今や24時間365日、いつでもどこでも気軽にネットにつなげて当たり前の時代。そんな私たち現代人が、外国に来て何よりも早く初めに確保したいのもやはり通信環境ではないでしょうか。中国に来てまず初めに確保すべきは現地の通信環境!これは必ず念頭に置いておきましょう。
今回は、広州の携帯電話・スマートフォンを契約する方法をご紹介いたします。
広州でスマートフォンを購入する方法
中国では機種さえ選ばなければ、新品のスマホが数百元で手に入ります。市内には携帯電話の卸売市場もあり、安い中古品の流通も盛んです。また知り合いに譲ってもらうのも1つの手です。
中国でスマホなどの端末機を手に入れるには、主に以下の4つの方法があります。
1.広州の販売代理店やメーカー直営店で購入する
最も一般的な方法です。また広州市内各所には、大手スマホメーカー直営の「体験店(体验店)」と呼ばれるショップも出店しています。欲しいメーカーや機種が既に決まっているのなら、そういった場所に足を運んで購入するのも一手でしょう。
広州にある大型家電量販店
蘇寧易購(苏宁易购)
南京市に本部を置く中国最大手の家電量販店。広州市内には約52店舗あります。国美電器(国美电器)
北京市に本部を置く中国第二位の家電量販店。広州市内には約31店舗あります。
アップルストア(苹果零售店)
- 天環広場店(天环广场店):天河区天河路218号天環広場店1F(天河南一路方面) 営業時間:無休、10:00-22:00
- 珠江新城店:天河区珠江新城興民路222号天匯広場1F(猟徳大道方面) 営業時間:無休、10:00-22:00
ファーウェイ(华为体验店)
- 天河城店:天河区天河路208号天河城4F 営業時間:無休、10:00-22:00
- 正佳广场店:天河区天河路228号正佳广场4F 営業時間:無休、10:00-22:00
2.広州の通信キャリア各社で直接購入する
中国には「中国移動」「中国聯通」「中国電信」の三大キャリアがあり、それぞれが各地に営業所や専売店を置いています。SIMカードも合わせて購入できます。
こちらで購入するメリットとしては、正規品が購入できるので安心できること、万一壊れたり不具合があったりした時のサポート体制が整っていることです。但しその分、割高になります。
また中国においては主流とは言えませんが、日本と同じようにSIMカードとのセット契約も出来るのも特徴の一つです。日本と同じように2年程度の長期契約をすれば、通信料の割引を受けられるようになります。
中国移動(中国移动/China Mobile)
契約戸数9億人超の中国最大手キャリア。電波エリアが広く、4Gネットワークのカバー率も最も高い。日本語サポートも充実。広州には約57の営業所があります。中国聯通(中国联通/China Unicom)
契約戸数4.4億人超の業界第2位キャリア。中国移動に比べると、電波や4G通信の面でやや劣りますが、最もリーズナブルな価格設定が強みです。広州には約183の営業所があります。中国電信(中国电信/China Telecom)
契約戸数約3億人の業界第3位キャリア。もとは中国最大手の固定電話キャリアだったため、固定電話とのセットプランを提供し、お得感を出しているようです。広州には約26の営業所があります。
3.ネット通販で購入する
タオバオワン/淘宝網(淘宝网)
2003年にアリババが設立したアジア最大の通販サイト。京東商城(京东商城)
2004年に360buyの劉強東によって設立された通販サイト。元はPC機器や家電などの販売が中心でした。アマゾン中国(亚马逊中国)
前身は1999年設立の卓越網だったが、2004年に米国アマゾン社に買収され、同社の中国拠点となりました。北京市に本部があります。蘇寧易購(苏宁易购)
前述の中国最大手家電量販店のオンラインショップ。国美電器(国美电器)
前述の中国第二位家電量販店のオンラインショップ。
ネット通販を利用するには中国に銀行口座を開設していること、配達先住所が確定していることなどの前提が整っている必要があるので、中国到着直後に利用するのは難しいかもしれません。しかし一度開通させてしまえば、後の中国生活がより便利になること間違いなしですので、是非知識として覚えておきましょう。
4.広州の個人商店で購入する
スマホの価格は安いもので数百元からあり、掘り出し物を見つける楽しさがあります。また「二手手機(二手手机)」と言って中古機器の流通も盛んです。
しかし偽物や粗悪品が多く出回っているのもこのタイプの商店です。普通ではなかなか手に入らない、香港や海外モデルのスマホが格安で店頭に並んでいることも多いですが、安易に飛びつかないようにしましょう。
