常夏の青い空、エメラルドグリーンのきれいな海と白い砂浜。セブは一度来たら忘れられない、魅力いっぱいの自然を満喫できるところです。それに加え英語圏であるため世界中から多くの語学学校や企業のコールセンターが存在します。語学留学などで訪れた日本人がそのまま長期滞在をしてしまうななどということも珍しくありません。また、温暖な気候のため老後に移住して来られる方もたくさんいます。
今回はそんなフィリピン・セブで安心して生活するために大切なビザについてご紹介いたします。

なお、ルール・申請書類等は頻繁に変更がありますので、各種ビザ申請の際には、まず直接現地イミグレーション(入国管理局)などに確認されることをお勧めいたします。
Bureau of Immigration(イミグレーション)

30日間はビザ無しで滞在可能

日本人はビザ無しで入国でき、空港の入国審査で30日間の滞在許可がもらえます。つまり、フィリピン入国する場合、事前にビザを取得する必要がありません。ただし、下記の条件をクリアする必要があります。

  1. パスポートの有効期限が滞在期間+6ヶ月以上であること
  2. フィリピン入国時に、有効な往復航空券または第3国への航空券を所持していること (帰国の予定などが決まってない場合でも航空券が必要ですので準備しておく必要があります。滞在期間を延長する場合は入国後に航空券をキャンセルや日程変更などで対応。)

なお、30日以上の滞在が可能な観光ビザを出国前に日本で申請する場合はフィリピン大使館で取得できますが、必要書類が多く手間と時間がかかります。また、取得後3ヶ月以内の渡航が義務付けられます。そのため観光ビザの取得および滞在期間の延長はフィリピンに入国後に申請する方法が一般的でおすすめです。

【日本で観光ビザが申請できる場所】
フィリピン共和国大使館領事館
住所:〒106-8537東京都港区六本木5-15-5
TEL:03-5562-1600
在大阪・神戸フィリピン総領事館
住所:〒540-6124大阪府大阪市中央区城見2-1-61 Twin21 MID Tower 24F
TEL:06-6910-7881

30日以上の滞在は観光ビザの取得と延長で対応

フィリピンに入国後30日以上滞在する場合は観光ビザ(9A)の取得が必要となります。
観光ビザは59日間以内の滞在が可能なツーリストビザです。60日目以上滞在する場合は現地で延長費用を支払い延長することになります。最長3年まで延長が可能です。
セブで観光ビザを申請および延長する場合、セブにあるImmigration(入国管理局)で手続きが可能です。

フィリピンで観光ビザを申請する場合、多少費用がかかりますが、日本で取得するよりも必要な書類が少なく手続きもさほど難しくありません。また、その場でビザの発給を受けられるので便利です。
30日以上の長期滞在に延長などの場合も、フィリピンでの手続きで十分対応可能です。

【30日以上の滞在延長】

【申請場所】
CEBU IMMIGRATION DISTRICT OFFICE
住所:2nd Level J Centre Mall, A.S Fortuna St., Bakilid, Mandaue City, Cebu 6014
TEL:(032) 345-6441
【必要書類】
パスポート(延長日まで有効期限があること)
証明写真(2インチ×2インチ、背景は白)…1枚
ビザ申請書(窓口でも取得可能)
【費用】
約7,000円

観光ビザの取得手続きは、フィリピンに入国して30日以内に行う必要があります。遅滞すると、ペナルティが課されます。

初回の観光ビザの取得では59日間の滞在が認められます。60日以上滞在するときは、イミグレーションで延長の手続きを行う必要があります。
2回目以降の延長手続きでは、延長期間を30日間かそれ以上かを選ぶことができます。長く滞在することが決まっていれば、長期間の延長を申請すると割安になります。
また、60日以上フィリピンに滞在する場合には、ACR-Iカード(外国人登録証)の取得が義務付けられており、ビザ延長と同時に申請手続きが必要です。

【60日以上の滞在延長】

【申請場所】
CEBU IMMIGRATION DISTRICT OFFICE (申請時と同じ)
【必要書類】
パスポート
ビザ延長申請書(窓口でも取得可能)
ACR-Iカード申請書(窓口で取得)
ACR-Iカード申請用の証明写真(2インチ☓2インチ、背景は白) 1枚
【費用】
2回目の観光ビザ延長(滞在可能日数89日)…約9,500円
3回目の観光ビザ延長(滞在可能日数119日)…約5,500円
ACR-Iカード申請費…約8,000円

