成都の地下鉄乗り方ガイド(路線図・料金・切符の買い方・乗り換え)
【中国・成都在住者執筆】成都旅行へ行く前に読めば安心! 地下鉄の乗り方を徹底的に解説します。路線図や乗り換えアプリ、料金体系、交通カード、実際の乗り方をご紹介します。終わりにはQ&Aをまとめました。
▲安全装置である「隔離扉」はすべての駅で設置されています。
東京の地下鉄、銀座線100年の歴史に比べ、成都の地下鉄1号線は来年、2020年の9月に開通10年記念日を迎えるぴかぴかの一年生です。しかし成都の地下鉄は1985年に立案され、2005年建設工事開始されるまでの積み重ねがあります。成都の地下鉄は1号線が開通されて以来、平均年1本(0.75本)の勢いで、地下鉄網は日々膨らんでいき、2019年の現在、計画された「米」の字の地下鉄路線とそれを囲む環状線がすでに運営されています。
成都の地下鉄の基本情報
成都は近代大都会を目指してインフラ建設などを進めている一方、観光名所としての成都をもアピールしています。この地下鉄路線図は「成都双流国際空港」を始め、ほとんどの市内観光名所を網羅してくれました。成都の地下鉄路線は「米」状になっていて、地下鉄1号線は南北線、4号線は東西線、3号線は南西から東北、2号線は東南から西北、そして7号線は環状線(東京の山の手線)というイメージです。
成都の地下鉄1号線 ※路線図内の紺色のライン
地図の真ん中紺色、成都を縦貫する路線。北には「四川省庁」、南はIT産業集中する「ソフト工業団地」を結ぶ大動脈です。
「天府広場駅」
1号線「天府広場駅」で下車すると、そこが成都の中心部とされています「天府広場」に到着、広場の西側に省図書館、成都市博物館、北側には「外国人出入国管理局」の庁舎があります。
そこから散策として20分ほど歩くと繁華街の「春熙路」までいけます。
「錦江賓館(老舗豪華ホテル)駅」
天府広場の南へ、1号線で「錦江賓館(老舗豪華ホテル)駅」で下車すると「錦江賓館]グルメや水泳、ジム、美容などや「岷山饭店(わりと新しい観光ホテル)」がすぐそばです。それにビジネスパーソンがよく訪れるのは、1号線の南の方であるかもしれません。
「五棵松方面」
1号線に乗り南(五棵松方面)へ行くと、日本人の皆さんに有名な「桐梓林駅」や長距離電車発着ターミナルである「火車(汽車)南駅」そして各種大イベントを催される国際展示場のある「世纪城駅」、IT産業が集っている「天府三街駅」と「天府五街駅」などがあります。
成都の地下鉄2号線 ※路線図内のオレンジ色のライン
2号線は成都の南東方面から北西方面を貫く距離の長い路線です。南東の終点「竜泉駅」駅は、トヨタをはじめ、いろいろな重工業外私企業が集っています、したがって、この線路は明らかに朝はくだり、夕方はくだり電車が通勤者の移動でとても混み合っています。そして、2号線は成都の一番立派な長距離電車発着ターミナル「成都東駅」でも停車します。
▲地下鉄地上出口
▲地下鉄2号線「成都東(客)駅」改札前の風景
成都の地下鉄3号線 ※路線図内のピンク色のライン
3号線は成都の南西から東北へゆく路線です。途中繁華街の「春熙路」(ここは成都の銀座と考えればイメージが浮かんでくるかもしれません)のほか、成都の名刺ともなる、ジャイアントパンダの集住地「成都ジャイアントパンダ繁殖基地」がある、「パンダ大道駅」があります。そちらへ行かれる方は地下鉄でもアクセスできると、選択肢のひとつとして覚えておいていいかもしれません。そして3号線の「省体育館駅」で1号線に乗り換えすれば、成都の南北へと移動できますし、「太平園駅」で10号線に乗り換えすると空港へアクセスできます。
成都の地下鉄7号線 ※路線図内のみず色のライン
成都の山の手線です。成都を一回りしています。「一品天下駅」を出ると、グルメのレストラン街にはいります。全国いろんな味の料理が集っているところで、毎晩、ここは食客たちで賑わっています。
また、「金沙遺跡博物館」もこの駅で下車すると便利でしょう。※当然地図を参考にして別の路線でもいけますが……
成都の地下鉄10号線(空港線)※路線図内の青色のライン
10号線は空港専用線のように理解すればいいと思います。「成都双流国際空港(第二ターミナル)」から「太平園駅」までの区間しか開通されていないからです。
従いまして、市内から地下鉄で空港へ移動される時に、まず地下鉄3号線や7号線の最寄駅を見つけ乗車し、「太平園駅」で10号線に乗り換えします。
▲上の写真は「太平園駅」構内の10号線乗り換え通路
▲上の写真は空港第一ターミナルから市内への電車到着した場面。(10号線空港での終点は空港第二ターミナルです)
成都の地下鉄の乗り方・切符の買い方
まず成都地下鉄の駅、地下鉄のロゴを知りましょう
地下鉄の駅は画像のように、みな同じ形で建てられているので見つけやすいです。ほとんどの駅にはエスカレーターがあり、のぼりくだりともに便利ですが、「急ぎの方左からあるく(東京タイプ)、立ったまま降りる方は右」というルールがありませんので、両側が塞がってしまっている場合は、お急ぎの時は、「すみません」といって、通ればよいのです。(これはこちらのマナーです)
切符(トークン)の買い方
▲券売機
