イタリア・フィレンツェの滞在が決まったら早速ビザ取得が必要となります。
ここではイタリアのビザの種類、取得方法をご紹介します。

イタリアの長期滞在について

イタリアのビザは、イギリスや他の国と比べると比較的に取得しやすい傾向があります。
しかし、ビザはあくまでもに他国へ入国の際に必要な書類であって、イタリアのシステムでは、イタリアに91日以上の長期滞在を予定している方は、ビザ以外にも必ずペルメッソ・ディ・ソッジョルノ(permesso di soggiorno)と呼ばれるイタリアの滞在許可証を現地の警察署(クエストゥーラ)で取得する必要があるので注意して下さい。

イタリアのビザについて

イタリア共和国と日本は、シェンゲン協定と呼ばれる、加盟国相互の通行自由化と手続き簡素化を目的とした共通滞在協定が結ばれています。あらゆる180日の期間内で最大90日間の短期滞在目的ならば、出国前にイタリア大使館か領事館に行ってビザを取得する必要がありません。いわゆる「観光ビザ」と呼ばれるビザが日本国籍のパスポートをお持ちの方ならば全て通用すると言う事です。原則としては、パスポートの有効残存期間が90日以上必要です。

イタリアに91日以上の長期滞在を目的として初めて入国する方は、出国前事前にビザを取得する必要があります。

就学ビザ

イタリアに留学目的で長期滞在を希望する方に適用されるビザです。
必要書類

  • ビザ申請書
  • 証明写真(縦4.5cmX横3.5cm)
  • パスポート(帰国予定日より数えて残存期間90日以上)とそのコピー
  • 住民票 ・ 海外傷害保険の契約書(医療費の項目が無制限で、イタリア全滞在期間中の医療費をカバーしたもの)
  • 留学の資金が入っている本人名義の預貯金口座の通帳とそのコピー(留学資金の提供者が親の場合、親の通帳、所定の保証書、実印印鑑登録証明の提出が必要)
  • 住居に関する証明書(賃貸契約書、または家主からの受入れ承諾書、受け入れ先学校の住居提供証明書など)

語学留学だけの目的の場合は、更に以下の書類が必要です。

  • 入学許可書の原本(受講授業時間数が週20時間以上であることの証明、受講料が支払い済みであることを明記したものが記載されているかどうかを必ず確認して下さい。)
    • 学校側が、就学ビザの適用認可を受けていることを証明する書類

就労ビザ

イタリアで就労目的で長期滞在を希望する場合、就労ビザの取得が必要です。
必要書類

  • ビザ申請書
  • 証明写真(縦4.5cmX横3.5cm)
  • パスポート(帰国予定日より数えて残存期間90日以上)とそのコピー
  • 住民票
  • 移民統合事務局(SPORTELLO UNICO PER l’IMMIGRAZIONE)発行の労働許可書

既に雇用先がある場合は、以下のような書類が必要です。

  • 住居に関する証明書(賃貸契約書、または家主からの受入れ承諾書)
  • 預貯金通帳とそのコピー
  • 雇用主からのビザ発給申請書
  • イタリアのパートナーからの招待状(滞在期間・目的・活動など詳細を明記したもの)

家族ビザ

家族ビザを所有している世帯主は、居住予定地の県庁内にある移民統合事務局(SPORTELLO UNICO PER l’IMMIGRAZIONE)に申請する必要があります。 申請後、移民統合事務局から許可書がイタリア大使館に届いていることを確認し、家族ビザ申請者は、必要書類をもって大使館、または領事館でビザ申請の手続きを行います。
必要書類

  • パスポートとそのコピー
  • ビザ申請書 ・ 証明写真(縦4.5cmX横3.5cm)
  • 住民票
  • 日本国外務省のアポスティル証明付「戸籍謄本」とそのイタリア語訳

イタリアのビザを申請できる場所は、在東京イタリア大使館、または在大阪イタリア総領事館です。必ず申請者本人が申請をしに行く必要があります。ビザ申請は、出発の90日前から可能です。

