証明書)が置いてあるので長い時間並ばなくても書類をもらうことができます。長い時間並んでも受付での対応は、必要な書類をもらい、「これを書いてまた来てください。」と言われて終わることがほとんどです。ですので、事前に必要な書類を調べ、持っていけば最初に並んで書類をもらう手間がはぶけます。必要な書類を受付に提出したら、その場で外国人局内での手続きに進むこともありますが、ほとんどは「次の手続きまで連絡・手紙を待ってください。」と言われその日は書類を提出のみで終了します。
その後は指示に従い手続きを進めていきます。

まとめ

ドイツ:海外に滞在するにおいてビザ(滞在許可証)はとても重要です。手続きは早め早めに行いましょう。
また手続きに時間がかかったり、なかなか担当者などから返信が来ずに有効滞在期限ギリギリという状況や最悪間に合わないということもあり得ます。その際には仮ビザを発行してくれることがほとんどですので、期限がギリギリの方はまずは外国人局に行って手続きを開始して、必要に応じて仮ビザ(Fiktionsbescheinigung)を発行してもらいましょう。
近年難民問題や時代の流れなどによってビザ取得の条件なども変わってきています。常に情報収集を行い、最新の情報を手に入れましょう。

参照

ドイツ連邦共和国大使館・総領事館

  • フランクフルト・アム・マイン外国人局
    Frankfurt am Main Ausländerbehörde

  • 住所:
    Ausländerangelegenheiten
    Ordnungsamt
    Kleyerstraße 86
    60326 Frankfurt am Main

  • 営業時間:
    月 08:00 - 13:00
    火 定休日
    水 07:30 - 15:00
    木 13:00 - 18:00
    金 07:30 - 12:00