自由の国アメリカと呼ばれていますが、医療に関してはとても自由とは言えない厳しさがあるのが現実です。日本では国民全員が国民皆保険に加入しているため、体調が悪くなったら好きな時に好きな病院に行けば診察してもらえますが、アメリカではそうはいきません。ここでは、日本とは違うアメリカの医療関連の解説に加え、ボストンで日本人医師が対応している病院をご紹介します。

アメリカの医療保険について

医療保険への加入は任意

なんと、アメリカでは医療保険への加入は任意なのです。現にアメリカ国内の民間医療保険への加入率は70%ほどで、ここからも全国民強制加入の日本とアメリカとの間に大きな違いがみられますね。しかし、任意だからと言って保険に加入しないと、もしものときに大変な目にあってしまいます。アメリカの医療費は、日本と比較してかなり高額と言われています。自分は健康だから…と過信せずに、万が一に備えて必ず保険に加入するようにしましょう。

加入する保険によって診てもらえる病院が異なる

また、注意しなくてはならないのが、加入する保険の種類によって診療してもらえる病院が変わってくることです。基本的に、加入する保険会社と契約している医療機関でないと保険が適用されないか、自己負担額が増えてしまいます。病院に行く前に保険が効く医療機関かどうか確認されることをお勧めします。不安な場合は、直接保険会社に連絡して、確認しましょう。

二大医療ネットワーク - PPO/HMO

保険はその種類によってカバーされる範囲や自己負担額が異なります。保険を選ぶ上で知っておいた方が良いネットワークについてご紹介します。保険プランを選ぶ際に、保険名にPPOやHMOという文字が含まれることがあると思いますが、これらは保険ネットワークの種類を表しています。

  • PPO(Prefered Provider Organization) :契約したネットワーク内の医療機関であればいかなる機関でも診察を受けることができます。受けられる医療の選択肢を考えるとHMOと比較して圧倒的にメリットがあります。ただし、自己負担額が高くなる点がデメリットです。
  • HMO(Health Maintenance Organization):主治医を決め、必ずその主治医を通して治療を受けます。専門医の紹介も主治医から紹介してもらって初めて受けられます。二度手間という点でデメリットですが、その代わりに自己負担額が少ない点がメリットです。

医療のクオリティを求めるならばPPO、医療費優先ならばHMOがお勧めです。最近では主治医を決めなくても良いHMOや、地域が限定されたPPOなど、変形型のプランも増えてきているようです。ご自分にあったプランを探してみてください。

ボストンで日本人医師が対応可能な病院

保険に加入してみたはいいものの、自分の症状を英語で伝えるのはとても難しいです。診察時間が限られているお医者さんにとっても、スムーズな診察が理想的でしょう。診察を受ける前に医療通訳をお願いすることもできますが、今回はボストンで日本人医師がいらっしゃる病院をご紹介します。

St. Elizabeth Hospital

ボストンにある総合病院です。アメリカで11の州にグループの医療施設が存在し、非常に大きな病院と言えます。日本人医師の石川先生は本病院から少し離れた場所にオフィスを構えており、ご連絡の際は以下の連絡先に繋げてください。

St. Elizabeth Hospital

  • 住所:77 Warren Street #418, Brighton, MA 02135
  • 電話番号:617.789.2563
  • ウェブサイト:https://www.semc.org/
  • 医師:石川定医師(内科)

Massachusetts General Hospital

こちらも同じく総合病院です。ハーバード大学関連医療機関の中でも代表的な病院で、信頼の厚い病院です。

Massachusetts General Hospital

  • 住所:55 Fruit Street Boston, MA 02114
  • 電話番号:617.726.2000
  • ウェブサイト:https://www.massgeneral.org/
  • 医師:Yuichi Shimada医師(内科)

Yuko Family Medicine

家庭医学を専門とするマッコルゲン裕子医師が常駐される病院です。HMOの保険プランを選択された場合にまず主治医探しがありますが、こちらの病院はかかりつけの病院として受付可能な病院です。

Yuko Family Medicine

  • 住所:1180 Beacon St. Suite 3B Brookline, MA 02446
  • 電話番号:617.566.9856
  • ウェブサイト:http://yukofamilymedicine.com/
  • 医師:マッコルゲン裕子医師(家庭医)

Mount Auburn Hospital

ケンブリッジで最初にできた病院として有名な病院です。こちらもかかりつけの病院として受付可能な病院です。宮下医師は家庭医学を専門としています。

Mount Auburn Hospital

  • 住所:330 Mount Auburn Street Cambridge, MA 02138
  • 電話番号:617.661.6225 (宮下医師への電話番号)
  • ウェブサイト:https://www.mountauburnhospital.org/about-us/
  • 医師:Hiromichi Miyashita医師(家庭医)

最後に

アメリカの医療費はとても高いことで有名です。そのため、緊急の場合でない限り、病院には行かずに薬局で市販薬を購入して治療する人が大半を占めています。アメリカの市販薬は効き目が強いものが多く、それで症状が改善されることが大いに期待できるのです。彼らに倣って、まずは薬局の薬でどうにかできないか試してみましょう。
緊急で救急車を呼ぶ場合、日本の感覚で呼んでしまうと後からの請求に驚かされます。救急車も有料であることをお忘れなく。※救急車を電話で呼ぶときは「911」と覚えておきましょう
医療保険にはお世話にならないことが一番ですが、人生いつ何が起こるかわかりません。万が一に備えて、準備万端にしておきましょう!