在東京イタリア大使館
東京都港区三田2-5-4
03-3453-5291

在大阪イタリア総領事館
大阪市北区中之島2-3-18
中之島フェスティバルタワー17階
06-4706-5841

イタリアの滞在許可証(ペルメッソ・ディ・ソッジョルノ)について

日本から出国し、イタリアに91日以上の長期滞在を目的として入国する際はビザのみで入国が可能ですが、イタリアのシステムではその後、必ずペルメッソ・ディ・ソッジョルノ(permesso di soggiorno)と呼ばれるイタリアの滞在許可証を所持していないと不法滞在とみなされる場合があるので注意して下さい。

イタリアの滞在許可証(ペルメッソ・ディ・ソッジョルノ)の効力はパスポートの次に重要な効力とみなされ、ビザが切れた後でも滞在許可証の期限があれさえすればイタリアに滞在することが可能になります。申請はイタリアの居住地の県内にある「クエストゥーラ」と呼ばれる警察署で行います。申請の際は、いろいろと書類のやりとりがビザ以上に複雑になってくるので事前に必要事項を確認して申請する必要があります。

ペルメッソ・ディ・ソッジョルノ(permesso di soggiorno)の申請方法

ペルメッソ・ディ・ソッジョルノ(permesso di soggiorno)は基本的に、イタリアについてから8日以内に手続きを済ませることがイタリアの政府から義務づけられています。しかし、イタリアのシステムがほとんど分からないまま入国する日本人の中には、その義務を全く知らず後になって申請しに行くというケースがほとんどなので安心して下さい。

ペルメッソ・ディ・ソッジョルノ(permesso di soggiorno)の申請に必要な書類は、滞在目的にもよって異なるので、自分が当てはまるものをご用意してください。

申請方法はまず、最寄りの郵便局(Poste Italiane)でキット(KIT)と呼ばれる申請用紙を入手し記載、必要金額の支払い、警察署(クエストゥーラ)で滞在許可証を申請するための予約を行います。ペルメッソ・ディ・ソッジョルノを目的として訪れる郵便局は中央郵便局など、なるべく大きな郵便局に行くことをおすすめします。
警察署(クエストゥーラ)での申請予約は通常1ヶ月以上先になることがほとんどです。また、警察署(クエストゥーラ)では朝一からものすごい行列で滞在許可証申請希望の移民が待っているので、申請日時は予約時間に関わらず朝早めから訪れることをおすすめします。

必要書類

  • パスポートのコピー(ビザがある方はビザのページのコピー)
  • 証明写真(申請する県によって必要な証明写真の枚数が違います。原則1枚)
  • 語学学校・大学等入学許可証のコピー(大使館又は領事館印必須)
  • イタリアの県庁が発行した結婚証明書、または家族証明書のコピー
  • イタリア人配偶者、または家族の身分証明書コピー
  • 雇用証明書のコピー
  • イタリアの住居が証明できる書類のコピー
  • キット(KIT) イタリアの郵便局(Poste Italiane)で手に入れる必要がある、ペルメッソ・ディ・ソッジョルノ申請に必要な申し込み用紙です。記入後はキット郵送手数料 €30が必要です。
  • 16ユーロの収入印紙 タバッキ(Tabacchi)と呼ばれるイタリアのタバコ屋で購入する事ができます。
  • 滞在許可証発行代とその領収証2枚 キット記入後に郵便局で支払います。滞在予定日数によって異なります。
    • 3ヶ月から1年 €70,46
    • 1年から2年 €80,46
    • 2年以上 €130,46

その他、海外保険証明書、クレジットカードのコピー、銀行口座の残高証明書などが必要な場合もあります。

フィレンツェの警察署(クエストゥーラ)

Via della Fortezza, 17
50129 Firenze FI, Italy

まとめ

イタリアはとりわけ、書類申請などが複雑で時間がかかります。特に滞在許可証の申請は、イタリアでの長期滞在の際、最も複雑な難関のひとつです。日本のシステムとは若干異なりますのでご注意ください。