世界で活躍する日本人YouTuber! インタビュー:後編(タイ、台湾)
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世界各地で「日本人YouTuber」が活躍中!
Googleからの動画収益もある一方で、その個人にスポンサーがつく人もいたり、YouTuberは動画制作✕メディアを軸とした新たな職業の形としての認識が広がっています。そんな中、「母国ではなく外国に住む外国人であること」を活かす方もおり、日本人もたくさんいることをご存知ですか?
そこで今回は、「世界で活躍する日本人YouTuber」を前後編に渡ってインタビュー! 前編ではタイ・インド・ベトナムで活躍するみなさんに、きっかけ・おすすめの動画・前後で自身の環境がどう変わったかなどなど、あんな話やこんな話を聞かせていただきました! タイ在住のYouTuber・『でいぜろバンコク』さんの対面インタビュー、今回はその後編。そして台湾から『SAYULOG』さんをご紹介。
https://traveloco.jp/kaigaizine/youtuber-in-world
前編をご覧いただいていない方は、上記リンクよりどうぞ!
『でいぜろバンコク』さん・インタビュー:後編
基本情報
- 拠点:タイ
- 配信者:でいぜろさん(だいじろーさん、よしさん)
- 配信開始日:2017/4/18
- 登録者数(2019年4月17日時点):7.1万人
- URL:https://www.youtube.com/channel/UCIf6Be2vU1ZziTXEBoRczgg
勢いでパンダの被り物をして自分の顔を切りつけた
なにかやりたい、成功したい、そんな葛藤を抱えながらシェアルーム生活を送ることになっただいじろーさんとよしさん。もうくだを巻いているだけじゃいられない! そうだ、動画をやろう! そこで二人が起こした行動とは……。
まず手元にあるものでやってみようとなり、手元のGoPro3とハロウィン用の衣装を使って、パンダの被り物をしながら無言のまま包丁で自分の顔を切りつけるという動画を撮りました
猟奇的がすぎる
すぐ規約に引っかかって削除されました
再生回数も自分が見た1回だけでしたね
……えっ、もしかしてそれがでいぜろバンコク一回目?
いや、そのときチャンネルはまだなくて、だいじろーの個人アカウントでやりました
それからしばらくして『二人のアカウントをつくろう』と、でいぜろバンコクに
「でいぜろ」の名前の由来は……ゲームで使うハンドルネーム
そもそもなんで『でいぜろ』なんですか? ずっと気になってましたけど
昔から僕がゲームで使う名前だったんです。ドラクエとかモンハン(モンスターハンター)とかで。それを聞いたタイ人から『だいじろうじゃ発音しづらいからふだんからでいぜろでいいんじゃない?』『なんだそれ』という会話があったんですけど、インパクトがあってずっと覚えてて。チャンネル名を考えるときによしも「なんでもいいよ」と言うので、じゃあと。『でいぜろバンコク』に決まりました
そうだったんだ……って思ってる人、今これを読んでるタイ在住者に多いだろうなぁ
それからすぐに『機材を買おう!』とFortune(電気街)に行ったけど、その日はどの店も閉まってて
あらら……
『営業時間を確認しよう』とその様子を撮ったものが、でいぜろバンコクの第一回目です
初回が斬新すぎません?
とりあえずやってみるの精神ですね
それからは自分たちの部屋を紹介する1分動画をたくさんつくって……『タイの換気扇ぜんぜん吸わないんだよね』みたいな
数年に溜まりに溜まった鬱憤があったからこその暴れっぷり。もう我慢できん! って感じが伝わります
そうです! 完全に身内ネタなんですけど、自分たちが部屋を撮って公開していること自体がとにかくおもしろくて爆笑して
それから、動画編集に集中するために好きな酒を断って、収益ゼロでも一年くらいは週2~3本のペースで動画をつくりつづけました
あのときは輝いてたね!
そうそう! 『サラリーマンやりたくない』というネガティブなパワーと『成功してぇ』というポジティブなパワーが合わさって、シュバーッ! キラキラキラ~! って感じで。やばいぞやばいぞ、もう成功しないとあとがないぞ! って
「タクシーあるある」「日本人あるある」「スラム街のクリスマス」でヒット! からの独立
購読者数が一日一人伸びてめちゃくちゃ喜んで。そのあとタイタクシーあるあるがFacebookでバズって1300シェアされたりして……
1300!? すごっ
https://www.youtube.com/watch?v=VdQl3upQFAs
タイタクシーあるある。トラブルが起こりがちなタイのタクシーあるあるを、運転手のモノマネをしながら紹介。
タイ人に怒られるかなーと思ってたら、『よくやった!』と予想外に好感触で。以降は一日10~20人のペースで増えていって、そのあとスラム街のクリスマスの動画でまた伸びて、安定して上昇するようになりました
でいぜろの方の更新頻度が下がったら、僕のセカンドチャンネルで『でいぜろ最近怠けてんじゃねぇか』って煽ったりして(笑)
マッチポンプじゃねぇか(笑)
そのあとの『タイの定時の帰り方あるある』が現地のウェブサイトで取り上げられ、このあたりでシャオラー! って感じでよしと同じタイミングで仕事を辞めて、起業してスポンサーを募り、動画で食べていくことにしたんです
東京ばな奈とは比にならない成功体験ですね……!