広州三大携帯電話卸売市場
大沙頭(大沙头):地下鉄6号線東湖(东湖)駅南側のエリア。「海印広場(海印广场)」「海印電器総匯(海印电器总汇)」などの家電量販店がひしめき合っています。中古携帯の売買にも力を入れており、手ごろな値段で購入できます。
陵園西(陵园西):地下鉄1号線烈士陵園(烈士陵园)駅西側のエリア。烈士陵園路(陵园西路)沿いにたくさんの携帯ショップが並んでいます。また近くの「中華広場(中华广场)」内にも多くの電器店があるので、セットで回ると良いです。
天河崗頂(天河岗顶):地下鉄3号線崗頂(岗顶)駅付近のエリア。主にスマホを中心とした品ぞろえ。特に「総統数碼港(总统数码港)」「百脳匯科技大厦(百脑汇科技大厦)B1F」「天河電脳城(天河电脑城)B1F」がオススメです。
広州のスマホの種類と購入する際の注意点
中国スマホには「行貨(正規品)」と「水貨(密輸入品)」がある
これはスマホに限らず、中国で買い物をする際に、最低限持っていてほしい知識の一つです。
広東省はその地理的特性から香港との結びつきが強く、古くから物や人の行き来がとても盛んです。そのため不正規ルートでの交易も常態化していて、巷には香港からの密輸入品がかなり多く出回っています。そういった商品を「水貨」と呼びます。
これらは運び人によってこっそり中国国内に運び込まれ、正規ルート品(「行貨」)よりも安値で売りさばかれます。行貨に対し水貨には税金が課せられないので、日本円にして数千円から数万円ほど安くなっている場合が殆どです。
ただしこれは言うまでもなく違法行為です。万一壊れたり盗難に遭ったりした際の保証はありませんし、場合によっては偽物をつかまされる恐れもあります。購入にあたってはあくまで自己責任でお願いいたします。
中国での最も安心安全なスマホの入手方法は、やはり正規品の購入です。
通信キャリア各社で直接購入すること、もしくは大手家電量販店や大手通販サイトなど、母体がしっかりとした店舗で購入することを推奨します。
中国スマホには「三網通(三网通)」と「両網通(两网通)」がある
スマホなどの端末機本体と、SIMカードには相性というものがあり、それぞれ合ったものを選ばないと正常に使用できません。これはキャリアごとに回線の通信方式が異なるためです。
中国は国土が広いために、4Gの全国カバー率はまだ完全とは言えず、3Gを利用する場面も多く見受けられます。その際に、例えば使用中のSIMカードが「中国移動」のものならば、端末機もちゃんと中国移動に対応した機種を使用していなければ、動作に支障をきたしてしまいます。
三網通(三网通)
一台で3つすべての3G通信方式に対応できるように設計されています。こういった端末を「三網通(三网通)」(もしくは「全網通(全网通)」)と呼びます。
近年発売されたAndroidスマホは、ほぼすべて「三網通」なので、あまり心配しなくても良いでしょう。iPhoneに関しても、中国版の「行貨」であれば、基本的にすべての3G通信方式に対応しています。両網通(两网通)
中国移動と中国聯通の二つのキャリアだけをカバーするので、「両網通(两网通)」と呼ばれます。
一台で全ての3G通信方式に対応することができない端末となります。このタイプは、香港やアメリカなどから不正に持ち込まれた「水貨」であることが多く、特にiPhoneに多く見られます。したがって値段は三網通よりも安く設定されていますが、中国電信のユーザーの方はSIMカードを差し込んでも正常に作動しませんので、誤って購入することのないよう十分に注意してください。
広州でSIMカードを購入する方法
広州でのSIMカードの購入から実名登録の流れ
- 各キャリアの店舗で店員にSIMカードが欲しい旨を伝える。
- 希望するプランを選ぶ。
- パスポートを提示する。店員が住所など必要事項をPCに登録する。
- 本人確認のため、パスポートのコピー、及び写真撮影を行う。
- 料金を支払う。
- SIMカードを挿入して完了。
2016年10月31日から、中国全土でSIMカード契約の際の実名登録が義務付けられるようになりました。
SIMカードを購入する際は、パスポートとスマホ本体を持って、各キャリアの営業所に行きます。しかし中には外国人には販売をしていない店舗もあるので、その場合はどの店舗に行けば買えるのか、店員に尋ねるようにしてください。
SIMカードのチャージの方法
プリペイド方式の場合、SIMカード内の残額がなくなるとチャージが必要になります。チャージの方法は、大きく分けて三つあります。