切符は5人民元以内でほとんどのところへいけるでしょう。
ご参考までに、双流国際空港から「春熙路」まで5人民元、空港から「桐梓林」まで5人民元です。
タッチパネルで到着駅をタッチすると運賃が表示され、金額を右側にあるコインやお札の入口に入れると、カードのようなプラスチック切符がでます。それを持って乗車してください。
※地下鉄に乗るために、細かいお札、例えば5人民元、または1人民元のコインを用意すればいいでしょう。
そして、比較的長期的滞在される場合、右の交通カード(名前は「天府通」)を購入すれば便利でしょう。
カードは最近駅の自動販売機でも買えますし、使うと10%割引あります。(例えば現金払い5人民元の運賃の場合、カードを利用すると4.5人民元)、写真右は「天府通」カードです。
便利な「天府通」交通カードの購入方法
このような「天府通カード」販売機が駅に設置されており、ここでカードの購入とチャージができます。カード代でデポジットとして50人民元が必要です。
使わない時にカードの換金やチャージした金額の返却等、駅の窓口ではなく、特定場所にある「天府通」販売窓口で手続きしなければならないので、ひとつの留意点として覚えて下さい。
乗り方を知りましょう(改札・乗車・下車)
乗る前に切符を買う場合は券売機へ向かい、カードを使われる方は直接改札へ移動してください。
そして日本と違う点として、飛行機に乗るときのような安全検査を受けます。成都だけでなく、中国全国皆同じで徹底的です。
すべての手持ち荷物をレントゲンで検査を通します。また液体のもの、お茶や水でも、検査員の前で蓋を開けて、検査を受けます。時にはトランクを持っている人も見られますが、例外なくレントゲン検査を受けます。
いかなる理由でも、酸素ボンベなどのものは持ち込み禁止とされるので、ご注意下さい。
もしかしたら観光名所の「九寨沟」へ行く予定の方もいらっしゃるかもしれません。そのために用意された登山用酸素ボンベをお持ちなら残念ながら地下鉄には乗れませんので要注意!
安全検査をパスしてから改札口で、切符の場合も、交通カードの場合もタッチするだけで入れます。
駅を出る時には、切符の場合は差し入れ口にカードを入れて(回収されます)改札を出ますが、交通カードをお使いの方は、タッチするだけで扉が開き、改札を出ます。こちらは東京のスイカの使い方と同じです。
成都の地下鉄に乗る前に知っておくと便利なQ&Aと注意点
空港から市内へ移動する場合、地下鉄のほか、タクシー、空港リムジンバスなどの交通手段もあります。大きい荷物をお持ちの方は、タクシーで市内へ移動されることをお勧めします。
ここではバリアフリーやエスカレーター、駅と施設(ホテルや観光地等)との接続通路などの整備がまだまだ不十分なため、大きい荷物を持ちながら移動するのはとても大変です。
関連記事:「成都の双流国際空港から市内へのアクセス方法・手段ガイド」
Q:始発、終電は?
地下鉄の始発は朝6時15分で、終電は23時です。
Q:市内から直接空港にいけますか?
「太平園駅」で10号線に乗ります。終点が空港です。
Q:間違って改札を出てしまったら?
間違えて改札を出てしまえば、改めて券を買って入って下さい。
(交渉するのに時間がかかるし、ほとんどの場合は無理に決まっているので、時間を大切にしましょう)
Q:忘れ物をした場合は?
可能な限りしないように整理整頓しましょう。忘れものがあれば駅の係員に申し出下さい。
Q:コインロッカーはありますか?
駅にはコインロッカーはほぼないようで、安全検査も厳しいので、地下鉄で出かけるときにはできるだけ荷物を最小限にしておいた方がいいでしょう。果物ナイフ、スプレーのようなものの持ち込みは禁止されるので、日本と違っていくつか不便がありますが、必ず航空便手荷物の基準で一度中身をチェックしておいて下さい。
朝夕混雑の時の地下鉄利用方法
朝夕混み合っている電車に乗ってしまった場合、到着駅のひとつ前のところから扉の方へ移動して下さい。時には声を出して通させてもらいましょう。この場合は「excuse me」が効くでしょう。とにかく遠慮せず、迷惑かけるなんかを考えずに、声を出して下さい。
エアコン
夏、暑くなりますと、電車のエアコンは全開です。車両の設計上、冷たい風が迂回させられずにまっすぐ頭や特に首の後ろの方に直撃、ご年配な方や女性の方、子供たちには注意が必要です。
体調を崩さぬよう気をつけてください。
まとめ
成都は三国時代蜀の国として皆様ご存知の通りですが、近代的新しい大都会を目指して猛スピードで突き進んでいます。高層ビルや、地下鉄、バスターミナル、新幹線や各種遠距離電車の発着駅ターミナル、国際空港等交通インフラが完備している中、いままで「のんちゃんの蜀の民」と言われる成都人は大きく変わっています。しかし、歴史的積み重ねのあるこの町で8年間暮らすと、「時間的な余裕は精神的な楽しみをもたらし、精神的な楽しみは疲れを一掃し、仕事ももっと感性的に快適にしてくれる」と思います。したがって、観光でこられる方は、散策として地下鉄をご利用下さい。心得としては、朝の10時以後、午後の5時前で電車に乗ってぶらりと、とにかく快適な成都ご滞在を楽しんで下さい。
それでは、また次回お会いしましょう。