観光ビザの延長手続きは、現在のビザの期限が切れる前に行う必要があります。
なお、17ヶ月以降の滞在延長には、入国管理局長の承認が必要です。
ACR-Iカードの期限は1年間です。ビザが切れる前に、ビザの延長と同様に更新手続きが必要です。

また、6ヶ月以上滞在した場合は、出国時にECC(Emigration Clearance Certificate) - 出国許可証 を取得しなければなりません。これもイミグレーションで発行されます。フィリピンを出国する予定の1週間前までにECCの発行手続きをする必要があります。

その他に必要なビザ

Special Study Permit [SSP] -(特別就学許可証)

語学学校に就学する場合は観光ビザの他にSSPが必要となります。入学証明などの書類も必要なため、通常は入校するする語学学校で申請してくれます。SSPの有効期限は6ヵ月。滞在期間が6ヵ月を超える場合は再度申請が必要になります。また、学校ごとの申請になるため、学校を変更した場合は変更した学校で新たに申請が必要となります。

Student Visa [9F] -(学生ビザ)

フィリピンの大学・大学院など高等教育機関の正規学位課程に入学する場合に取得するビザです。入学希望の学校から入学許可を得た後にフィリピン外務省・在日公館に必要書類を提出すると、在外フィリピン大使館又は、領事館より発給されます。フィリピンに来てから、大学側が申請してくれる場合もあります。ビザの取得については大学側に事前に確認しておく必要があります。医学・歯学の場合は高等教育委員会(CHED)の入学資格認定証明書が必要です。

Pre-Arranged Employee Visa [9G] - 労働ビザ

フィリピンで働くには、9Gビザの取得前に、まずAEP(外国人雇用許可証)の取得が必要です。必要書類をDOLE(労働雇用省)に提出し雇用主とともに面接を受け問題なければ発行されます。次に9Gと呼ばれる就労ビザおよびACR-I(外国人登録証)の申請を行います。必要書類をImmigration(入国管理局)に提出。9GもAEP同様に面接があり問題なければ後日ImmigrationのHPで開示され、確認後パスポートにスタンプを押印してもらいます。ACR-Iは9Gとは別に通知があり取得します。
いずれにしても取得において各役所の窓口スタッフや体制のレベルが低く手間と時間がすごくかかるため信頼できるエージェントを介し手続きしたほうがいいと思います。

Special Working Visa - 特別研修査証

ビザ免除もしくは観光ビザにてフィリピン入国後、現地のイミグレーションオフィスにて申請発給される特別ビザ。フィリピン国内において無報酬の労働をしていることが条件となり、現地で報酬を得る就労を行うことができません。
主に研修や技術指導等が対象となり、滞在可能日数は最長で3ヶ月ですが毎月更新する必要があります。
ただし、実際には現地で観光ビザの滞在延長を申請すると最大で半年間滞在することができるため、あまり必要とされるケースのないビザともいえます。

Treaty Traders Visa

主に出張や商談のためのビザで、フィリピンの受け入れ企業等からの招待状が必要となり、現地での報酬を受け取る就労活動はできないことが条件となっています。
滞在可能日数は観光ビザと同じ59日間で、滞在延長規定も同じように定められています。フィリピンで働くためには、就労ビザである9Gを取得し、さらに就労許可を取る必要があります。
注意しておきたいポイントとして、就労査証は就労を目的とした滞在ビザであり、たとえ就労ビザを取得していても、実際に働くためには就労許可証が必要となります。
現地企業に就職し、招聘される条件のもと、会社のビジネス内容や雇用の計画、資本金を主とした会社の規模、また本人の役職や職務の内容といった総合評価を考慮され、最大で3年間の滞在許可がおります。
ただし、滞在可能日数は人によって異なり、延長手続きが必要となります。なお、就労許可証は毎年更新する必要があるため、注意が必要です。また、同伴家族も同様のビザ申請が可能です。