1.ネット支払い
WeChatの公式アカウントから払い込み
各社公式アカウントの「充流量充话费」「充值交费」「我要充值」「话费充值」などからチャージ可能。支付宝(アリペイ)、微信支付(WeChatペイ)で支払い
「支付宝」首页(トップページ)→充值中心(チャージセンター)
「WeChat」我(本人)→钱包(ウォレット)→手机充值(Mobile Top Up)
2.コンビニ支払い
現金で支払いたい人にオススメの方法です。レジでスマホを見せながら「電話費(电话费/ディエンホアフェイ)」もしくは「充値(充值/チョンジー)」と言い、お金を渡せばチャージ可能です。
また50~100元ほどで「チャージカード(充值卡)」を購入するのもいいでしょう。
各キャリアに電話をし、音声ガイダンスに従ったのち、最後に「カードに記載されている番号+#」をプッシュするとチャージができる仕組みになっています。
3.自動チャージ機支払い
地下鉄駅構内やコンビニ、キャリア営業所に行くと、「羊城通充值」などと書かれた自動チャージ機が設置してあります。タッチパネルで操作をして、WeChatペイか銀行カードで支払いを行います。
4.キャリア窓口支払い
各社窓口へ出向いて電話番号を伝え、チャージしたい金額を渡してください。
SIMカード購入時の注意点
本体とSIMカードの周波数を合わせて購入する
通信キャリア各社にはそれぞれ通信方式の違いがあり、各スマホにもそれぞれ感知できる周波数に違いがあります。
買ったのに使えなかったなどと言うことのないよう、購入にあたっては、各社販売店のスタッフに十分確認するようにしてください。SIMカードの残高
中国では人口に対して携帯電話番号の数が足りていないので、契約が切れた電話番号はすぐに次の人に割り当てられてしまいます。もしSIMカードに残高がない状態で、3ヶ月ほどたってしまうと、その電話番号は無効となってしまうので注意してください。
またSIMカードの発行の際に、6~8桁のパスワードも同時に発行されるので、きちんと控えておきましょう。この番号は万一スマホや携帯電話を紛失した際に、その電話番号を復活させるために必要となります。SIMカードの解約
他地域への引っ越しや日本へ本帰国される際は、SIMカードも解約しなければなりません。パスポートを持って契約したキャリア各店に赴き、手続きを行ってください。これを怠ると、その後も毎月料金が請求されてしまうので要注意です。
旅行者が中国で電話やネットを利用するには
「中国移動」と「中国聯通」の大手キャリア二社は、従来の旅行者向けプリペイド式SIMカードを廃止した上、6か月未満の短期契約を不可としたので、一時滞在の旅行者などが中国の電話番号を手にすることは大変困難になりました。
旅行や出張などで一時的に中国に滞在される方にとって、現地のSIMカードが容易に手に入らないのは大変不便です。
その場合は、日本にいるうちにAmazonなどで、中国本土兼用の「香港版プリペイド式4G対応型SIMカード」を購入しておくのがオススメです。これをSIMフリーのスマホに差し込み、海外ローミングを使って通信するのです。
この方法のメリットは、実名登録が不要であるだけでなく、中国政府の検閲(金盾)をかいくぐれるという点です。香港の通信回線を使うので、中国国内では閲覧が禁止されているTwitter・Facebook・LINE・Instagram等が、VPN接続を使わずとも利用出来ます。
また通信速度も問題なく、値段も7日間2000円前後と大変リーズナブルです。数日間の滞在でしたら十分でしょう。
まとめ
慣れない土地での買い物は常に不安が付きまといます。複雑すぎてよく分からないという方もいらっしゃるでしょう。
そんな方は、是非中国人のご友人がいればお願いして、携帯ショップまでついてきてもらいましょう。きっと快く同行してくださるはずです。
中国の通信業界は、日本のようにキャリア主導ではなく、多くの場合ユーザーに選択の主導権があります。ですから、どんな端末にどんなSIMカードを組み合わせれば正解なのか、どのキャリアのどのコースがお得なのか、多くの中国人が人並み以上の知識を持っています。とりわけ若者は、一般的に通信機器への関心が高いので、きっと適切なアドバイスをくれることでしょう。
中国では何か迷ったら、遠慮せず身近な中国人の力を借りることです。これこそが中国生活をうまく過ごしていくための最大の秘訣と言えるでしょう。通信環境の充実によって、あなたの中国生活がより一層豊かになることをお祈りしています。