海外に住んでいてダントツに不安になる時。それは体の具合が悪くなった時(私の場合だけではないはず)。体調不良の中、病院やお医者さんを探すのって本当一苦労ですよね……。
まずはドイツの医療事情を理解しておくことが、いざという緊急時の備えになります。

ベルリンの医療事情について

ドイツの総合病院、大学病院などの大病院では、直接受診できる外来は基本的にありません。総合病院のような大きな病院「Krankenhaus(クランケンハオス)」は基本的に入院患者の治療を目的としているので、かかりつけ医の紹介状がある場合か、救急のときにしか行きません。
ドイツでは通常、かかりつけ医「Hausarzt(ハウスアーツト)」を持っています。日本で言う一般診療・内科の様な存在です。風邪かな、具合が少し悪いな、という時に行くクリニック的な場所です。自宅の近くに1つか2つ押さえておくと良いでしょう。
かかりつけ医(Hausarzt)で手に負えない場合、もしくは症状が診療内容に外れている場合は、専門開業医「Praxis(プラクシス)」を紹介してくれます。紹介状を持って、専門開業医(Praxis)に行きましょう。

例えば私の場合ですが、ひどい風邪を引き、咳が数ヶ月続いたことがありました。肋骨の辺りに鈍痛があり、原因不明でびくびくしていました。まさか肺炎かもと不安になり、かかりつけ医に行って事情を説明。内科の基本的な診察と、ベットに横たわり肋骨の辺りを押されたりしましたが、原因ははっきりせず。もしかしたら……ということでレントゲン専門医を紹介され、そのまま直行。レントゲン写真を見ると、何と!肋骨にひびが……咳のし過ぎで骨にひびが入ってしまったようです。そのレントゲン写真をかかりつけ医に見せに戻り、特に何もできることは無いわね、安静にしていなさい。と痛み止めを処方され、帰宅。長い1日でした。

もう待てないという緊急時の場合には総合病院(Krankenhaus)の救急外来を受診しましょう。基本的は24時間受付です。
ドイツで病院やクリニックに行く時は、あらかじめ電話をして予約を取ってから行くのが一般的です。英語が通じる事もありますが、基本的にはドイツ語になります。開業医では日本人通訳がいる病院もあるので、まず電話で確認してみると良いでしょう。

ベルリンの総合病院の情報

さて病院に行くという段階になったら、必ず保険証を持って行きましょう。ドイツでは保険加入が義務になっているので、保険には必ず加入しておきましょう。念のため身分証明書も持参すると良いでしょう。

Charité Campus Virchow-Klinikum 【シャリテー大学病院】

1710年設立のヨーロッパで最大の大学病院。各部門でのエキスパートが集まっている。広い敷地にパビリオン様式で建てられた美しい病院。一度は行ってみたい。

St. Joseph Krankenhaus 【聖ヨゼフ病院】

ベルリンで最大規模のカトリック系の病院。1928年設立、7万5千人の患者を収容可能な大型病院。
医療専門分野の1つに産科があり、年間約4,000件の分娩がある。ドイツ国内でも最大数の1つである。

  • 電話: 030 78820
  • 住所: Wüsthoffstraße 15, Berlin 12101
  • 診察時間: 24時間対応 
  • 予約: 要
  • 英語: 可
  • 入院: 可
  • HP: https://www.sjk.de/

Martin-Luther-Krankenhaus 【マルティン・ルター病院】

ベルリンで日本人が多く住むエリア、シャルロッテンブルク=ヴィルマースドルフ区に位置する病院。285のベット数。

ベルリンで最大規模のカトリック系の病院。1928年設立、7万5千人の患者を収容可能な大型病院。
医療専門分野の1つに産科があり、年間約4,000件の分娩がある。ドイツ国内でも最大数の1つである。

  • 電話: 030 89550
  • 住所: Caspar-Theyß-Straße 27-31, 14193 Berlin
  • 診察時間: 年中無休・24時間対応 
  • 予約: 要
  • 英語: 可
  • 入院: 可
  • HP: www.martin-luther-krankenhaus-bo.de/

緊急時の際には

上記に挙げた総合病院に自力で行く余裕が無い時。そんな緊急時には、迷わず他人の力を借りましょう。

緊急医(Ärztlicher Bereitschaftsdienst)派遣制度

ベルリン市民のために夜中でも週末でも自宅まで来てくれます。ドイツの保険に加入していれば、何と無料でサービスを提供してくれる力強いサポート。さすがドイツですね!

  • 電話: 116117

救急車

火事や事故が起きた場合、救出が必要な際には救急車を呼びましょう。(有料サービス)

  • 電話: 112

まとめ

海外で長く暮らすち、色々な事が起こります。日本では何とかなることも、一旦外に出るとそうはいかない事が海外では多いでしょう。そんないざという時に、すぐに対応するためには日頃の備えが重要です。

  • 自宅の近くにかかりつけ医(Hausarzt)を1つか2つリストアップしておきましょう。
  • タクシーで30分以内で行ける総合病院を2つリストアップしておきましょう。
  • 緊急時に使うサービスを携帯電話に登録しておきましょう。

海外で暮らす日本人の方達の少しでもお役にたてれば幸いです。