成都は中国の西南部にある内陸省、四川省のほぼ真ん中に位置する町で、日本の皆さんが三国志でよく知られる蜀の国の都でもあり、近年ジャイアント・パンダの故郷としてもかなり有名になっていると思います。

成都の医療事情

2018年の統計によると、成都市とその管轄している地域（大成都地区）の人口は1600万人と、まさに大都会になっています。かつ、人口の流入が続けており、それに見合う各種インフラー整備も整いはじめ、特に新しい団地建設ブームの中、地元病院も数多く増えてきました。
従って、「病院」という施設は十分あるとご理解して戴ければと思います。

但し、成都を含め、中国では、病院は大きい程、大変混雑しているので、待つ時間がながいのです。
医療関係役所や関連研究機構がかなり研究を積み重ねてきていますが、未だに徹底的な解決策がなく当分続くでしょう。問題の原点は医療システムにあるし、人口の多い分、高齢化や、生活豊かになると病気への怖さから少々の不調でもすぐに病院へという考え方などが推測されています。

医療システム

中国の病院は「級」でその医療施設がカバーする地域の範囲を定義しています。

• １級、地元コミュニティ（地元綜合病院としてご理解していいかと思います）、
• ２級、比較的大きい地区（ま、地元でもあるが、病院の規模が１級より大きい）
• ３級、大型医療施設（国の医学、生理学研究プロジェクトも受けている病院、日本の場合大学病院のような大型綜合病院に相当します）

日本では、地元医療施設がもっと細分化されており、例えば、内科病院、胃腸科病院、口腔科、歯科小児科のような専門病院が、中国ではまだ少ないです。
改革開放と共に、最近民営病院も増えてきて、「産婦人科」や「乳腺、甲状腺専門病院」のような専門病院も成都の町で見られるのですが、まだ少ない方です。

上記「級」の規定のほか、病院施設（人材、設備）状況によって２ランクが定められました。
それは「甲等（A級）」と「乙等（B級）」であります。

「級」の場合、数字大きい程、良いと理解され、施設状況を評価する「甲」「乙」は、当然「甲」の方が上だから、中国では３級甲等病院、略して「３甲病院」が一番だと認識されています。だから大病院である程、治療条件が優れていると思われるので患者が多く、混雑しているのです。

さて、外国人、とりわけ日本人が成都で生活される中、万が一病気の場合はどうすればいいかというと、成都市内、「科華北路」のあるビルには「グローバル医院」という医療施設があります。
英語で対応していて、日本人の場合は予約したりして、日本語通訳も手配してくれるところです。
しかし診療費用が高い上、どうしても手に負えない病気の場合、やはり大病院へ移されることになる為、中国語が少々できる方や、通訳を付けられている駐在員の方にとっては、病気の時、直接大病院へ行った方が効率がいいでしょう。

「え？そんな混雑な病院で、待つだけでも病気が酷くなるじゃないか」と思いますよね。
そこで大病院の病院施設の中の別病棟で「国際部」という外国人一般外来受付窓口を設けてくれています。北京や上海でほぼ普及されていますが、成都の場合は、「華西医院」（実は華西医科大学病院で、「３甲病院」）に「国際部」があるのです。初診料は普通の10倍（200人民元程度）と高いですが、比較的広々、静かな別病棟で診療を受けられます。

普通の風邪や熱など小さな病気なら、病院へ行って薬でも処方してもらっていいのですが、気になる病気の場合、北京の「中日友好病院」へ行くか、帰国して診療することをお勧めします。

医療保険

中国では「医療保険」という、日本の「健康保険」に相当するものがあります。中国のどこに滞在していたとしても加入した方がいいです。　

成都で日本語が通じる病院

予防接種や健康診断も受け付けているようです。

成都おすすめの「3甲病院」

以下、ご参考にいくつか成都の「３甲病院」をご紹介します。

救急車を呼ぶ

救急車を呼ぶ時の電話番号は「120」です。
（業務下請けされたものが多いため金銭トラブルをさけるには、事前に値段を聞いた方がいいです）

まとめ

成都は大都会として、総綜合病院の数と設備の状況はどこにも負けないと言えるでしょう。
しかし、サービスというソフト面ではまだ遅れています。
上記でご紹介した病院のほとんどは、おそらく英語の対応でも期待できないかと思います。日本語で対応してくれるのはまずないと認識しておいて下さい。
従って、成都に滞在される方、特に個人単位でご滞在の場合、事前に現地で日本語のできる人を確保するか、日本語のできる友だちを作っておくことをお勧めします。
それでは、また次回お会いしましょう。