永住のためのビザ

Quota Immigrant Visa

年間それぞれ各国50人のみに限定し発給される、永住も労働も可能なフィリピンビザで最強のビザともいわれる、特別優遇査証。
対象国は、フィリピンと移民協定を結んでいる日本、アメリカ、ドイツ国籍者で、フィリピンに居住している外国人が対象となります。フィリピンに居住しているという条件は、観光査証での滞在者も含まれます。
必要書類の数も多く条件やハードルが高いため年々審査が厳しくなってきています。
一般的に外国への永住権は、永住といいながら一定期間その国に住んでいなければはく奪されるという条件のものが多いですが、この特別割当移住査証は、5年間のうちに1度フィリピンを訪ずれれば維持することができる永住ビザですごく利便性が高いと言えます。

Special Resident Retiree’s Visa [SRRV] -(特別居住退職者査証)

リタイアメント用の特別永住権ビザです。ただし、リタイアメントビザといっても35歳からの取得が可能であるため、日本人を含む多くの外国人に人気の高いビザです。
条件としては、フィリピン退職庁の指定銀行に半年以上の定期預金を行う必要があります。申請時の年齢によって必要な定期預金の金額は異なり、半年間を過ぎても常時定期預金は使用することなく預金しておく必要がありますが、ビザの解除時には全額返金されます。
特別永住権査証の場合、外国人就労許可証を取得することでフィリピンでの就労も可能です。また、このビザでは同伴家族として配偶者または21歳未満の子どもを2名までであれば、追加預金なしで同伴させることができ、フィリピン国内での通学も可能です。
大きく3つの種類があり、一般的にはクラシックかスマイルとなります。

1.CLASSIC

  • 50歳以上は20,000USドル(年金受給者は10,000USドル)
  • 35~49歳の場合は、50,000USドル
  • 預託金は、退職庁が指定するコンドミニアム購入に転換することが可能
  • ビザ発行の30日後から投資に転換することが可能

2.SMILE

  • 35歳〜49歳の場合は、20,000USドル (一律)
  • 預託金の投資転換は不可

3.ヒューマンタッチ(介護や療養を必要とする人が対象)

  • 年金受給と健康保険などの医療保険加入が必要
  • 35歳以上の場合は、10,000USドル
  • 預託金の投資転換は不可

【その他事項】

  • ご家族(ご夫婦+19歳までのお子様)であれば、3名様まで1名様の条件にて付帯可能です。4名以降1名につき条件追加。年会費が360ドル必要で、外国人就労許可証をとれば就労が可能です。

申請は必要書類をPRA(フィリピン退職局)に提出。場合によってはマニラの本局に出向く必要があります。必要書類や流れが多少複雑なためエージェントを介したほうがスムーズに手続きが完了すると思います。

PRA (Philippine Retirement Authority) - フィリピン退職局のホームページ

Cebu Regional Office - 退職局 セブ事務所
Club Ultima Tower 3, 306 Osmeña Blvd, Cebu City, 6000 Cebu
(032) 238 8001

Special Investment’s Residence Visa [SIRV] - 特別投資家査証

年齢を問わず、75,000USドルを投資するとフィリピン投資委員会により発行されるビザ。株式投資のほか、コンドミニアム等の不動産購入による投資でも可能です。
滞在可能日数は無制限ですが、毎年更新する必要があります。75,000USドル以上の投資が継続されている間は、居住の許可のほか、別途許可を得る必要がありますが就労することも可能です。

Mon-Quota Immigrate Visa [13a, 13b] - 結婚・永住移住ビザ

結婚用・永住移住査証はフィリピン人の配偶者がいればかなり簡単に取得することができます。預金の証明や、移住歴も必要ありません。

  • 結婚して初年度は仮ビザが発行される(13a)
  • 2年目の申請時にビザが発行される(13b)
  • 発給申請の前に海外居住フィリピン委員会が主催する「婚前講座」への参加が必要 また、滞在可能日数は、原則として婚姻関係が続く限り永住することができます。

まとめ

フィリピンのビザの主だったものを紹介させていただきました。
滞在の期間や目的に合わせビザを取得することは思いもよらないトラブルに巻き込まれないためにも大切なことです。また、フィリピンはまだ発展途上国の部分が多く残っており、多少いい加減な部分や、のんびりしたお国柄もあります。(実際、外国人登録証が申請後、半年たっても届かない、などという話はよくあります)余裕をもって早めに手続きすることが必要です。
また、公的機関でも相手によって金額や手間が違ったりすることがあリます。多少費用がかさみますが留学する学校や信頼できるエージェントを介して続きした方が確実ということもあります。各種手続きする場合は知人に相談したりインターネットなどで下調べをしてから状況に応じた選択をすることが大切です。