海外のビーチリゾートまとめ:海だけがビーチじゃない? 川に湖、豊富な水場はどこでもビーチ。

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2018年7月は『海外のビーチリゾート』にまつわる話をお届けしました。ドイツ、ミャンマー、韓国、アフリカ(ザンジバル)、タイ、イタリア、各国の文化を通して見えてくる価値観はなに? 振り返ります。

日本は海に囲まれた海洋国家。交通機関も発達した現代では「海に行こうと思えば行ける」という感覚が当たり前ですが、世界には48の内陸国があるそうです。そうでなくても、首都などの人口密集地域から海まで遠かったり、海に面している面積自体が極わずかということも珍しくありません。が、本能的に人は豊富な水を求めるのか? それならそれで、ミャンマーでは川に、ドイツでは湖に、といったように淡水浴も人気のようです。当然海水より浮力は落ちる訳ですが、それでも適応していく逞しさ(当人たちには当たり前ですが)。イタリアでは泳ぐよりも日焼けすることが大事だったり、海の「機能」もさまざま。

 

ドイツにだって北に行けば海がある、だけど定番ビーチリゾートは「湖」水浴

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ライター:久保田由希

日本で紹介されるドイツの観光写真は、山の頂にそびえ立つお城だったり、童話の世界に誘い込むような中世の街だったり。海辺の光景を見る機会は、ほとんどないのではないかと思います。実際のところドイツは9ヵ国と国境を接しているので、周囲はほぼ陸地ともいえます。ですが、ドイツにも海辺はあるのです。

北ドイツの海辺は風が強いことで有名です。そのために「シュトラントコルプ」という、ビーチ用チェアが発明されました。籐で編んだ屋根付きのベンチは、北ドイツビーチリゾートのシンボル

答えは湖です。湖は各地にあるので、そこで湖水浴をしています。むしろ海水浴よりも、手軽な湖水浴のほうがドイツでは主流といっていいかもしれません。湖水浴では対岸の森が見えたり、すぐそばでカモやアヒルが一緒に泳いでいたりもします。

バルト海側のシュトラントコルプ

 

ミャンマー庶民に「偽ビーチ」が大人気! 遠くのリゾートより近くの川辺

https://traveloco.jp/kaigaizine/beachresort-myanmar

ライター:板坂真季

こちらはチャウンタービーチ沖合いにあるテピュー島。チャウンターから日帰りで訪れる人気の無人島で、島の真ん中に小さなパゴダがああります。ミャンマーでは、たいていのビーチないしはその沖合いの島や岩にパゴダがあるのがお約束なのです。

同じく「東南アジアビーチあるある」なのが、白馬に縞模様を描いた「人工シマウマ」。ビーチで馬に乗るアトラクションというのはまぁわかるとして、なぜ白い馬をわざわざシマウマに改造する必要があるのでしょうか。それの何が楽しいのか。理由を知っている人がいたら、ぜひ教えていただきたいです。

ちょっと引いて見るとわかりますが、ここは海ではなく川。ミャンマーの内陸部には海はありませんが大河ならある。「そうだ、川岸をビーチにみたてて海の家やビーチチェアとか置けば、雰囲気出るんじゃね?」という発想のもとに生まれたのがチャウンターの偽物「偽チャウンター」なのです。

ミャンマーでは、たいていのビーチないしはその沖合いの島や岩にパゴダがあるのがお約束なのです。

 

韓国のビーチリゾートは三方三色、それぞれの魅力と由緒

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ライター:吉村剛史

ちなみに韓国のビーチでは、水着の上からTシャツを着て海に入る人をよく見かけます。人前で裸を見せない儒教的な考えが影響しているのか、日焼けを避けたり、体のラインを気にする美容的な理由からかもしれません。

「韓国で最も有名な海水浴場はどこか」と韓国の人に尋ねたら、ほとんどは韓国第2の都市・釜山の「海雲台(해운대、ヘウンデ)」と答えるでしょう。釜山の代表的な観光地でもあり、夏のレジャーシーズンとなれば、国内はもちろん、海外からも観光客がやってきます。