あれ売上ゼロでしたからね(笑)
2019年の目標は? 目指せ購読者数10万人
今年の目標を聞かせてください!(取材日は年明け直後でした)
前半までに購読者数10万人を目指します! その施策の一環で、タイ語の字幕も付けはじめました
日本人が多いタイとはいえ、タイ人とは母数がぜんぜん違いますもんね
それで、成田空港や、タイ政府観光庁ともコラボレーションしたいです
それから注目が集まれば、『これもできる、あれもできる』と見えてくると思います
きっとそうですね、良い意味で先行きが見えないのがインターネットコンテンツの良いところ
あとはやっぱり、コメディ系の動画を増やしたい。お笑いがとにかく好きだから
そういうことってYouTuberだからだれでもできることではないので、応援してます!
個人的には、きれいな映像を撮りたいです。動画制作がおもしろいと思うようになったので、おふざけの動画だけじゃなく、プロとして映像制作もしたいなと
いいですね、YouTubeからはじまった映像制作キャリア
最後にこれを読む方に伝えたいことがあれば、ぜひ!
嫌なことから逃げろ!
タイ治安悪くないよ!
ありがとうございました!
ありがとうございました!
台湾のYouTuber『SAYULOG』さんにお話を聞く
台湾、現在は台中で活動するさゆりんさん。YouTuberとしてのはじまりのきっかけは意外にも? 「台湾にやってきたYouTuberに誘われた」からという偶然に近いもの。実はたまたま私の個人的な友人で、知り合った当時は台湾にも住んでいなかっただけに、その展開を驚きながら見ていました。中国語を巧みに操り、持ち前の明るさで台湾や日本の文化を紹介しています。
基本情報
- 拠点:台湾
- 配信者:さゆりんさん
- 配信開始日:2017/9/26
- 登録者数(2019年4月17日時点):2.4万
- URL:https://www.youtube.com/channel/UCeZu2CyYn3YbJIkDJu1Tdtw
ーはじめたきっかけは?
「とある日本のYouTuberさんが、台湾にいらっしゃる際に現地アテンドをさせていただいたことがきっかけです。『さゆりんもYouTubeやったらええやん』の一言から、自分でYouTubeを観て動画編集を学び、勘と気合いだけで開始しました。最初はワークアウトやダイエット系の動画をアップしていたものの、せっかく台湾にいるので『台湾やこれまでの海外生活の経験や失敗談を生かしたテーマで発信してみよう』と思い、今のスタイルに落ち着いています。」
開始当初配信していた、ワークアウト系の動画。
ーおすすめの動画を教えてください
「台湾旅行前に知っておくと、現地で役立つ(かもしれない?)8つのTipsを現地在住日本人目線でまとめた動画です。」
「高雄という南部の街で、『地元の人ならみんな答えられる』という噂の質問を街頭検証してきました!」
「台湾人にとってレモンは緑、ライムは黄色!? 台湾に来てから私が感じたカルチャーショックを検証するため街頭インタビューした動画です。」
ーコツやノウハウ、ポリシーなどがあれば教えてください。
「日本語、中国語、それぞれが母語の方に同じ動画を楽しんでいただけるようにしたいと思い、なるべく日中どちらも字幕をつけるようにしています。不定期に開催しているYouTubeライブでも同じで、日本語と中国語を交互に話すなどの工夫を取り入れています。また、捉え方によってはネガティブに受け取れる情報も、それぞれの文化背景に触れてお互いを理解し、受け入れやすくなる発信を心がけています。」
ーYouTubeをはじめてよかったなと思うことは何ですか?
「『ここに行ってみよう!』『紹介されていたTipsが役立った!』など、動画で発信したことがきっかけで、日本(台湾人が)や台湾(日本人が)、海外に興味を持ったというコメントをいただいたときが『YouTubeをはじめて本当によかったな』と思う瞬間です。」
世界の端から端まで母語で教えてくれるYouTuber
前編から、タイ、インド、ベトナム、台湾、4拠点で活動するYouTuberの方を取材してきました。
それぞれのきっかけは、成功への渇望だったり、国の魅力を伝えたかったり、自分の学習の記録だったり、先輩YouTuberからのお誘いだったり……実にさまざま。それでも活動をつづけていく中で、たくさんの人に動画を見てほしいと、自分に何ができるのか、自分は何がおもしろいのか、ご自身のアイデンティティを掘り下げていく姿勢は共通していたように思います。
動画は文章や写真以上に情報量が多く、とくに行ったことがなく想像が及ばない場所であるほど大きな価値があると感じています。海外に住む日本人、のみならず、その国に住む外国人は母国に向かって母語で情報を発信できる。世界のどこでも映像を通して分かる時代が、近いうちにやってくるかもしれません。
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