フィリピン・セブ島は自然を満喫できる観光地です。そして英語圏であるため英語などの語学学校や世界中の企業のコールセンターがあり、長期滞在を検討されている方も多いと思います。そんな方々にいざというときに役立つセブの医療事情をお伝えしたいと思います。

セブの医療について

フィリピンの医療保障制度

フィリピンの医療保障制度(日本の健康保険のような制度)はフィリピン人全体の約7割の社会保険料を支払っている人のみ適用される制度です。それでも高度な治療を受けるのには保証額が少ないため裕福層（全体の約2割）の多くは公的医療保証制度のほかに民間の医療保険に加入しています。保険に加入していない人は、治療の都度支払いをしなくてはならず、そのためお金のない人は治療してもらえないこともあります。たとえば、公的病院では、ドクターの診察後、処方箋に基づき病院内の薬局で点滴や注射針を購入し、その後に治療室で処置してもらう流れです。現地の人は医療費が高額なためあまり病院に行きたがりません。

フィリピンの大きな私立総合病院ではアメリカやオーストラリアなどの海外経験もある優秀なドクターが在籍し、先進医療を行う設備も備えてあるため医療レベルは高いといわれています。しかし、ローカルの病院では、ドクターのスキルがあまり高くなく医療施設も整っていない場合があります。
また、中小規模の病院では、建物は医療施設であり何人かのドクターがその施設を借りて営業していたり、フリーランスのドクターが隔週の曜日ごとに出張し診療していたりします。
したがって、フィリピンで重症の受診・治療をするときは、病院選びがとても重要です。

また、軽度のけがや病気の場合の医療費は日本より安価ですが、高度の治療や手術などを日本と同じレベルでする場合は日本よりも高額な医療費が必要となります。海外医療保険などに未加入であれば、入院や手術の前に保証金の支払いが必要です。特に長期滞在の場合は渡航前に海外医療保険への加入を検討したり、クレジットカードに付帯している保険をあらかじめ確認することをお勧めします。

なお、１年以内の短期滞在者は、フィリピンでも日本の健康保険が使えます。ただし、現地で直接適用を受けられるのではなく、その場では全額の医療費を支払い、必要書類と領収書を持ち帰って日本で申請し、後日、保険分が返金されるという流れになります。

日本語で対応可能な総合病院

ジャパニーズヘルプデスク(JHD)

セブにはジャパニーズヘルプデスク(JHD)を通じ日本語で病院の予約・診療が可能な病院がありますので紹介します。
※ジャパニーズヘルプデスクとは保険会社が提携する民間企業で診療や保険適応のサポートをしてくれます。保険に加入していればキャッシュレスでの対応が可能です。

セブドクターズホスピタル（Cebu Doctors’ University Hospital）

セブドクターズ大学の附属病院。高度な医療施設と技術を兼ね備えている病院です。セブの中心部に位置しジャパニーズヘルプデスク専属のドクターもいるため英語が不得意な方も安心して受診できます。

セブチョンワホスピタル マンダウエ (Cebu chong hua mandaue hospital)

1909年開院という歴史ある病院で、2016年マンダウエエリアに癌センターを備えた総合病院をオープンしました。セブでは最大規模の病院です。ジャパニーズヘルプデスクは新しくできた総合病院内にあります。

UCメディカルセンター(University of Cebu Medical Center)

2015年にオープンしたセブ大学医学部の附属病院です。最新医療を受けることができます。

まとめ

フィリピン セブでは日本と同様の医療を受けることが出来ますが、保険に未加入の場合は日本よりも多額の支払いが必要となります。フィリピンは水質が良くないので飲料水は必ずミネラルウォーターにしたり、ある程度衛生管理の行き届いたレストランで食事するなど、まずは食中毒に注意してセブの自然を満喫してください。万が一の時は上記を参考にしていただければ幸いです。