済州島といえば、かつては韓国の新婚旅行先でした。経済発展を遂げた今は行き先に海外が増えたため、新婚旅行で行く人は少ないですが、それでも韓国屈指のリゾート地といえばココ。

崔致遠が「南方で景色が抜きんでている」と評した「南逸台(남일대、ナミルデ)」

 

アフリカ最高のビーチリゾート・ザンジバル、観光客と住人が織り成すふしぎな空間

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ライター:タケダノリヒロ

そんなザンジバル、いまではすっかり人気の観光地となっています。特に有名な場所と言えば、インターネットや雑誌の「世界の絶景レストラン」特集でもよく紹介されている、海に囲まれたレストラン「ザ・ロック(The Rock)」

お店の周辺では、青い海とのコントラストが見事な赤い布をまとったマサイ族の男性が警備をしていましたが、彼らはその視力や反射神経を活かして、警備の仕事に就くことが多いのだそうです。さすが猛獣退治や放牧をなりわいにしてきた民族。

ちなみに、イギリスの伝説的ロックバンド「クイーン」のボーカル、フレディ・マーキュリーもこのストーンタウンの出身で、生家は「マーキュリー・ハウス(Mercury House)」として観光スポットになっています(当時ザンジバルはイギリス領、両親はペルシャ系インド人。1964年のザンジバル革命時にイングランドに移住)。

浜辺で出会ったマサイ族の警備員とThe Rock外観。

 

パタヤは海ではなくプールがおすすめ! レジャーとグルメの必読まとめ

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ライター:高田胤臣/ずんこ

タイでビーチリゾートというと、世界的にはプーケットが有名で、スキューバダイビングを嗜む人たちにはサムイ島などの離島が人気でしょう。2000年にはレオナルド・ディカプリオ主演の映画「ザ・ビーチ」の舞台となり、タイのビーチがより注目されたこともあります。

しかし、パタヤは近年は特に――いや、昔からそうですが、市街地の繁華街化が激しく、家族連れには行きづらくなってきています。バーやナイトクラブが多数あり、昼間から際どい服装の女性が外国人男性と街を歩いているなど、小さな子どもには見せにくい光景があるのです。

パタヤは10~20年前と比較すると格段に海の色がきれいになりました。それでも、プーケットやサムイと比べればまだまだ。沖のラン島に行けばそれなりにきれいですが、もし多少時間があるのであれば、パタヤからさらに東にあるサメット島に足を運んでみてください。

タイの海は比較的穏やかで、のんびりと過ごせるのが魅力。

 

透明な地中海のビーチリゾート! それでも泳がず日焼けに励むイタリア人

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ライター:鈴木圭

イタリア人が夏休みの話をする時に「今年はどこに行くの?」と聞いたら、それは「どこの海に行くの?」という意味だったりするほど、夏休みは海で過ごすという人の割合は多いのです。

夏休みの旅行と聞くといくつかの観光地を回るスタイルを想像する人も多いかもしれませんが、イタリアでは(海のバカンスは特に)滞在型が一般的なスタイル。夏休みの期間に合わせてカーザ・バカンツァ(Casa Vacanza:バカンスの家)と呼ばれるアパートを借り、毎日のんびりと海辺で過ごすのです。

イタリア人がこんなに日焼けに情熱を燃やすのは、日に焼けた肌は美しく魅力的という感覚があるから。確かに、バッチリ日焼けしていたほうが、なんとなく夏を楽しんでいそうなイメージはありますよね。こうした理由もあってか、特に自分を美しく見せたい人、おしゃれに気を使う人ほど日焼けにこだわる傾向にあるような気がします。

海に行っても、浜辺で寝転んでいる時間のほうが圧倒的に長い

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この記事を書いた人

ネルソン水嶋

ネルソン水嶋

ブロガー、ライター、編集者。2011年のベトナム移住をきっかけにはじめた現地生活を綴るブログ『べとまる』から『ライブドアブログ奨学金』『デイリーポータルZ新人賞』などを受賞を契機に、ライターに。2017年11月の立ち上げから2019年12月末まで、海外ZINEの編集長を務める。/べとまるTwitterFacebooknote

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